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〜謎解き〜
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東と季楽羅が朝食を食べ終えた後、事務所の扉を
ノックする音が聞こえて、季楽羅が扉を開けると
白髪と水髪のインナーカラーでロングヘアーの
女性がいて、
「あず兄!」
そう言い、強引気味に中に入って来て、
女性を見た東が
「麗!?、久しぶりだな、どうしてここに?」
そう言うと女性は
「依頼を頼みに来たの!」
そう言った。そして、季楽羅が
「あの~、この方は....」
質問してきて、女性が
「初めまして!、
私、春夏秋冬 麗(ひととせうらら)」
自己紹介すると季楽羅は
「春夏秋冬って、まさか!」
そう言い、東を見ると東は
「ああ。僕の妹」
そう言った。季楽羅が
「春夏秋冬家って大家族なんですね」
そう言うと麗が
「ところであず兄、この可愛い子誰?」
そう聞き、東は
「僕の助手の愛乃紅 季楽羅」
そう言うと麗は
「あず兄、どうやってこんな可愛い子
口説いたの!?」
驚いて聞き、東は
「別に口説いた訳じゃないよ」
そう言ったが、麗は無視して季楽羅に
「ねぇねぇ、LINE交換しよー!、どうやったら
そんなに可愛くなれるの、髪色もめっちゃ
可愛いし!」
上機嫌で話すと季楽羅は
「え~っと、この髪は地毛で、それに私全然
可愛くないですよ」
焦りながら言い、東が
「やめろ麗、季楽羅が困ってるだろ。それに、
依頼の件を聞かせてくれ」
そう言うと麗は
「あ、そうだった!」
思い出して、話し出した。
「実は私、ストーカー被害に遭ってるの」
「ストーカー被害か。僕が今気になってる事に
似てるな、この街で最近若い女性が誘拐される
事件が多発しているんだ」
「私が被害に遭ってるのはストーカーだよ?、
誘拐なんて大袈裟でしょー」
「いや、その女性たちは最初ストーカー被害
だったんだけど最終的に、そのストーカーに誘拐
されて....」
東が話すと季楽羅が
「でも、どうして東さん、そんな事知ってるん
ですか?、まさかまた防犯カメラのデータ
盗んだんですか!?」
話に割り込んで言い、東は
「いや、そんな事をする必要も無かったよ、実は
女性たちは解放されてるんだ」
そう言うと麗は
「え?、じゃぁ大丈夫じゃん!」
安心して言い、東が
「実は、女性たちは解放されたけど、おかしく
なってたんだよ」
そう言うと季楽羅が
「どうゆう事ですか?」
そう聞き、東は
「犯人は女性たちに薬物を使って自分に依存
するようにしてたんだ」
そう言うと麗は
「え、薬物?」
そう言い、東が
「女性たちは犯人である男の名前を狂ってずっと
呼び続けるようになったから今は隔離されてる」
そう言うと麗が
「私も、そんな事に....」
不安な表情で言い、東が
「安心して麗、犯人は僕が必ず捕まえる」
そう伝えて、麗に事情聴取を始めた。麗が
「1週間くらい前から帰り道で人の気配を
感じるの。そして昨夜走って追いかけられたの」
そう話し、東は
「その時、犯人の顔は見なかった?」
そう聞くと麗は
「フードを被ってて黒マスクをしてたから」
そう言い、東は
「学校の帰り道だよね」
質問すると麗は頷いて、東が
「明日、麗の学校に行ってもいい?」
そう聞き、麗は
「別にいいけど」
そう言った。
翌日、東と季楽羅は2人で潜入調査に行った。
季楽羅が
「何で私もなんですか!」
驚くように聞くと東は
「僕だけじゃ不自然かと思って、それに僕1人で
行くとなぜか多数の女性に話しかけられて
調査どころじゃなくなるから」
そう言い、季楽羅は
(東さん、自分がどれだけ顔面偏差値高いか自覚
ないのかなぁ?)
疑問に思って、
「でも何で私なんですか?」
疑問を聞き、東が
「麗だったら兄弟だし似てるけど季楽羅だったら
彼女にピッタリだと思って」
そう言うと季楽羅は照れて顔を赤くして
(そんな事言われたら調査どころじゃないよー)
そう思っていると学校に着いて校内に入り、
怪しい人がいないか調べていたら
「あれ?、兄さん!」
そう聞こえて、2人が振り返ると蒼流がいて
季楽羅が
「え!?、何で蒼流さんがここに?」
驚きながら言うと蒼流が
「いや、ここ僕が通ってる大学だから」
そう言い、
「それより、2人とも何でここに?」
質問すると東が
「依頼でここに来たんだよ」
そう言い、蒼流が
「依頼?、この大学の生徒から?」
そう聞くと東は
「実は依頼者は、麗なんだ」
そう言った。蒼流は
「え!?、姉さんが!?」
驚くように言い、
「だったら僕も協力する!」
そう言うと東が
「危険だから、悪いけど今回は任せられない」
そう言い、蒼流は
「でも、姉弟が危険な目に遭ってるのに見てる
だけなんて嫌だよ」
そう言うと東は
「だけど、もしかしたら今回の犯人も、この学校
の教師かもしれない」
そう言い、蒼流と季楽羅が
「え!?」
驚くと季楽羅が
「東さん、それ本当ですか!?」
そう言い、東は
「まだ確信は無いけど、おそらくそうだと思う」
そう言うと蒼流は
「だったら尚更、僕にも協力させて!」
意気込んで、東が
「仕方ない。だけど絶対に無茶はするなよ」
そう言い、調査を再開した。放課後になり、
学生が帰って行き、麗も帰っていると東と
季楽羅は遠くから尾行して、怪しい男を見つけた。
その男が麗に近づき、口にハンカチを当てて麗の
気を失わせて車に乗せた。季楽羅が
「東さん、追わなくていいんですか!?、
麗さんが!」
そう言い、東が
「良いんだよ、わざとだから」
そう言うと季楽羅は
「え?、どうゆう事ですか?」
そう聞き、東が
「麗のスマホにGPSを着けてるから、こっちも
車で行くよ」
そう言うと季楽羅が
「東さん車とか持ってましたっけ?」
そう聞き、東は
「いや、あの人を呼んでる」
そう言って、季楽羅が
「あの人?」
疑問口調で聞くと東が後ろを指差して、季楽羅が
振り返ると武尊がいた。武尊は
「東さん行きましょう!」
そう言い、3人で車に乗り、麗が誘拐された場所
に着いて東が建物の扉をピッキングして開けて
中に入り、麗を探すと奥の部屋から複数の女性の
泣き声が聞こえて、その部屋に入ると5人の
女性がいた。東は
「落ち着いてください。助けに来ました」
そう言うと女性たちの中に麗がいない事に気づき、
「白髪水髪の女性を知りませんか」
そう聞くと1人の女性が
「さっき地下室に連れて行かれました」
そう言い、東は
「地下室はどこに?」
そう聞くと女性が
「浴槽です」
そう言い、東が走って浴槽に行き、浴槽の隠し扉
のような物を開けて階段を歩いて進むと麗がいた。
だけど、東は嫌な気配を感じて未来視を使うと
東が麗に近寄った瞬間に男が背後の物陰から
出てきてナイフで東を刺す光景が見えて、東は
