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Ωの誤算。
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「痛い痛い痛いっ!痛いからぁっ!!
誰か助けてっ!!コイツを俺から退かしてっ!!!」
項を噛まれ、完全にパニックに陥った洋一は
未だに自分の項に噛みついているαを背中に乗っけたまま
泣きながら店内の床を引っ掻き、逃げようとのたうつ
「洋一っ!くっそお前っ!洋一から離れろよっ!!
そこへようやく洋一の傍へと駆けつけた浩介が
洋一の背中に張り付いているαの肩を強く掴み
洋一から引き離そうとするが――
「があ”っ!邪魔をするな”ぁっ!!」
「ッ!」
αの威圧するような叫び声に浩介が一瞬怯む
αはβを威圧する事で完全では無いにしろ“従えさせる”能力があり
それゆえβはαに威圧されると本能的に“従わねば”と思ってしまい
大半のβはαに威圧されると逆らう気すら起きなくなるらしい…
しかし浩介はそんなαの一言を跳ねのけ
洋一の上に乗っかっているαを引き剥がすと
床に押さえつけながら洋一に向かって心配そうに声を掛けた
「洋一…大丈夫か…?」
「う”ぅう…だいじょぶじゃないっ!スッゲー痛いよぉ…っ、」
洋一は項を押えながらがら浩介にそう答える
すると今まで固まっていたΩ女が凄い剣幕で洋一たちの方に詰め寄ってきた
「ちょっとっ!なんて事してくれてんのよっ!!
ソコの冴えないそいつ…Ωなのっ!?
ああもうっ!そいつのせいで私の計画は台無しじゃないっ!!
どうしてくれんのよっ!?」
一人ヒステリックに喚(わめ)き散らすΩ女に
未だに呻き声を上げながら暴れるαを押えつけながら、浩介が吐き捨てる
「知るかよ、そんなの!
それよりもマスター!早くそこのΩ、店内から連れ出して!
そいつのフェロモンのせいでこのα、何時まで経っても大人しくなんねーからっ!」
浩介の言葉にハッとしたマスターはカウンターからΩ女性に近寄ると
嫌がるΩ女性を引き連れてドアに向かって歩いて行く
「ちょっと、離してよっ!痛いじゃないっ!!」
「――貴女…もうウチの店には来ないで下さい。」
「はあっ?!何でよっ!」
「Ωが故意に不特定多数の人が集まる場所で発情フェロモンを撒き散らすのは
刑法違反です。
――ご存じですよね?」
マスターのこの言葉に強気だったΩ女性が狼狽え始める
「べっ…別に故意なんかじゃ――」
「…貴女――あのα男性に向かってこう仰いましたよね?
『鬼生道財閥の御曹司さん』――と…
それはつまり貴女はあの男性が最初から誰か知ってたという事…」
「――っ、そ、れは…」
「警察に突きだされないだけマシと思って下さい。それではお引き取りを。」
マスターはドアを開けΩ女性を外へと突きだすと
そのまま静かに店のドアを閉める
それと同時に浩介が呆れたように呟いた
「洋一がΩなわけあるかっつーの…
大体洋一がΩだったらコイツが洋一の項噛んだ時点で大人しくなってなきゃ
オカシイだろーが…」
Ωなのにそんな事も分かんねーのかよ…と
浩介は出て行ったΩ女性に内心毒づき
未だにΩのフェロモンに中てられ、暴れている男性を押えつけながら
大きな溜息を突いた…
誰か助けてっ!!コイツを俺から退かしてっ!!!」
項を噛まれ、完全にパニックに陥った洋一は
未だに自分の項に噛みついているαを背中に乗っけたまま
泣きながら店内の床を引っ掻き、逃げようとのたうつ
「洋一っ!くっそお前っ!洋一から離れろよっ!!
そこへようやく洋一の傍へと駆けつけた浩介が
洋一の背中に張り付いているαの肩を強く掴み
洋一から引き離そうとするが――
「があ”っ!邪魔をするな”ぁっ!!」
「ッ!」
αの威圧するような叫び声に浩介が一瞬怯む
αはβを威圧する事で完全では無いにしろ“従えさせる”能力があり
それゆえβはαに威圧されると本能的に“従わねば”と思ってしまい
大半のβはαに威圧されると逆らう気すら起きなくなるらしい…
しかし浩介はそんなαの一言を跳ねのけ
洋一の上に乗っかっているαを引き剥がすと
床に押さえつけながら洋一に向かって心配そうに声を掛けた
「洋一…大丈夫か…?」
「う”ぅう…だいじょぶじゃないっ!スッゲー痛いよぉ…っ、」
洋一は項を押えながらがら浩介にそう答える
すると今まで固まっていたΩ女が凄い剣幕で洋一たちの方に詰め寄ってきた
「ちょっとっ!なんて事してくれてんのよっ!!
ソコの冴えないそいつ…Ωなのっ!?
ああもうっ!そいつのせいで私の計画は台無しじゃないっ!!
どうしてくれんのよっ!?」
一人ヒステリックに喚(わめ)き散らすΩ女に
未だに呻き声を上げながら暴れるαを押えつけながら、浩介が吐き捨てる
「知るかよ、そんなの!
それよりもマスター!早くそこのΩ、店内から連れ出して!
そいつのフェロモンのせいでこのα、何時まで経っても大人しくなんねーからっ!」
浩介の言葉にハッとしたマスターはカウンターからΩ女性に近寄ると
嫌がるΩ女性を引き連れてドアに向かって歩いて行く
「ちょっと、離してよっ!痛いじゃないっ!!」
「――貴女…もうウチの店には来ないで下さい。」
「はあっ?!何でよっ!」
「Ωが故意に不特定多数の人が集まる場所で発情フェロモンを撒き散らすのは
刑法違反です。
――ご存じですよね?」
マスターのこの言葉に強気だったΩ女性が狼狽え始める
「べっ…別に故意なんかじゃ――」
「…貴女――あのα男性に向かってこう仰いましたよね?
『鬼生道財閥の御曹司さん』――と…
それはつまり貴女はあの男性が最初から誰か知ってたという事…」
「――っ、そ、れは…」
「警察に突きだされないだけマシと思って下さい。それではお引き取りを。」
マスターはドアを開けΩ女性を外へと突きだすと
そのまま静かに店のドアを閉める
それと同時に浩介が呆れたように呟いた
「洋一がΩなわけあるかっつーの…
大体洋一がΩだったらコイツが洋一の項噛んだ時点で大人しくなってなきゃ
オカシイだろーが…」
Ωなのにそんな事も分かんねーのかよ…と
浩介は出て行ったΩ女性に内心毒づき
未だにΩのフェロモンに中てられ、暴れている男性を押えつけながら
大きな溜息を突いた…
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