グランディス・クロニクル

sansa

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一章

異世界生活の始まり

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「コウサク。私は下の村に行ってくる」
「はい、師匠。じゃあ俺は本を読んで、瞑想しておきます」
「ああ。結界は施したとはいえ、何かあれば地下に逃げな」
「わかりました。師匠」
 そう言って耕作は、絹衣を纏い槍を持ったスザーカが家から出るのを見送った。
 耕作がスザーカに助けられて早一週間が経っていた。あれから耕作は、すぐに熱を出し身体が動かなくなって寝込んだ。スザーカは、耕作の身体の依り代が原因だと耕作に説明した。
 耕作の身体は古龍骸角と呼ばれる超上級竜種の角で出来ており、その角は魔力を吸収して身体を維持している。つまることろ、耕作の身体は電力で動く人形のようなもので常に電力を消費し続けている。魔力の存在しない世界から召喚されてしまった耕作は、まだその魔力を吸収する感覚がないのだ。電気たる魔力を充電できず、魂と身体の適合も慣れるまで時間がかかる。むしろ召喚されて早々に動ける方がおかしいとスザーカは不思議がっていた。
 寝込んでいる間、スザーカは耕作を甲斐甲斐しく看病した。体を濡れた布で拭くときは流石に耕作も遠慮したが、食事や飲み水、そしてこの世界はどんな世界で、何故召喚されたかを子守歌のように彼は聞いた。
「異世界グランディス…」
 耕作は、ベッドの上で本を広げながらそう呟いた。
 異世界グランディス。
 スザーカにとっては異世界でもなんでもないが、地球にいた耕作にとっては異世界だ。それも魔法と神が存在するファンタジー世界。
 そして耕作がいる場所は、その異世界グランディスの中心から大きく外れた最辺境の大陸の森。その更に南は『世界の壁』とよばれる巨大な壁が立っている。窓から眺めると巨大な山脈のように見えるがそれが壁のようにずっと続いていた。エベレストを見たときは山と感じたが、グランディスの『世界の縁』は完全につなぎ目のない白い壁に見える。
 だが、と彼は考え込む。
「他の異世界人はどこにいるんだ?」
 彼はスザーカから聞かされた異世界人の話について何となく違和感を感じていた。
 スザーカはこの森にある『召喚の祭壇』の神官で、『まれびと』と呼ばれる異世界人を保護する役だと言う。召喚の祭壇は三年に一度、二つの月が最も接近する日に異世界から魂を漂流させて異世界人を召喚する。人族は珍しく、猫人族や犬人族のような亜人に近い者がほとんど。どのような魂が召喚されるがわからないが、言葉を操る種族に限られていると言う。
 しかし耕作が疑問に思っているのは、召喚された人族以外の異世界人がどこにいるのか?だということだ。この遺跡近くに建てられたスザーカの家には彼女のみしか生活していない。彼女の一族はずっと昔の祖先から神官を務め、数百年以上遺跡を守ってきている。異世界人が召喚されるならこの異世界に根付いた異世界人が近くに住んでいてもおかしくないと耕作は思っていた。だけど、彼女の話からすると、下の村も人間だけで他の異世界人はいないという。
 召喚されて外の世界へと旅立つ。そんな風に考える者は少ないと耕作は思っていた。人間の考え方を基準にするのは間違いかも知れないが、普通は召喚された場所の近くに根を下ろす。子を成すような相手がいなくともスザーカが神官を務めた間に来た人族以外の異世界人が村にいてもおかしくないよな、と耕作は考えた。
 そう耕作が考えているのにも訳がある。
 彼は自分が見たこともない異世界人に会いたいのだ。会いたくてスザーカに居所を聞くもわからないと言われて残念だった。それが印象に強くて疑問になっていた。
「ま、いいか」
 と耕作はお決まりのセリフで自分の疑問をさっぱり流した。
 流して、手元の本へと集中する。
 本は神官であるスザーカらしく子供向けに書かれた古い神話の物語だった。
 『理の女神グランディフィル』
 スザーカが『加護』を授かった女神でありこの世界グランディスを司る主神。
 一度、スザーカから読み聞かせてもらい、耕作はその神話の内容がすっかり頭の中に入っている。後はその文字と教えてもらった発音を照らし合わせて音読する。考古学者の母を持つ耕作は言語理解が早い。母の横で古代語などの様々な言語と触れ合っていく内に解析するやり方を自然に覚えたのだ。
 ときおり本の文字につっかえながらも耕作はそらんじた言葉を声に出す。