その光景通り、麗に近づくと背後から男が
出てきて刺される瞬間に東は後ろ回し蹴りを
当てて男を気絶させた。東は麗に近寄り、
「大丈夫か麗、怖くなかったか?」
そう言うと麗は
「当たり前じゃん!、あず兄の事信じてたもん」
笑顔で言った。数分後、男が目を覚まして、東が
「あなた、何が目的で女性を誘拐してたんですか」
質問すると男は
「若い女性を俺のものにしたかった。俺は
学生から嫌われてる、だから誘拐して薬物を
使って、無理やり好意を俺に向けさせたんだ」
そう言い、東が
「それ嘘ですよね」
そう言うと男は
「嘘じゃない!?、本当だ!」
焦りながら言い、東が恐怖の表情で
「僕の眼は騙せませんよ」
そう言うと男は
「本当は....学校長に言われて」
白状した。東は
「学校長に?」
そう聞き、男は
「ああ、学校長に薬物を全学生に使ったら金を
やるって言われたんだ」
真実を言うと東は
(やはり、この学校は学校長が関係してたか)
そう思い、
「でもどうして女性だけを?」
そう聞くと男が
「それも学校長の考えで、今俺が言った言い訳も
学校長が考えたものだ。もし見つかったら『この
言い訳を使って私のために捕まれ』って」
そう話し、東は
「事情は分かりましたが、あなたがした事は
許されない事です。一緒に警察に行きましょう」
そう言って、警察に連れて行った後、東と麗と
季楽羅は事務所に戻り、麗が
「あず兄、マジでありがとう!」
お礼を言って、
「じゃぁ、私推しのライブだから帰るね。
バイバイ季楽羅ちゃーん」
そう言い、帰って行った。
翌日、東は1人でもう一度学校に行って校長室の
扉をノックし、中に入ると学校長がいて
「あなた誰ですか?」
校長が聞くと東は
「僕は眼異探偵です」
そう言い、校長が
「なぜ探偵がここに?」
そう言うと東は
「あなたの罪を暴きに来ました」
そう言い、校長が
「何を言ってるんですか、あなたは」
そう言うと東は
「校長先生、あなたは前科がありますよね」
そう言い、校長が
「確かに私は昔、薬物に手を出した事が
ありますが、今はしていません」
そう言うと東が
「はい。その通りですが、あなたは学生に自分と
同じ道を歩ませようとしてますよね」
そう言い、校長は
「何を言ってるんですか!、私がそんな事を
する訳が」
そう言いかけ、東が
「こちらの映像を見てもそんな事が言えますか」
そう言い、タブレットで映像を見せた。
その映像には、校長が教師たちに違法薬物を
渡している光景が映っていた。校長は
「これをどこで!、どうやって....」
驚いて聞き、東が
「僕の自慢の弟が、この映像を入手して
くれたんです」
そう言うと校長は
「ふざけるな!、勝手に学校のカメラデータを
盗んで良いと思っているのか!、窃盗罪だぞ」
怒鳴り、東は
「安心してください、許可は貰ってます。
ですよね、理事長」
そう言うと校長室の扉が開いて白髪の高齢男性が
入ってきた。校長が
「どうして、理事長がここに」
驚いた表情で言うと高齢男性(理事長)は
「春夏秋冬さんに呼ばれて来たんですが、校長
どうゆう事か説明してください。話は全部
聞いていました」
そう言い、校長が
「私は何もしてません!、その映像も偽物です!」
そう言うと東が
「では、こちらの映像もご覧ください」
そう言って他の映像を見せた。その他の映像には
校長が女子生徒にセクハラをする光景や教師に
パワハラをしたり、暴力を振るっている光景など
数々の犯罪の映像が映っていた。校長は
「なぜ、こんなものまで」
唖然とした表情で呟くと東は
「一緒に警察に行って自首しましょう」
そう言い、校長は
「違う!、私もこんな事はしたくなかった、
だけど理事長に無理やり脅されてやっただけだ!」
焦りながら言うと理事長は
「私は、そんな事をした覚えは無い」
そう言い、東が
「そうですよ校長、往生際が悪いですね。僕の
眼に嘘は通用しませんよ」
そう言うと扉が開く音がして
「東君の言う通りです。いい加減罪を認めて
ください」
若年声が聞こえた。振り返ると
ハイエナ事件の時に話しかけてきた
白髪センター分けパーマの男性刑事がいた。東が
「どうしてここに?」
質問すると刑事は
「この学校は事件が多かったので何かあると思い、
調べていくと校長が元凶だと分かったので」
そう言い、校長が
「あなたは、誰ですか」
そう聞くと刑事は
「これは失礼、自己紹介が遅れました。私は、
風間警察の警視庁捜査一課、
神楽 蔵人(かぐらくろうど)です」
自己紹介して、校長は
「警察!?」
驚いて言い、東が
「校長、どうか罪を認めてください」
そう言うと校長は
「もう私は、お終いだーーー!」
叫んで、拳銃を取り出して東に撃ったが、東は
瞬時に未来視を使って銃弾を避けると蔵人が
拳銃を取り出して校長の拳銃目掛けて撃った。
銃弾が命中すると校長は拳銃を手放して、東が
一瞬で校長に距離を詰めて首に手刀を当てて気絶
させた。蔵人が
「さすがですね~。期待通りの動きをしてくれて
助かりました」
そう言い、東が
「あなたこそ、腕は鈍ってないようですね」
そう言った。
数分後、校長が目を覚まして、東が
「校長先生、警察に行って罪を償ってください。
まだきっとやり直せます。1人の教師として、
そして、1人の父親として。」
そう言うと校長は
「とうしてその事を」
そう聞き、東が
「指輪を見て、もしかしてと思い、あなたの机の
引き出しを開けたら娘さんと奥様とあなたが
3人で笑っている写真を見つけました。だから
家族のために罪を償って、数年後、家に帰って
もう一度この笑顔を見せてあげてください」
写真を渡して言うと校長は写真を見て
泣きながら何度も謝った。その後、校長と東は
蔵人の車に乗り、警察署に向かった。校長が
自首した後、東と蔵人は2人で話していた。東が
「蔵人さん、気付きましたか」
そう聞き、蔵人が
「はい。なぜ、ただの大学の校長が拳銃を
持っていたんですかね~」
そう言うと東は
「この事件には、まだ続きがありそうですね」
そう言い、蔵人は不気味な笑顔で
「はい。ワクワクしますね~」
そう言った。そして、東は事務所に帰った。
事務所の扉を開けると季楽羅が
「おかえりなさい、東さん!」
そう言い、東が
「ただいま、季楽羅」
そう言うと季楽羅は
「朝からどこ行ってたんですか?」
そう聞き、東が
「ただの散歩だよ」
嘘を言った。季楽羅は
「朝起きて東さん、どこにもいないから
焦りましたよー」
そう言い、東は
「ごめんね季楽羅」
謝ると季楽羅は
「特別に許します!、それはそうと東さん、
ニュース見ました?」
そう言い、東は
「いや、見てないけど何かあった?」
そう言うと季楽羅は、テレビをつけて
「見てくださいこれ!」
そう言い、東がテレビを見ると校長の事が
ニュースになっていた。季楽羅が
