8 / 28
6話
しおりを挟む
高校に入学してから1週間程が経った。入学式以降は、今のところ平穏な日々である。一応、友達もできた。
「唯くん、次数学だよね?」
「うん。体育の次に数学って最悪だね」
彼は日下部唯くん。同じ掃除の班だったことから話すようになって、そこからなんとなく一緒にいるようになった。漫画が好きらしくて、話してて面白い。
「そういえば体育の時間中、女子うるさくなかった?」
「あれ上松だよ。ほら、ゴール決めてたじゃん」
ああ、上松くんねと、俺は頷いた。今日の体育は、男女別でサッカーを行った。俺はボールを追いかけて右コートへ左コートへと走ってばかりだったが、確かに上松くんが試合の終わり間際、ゴールを決めていた気がする。どうやら上松くんは運動神経が抜群なようで、わざわざ教室にまで部活の勧誘が来ていた。結局彼はなんの部活に入ったんだろう。
「すごいよね、上松とか笹浪とかさ。もう女子にモテ始めてるよ」
「笹浪くん?」
「2組の男子。入学式の時に代表の挨拶してた、背の高いイケメン。生徒会長の弟なんだって」
へぇ、そうなんだ。どうでもいいが、こういう情報ってみんなどうやって集めてるんだろう。俺はふと疑問に思った。
「上松って言えばさ、瑞月、上松と元々知り合いなの?」
「えっ、全然知らないけど、なんで!?」
「なんでって……なんか、なんとなく?」
俺にとって、上松くんはちょっとした悩みの種だった。入学式の次の日、つまり、入学式にあったことを妖怪のせいにした日以降、俺は上松くんとまともに会話ができていない。と言うのも、彼の方が俺を避けるのだ。そのくせ、何か言いたげな顔で俺を見ている時もあって、内心あの時の言い訳が疑われ始めたのではないかとヒヤヒヤである。俺と上松くんの、微妙な空気を感じ取れるなんて、唯くんはもしかして鋭い人なのか。だとしたら、色々気をつけようと俺は思った。
「ん、……」
「どうしたの?」
「いや、なんかお腹空いてきちゃって」
「えー、もう? 瑞月って意外と食いしん坊キャラ?」
「体育あったからだよ。ほら、運動するとお腹空くでしょ」
「瑞月、ボール追いかけてただけじゃん」と笑う唯くんに、「唯くんがボール蹴ろうとして、空ぶったの見てたからね」と教えてあげる。彼と一緒にいるのは気楽でいい。片手でお腹を押さえながら、そう思った。
*
今日はきっと会えるだろう。そう思いながら布団に入ると、案の定俺のご先祖様が夢の中に現れた。
「子孫クン、空腹がきてるね」
彼女はいつものようにニコニコとした表情でそう言った。俺はよいしょと起き上がって、彼女の前に立つ。そのとき、彼女が何か小さな小瓶のようなものを手に持っているのが見えた。
「それは……?」
ご先祖様は「後で話すわ」とウインクした。
「それよりも、もう淫紋って出てきてる?」
「まだですけど」
俺はお腹を押さえながらそう答えた。体育の授業の終わりから続いた空腹感は、夕食を食べた後でも消えることはなかった。これはまさかと、自分の部屋で恐る恐る服をめくり、見てみたが、そこには何もない。けれどもこのまま放っておけば、入学式のときの二の舞になることは分かっていた。
「普通のサキュバスなら、淫紋が出たあとに適当に色香で男誘惑して、それで大丈夫なんだけど、子孫クンの場合、自分にまで色香が効いちゃうのよね。頭が働かなくなっちゃう前に、今のうちからセックスした方が良いわね」
「良いわねって……」
ご先祖様は、「相手決めた?」と軽く聞いてくる。彼女のこういうところは、サキュバスだからなのか、それともそういう性格だからなのか。俺は彼女に理解してもらえるのか分からないけど、悩みを打ち明けることにした。
「……俺、友だちができたんです」
「その人を襲うの?」
「襲いませんよ!」
俺はため息を吐いた。今、俺が頼れるのはご先祖様しかいない。俺は自分のつま先を見ながら、ぽつぽつと話した。
「友だちとそういうことしたら、もう後には戻れないじゃないですか。実際俺、上松くんに避けられてるし。まあ、起きたこと考えればしょうがないですけど……もし、新しく友だちになった人に避けられたらって思うと……」