 本の『理の女神』は、争い合う神々を調停し、この世界の法則を作った女神。魔法のひな形である『言葉』の壁を作り、生命の命の行方さえ決めるという。あらゆるものの運命を規定し、自らが作り出す理に当てはめて世界を運行する。
 耕作は、古い本の文字を手でなぞった。それを早く掴みたいとでも言うように。
 『言葉』
 異世界グランディスの魔法で非常に重要なのが『魔力感覚器』と『言葉』と『媒体』だ。その中でも『言葉』は魔法の威力などを司る重要な要素となる。言葉は概念やイメージを内包し、概念は魔力を魔法へ変える。いわばプログラム。
 魔法には大まかな段階が存在する。
 外や体内から『魔力感覚器』で魔力を集め、イメージや概念で魔力を魔法へと昇華し、魔法は『媒体』を通して現実を書き換え現出する。
 その際の魔力から魔法へと至る間に『言葉』が複雑な現象をたった短い文章で簡易にしてくれるのだ。
 魔法で使用する『言葉』は、二種類ある。
 詠唱に便利で音を『媒体』に魔法を瞬間的に発動させるアルファベットに近い音素文字、物を『媒体』に魔道具として長時間発動する漢字に近い表語文字。
 この二種類の文字が理の女神が作った言葉の壁。
 その昔、神代では、ただ一つの文字だった。ただ一つの文字で瞬時に魔法が発動し、物に魔法を付加させることができた。だがそれでは効果が高すぎて争いが激しくなっていく。そこで女神は、音素文字の『詠唱文字』と『紋章文字』を分け、争いを鎮めたのだ。
 そして今耕作が読んでいる本は、詠唱文字で書かれている。詠唱文字は話し言葉なので覚えやすい。魔力が少ない一般人は『詠唱文字』で魔法を使う。
 逆に『紋章文字』は、発音がない。絵のような物。無理矢理読みを当てはめて入るがそれは覚えやすくするためだけの物。そして煩雑な象形文字をたくさん覚えて書く練習をしなければ使用できない。その上長時間発動させるために大量の魔力が必要で一般人には手が出にくい文字となる。なのでこの世界ではもっぱら『詠唱文字』が主流に使われる。『紋章文字』を使用するのは学者や高位の魔法使いや魔道具製作職人、そして神に仕える神官。
 耕作は本を読み終わると、本を閉じて手を天井へとかざした。
アファルよ」
 だが何も起きなかった。
 耕作は何度も魔法を試してみたが結果は煙さえ起こらない。
 下ろして自分の手を見つめる。
 スザーカからは魔法を使うなと言われていた。自分の体を動かすだけの魔力を溜められない者が無理に魔法を使うとたちまち体調を崩す。へたをすれば死ぬことさえあると注意されていたのだ。しかし、魔力を集める方法は教えてもらっていた。
『息を吸うように、世界を吸い込め。それが魔力を集めると言うことだ』
 耕作には、この『世界を吸い込む』という感覚がない。
 そこでスザーカが彼に課したのは瞑想。瞑想で自己の内面を見つめ、世界を感じれば魔力は自ずと集まる、と言われたので今度は座禅を組んだ。
 またもやサッパリわからない。
(俺の体は『古龍骸角』というとんでもないレアな素材で出来ていると聞いてたんだが…)
 耕作はため息交じりにそう考えていた。
 筋力が上がったと彼が感じたのは間違ってはいなかった。たしかに基礎身体能力は軒並み向上している。だが、それは自分が思っていた以上のものではない。『古龍骸角』は耕作の魂の情報をから彼を可能な限り前の世界とまったく同じに再現している。耕作が感じた身体能力の上昇はほとんど誤差。
(『古龍骸角』は魔力との親和があって、感覚があまりないとはいえ生活できるぐらいには魔力を充填できているはず。諦めなければその内使えるか)
 少なくとも彼が動ける分だけの魔力は吸収できるようになっている。熱に浮かされたときは全身が鉛になったように重くて動けなかった。そのときは体内に保存していた魔力が切れたとのこと。魂を利用して魔力を生成するか、世界に満ちる魔力を吸収していま彼は動いている。
 諦めるのは早いと彼は自分を鼓舞した。
 それに『古龍骸角』の体で一番の利点は、成長限界がないということだと彼はスザーカから聞いている。人間の肉体にはどれだけトレーニングをしても超えられない壁が存在する。人間では100m走で9秒を切れないのが壁である。どうようにこの世界の人間にも魔力を集めるあるいは生成できる量は限られている。だが本来の体ではない耕作は、その限界を突破して、魔力を使うことできる可能性を秘めていた。
(いまは一刻も早くこの体に慣れることだな)
 そう思って彼は瞑想へと没入していく。