「これ、蒼流さんと麗さんの学校ですよね?、
校長がいなくなっちゃったら、
どうなるんですか?」
不安な声で聞き、東が
「校長がいなくなっても理事長が学校の責任者
だから大丈夫だと思うよ」
そう言うと季楽羅は
「じゃぁ、蒼流さんと麗さんは大丈夫ですね!」
安心した表情と声で言い、東は
「ああ。そうだね」
そう言った。
翌日、事務所の扉をノックする音が聞こえて
季楽羅が扉を開けると1人の女性がいた。季楽羅が
「どうぞ、中へ」
そう言って女性を中に入れて、椅子に座らせて
東が
「お名前を聞いても良いですか?」
そう聞き、女性は
「北村 小百合(きたむらさゆり)です」
名乗ると東が
「小百合さん、どういった依頼でしょうか」
そう言い、小百合は
「私の親友を探してください」
そう言った。東は
「詳しく聞かせてもらえますか?」
そう聞き、小百合は話し出した。
「親友の名前は、原田 雪菜(はらだゆきな)です。
雪菜とは小学校の時からずっと一緒にいて、
今でもシェアハウスをする仲だったんですけど
ある日から家に帰ってこなくなりました。
思い当たる場所は探したんですけど」
依頼内容を話すと東は
「それで、ここに来たという事ですか。事情は
分かりました、この依頼お受けしましょう」
そう言い、
「まずは手掛かりのために、ご自宅に行っても
良いですか?」
そう聞くと小百合は
「はい」
一言発して、東と家に行った。家に着いて
中に入り、調査を始めるとスマホを見つけて
「このスマホは雪菜さんの物ですか?」
質問すると小百合は
「はい」
そう言い、東が
「中を見てもよろしいですか?」
そう聞くと小百合は
「私も見ようとしたんですけど、ロックが
掛かってて」
そう言い、東は
「なるほど。ですが、何かの手掛かりになるかも
しれないので、僕が預かっても良いですか?」
そう聞くと小百合は
「はい、どうぞ」
そう言い、東は事務所に帰った後、
(でも外出するのに、
スマホを持っていかないのはおかしい)
疑問に思い、蒼流を事務所に呼んで
「蒼流、このスマホのロック開けれないか」
そう言うと蒼流は
「たぶん開けられると思うよ」
そう言って、パソコンを使い、スマホのロックを
開けた。東がスマホの中を見ると1か月程前から
連絡を取ってる男がいる事に気付いて
(もしかして、この男が)
そう思い、
「蒼流、パソコン貸してくれ」
そう言って、パソコンを借りて使い、男の名前と
住所を特定した。蒼流が
「スゴいね兄さん!、でもそれ犯罪じゃない?」
そう言うと東は
「確かにそうだけど、この事件かなりまずいかも
しれない」
そう呟き、蒼流と男の家に向かった。ピッキング
して扉を開けて中に入ると妙に生活感が
無いように見えた。東が、机上のパソコンの電源
が入ってるのに気付いて調べると女性の名前や
顔写真やスリーサイズなどの個人情報が大量に
入っていた。そして動画も大量にあり、見てみると
女性の身体を八つ裂きにしてる光景が映っていて
腕や足を切ってバラバラにして臓器を取り出して
並べているイカれた映像が取られていた。東は
(これは、蔵人さんが話してた芸術殺人事件)
そう考えると蒼流の声が聞こえて行ってみると
蒼流が冷蔵庫の前で腰を抜かしていた。東が
「どうした蒼流、大丈夫か」
声を掛けると蒼流は恐る恐る冷蔵庫を指差して
東が、その方向を見ると
「これは!?」
そう言い、両眼を見開いた。眼に入った光景は
冷凍保存されている大量の人の臓器だった。
蒼流が
「兄さん、これってまさか」
そう言うと東は確認して
「ああ。全部人の心臓だ」
そう言った。数時間後、警察がきて
「あなたが通報してくれたんですか?」
刑事に聞かれて、東は
「はい、そうです」
そう言い、刑事は
「それでは中を調べさせてもらいます」
そう言って中に入り、捜査を始めた。東が蒼流と
事務所に帰ろうとした時、
「あれ~、東君じゃないですか~」
そう聞こえて、東が
「あなたも来てたんですね、蔵人さん」
そう言い、振り返った。蔵人は
「芸術殺人事件は、私が特に気になってたので~」
そう言うと蒼流が
「兄さん、この人誰?」
東に質問して、東は
「この人は、警視庁捜査一課の神楽 蔵人さん」
紹介すると蔵人が
「はじめまして~。東君にそっくりですが、
弟さんですか?」
そう言い、蒼流は
「はい、春夏秋冬 蒼流です。ところで、
さっき言ってた芸術殺人事件って何ですか?」
そう言うと蔵人は
「この犯人はイカれていまして、女性を誘拐して
身体をバラバラにして、臓器を芸術家きどりに
なって並べたり飾って楽しんでいるんです。
だから芸術殺人事件です」
そう話し、蒼流が
「許せませんね。そんな奴」
怒り口調と表情で言うと蔵人は
「東君、弟さんは中身も君に似ていますね~」
不気味な笑顔で言って、捜査に行った。
東と蒼流は事務所に帰り、東が
(この犯人はどこにいるんだ。あのパソコンの
動画を見れば何か分かるかもしれない)
そう思って、男のパソコンから盗んできた動画
データを見返すと
(この場所やけに暗いし、音が反響してる、
地下か?。それにこの臓器の置き方、何かで
見た気がする)
そう思い、もう一度男の名前を見て調べると
有名な若き芸術家であると分かった。
(やはりこの置き方、自分の本物の絵画作品と
重ね合わせてる。あとはこの場所さえ分かれば)
そう思って、犯人の事を1から調べなおした。
すると、両親はかなり昔に亡くなっているのに
実家を売っていない事に気付いて、
翌日、東は犯人の実家に向かった。人目が無い所に
家があり、殺すには有利な場所だと確信して中に
入り、地下室を探した。片っ端から探して
キッチンの足元が隠し階段になっていて降りると
血生臭さがした。東は
(この匂い)
不吉に思い、地下室に着くと1人の男が鼻歌を
歌いながら人の身体を切断していた。東が
「大倉 慎吾(おおくらしんご)さん?」
呼びかけると男は振り向いて
「そうだけど、お前誰だ!」
そう言い、東が
「僕は眼異探偵で、あなたのファンです」
そう言うと慎吾は
「俺のファンだと?」
そう言い、東が
「はい。僕はあなたの作品を初めて見た時、
あなたの虜になりました。スゴく独創的な絵で
色使いも素敵でこの眼が釘付けになりました」
そう言うと慎吾が
「それは嬉しいなぁ、今からまた新しい作品が
出来るから見ててよ」
嬉しそうに言い、東が
「ですが、人の亡骸で作品を作っても何も美しく
ありません。今すぐそんな事やめてください」
そう言うと慎吾は
「何だと貴様、俺の作品をバカにするのかーー!」
叫んでノコギリを持って、東に向かって来たが、
東は未来視を使い、避けて側頭部に蹴りを当てて
慎吾はその場に倒れた。東が遺体に近寄り、顔を
確認して小百合に貰った雪菜の写真と遺体を
見比べて同じ顔だと分かって
「一歩遅かった....」
悔やんで、警察を呼んで慎吾を引き渡した。