「うーん。つまり、セックスした後は関係が変わるってことかしら? ああ、だからそのお友達だけは、友達のままでいたいから襲いたくないって、そう言いたいわけね」
俺は頷いた。せっかくできた友だちを、自分のせいで失いたくはない。ご先祖様は、「それなら早く別の相手見つけなきゃね」と言って、先ほどから手に持っていた小瓶を、ずいと出して俺に見せた。
「これは……」
小瓶の中には、錠剤が何粒か入っていた。見るからに怪しい。俺が何の薬か尋ねると、「魔法の薬よ」と彼女は答えた。
「これを飲んだ人間は、その後起きたとを全部夢だと思っちゃうの。だからセックスする前に、この薬を飲ませちゃえば……」
「相手は夢だと誤解してくれるんですね!」
ご先祖様は満足げにうんうんと頷いた。
「まあ、相手の記憶にはバッチリ残っちゃって、『俺、あいつと夢の中でセックスしたな』って思われちゃうけど。大切なお友達を襲わないためだもん。それくらいは我慢しなさい」
俺は喜んで彼女から小瓶を受け取った。小瓶の中の錠剤は、よく見ると薄ピンク色に色づいている。これがあれば、へたくそな言い訳をしなくても済むし、俺が知らんぷりをしてしまえば、何が起きたとしてもなかったことにできる。
「子孫くんはまだ分からないかもだけど、精液って人によって味が違うの。この薬を使って、何人も味見していって、『この人!』って思う相手を見つけたらいいわ」
そんなつまみ食い感覚でしていくつもりはない。というかしちゃダメだろう。
正直、薬を使って夢だと思わせることも、色香で理性をぐちゃぐちゃにさせて襲うことも、かなり最悪な行為だと思う。それでも、自分が生きていくためには必要なことだと割り切るしかない。俺はご先祖様にお礼を言い、受け取った小瓶を大切に握った。
「唯くん、次数学だよね?」
「うん。体育の次に数学って最悪だね」
彼は日下部唯くん。同じ掃除の班だったことから話すようになって、そこからなんとなく一緒にいるようになった。漫画が好きらしくて、話してて面白い。
「そういえば体育の時間中、女子うるさくなかった?」
「あれ上松だよ。ほら、ゴール決めてたじゃん」
ああ、上松くんねと、俺は頷いた。今日の体育は、男女別でサッカーを行った。俺はボールを追いかけて右コートへ左コートへと走ってばかりだったが、確かに上松くんが試合の終わり間際、ゴールを決めていた気がする。どうやら上松くんは運動神経が抜群なようで、わざわざ教室にまで部活の勧誘が来ていた。結局彼はなんの部活に入ったんだろう。
「すごいよね、上松とか笹浪とかさ。もう女子にモテ始めてるよ」
「笹浪くん?」
「2組の男子。入学式の時に代表の挨拶してた、背の高いイケメン。生徒会長の弟なんだって」
へぇ、そうなんだ。どうでもいいが、こういう情報ってみんなどうやって集めてるんだろう。俺はふと疑問に思った。
「上松って言えばさ、瑞月、上松と元々知り合いなの?」
「えっ、全然知らないけど、なんで!?」
「なんでって……なんか、なんとなく?」
俺にとって、上松くんはちょっとした悩みの種だった。入学式の次の日、つまり、入学式にあったことを妖怪のせいにした日以降、俺は上松くんとまともに会話ができていない。と言うのも、彼の方が俺を避けるのだ。そのくせ、何か言いたげな顔で俺を見ている時もあって、内心あの時の言い訳が疑われ始めたのではないかとヒヤヒヤである。俺と上松くんの、微妙な空気を感じ取れるなんて、唯くんはもしかして鋭い人なのか。だとしたら、色々気をつけようと俺は思った。
「ん、……」
「どうしたの?」
「いや、なんかお腹空いてきちゃって」
「えー、もう? 瑞月って意外と食いしん坊キャラ?」
「体育あったからだよ。ほら、運動するとお腹空くでしょ」
「瑞月、ボール追いかけてただけじゃん」と笑う唯くんに、「唯くんがボール蹴ろうとして、空ぶったの見てたからね」と教えてあげる。彼と一緒にいるのは気楽でいい。片手でお腹を押さえながら、そう思った。