「おい…」
 不意にそう声をかけられて、耕作は意識を取り戻す。
「あれ? 師匠…ってもう夜か」
 耕作が目を向けた先には暗闇の中でカンテラのような灯りを手に持ったスザーカだった。どうやら相当ご立腹のようで口をへの字に曲げていた。
「瞑想するのはいいが、灯りぐらい付けろ。何かに襲われたかと思って焦ったぞ」
 スザーカはそう言いながら手に握っていた短剣を腰の鞘に収めた。
「すみません」
「無事ならそれでいい。体の調子はどうだ?」
 そう聞かれて、耕作は自分の体が軽く感じた。昨日までは立ち上がることさえできなかったがそれがウソのように快調だった。
「大丈夫です」
「そうか。なら食事にしよう。コウサク、ようやくまともな料理が食べられるな」
 無表情な顔を僅かに崩してスザーカが笑った。その顔があまりにも綺麗で耕作はかくんと頭を上下に揺らす。


 耕作はその光景を興味深そうに見ていた。
 熱でベッドの上に寝たきりとなって六日間。その間は一歩も動けずせっかくの異世界の料理風景を見られずに嘆いていた。
 様々な国にいったことのある耕作は、その国ごとに調理法や調理器具の違いを知っている。その料理風景もまた異国料理の味になるのだ。
 調理場はスザーカの家のリビングと併設していた。スザーカの山小屋はログハウスと同じで木の丸太で出来ている。リビングが一つ、スザーカの寝室と客室、それにトイレや浴室、二階の物置など意外に手狭だった。どんな場所でも寝ることができる耕作にとって部屋の大きさは関係ない。部屋を飾る一品一品が彼の興味を惹いた。
 天井には魔道具の照明器具が煌々と光り、熊のような獣の毛皮を絨毯にして、革張りのソファや食卓テーブル、暖炉、壁には耕作を助けた槍や弓、刀剣類が飾られ、立派な本棚もある。だが印象としては、神官というよりも狩人のような家だった。
「なんだ珍しいのか?」
 調理場に立って魚をフライパンで焼いているスザーカが不思議そうに耕作を見ていた。食卓テーブルの椅子に座っていた耕作は頷く。
「はい。魔法を使った料理って初めてで」
「嫌でもこれからずっと見ることになるぞ」
 苦笑しながらスザーカはフライパンの魚を長いフォークのような物で裏返した。
 そのフライパンの下に火がごうごうと燃えている。ジュウジュウと白い煙と美味しそうな匂いが漂っていた。
 魔法の調理器具とまで大それた物ではない。ただ石の台の上に灰が敷き詰められ、鉄の五徳が二個置かれている。しかし、その火の中に木や炭といった燃料にあたる物は見当たらなかった。その灰には幾何学模様の文字が書かれているだけ。
(あれが紋章文字か)
 耕作はその文字を見ていた。スザーカは調理を始める前に、灰に指で紋章文字を刻むと手をかざしていた。それだけで何もないところから火が出た。
(魔法…教えて欲しいなぁ…)
 いつの間にか耕作は物欲しそうな顔になっていた。
「腹が減ったのか…まってろ。もうすぐできる」
 それを料理だと勘違いしたスザーカは、まぁ待てと言うような顔で陶器に入った塩と香草の粉末を軽く魚にまぶして、ガラスの瓶を取り出した。
 それを軽くかけるとたちまち火柱が立ち上る。
 おわっと耕作が声を上げるとスザーカは嬉しそうに笑った。
 フランベで臭みを取り除かれた魚がドン、と大皿に二尾入れ、スザーカは丸いパンとチーズの破片を布の包みから取り出し木の容器にゴロンと入れた。
 その二つの皿がデン、と耕作の目の前に置かれる。
 豪快だった。
 それでも耕作は、すんすんと鼻を膨らませて、七日ぶりまともな料理に感動する。香ばしい香草と魚のいい香りが胸一杯に膨らんだ。
「ここは神官の家だ。まずは祈り。その後で神からの恵みをいただこう」
 待てというように耕作を手で制して、スザーカはそう言った。
 耕作は頷き、二人で食事の祈りを捧げる。
「女神グランディフィルよ、貴女の恵みに感謝して、命の流れをいただきます。ここにある食卓に上る命を祝福し、私達の糧となることをお許しください」
 額に手を当てて、丸い円を描くき指を唇に持って行ってそうスザーカと耕作は和唱する。
「ではいただこう」
「はい、師匠」
 こうして二人は料理を堪能し始めた。
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