その後、東は小百合に
「本当にごめんなさい。雪菜さんを救えなくて」
頭を下げると小百合は
「いえ。私たちのために、ありがとうございます」
ハンカチで口元を抑えて泣きながら礼を言い、
東は小百合の目を見れずに事務所に帰った。
事務所の扉を開けると季楽羅が
「おかえりなさい!、東さん」
笑顔で出迎えてくれたが、東は
「ただいま、季楽羅」
暗い表情で言うと季楽羅が察して
「東さんは頑張りました。だからそんなに
悔やまないでください」
慰めるように言い、東は
「でも、もう少し僕が早ければ、1秒でも速く
駆けつけてれば」
後悔すると季楽羅が
「どうか自分を責めないでください、その悔しさ
を明日の活力に変えてください。じゃないと、
おじいさんが悲しみます」
そう言うと東は
「ああ....そうだね。探偵として1つでも多くの事件
を解決しなきゃ、じいちゃんに顔向けできない」
そう言い、季楽羅が
「じゃぁ、ご飯にしましょうか!、東さんも
お腹空きましたよね」
そう言って、2人で仲良く夕食を食べた。
翌日、1人の依頼者が事務所に来たが、依頼者は
麗だった。東が
「どうした、麗」
そう聞くと麗は
「あず兄、お願い!、私の推しを助けて」
そう言い、東が
「詳しく聞かせてくれ」
そう言うと麗は
「カラフルボーイズのリーダーが、突然昨日の
ライブ中に倒れたの」
そう言った。東は
「カラフルボーイズ?」
疑問口調で言うと麗は
「あず兄知らないの!?」
驚いた表情で言い、スマホで写真を見せて
「今、国民的人気のアイドルグループだよ!、
赤髪がパージュ君、青髪がユニ君、緑髪が
ラージェ君、金髪がライト君」
そう話すと東が
「誰がリーダーなの?」
そう聞き、麗が
「この赤髪の、パージュ君」
教えると東が
「パージュって本名?」
そう聞き、麗が
「本名は、松林 涼介(まつばやしりょうすけ)」
そう言うと東は
「でも倒れたって言ってたけど、どうして僕の所に
来たの?」
そう聞き、麗が
「パージュ君、医者に余命宣告されたらしいけど
その医者が怪しいの」
そう言うと東は
「何で麗にそんな事が分かるの」
そう聞き、麗は
「実は、1か月くらい前から体調が悪くて病院に
通ってたらしいんだけど、ファンがパージュ君と
医者が話してる所を見たらしくて、その医者は昔
犯罪して捕まってたの」
そう話すと東が
「犯罪歴のある医師かぁ、その医師の名前は?」
質問して、麗が
「立川病院の倉田 康二(くらたこうじ)」
そう言うと東はパソコンで調べて
「この人か。確かに過去に嘘の症状を言ったり、
虚偽診断をして捕まってるな」
そう言い、
「分かった。この依頼者お受けしましょう」
そう言うと麗が
「ありがとっ!、あず兄」
感謝して帰って行った。その後、東が
「季楽羅、潜入調査だ」
そう言うと季楽羅は
「はい!」
威勢良く言った。
翌日、2人で立川病院に行き、東が
「僕は倉田医師に会いに行く。季楽羅はこれに
着替えて涼介さんに話を聞いてきて」
そう言うと季楽羅は
「何ですか?、この服」
そう聞き、東は
「看護師服だよ、この姿なら涼介さんも
話しやすいと思うから」
そう言うと季楽羅は
「でも他の看護師に見つかったらヤバく
ないですか?」
不安そうに聞き、東は
「その時は、すぐに逃げるか、相手を騙して
その場を凌いで」
そう言うと季楽羅は
「上手く出来るか不安ですけど、頑張ります!」
意気込んで、東は白衣を着て
「それでは作戦開始」
そう言い、医局に向かった。季楽羅は涼介の
病室前に着いて中に入り、赤髪男性に近寄って
「松林さん、体調はどうですか?」
優しく聞き、涼介は
「まぁ、今は大丈夫です」
そう言うと季楽羅は
「昨日はどのような症状が出て倒れたんですか?」
質問して、涼介は
「急に息切れがきて酸欠になって、そのまま
意識が飛んで」
そう言うと季楽羅は
「1か月程前から体調が優れなかったん
ですよね?」
そう聞き、涼介は
「はい、それでこの病院に通い始めて。でも
通い始めたら悪くなってる気がして」
そう言い、季楽羅は
(通い始めて、悪化?)
疑問に思った。その頃、東は医局に着いて
中に入ると運良く倉田はいなかった。東は倉田の
デスクに行き、ファイルの資料やパソコンを見て
「なるほど」
呟いて、資料やデータをコピーして医局を出て、
涼介の病室に向かった。タイミング良く病室から
季楽羅が出てきて一緒に事務所へ帰った。
事務所で、季楽羅は涼介から聞いた事を東に
話すと東は
(やっぱりか)
そう思い、
「ありがとう季楽羅」
礼を言って、自分の部屋に入った。
翌日、東は1人で立川病院に行き、倉田に会って
「倉田先生、一緒に来てください」
そう言い、倉田が
「あなた見ない顔ですが、うちの病院の医師
ですか?」
そう聞くと東は
「ええ、もちろん。医師の田村です、それでは
一緒に来てもらいます」
そう言い、2人で涼介の病室に向かった。
病室に入り、東が
「倉田先生、涼介さんに謝罪してください」
そう言うと倉田は
「何を言ってるんですか?、なぜ私が謝罪を」
そう言い、東は
「あなた嘘の症状を言いましたよね」
そう言うと倉田は
「嘘なんか言っていません」
そう言い、東が
「では、涼介さんは何が原因で余命宣告を
受けたんですか」
そう聞くと倉田は
「膵臓癌です」
そう言った。東は
「それがおかしいんです。涼介さんは息切れをして
酸欠になり運ばれたんです、膵臓癌には
そんな症状でません」
そう言い、倉田は
「じゃぁ、涼介君は何が原因だと言うんですか」
そう言うと東は
「涼介さんは、アスピリン喘息です」
そう言い、涼介が
「え?、喘息!?」
疑いと驚きの表情で言うと倉田は
「そんなのデタラメだ!、何を根拠にそんな事を」
そう言い、東は
「根拠はこれです」
そう言って、数枚の紙を渡した。紙を見た倉田は
「なぜこれを!?」
驚きの表情と声で言うと東は
「その紙には涼介さんの本当の診断結果と、
あなたが隠蔽した数々の症状や患者記録が書いて
あります。その上僕の眼に嘘は通用しませんが、
それでも嘘だと言えるんですか?」
そう言い、倉田は涼介を見て
「涼介君.....ごめんなさい」
頭を下げて謝ると涼介は
「どうして、そんな嘘を?」
そう聞き、倉田は
「私には君を使った計画があったんだ」
話し始めた。
「私なら涼介君の難病を手術して助けられると
言って君の所属事務所から大量の金を貰って、
最終的には君の病気を治したと世間に公表して
英雄のようになりたかったんだ」
白状すると東は
「あなたは医師として最低な嘘をついたんです。
それに、その計画のために喘息が悪化する薬を
使いましたよね」
そう言い、倉田は
「そんな事まで分かってたんですか」
そう言うと東は
「1か月程前から涼介さんの喘息が少し
悪化した事に気付き、あなたはそれを利用して、
フェルビナクやインドメタシンなどを配合した
解熱鎮痛薬を使いましたね。医師のあなたなら
喘息も悪化していけば命に関わる病気だと
知っていたはずです」
そう言い、倉田は
「もちろん、自分がどれだけ卑劣な事をしたか
分かっています。きちんと罪を償います」
そう言うと涼介に頭を下げて、東と病室を出た。
その後、病棟を歩いてると、倉田が
「田村先生、私の罪を暴いてくれてありがとう
ございます。私は、おそらくマーブルに
消されますが、せめて医師として自らの手で
この身をもって罪を償います」
そう言い、東は倉田の言葉に違和感を感じて
咄嗟の判断で未来視を使うと倉田が東を
突き飛ばして自分の首に注射を打つ光景が見えて
そして、東が右眼を開けると倉田は東を
突き飛ばそうとしたが、東は倉田の背後に周り、
手刀を当てて気絶させた後、倉田から注射器を
取り上げた。その後、倉田を警察署に連れて行き、
事務所に帰ると季楽羅が
「おかえりなさい。東さん」
そう言い、東が
「ただいま。季楽羅」
そう言うと季楽羅が
「どこ行ってたんですか?」
そう聞き、東が
「涼介さんの所」
そう言うと季楽羅が
「もしかして事件解決できたんですか!?」
そう聞き、東が
「ああ。見事解決してきたよ」
そう言うと季楽羅は
「さすが東さん!」
褒めた直後、
「でも、私も一緒に解決したかったです」
不機嫌そうに言うと東は
「ごめんね、でも季楽羅が涼介さんに事情聴取
してくれたから、すぐに解決できたよ。
ありがとう季楽羅」
感謝を伝え、季楽羅は
「お役に立てて嬉しいです!、それじゃぁ、
今夜は、お先におやすみなさ~い」
そう言い、自分の部屋に入った。東も自分の
部屋に入り、倉田の言った言葉を思い出して
意味深な表情で
「....マーブル」
そう呟いた。
翌日、東は季楽羅に一言伝えて外に出た。東が
向かった先は警察署だった。警察署に入ろうと
すると背後から
「おや、東君」
名を呼ぶ声が聞こえて、振り返ると蔵人がいた。
東は
「蔵人さん、話があって来ました。少し時間
貰えますか?」
そう言うと蔵人は
「ええ。もちろん」
そう言い、2人で人目が無い場所に行き、話をした。
蔵人が
「ところで話とは何ですか?、もしかして昨日の
倉田 康二さんの事ですか~」
そう聞き、東は
「さすが蔵人さん、よく分かりましたね」
そう言うと蔵人が
「東君の事は、お見通しですよ~」
そう言い、東が
「でも昨日、倉田さんがマーブルと言ったんです」
そう言うと蔵人が
「それは、とても興味深いですね~」
そう言い、東が
「倉田さんは『マーブルに消される。だから自分の
手で罪を償う』と言いました」
そう話すと蔵人は
「またそのセリフですか~。マーブルと契約した方は皆その言葉を必ず言って自殺しますね~、今でも警察は奴らに手をやいています」
そう言い、東が
「奴らは絶対に捕まえなきゃ、この世から死は
消えません」
そう言うと蔵人が
「ですが、奴らのアジトは今だに分からず、
マーブルのボスと出会った事があるのは
君だけですよね~、東君」
そう言い、東は
「はい。だから僕にしか解けない謎です。
彼の全ては、絶対に僕の眼で解き明かします」
そう言うと蔵人は
「期待していますよ~、眼異探偵さん」
そう言い、警察署に戻って行った後、東は
「魔柊(ましゅう)、必ず君を捕まえてみせる」
そう呟いて事務所に帰った。
ノックする音が聞こえて、季楽羅が扉を開けると
白髪と水髪のインナーカラーでロングヘアーの
女性がいて、
「あず兄!」
そう言い、強引気味に中に入って来て、
女性を見た東が
「麗!?、久しぶりだな、どうしてここに?」
そう言うと女性は
「依頼を頼みに来たの!」
そう言った。そして、季楽羅が
「あの~、この方は....」
質問してきて、女性が
「初めまして!、
私、春夏秋冬 麗(ひととせうらら)」
自己紹介すると季楽羅は
「春夏秋冬って、まさか!」
そう言い、東を見ると東は
「ああ。僕の妹」
そう言った。季楽羅が
「春夏秋冬家って大家族なんですね」
そう言うと麗が
「ところであず兄、この可愛い子誰?」
そう聞き、東は
「僕の助手の愛乃紅 季楽羅」
そう言うと麗は
「あず兄、どうやってこんな可愛い子
口説いたの!?」
驚いて聞き、東は
「別に口説いた訳じゃないよ」
そう言ったが、麗は無視して季楽羅に
「ねぇねぇ、LINE交換しよー!、どうやったら
そんなに可愛くなれるの、髪色もめっちゃ
可愛いし!」
上機嫌で話すと季楽羅は
「え~っと、この髪は地毛で、それに私全然
可愛くないですよ」
焦りながら言い、東が
「やめろ麗、季楽羅が困ってるだろ。それに、
依頼の件を聞かせてくれ」
そう言うと麗は
「あ、そうだった!」
思い出して、話し出した。
「実は私、ストーカー被害に遭ってるの」
「ストーカー被害か。僕が今気になってる事に
似てるな、この街で最近若い女性が誘拐される
事件が多発しているんだ」
「私が被害に遭ってるのはストーカーだよ?、
誘拐なんて大袈裟でしょー」
「いや、その女性たちは最初ストーカー被害
だったんだけど最終的に、そのストーカーに誘拐
されて....」
東が話すと季楽羅が
「でも、どうして東さん、そんな事知ってるん
ですか?、まさかまた防犯カメラのデータ
盗んだんですか!?」
話に割り込んで言い、東は
「いや、そんな事をする必要も無かったよ、実は
女性たちは解放されてるんだ」
そう言うと麗は
「え?、じゃぁ大丈夫じゃん!」
安心して言い、東が
「実は、女性たちは解放されたけど、おかしく
なってたんだよ」
そう言うと季楽羅が
「どうゆう事ですか?」
そう聞き、東は
「犯人は女性たちに薬物を使って自分に依存
するようにしてたんだ」
そう言うと麗は
「え、薬物?」
そう言い、東が
「女性たちは犯人である男の名前を狂ってずっと
呼び続けるようになったから今は隔離されてる」
そう言うと麗が
「私も、そんな事に....」
不安な表情で言い、東が
「安心して麗、犯人は僕が必ず捕まえる」
そう伝えて、麗に事情聴取を始めた。麗が
「1週間くらい前から帰り道で人の気配を
感じるの。そして昨夜走って追いかけられたの」
そう話し、東は
「その時、犯人の顔は見なかった?」
そう聞くと麗は
「フードを被ってて黒マスクをしてたから」
そう言い、東は
「学校の帰り道だよね」
質問すると麗は頷いて、東が
「明日、麗の学校に行ってもいい?」
そう聞き、麗は
「別にいいけど」
そう言った。
翌日、東と季楽羅は2人で潜入調査に行った。
季楽羅が
「何で私もなんですか!」
驚くように聞くと東は
「僕だけじゃ不自然かと思って、それに僕1人で
行くとなぜか多数の女性に話しかけられて
調査どころじゃなくなるから」
そう言い、季楽羅は
(東さん、自分がどれだけ顔面偏差値高いか自覚
ないのかなぁ?)
疑問に思って、
「でも何で私なんですか?」
疑問を聞き、東が
「麗だったら兄弟だし似てるけど季楽羅だったら
彼女にピッタリだと思って」
そう言うと季楽羅は照れて顔を赤くして
(そんな事言われたら調査どころじゃないよー)
そう思っていると学校に着いて校内に入り、
怪しい人がいないか調べていたら
「あれ?、兄さん!」
そう聞こえて、2人が振り返ると蒼流がいて
季楽羅が
「え!?、何で蒼流さんがここに?」
驚きながら言うと蒼流が
「いや、ここ僕が通ってる大学だから」
そう言い、
「それより、2人とも何でここに?」
質問すると東が
「依頼でここに来たんだよ」
そう言い、蒼流が
「依頼?、この大学の生徒から?」
そう聞くと東は
「実は依頼者は、麗なんだ」
そう言った。蒼流は
「え!?、姉さんが!?」
驚くように言い、
「だったら僕も協力する!」
そう言うと東が
「危険だから、悪いけど今回は任せられない」
そう言い、蒼流は
「でも、姉弟が危険な目に遭ってるのに見てる
だけなんて嫌だよ」
そう言うと東は
「だけど、もしかしたら今回の犯人も、この学校
の教師かもしれない」
そう言い、蒼流と季楽羅が
「え!?」
驚くと季楽羅が
「東さん、それ本当ですか!?」
そう言い、東は
「まだ確信は無いけど、おそらくそうだと思う」
そう言うと蒼流は
「だったら尚更、僕にも協力させて!」
意気込んで、東が
「仕方ない。だけど絶対に無茶はするなよ」
そう言い、調査を再開した。放課後になり、
学生が帰って行き、麗も帰っていると東と
季楽羅は遠くから尾行して、怪しい男を見つけた。
その男が麗に近づき、口にハンカチを当てて麗の
気を失わせて車に乗せた。季楽羅が
「東さん、追わなくていいんですか!?、
麗さんが!」
そう言い、東が
「良いんだよ、わざとだから」
そう言うと季楽羅は
「え?、どうゆう事ですか?」
そう聞き、東が
「麗のスマホにGPSを着けてるから、こっちも
車で行くよ」
そう言うと季楽羅が
「東さん車とか持ってましたっけ?」
そう聞き、東は
「いや、あの人を呼んでる」
そう言って、季楽羅が
「あの人?」
疑問口調で聞くと東が後ろを指差して、季楽羅が
振り返ると武尊がいた。武尊は
「東さん行きましょう!」
そう言い、3人で車に乗り、麗が誘拐された場所
に着いて東が建物の扉をピッキングして開けて
中に入り、麗を探すと奥の部屋から複数の女性の
泣き声が聞こえて、その部屋に入ると5人の
女性がいた。東は
「落ち着いてください。助けに来ました」
そう言うと女性たちの中に麗がいない事に気づき、
「白髪水髪の女性を知りませんか」
そう聞くと1人の女性が
「さっき地下室に連れて行かれました」
そう言い、東は
「地下室はどこに?」
そう聞くと女性が
「浴槽です」
そう言い、東が走って浴槽に行き、浴槽の隠し扉
のような物を開けて階段を歩いて進むと麗がいた。
だけど、東は嫌な気配を感じて未来視を使うと
東が麗に近寄った瞬間に男が背後の物陰から
出てきてナイフで東を刺す光景が見えて、東は
その光景通り、麗に近づくと背後から男が
出てきて刺される瞬間に東は後ろ回し蹴りを
当てて男を気絶させた。東は麗に近寄り、
「大丈夫か麗、怖くなかったか?」
そう言うと麗は
「当たり前じゃん!、あず兄の事信じてたもん」
笑顔で言った。数分後、男が目を覚まして、東が
「あなた、何が目的で女性を誘拐してたんですか」
質問すると男は
「若い女性を俺のものにしたかった。俺は
学生から嫌われてる、だから誘拐して薬物を
使って、無理やり好意を俺に向けさせたんだ」
そう言い、東が
「それ嘘ですよね」
そう言うと男は
「嘘じゃない!?、本当だ!」
焦りながら言い、東が恐怖の表情で
「僕の眼は騙せませんよ」
そう言うと男は
「本当は....学校長に言われて」
白状した。東は
「学校長に?」
そう聞き、男は
「ああ、学校長に薬物を全学生に使ったら金を
やるって言われたんだ」
真実を言うと東は
(やはり、この学校は学校長が関係してたか)
そう思い、
「でもどうして女性だけを?」
そう聞くと男が
「それも学校長の考えで、今俺が言った言い訳も
学校長が考えたものだ。もし見つかったら『この
言い訳を使って私のために捕まれ』って」
そう話し、東は
「事情は分かりましたが、あなたがした事は
許されない事です。一緒に警察に行きましょう」
そう言って、警察に連れて行った後、東と麗と
季楽羅は事務所に戻り、麗が
「あず兄、マジでありがとう!」
お礼を言って、
「じゃぁ、私推しのライブだから帰るね。
バイバイ季楽羅ちゃーん」
そう言い、帰って行った。
翌日、東は1人でもう一度学校に行って校長室の
扉をノックし、中に入ると学校長がいて
「あなた誰ですか?」
校長が聞くと東は
「僕は眼異探偵です」
そう言い、校長が
「なぜ探偵がここに?」
そう言うと東は
「あなたの罪を暴きに来ました」
そう言い、校長が
「何を言ってるんですか、あなたは」
そう言うと東は
「校長先生、あなたは前科がありますよね」
そう言い、校長が
「確かに私は昔、薬物に手を出した事が
ありますが、今はしていません」
そう言うと東が
「はい。その通りですが、あなたは学生に自分と
同じ道を歩ませようとしてますよね」
そう言い、校長は
「何を言ってるんですか!、私がそんな事を
する訳が」
そう言いかけ、東が
「こちらの映像を見てもそんな事が言えますか」
そう言い、タブレットで映像を見せた。
その映像には、校長が教師たちに違法薬物を
渡している光景が映っていた。校長は
「これをどこで!、どうやって....」
驚いて聞き、東が
「僕の自慢の弟が、この映像を入手して
くれたんです」
そう言うと校長は
「ふざけるな!、勝手に学校のカメラデータを
盗んで良いと思っているのか!、窃盗罪だぞ」
怒鳴り、東は
「安心してください、許可は貰ってます。
ですよね、理事長」
そう言うと校長室の扉が開いて白髪の高齢男性が
入ってきた。校長が
「どうして、理事長がここに」
驚いた表情で言うと高齢男性(理事長)は
「春夏秋冬さんに呼ばれて来たんですが、校長
どうゆう事か説明してください。話は全部
聞いていました」
そう言い、校長が
「私は何もしてません!、その映像も偽物です!」
そう言うと東が
「では、こちらの映像もご覧ください」
そう言って他の映像を見せた。その他の映像には
校長が女子生徒にセクハラをする光景や教師に
パワハラをしたり、暴力を振るっている光景など
数々の犯罪の映像が映っていた。校長は
「なぜ、こんなものまで」
唖然とした表情で呟くと東は
「一緒に警察に行って自首しましょう」
そう言い、校長は
「違う!、私もこんな事はしたくなかった、
だけど理事長に無理やり脅されてやっただけだ!」
焦りながら言うと理事長は
「私は、そんな事をした覚えは無い」
そう言い、東が
「そうですよ校長、往生際が悪いですね。僕の
眼に嘘は通用しませんよ」
そう言うと扉が開く音がして
「東君の言う通りです。いい加減罪を認めて
ください」
若年声が聞こえた。振り返ると
ハイエナ事件の時に話しかけてきた
白髪センター分けパーマの男性刑事がいた。東が
「どうしてここに?」
質問すると刑事は
「この学校は事件が多かったので何かあると思い、
調べていくと校長が元凶だと分かったので」
そう言い、校長が
「あなたは、誰ですか」
そう聞くと刑事は
「これは失礼、自己紹介が遅れました。私は、
風間警察の警視庁捜査一課、
神楽 蔵人(かぐらくろうど)です」
自己紹介して、校長は
「警察!?」
驚いて言い、東が
「校長、どうか罪を認めてください」
そう言うと校長は
「もう私は、お終いだーーー!」
叫んで、拳銃を取り出して東に撃ったが、東は
