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団長 × アミル
待てない、止まれない ★
しおりを挟む下準備だけで何度も達してしまった僕は丁寧に解そうとする団長を止めてもう入れてほしいとお願いする。
これ以上はもう辛すぎるし、団長が引いてしまいそうだと思った。
興奮に満ちた目に心配が混ざってきている。
「もう団長のが欲しくてたまらないんです」
お願いですからと見上げると団長の喉がごくりと鳴った。
香油で解された場所に団長の熱いモノが入ってくる。
ゆっくりと進められる熱が完全に埋められる前にアミルのペニスからは白い物が散った。
「ああんっ!」
達した瞬間、団長のモノが奥に届いた。
入れただけで達した僕を見下ろす団長の視線に脳が融けたように何も考えられなくなっていく。
「あっ、団長のっ、気持ち良いっ」
熱くて硬いモノが中で脈打っている。
眉を寄せる団長の瞳は怖いくらいの欲望を露にアミルを見つめていた。
注がれる視線に僕の身体は勝手に団長を締め上げる。
「ああっ!」
またとぷりと白いものが零れた。団長が苦しそうに顔を歪める。
「アミル、ちょっと待てっ……、くぅっ!」
「あ、あ、あ、ダメっ!」
快感混じりの声と表情にアミルの身体は快感が止まらない。
三度達して団長のモノを強く締め付けてしまう。
ダメだと思うほどに気持ち良さを拾い上げ、快楽に溺れていく。
動いてもいない団長を咥え込み締め付けて何度も高みに昇る。
「団長ぉ……、団長のが、気持ち良過ぎて……っ」
太くて、熱くて、締め付けるほどに快感が生まれる。
譫言のように呟き団長を見上げる。
逞しい身体に汗を浮かべて苦悶の表情を浮かべる団長はすごく色っぽい。
「アミル……」
掠れた声で名前を呼ばれて頬をするりと撫でられた瞬間ぎゅうっと内壁が収縮して中に熱い物が放たれた。
目をぎゅっと瞑り熱い飛沫の感触に堪える。
動きもせずに射精してしまうほど締め付けてしまい団長の反応が気になって瞑っていた目をそっと開ける。
「だんちょう……、ごめんなさい」
「何故謝るんだ?」
「だって、僕が締めすぎたから……」
途中で待てって言われたのに止まれなかった。
自分ひとりで気持ち良くなっちゃったみたいで申し訳ないと考えいているアミルとは裏腹に団長は困ったように眉を下げ笑った。
「ああ、良過ぎて困った」
「え?」
「お前の中が気持ち良過ぎるって言ったんだ」
頬を撫で口づけを落とされる。
恋人のような仕草に幸せが広がっていく。
「俺のものを気持ち良いと言って締め付けて悦ぶなんて、本当に煽ってくれるな」
「あ、そんな……っ」
嬉しそうな団長の顔を見ただけでまた僕の中は勝手に団長を締め付けてしまう。
僕の中に入ったままペニスは硬さを取り戻し団長が腰を動かし始める。
団長のペニスは太くて大きいのに、中に吐き出した精が香油と混ざり更にぐちゅぐちゅと音を立て、進むのを助けた。奥を突かれて歓声を上げる。
「ああっ、団長っ!」
首を振って良すぎると快感を訴える。
腰を引かれて入口から奥までをゆっくりと止まらずに貫かれた。
奥まで届いた時に団長の硬い腹筋に自分のペニスが擦れてしまってアミルはまた達する。
「はあっ、は……っ」
「アミル、大丈夫か?
うっ、ちょっと待てっ!」
心配そうに僕を見る視線にすら感じて団長を締め付けてしまう。
その夜、アミルは団長が心配するほど繰り返し達し、終わった頃には指一本も動けなくなっていた。
横たわるアミルの頭を撫でる手に眠気が襲う。
ぼんやり見上げる団長の顔は喜びや幸せといった感情を浮かべているように見えて、胸が甘い痛みに疼いた。
「団長、どうして僕を抱いてくれたんですか?」
今なら聞いてもいいのではないかと口を突いた問いに団長は驚いた顔をして、少し強めに頭を撫でた。
「なんだ、俺が性欲処理でお前を抱いたとでも思ってるのか?」
「違い、ますけど……」
団長から感じる空気はそんな乾いてひやりとする気配じゃない。暖かくて、柔らかい、心地よい空気だ。
だから、戸惑うのはおかしいだろうか。
そんな感情を向けてもらえる人間ではないと身体を繋げたばかりの今も思うのに。
「アミル、お前は俺が好きか?」
「はい」
はっきりと肯定する。
最初は、憧れだった。
誰もが理想として掲げるほど強く、温かみのある人柄に惹かれるのはごく自然なことで。
傷を負ってもそれを隠し自身の体質を受け入れそれでも強くあり続ける団長に、微かでもいい支えになりたいと願った。
もっと側に行きたくて重ねた努力を見ていて細やかに助言をしたり褒めてくれることが嬉しくて。
まだまだそこまで辿り着けない未熟な自分に悔しさを感じることも多いけれど、それははっきり目標が見えているからだった。
仰ぎ見るのではなく、側に行きたい。
「だったら俺がお前を好きでもおかしくないだろう」
眉を寄せるアミルに団長が宥めるような笑みを浮かべた。
「一心に慕われて悪い気がしないのは当然だろう」
でも、団長を慕っている人は大勢いる。アミルと同じ意味ではなくても。
慕っているからというのは理由になるんだろうか。
団長の大きな手が頭から離れ、アミルの手を取る。
「真剣に身を案じてくれる相手を大切に想うのはおかしなことか?」
持ち上げられた手にキスを落とされる。
そこがブラッディホークに傷を付けられた場所だと理解すると同時に胸を熱が襲う。
「ダークアウルの時もブラッディホークの時も俺を案じ、身を挺して庇ってくれまでした相手を特別に想うのは自然なことだろう?」
「そ、んな……ことで?」
「大切なことだろ。
俺たちは常に危険と隣り合わせの任務に就いているが、それでも身を案じられたら嬉しいし無事に戻ろうという原動力になる。
それが共に戦える相手であるなら尚更だ」
それに、と言葉を切った団長の目が悪戯な光を宿す。
「あんなに可愛らしく俺を欲しがる姿を見せられたら我慢なんてできない」
赤くなっているだろう頬に口づけられて瞳が潤む。
「好きです、団長……」
「うん、知ってる」
唇に降りる優しいキスに涙が零れる。
繰り返されるキスの合間に何度も好きと伝える。頭を撫でる手と優しく触れ、食むキスにようやく好きだという言葉が胸の奥に届いた。
嬉しさに唇が震え、また涙を零す。
声も無く泣く僕を団長はずっと抱きしめ背中を撫でてくれた。
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