*
今日はきっと会えるだろう。そう思いながら布団に入ると、案の定俺のご先祖様が夢の中に現れた。
「子孫クン、空腹がきてるね」
彼女はいつものようにニコニコとした表情でそう言った。俺はよいしょと起き上がって、彼女の前に立つ。そのとき、彼女が何か小さな小瓶のようなものを手に持っているのが見えた。
「それは……?」
ご先祖様は「後で話すわ」とウインクした。
「それよりも、もう淫紋って出てきてる?」
「まだですけど」
俺はお腹を押さえながらそう答えた。体育の授業の終わりから続いた空腹感は、夕食を食べた後でも消えることはなかった。これはまさかと、自分の部屋で恐る恐る服をめくり、見てみたが、そこには何もない。けれどもこのまま放っておけば、入学式のときの二の舞になることは分かっていた。
「普通のサキュバスなら、淫紋が出たあとに適当に色香で男誘惑して、それで大丈夫なんだけど、子孫クンの場合、自分にまで色香が効いちゃうのよね。頭が働かなくなっちゃう前に、今のうちからセックスした方が良いわね」
「良いわねって……」
ご先祖様は、「相手決めた?」と軽く聞いてくる。彼女のこういうところは、サキュバスだからなのか、それともそういう性格だからなのか。俺は彼女に理解してもらえるのか分からないけど、悩みを打ち明けることにした。
「……俺、友だちができたんです」
「その人を襲うの?」
「襲いませんよ!」
俺はため息を吐いた。今、俺が頼れるのはご先祖様しかいない。俺は自分のつま先を見ながら、ぽつぽつと話した。
「友だちとそういうことしたら、もう後には戻れないじゃないですか。実際俺、上松くんに避けられてるし。まあ、起きたこと考えればしょうがないですけど……もし、新しく友だちになった人に避けられたらって思うと……」
「うーん。つまり、セックスした後は関係が変わるってことかしら? ああ、だからそのお友達だけは、友達のままでいたいから襲いたくないって、そう言いたいわけね」
俺は頷いた。せっかくできた友だちを、自分のせいで失いたくはない。ご先祖様は、「それなら早く別の相手見つけなきゃね」と言って、先ほどから手に持っていた小瓶を、ずいと出して俺に見せた。
「これは……」
小瓶の中には、錠剤が何粒か入っていた。見るからに怪しい。俺が何の薬か尋ねると、「魔法の薬よ」と彼女は答えた。
「これを飲んだ人間は、その後起きたとを全部夢だと思っちゃうの。だからセックスする前に、この薬を飲ませちゃえば……」
「相手は夢だと誤解してくれるんですね!」
ご先祖様は満足げにうんうんと頷いた。
「まあ、相手の記憶にはバッチリ残っちゃって、『俺、あいつと夢の中でセックスしたな』って思われちゃうけど。大切なお友達を襲わないためだもん。それくらいは我慢しなさい」
俺は喜んで彼女から小瓶を受け取った。小瓶の中の錠剤は、よく見ると薄ピンク色に色づいている。これがあれば、へたくそな言い訳をしなくても済むし、俺が知らんぷりをしてしまえば、何が起きたとしてもなかったことにできる。
「子孫くんはまだ分からないかもだけど、精液って人によって味が違うの。この薬を使って、何人も味見していって、『この人!』って思う相手を見つけたらいいわ」
そんなつまみ食い感覚でしていくつもりはない。というかしちゃダメだろう。
正直、薬を使って夢だと思わせることも、色香で理性をぐちゃぐちゃにさせて襲うことも、かなり最悪な行為だと思う。それでも、自分が生きていくためには必要なことだと割り切るしかない。俺はご先祖様にお礼を言い、受け取った小瓶を大切に握った。
11
あなたにおすすめの小説
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は未定
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
・本格的に嫌われ始めるのは2章から
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる