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違和感。
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数分が経ち、リビングのインターホンが鳴ったので洋一がソレにでると
インターホンの画面には不安げな表情で玄関前に立つ浩介の姿が映しだされ――
「…浩介?」
『洋一っ?!お前無事なんだなっ?!』
「何の話…?待ってて。今、玄関開けるから――」
洋一の声を聞き、さっきまで不安そうだった浩介の表情が
画面越しでも分かる位にホッとしたものへと変わり
洋一は戸惑いながらも玄関へと向かい、そのドアを開ける
すると浩介が洋一の姿を確認するや否や
安堵の表情を浮かべながらいきなり洋一に抱きついてきて――
「ッ!ちょっと浩介何っ?!いきなりどうしたのっ?!?!」
「洋一…!何だよ…全然平気そうじゃんっ!バカ親父…っ!
お前も無事なら無事ってちゃんと連絡しろよっ!!
昨日俺がどれだけお前の事を心配したと思って――」
浩介が洋一の事を強く抱きしめながらスン…と洋一の匂いを嗅いだその時
「…?ナンダコレ??」
浩介が洋一から“違和感”を感じとり
その身体を離して、洋一の両肩を掴んだままマジマジと洋一の事を見つめる…
「な…なに…?」
「洋一…お前なんか――…んんん…?」
浩介が首を傾げ、顔を顰めながら
洋一から感じる“違和感”に気持ち悪さを感じ
浩介が訝(いぶか)しがりながら何度も何度も洋一の事を上から下まで見つめ
それに耐えきれなくなった洋一が
困ったような表情を浮かべながら思わず浩介に話を切り出す
「と、兎に角さ!此処じゃなんだからリビングの方に行こうよ。ね?
俺、コーヒー用意するから…」
「あ…?ああそうだな!俺も積もる話があるし…」
浩介は洋一から感じる“違和感”に内心ゾワゾワし
気になって仕方なかったが
こんな玄関先で悩んでいても仕方ない…と
洋一に言われるがまま
浩介は浮かない顔をしながら洋一の後に続いてリビングへと向かう
「ミルクと砂糖は?」
「ミルクいる。砂糖いらない。」
「じゃあそこのソファーで座って待ってて。」
「ん。」
浩介は促されるまま、リビングに置いてあるベッドに出来そうなほど広く
高そうなソファーに腰を下ろす
「しっかしスゲー所に住んでるんだなぁ~!」
浩介が両手を広げ、ソファーの背もたれに寄り掛かりながら高い天井を見つめ
感嘆の声を上げる
「ね。俺も始め此処に着いた時はビックリしちゃったよw
はい、コーヒー。」
「ん、あんがと。」
洋一が浩介にコーヒーを渡しながら浩介からちょっと離れた隣に腰を下ろし
浩介が洋一から渡されたコーヒーを辺りをキョロキョロと見回しながら
一口啜る
「あちっ、」
「大丈夫?wそれにしてもよく此処が分かったね。
浩介にはまだ教えてなかったのに…」
「ん?ああ…まあな、俺にも色々とそのての伝(つて)が――って…
それよりも昨日だよ!何で電話に出なかった?!メールも何回も送ったのに…」
「うっ…それは――」
洋一が昨日の事を思いだし、口籠る
「昨日親父から珍しく電話があってさぁ…何事かと思って出てみたら
『浩介か?何かの間違いかもしれないんだが――
お前、洋一君が鬼生道家の御曹司の秘書になったって言ってただろ?』
って聞いてきて、その後に
『今、横山さん主催のパーティーに出席してるんだが――
鬼生道家の御曹司殿が「皆瀬がいない!」ってホールで騒いだ後に
慌ててホールから出て行ってな…
コレが洋一君の事なら私も気になって…お前達高校時代からの親友だっただろ?
何か聞いて無いか?洋一君から…
それにしても――主催の横山富蔵氏まで居なくなるなんて…
一体どうなっているんだか…』
とか俺に聞いといて電話勝手に切りやがるしっ、あのクソ親父…っ!」
「え…浩介のお父さんも昨日パーティーに来てたの?」
「らしいな。
知ってると思うけど俺の親父、某アパレルメーカーの専務してて
昨日も出席出来ない社長の代わりにパーティーに出たんだと。」
「へぇ~…」
「それよりもだ!
横山富蔵って言ったら横山商事の社長だろっ?!
コイツこの間、俺が後輩と二人で営業に行ったら
後輩にセクハラ発言しまくって怯えさせるわ
後輩庇ったら今度は拗ねながら俺のケツ触って来るわでもう散々で…
聞けばあの界隈では有名な男好きって言う話じゃねーかっ!
そんなヤツと一緒にお前まで居なくなったって親父から聞いて
“まさかっ!”と思ってな…」
「…ぅ…ッ、」
浩介の口から出た横山の名前を聞き、洋一の顔色がどんどんと悪くなる…
「そんで俺、お前の事が心配になって昨日お前に電話しまくったのに
お前は電話にでねーしメールも返ってこねーしでホントもう…
でもまあ…お前が無事ならそれで――って…どうしたっ?!洋一??」
「…ッ、ごめ…浩介…っ、ちょっと気分が…、」
洋一は昨日横山からされた仕打ちを思いだし
顔を真っ青にしながら口に手を当て、その身体は小刻みに震えだす…
「大丈夫か?洋一…
お前昨日やっぱり何か――」
浩介が身体を震わせながら怯えたように蹲り始めた洋一を心配し
その背中を擦ろうとしたその時
「ッ!?」
洋一の服の隙間から、襟首が赤黒く変色しているのが見え――
「洋一…お前まさか…」
浩介が顔を顰め、赤黒く変色している部分に触れようと手を伸ばす
そこに――
「…洋…一…?」
浩介と洋一…二人しかいないハズのリビングに突然第三者の声が静かに響き
その声を聞いた瞬間洋一はその目を見開き
俯いていたその顔をゆっくりと上げる…
―――え…うそでしょ…?なんで――
そしてリビングの入口に立つ人物を見た瞬間
洋一が口に手を当て、驚きを隠せないまま呟いた…
「なんで…キミが此処にいるの…?
要…」
インターホンの画面には不安げな表情で玄関前に立つ浩介の姿が映しだされ――
「…浩介?」
『洋一っ?!お前無事なんだなっ?!』
「何の話…?待ってて。今、玄関開けるから――」
洋一の声を聞き、さっきまで不安そうだった浩介の表情が
画面越しでも分かる位にホッとしたものへと変わり
洋一は戸惑いながらも玄関へと向かい、そのドアを開ける
すると浩介が洋一の姿を確認するや否や
安堵の表情を浮かべながらいきなり洋一に抱きついてきて――
「ッ!ちょっと浩介何っ?!いきなりどうしたのっ?!?!」
「洋一…!何だよ…全然平気そうじゃんっ!バカ親父…っ!
お前も無事なら無事ってちゃんと連絡しろよっ!!
昨日俺がどれだけお前の事を心配したと思って――」
浩介が洋一の事を強く抱きしめながらスン…と洋一の匂いを嗅いだその時
「…?ナンダコレ??」
浩介が洋一から“違和感”を感じとり
その身体を離して、洋一の両肩を掴んだままマジマジと洋一の事を見つめる…
「な…なに…?」
「洋一…お前なんか――…んんん…?」
浩介が首を傾げ、顔を顰めながら
洋一から感じる“違和感”に気持ち悪さを感じ
浩介が訝(いぶか)しがりながら何度も何度も洋一の事を上から下まで見つめ
それに耐えきれなくなった洋一が
困ったような表情を浮かべながら思わず浩介に話を切り出す
「と、兎に角さ!此処じゃなんだからリビングの方に行こうよ。ね?
俺、コーヒー用意するから…」
「あ…?ああそうだな!俺も積もる話があるし…」
浩介は洋一から感じる“違和感”に内心ゾワゾワし
気になって仕方なかったが
こんな玄関先で悩んでいても仕方ない…と
洋一に言われるがまま
浩介は浮かない顔をしながら洋一の後に続いてリビングへと向かう
「ミルクと砂糖は?」
「ミルクいる。砂糖いらない。」
「じゃあそこのソファーで座って待ってて。」
「ん。」
浩介は促されるまま、リビングに置いてあるベッドに出来そうなほど広く
高そうなソファーに腰を下ろす
「しっかしスゲー所に住んでるんだなぁ~!」
浩介が両手を広げ、ソファーの背もたれに寄り掛かりながら高い天井を見つめ
感嘆の声を上げる
「ね。俺も始め此処に着いた時はビックリしちゃったよw
はい、コーヒー。」
「ん、あんがと。」
洋一が浩介にコーヒーを渡しながら浩介からちょっと離れた隣に腰を下ろし
浩介が洋一から渡されたコーヒーを辺りをキョロキョロと見回しながら
一口啜る
「あちっ、」
「大丈夫?wそれにしてもよく此処が分かったね。
浩介にはまだ教えてなかったのに…」
「ん?ああ…まあな、俺にも色々とそのての伝(つて)が――って…
それよりも昨日だよ!何で電話に出なかった?!メールも何回も送ったのに…」
「うっ…それは――」
洋一が昨日の事を思いだし、口籠る
「昨日親父から珍しく電話があってさぁ…何事かと思って出てみたら
『浩介か?何かの間違いかもしれないんだが――
お前、洋一君が鬼生道家の御曹司の秘書になったって言ってただろ?』
って聞いてきて、その後に
『今、横山さん主催のパーティーに出席してるんだが――
鬼生道家の御曹司殿が「皆瀬がいない!」ってホールで騒いだ後に
慌ててホールから出て行ってな…
コレが洋一君の事なら私も気になって…お前達高校時代からの親友だっただろ?
何か聞いて無いか?洋一君から…
それにしても――主催の横山富蔵氏まで居なくなるなんて…
一体どうなっているんだか…』
とか俺に聞いといて電話勝手に切りやがるしっ、あのクソ親父…っ!」
「え…浩介のお父さんも昨日パーティーに来てたの?」
「らしいな。
知ってると思うけど俺の親父、某アパレルメーカーの専務してて
昨日も出席出来ない社長の代わりにパーティーに出たんだと。」
「へぇ~…」
「それよりもだ!
横山富蔵って言ったら横山商事の社長だろっ?!
コイツこの間、俺が後輩と二人で営業に行ったら
後輩にセクハラ発言しまくって怯えさせるわ
後輩庇ったら今度は拗ねながら俺のケツ触って来るわでもう散々で…
聞けばあの界隈では有名な男好きって言う話じゃねーかっ!
そんなヤツと一緒にお前まで居なくなったって親父から聞いて
“まさかっ!”と思ってな…」
「…ぅ…ッ、」
浩介の口から出た横山の名前を聞き、洋一の顔色がどんどんと悪くなる…
「そんで俺、お前の事が心配になって昨日お前に電話しまくったのに
お前は電話にでねーしメールも返ってこねーしでホントもう…
でもまあ…お前が無事ならそれで――って…どうしたっ?!洋一??」
「…ッ、ごめ…浩介…っ、ちょっと気分が…、」
洋一は昨日横山からされた仕打ちを思いだし
顔を真っ青にしながら口に手を当て、その身体は小刻みに震えだす…
「大丈夫か?洋一…
お前昨日やっぱり何か――」
浩介が身体を震わせながら怯えたように蹲り始めた洋一を心配し
その背中を擦ろうとしたその時
「ッ!?」
洋一の服の隙間から、襟首が赤黒く変色しているのが見え――
「洋一…お前まさか…」
浩介が顔を顰め、赤黒く変色している部分に触れようと手を伸ばす
そこに――
「…洋…一…?」
浩介と洋一…二人しかいないハズのリビングに突然第三者の声が静かに響き
その声を聞いた瞬間洋一はその目を見開き
俯いていたその顔をゆっくりと上げる…
―――え…うそでしょ…?なんで――
そしてリビングの入口に立つ人物を見た瞬間
洋一が口に手を当て、驚きを隠せないまま呟いた…
「なんで…キミが此処にいるの…?
要…」
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