瞬時に未来視を使って銃弾を避けると蔵人が
拳銃を取り出して校長の拳銃目掛けて撃った。
銃弾が命中すると校長は拳銃を手放して、東が
一瞬で校長に距離を詰めて首に手刀を当てて気絶
させた。蔵人が
「さすがですね~。期待通りの動きをしてくれて
助かりました」
そう言い、東が
「あなたこそ、腕は鈍ってないようですね」
そう言った。
数分後、校長が目を覚まして、東が
「校長先生、警察に行って罪を償ってください。
まだきっとやり直せます。1人の教師として、
そして、1人の父親として。」
そう言うと校長は
「とうしてその事を」
そう聞き、東が
「指輪を見て、もしかしてと思い、あなたの机の
引き出しを開けたら娘さんと奥様とあなたが
3人で笑っている写真を見つけました。だから
家族のために罪を償って、数年後、家に帰って
もう一度この笑顔を見せてあげてください」
写真を渡して言うと校長は写真を見て
泣きながら何度も謝った。その後、校長と東は
蔵人の車に乗り、警察署に向かった。校長が
自首した後、東と蔵人は2人で話していた。東が
「蔵人さん、気付きましたか」
そう聞き、蔵人が
「はい。なぜ、ただの大学の校長が拳銃を
持っていたんですかね~」
そう言うと東は
「この事件には、まだ続きがありそうですね」
そう言い、蔵人は不気味な笑顔で
「はい。ワクワクしますね~」
そう言った。そして、東は事務所に帰った。
事務所の扉を開けると季楽羅が
「おかえりなさい、東さん!」
そう言い、東が
「ただいま、季楽羅」
そう言うと季楽羅は
「朝からどこ行ってたんですか?」
そう聞き、東が
「ただの散歩だよ」
嘘を言った。季楽羅は
「朝起きて東さん、どこにもいないから
焦りましたよー」
そう言い、東は
「ごめんね季楽羅」
謝ると季楽羅は
「特別に許します!、それはそうと東さん、
ニュース見ました?」
そう言い、東は
「いや、見てないけど何かあった?」
そう言うと季楽羅は、テレビをつけて
「見てくださいこれ!」
そう言い、東がテレビを見ると校長の事が
ニュースになっていた。季楽羅が
「これ、蒼流さんと麗さんの学校ですよね?、
校長がいなくなっちゃったら、
どうなるんですか?」
不安な声で聞き、東が
「校長がいなくなっても理事長が学校の責任者
だから大丈夫だと思うよ」
そう言うと季楽羅は
「じゃぁ、蒼流さんと麗さんは大丈夫ですね!」
安心した表情と声で言い、東は
「ああ。そうだね」
そう言った。
翌日、事務所の扉をノックする音が聞こえて
季楽羅が扉を開けると1人の女性がいた。季楽羅が
「どうぞ、中へ」
そう言って女性を中に入れて、椅子に座らせて
東が
「お名前を聞いても良いですか?」
そう聞き、女性は
「北村 小百合(きたむらさゆり)です」
名乗ると東が
「小百合さん、どういった依頼でしょうか」
そう言い、小百合は
「私の親友を探してください」
そう言った。東は
「詳しく聞かせてもらえますか?」
そう聞き、小百合は話し出した。
「親友の名前は、原田 雪菜(はらだゆきな)です。
雪菜とは小学校の時からずっと一緒にいて、
今でもシェアハウスをする仲だったんですけど
ある日から家に帰ってこなくなりました。
思い当たる場所は探したんですけど」
依頼内容を話すと東は
「それで、ここに来たという事ですか。事情は
分かりました、この依頼お受けしましょう」
そう言い、
「まずは手掛かりのために、ご自宅に行っても
良いですか?」
そう聞くと小百合は
「はい」
一言発して、東と家に行った。家に着いて
中に入り、調査を始めるとスマホを見つけて
「このスマホは雪菜さんの物ですか?」
質問すると小百合は
「はい」
そう言い、東が
「中を見てもよろしいですか?」
そう聞くと小百合は
「私も見ようとしたんですけど、ロックが
掛かってて」
そう言い、東は
「なるほど。ですが、何かの手掛かりになるかも
しれないので、僕が預かっても良いですか?」
そう聞くと小百合は
「はい、どうぞ」
そう言い、東は事務所に帰った後、
(でも外出するのに、
スマホを持っていかないのはおかしい)
疑問に思い、蒼流を事務所に呼んで
「蒼流、このスマホのロック開けれないか」
そう言うと蒼流は
「たぶん開けられると思うよ」
そう言って、パソコンを使い、スマホのロックを
開けた。東がスマホの中を見ると1か月程前から
連絡を取ってる男がいる事に気付いて
(もしかして、この男が)
そう思い、
「蒼流、パソコン貸してくれ」
そう言って、パソコンを借りて使い、男の名前と
住所を特定した。蒼流が
「スゴいね兄さん!、でもそれ犯罪じゃない?」
そう言うと東は
「確かにそうだけど、この事件かなりまずいかも
しれない」
そう呟き、蒼流と男の家に向かった。ピッキング
して扉を開けて中に入ると妙に生活感が
無いように見えた。東が、机上のパソコンの電源
が入ってるのに気付いて調べると女性の名前や
顔写真やスリーサイズなどの個人情報が大量に
入っていた。そして動画も大量にあり、見てみると
女性の身体を八つ裂きにしてる光景が映っていて
腕や足を切ってバラバラにして臓器を取り出して
並べているイカれた映像が取られていた。東は
(これは、蔵人さんが話してた芸術殺人事件)
そう考えると蒼流の声が聞こえて行ってみると
蒼流が冷蔵庫の前で腰を抜かしていた。東が
「どうした蒼流、大丈夫か」
声を掛けると蒼流は恐る恐る冷蔵庫を指差して
東が、その方向を見ると
「これは!?」
そう言い、両眼を見開いた。眼に入った光景は
冷凍保存されている大量の人の臓器だった。
蒼流が
「兄さん、これってまさか」
そう言うと東は確認して
「ああ。全部人の心臓だ」
そう言った。数時間後、警察がきて
「あなたが通報してくれたんですか?」
刑事に聞かれて、東は
「はい、そうです」
そう言い、刑事は
「それでは中を調べさせてもらいます」
そう言って中に入り、捜査を始めた。東が蒼流と
事務所に帰ろうとした時、
「あれ~、東君じゃないですか~」
そう聞こえて、東が
「あなたも来てたんですね、蔵人さん」
そう言い、振り返った。蔵人は
「芸術殺人事件は、私が特に気になってたので~」
そう言うと蒼流が
「兄さん、この人誰?」
東に質問して、東は
「この人は、警視庁捜査一課の神楽 蔵人さん」
紹介すると蔵人が
「はじめまして~。東君にそっくりですが、
弟さんですか?」
そう言い、蒼流は
「はい、春夏秋冬 蒼流です。ところで、
さっき言ってた芸術殺人事件って何ですか?」
そう言うと蔵人は
「この犯人はイカれていまして、女性を誘拐して
身体をバラバラにして、臓器を芸術家きどりに
なって並べたり飾って楽しんでいるんです。
だから芸術殺人事件です」
そう話し、蒼流が
「許せませんね。そんな奴」
怒り口調と表情で言うと蔵人は
「東君、弟さんは中身も君に似ていますね~」
不気味な笑顔で言って、捜査に行った。
東と蒼流は事務所に帰り、東が
(この犯人はどこにいるんだ。あのパソコンの
動画を見れば何か分かるかもしれない)
そう思って、男のパソコンから盗んできた動画
データを見返すと
(この場所やけに暗いし、音が反響してる、
地下か?。それにこの臓器の置き方、何かで
見た気がする)
そう思い、もう一度男の名前を見て調べると
有名な若き芸術家であると分かった。
(やはりこの置き方、自分の本物の絵画作品と
重ね合わせてる。あとはこの場所さえ分かれば)
そう思って、犯人の事を1から調べなおした。
すると、両親はかなり昔に亡くなっているのに
実家を売っていない事に気付いて、
翌日、東は犯人の実家に向かった。人目が無い所に
家があり、殺すには有利な場所だと確信して中に
入り、地下室を探した。片っ端から探して
キッチンの足元が隠し階段になっていて降りると
血生臭さがした。東は
(この匂い)
不吉に思い、地下室に着くと1人の男が鼻歌を
歌いながら人の身体を切断していた。東が
「大倉 慎吾(おおくらしんご)さん?」
呼びかけると男は振り向いて
「そうだけど、お前誰だ!」
そう言い、東が
「僕は眼異探偵で、あなたのファンです」
そう言うと慎吾は
「俺のファンだと?」
そう言い、東が
「はい。僕はあなたの作品を初めて見た時、
あなたの虜になりました。スゴく独創的な絵で
色使いも素敵でこの眼が釘付けになりました」
そう言うと慎吾が
「それは嬉しいなぁ、今からまた新しい作品が
出来るから見ててよ」
嬉しそうに言い、東が
「ですが、人の亡骸で作品を作っても何も美しく
ありません。今すぐそんな事やめてください」
そう言うと慎吾は
「何だと貴様、俺の作品をバカにするのかーー!」
叫んでノコギリを持って、東に向かって来たが、
東は未来視を使い、避けて側頭部に蹴りを当てて
慎吾はその場に倒れた。東が遺体に近寄り、顔を
確認して小百合に貰った雪菜の写真と遺体を
見比べて同じ顔だと分かって
「一歩遅かった....」
悔やんで、警察を呼んで慎吾を引き渡した。
その後、東は小百合に
「本当にごめんなさい。雪菜さんを救えなくて」
頭を下げると小百合は
「いえ。私たちのために、ありがとうございます」
ハンカチで口元を抑えて泣きながら礼を言い、
東は小百合の目を見れずに事務所に帰った。
事務所の扉を開けると季楽羅が
「おかえりなさい!、東さん」
笑顔で出迎えてくれたが、東は
「ただいま、季楽羅」
暗い表情で言うと季楽羅が察して
「東さんは頑張りました。だからそんなに
悔やまないでください」
慰めるように言い、東は
「でも、もう少し僕が早ければ、1秒でも速く
駆けつけてれば」
後悔すると季楽羅が
「どうか自分を責めないでください、その悔しさ
を明日の活力に変えてください。じゃないと、
おじいさんが悲しみます」
そう言うと東は
「ああ....そうだね。探偵として1つでも多くの事件
を解決しなきゃ、じいちゃんに顔向けできない」
そう言い、季楽羅が
「じゃぁ、ご飯にしましょうか!、東さんも
お腹空きましたよね」
そう言って、2人で仲良く夕食を食べた。
翌日、1人の依頼者が事務所に来たが、依頼者は
麗だった。東が
「どうした、麗」
そう聞くと麗は
「あず兄、お願い!、私の推しを助けて」
そう言い、東が
「詳しく聞かせてくれ」
そう言うと麗は
「カラフルボーイズのリーダーが、突然昨日の
ライブ中に倒れたの」
そう言った。東は
「カラフルボーイズ?」
疑問口調で言うと麗は
「あず兄知らないの!?」
驚いた表情で言い、スマホで写真を見せて
「今、国民的人気のアイドルグループだよ!、
赤髪がパージュ君、青髪がユニ君、緑髪が
ラージェ君、金髪がライト君」
そう話すと東が
「誰がリーダーなの?」
そう聞き、麗が
「この赤髪の、パージュ君」
教えると東が
「パージュって本名?」
そう聞き、麗が
「本名は、松林 涼介(まつばやしりょうすけ)」
そう言うと東は
「でも倒れたって言ってたけど、どうして僕の所に
来たの?」
そう聞き、麗が
「パージュ君、医者に余命宣告されたらしいけど
その医者が怪しいの」
そう言うと東は
「何で麗にそんな事が分かるの」
そう聞き、麗は
「実は、1か月くらい前から体調が悪くて病院に
通ってたらしいんだけど、ファンがパージュ君と
医者が話してる所を見たらしくて、その医者は昔
犯罪して捕まってたの」
そう話すと東が
「犯罪歴のある医師かぁ、その医師の名前は?」
質問して、麗が
「立川病院の倉田 康二(くらたこうじ)」
そう言うと東はパソコンで調べて
「この人か。確かに過去に嘘の症状を言ったり、
虚偽診断をして捕まってるな」
そう言い、
「分かった。この依頼者お受けしましょう」
そう言うと麗が
「ありがとっ!、あず兄」
感謝して帰って行った。その後、東が
「季楽羅、潜入調査だ」
そう言うと季楽羅は
「はい!」
威勢良く言った。
翌日、2人で立川病院に行き、東が
「僕は倉田医師に会いに行く。季楽羅はこれに
着替えて涼介さんに話を聞いてきて」
そう言うと季楽羅は
「何ですか?、この服」
そう聞き、東は
「看護師服だよ、この姿なら涼介さんも
話しやすいと思うから」
そう言うと季楽羅は
「でも他の看護師に見つかったらヤバく
ないですか?」
不安そうに聞き、東は
「その時は、すぐに逃げるか、相手を騙して
その場を凌いで」
そう言うと季楽羅は
「上手く出来るか不安ですけど、頑張ります!」
意気込んで、東は白衣を着て
「それでは作戦開始」
そう言い、医局に向かった。季楽羅は涼介の
病室前に着いて中に入り、赤髪男性に近寄って
「松林さん、体調はどうですか?」
優しく聞き、涼介は
「まぁ、今は大丈夫です」
そう言うと季楽羅は
「昨日はどのような症状が出て倒れたんですか?」
質問して、涼介は
「急に息切れがきて酸欠になって、そのまま
意識が飛んで」
そう言うと季楽羅は
「1か月程前から体調が優れなかったん
ですよね?」
そう聞き、涼介は
「はい、それでこの病院に通い始めて。でも
通い始めたら悪くなってる気がして」
そう言い、季楽羅は
(通い始めて、悪化?)
疑問に思った。その頃、東は医局に着いて
中に入ると運良く倉田はいなかった。東は倉田の
デスクに行き、ファイルの資料やパソコンを見て
「なるほど」
呟いて、資料やデータをコピーして医局を出て、
涼介の病室に向かった。タイミング良く病室から
季楽羅が出てきて一緒に事務所へ帰った。
事務所で、季楽羅は涼介から聞いた事を東に
話すと東は
(やっぱりか)
そう思い、
「ありがとう季楽羅」
礼を言って、自分の部屋に入った。
翌日、東は1人で立川病院に行き、倉田に会って
「倉田先生、一緒に来てください」
そう言い、倉田が
「あなた見ない顔ですが、うちの病院の医師
ですか?」
そう聞くと東は
「ええ、もちろん。医師の田村です、それでは
一緒に来てもらいます」
そう言い、2人で涼介の病室に向かった。
病室に入り、東が
「倉田先生、涼介さんに謝罪してください」
そう言うと倉田は
「何を言ってるんですか?、なぜ私が謝罪を」
そう言い、東は
「あなた嘘の症状を言いましたよね」
そう言うと倉田は
「嘘なんか言っていません」
そう言い、東が
「では、涼介さんは何が原因で余命宣告を
受けたんですか」
そう聞くと倉田は
「膵臓癌です」
そう言った。東は
「それがおかしいんです。涼介さんは息切れをして
酸欠になり運ばれたんです、膵臓癌には
そんな症状でません」
そう言い、倉田は
「じゃぁ、涼介君は何が原因だと言うんですか」
そう言うと東は
「涼介さんは、アスピリン喘息です」
そう言い、涼介が
「え?、喘息!?」
疑いと驚きの表情で言うと倉田は
「そんなのデタラメだ!、何を根拠にそんな事を」
そう言い、東は
「根拠はこれです」
そう言って、数枚の紙を渡した。紙を見た倉田は
「なぜこれを!?」
驚きの表情と声で言うと東は
「その紙には涼介さんの本当の診断結果と、
あなたが隠蔽した数々の症状や患者記録が書いて
あります。その上僕の眼に嘘は通用しませんが、
それでも嘘だと言えるんですか?」
そう言い、倉田は涼介を見て
「涼介君.....ごめんなさい」
頭を下げて謝ると涼介は
「どうして、そんな嘘を?」
そう聞き、倉田は
「私には君を使った計画があったんだ」
話し始めた。
「私なら涼介君の難病を手術して助けられると
言って君の所属事務所から大量の金を貰って、
最終的には君の病気を治したと世間に公表して
英雄のようになりたかったんだ」
白状すると東は
「あなたは医師として最低な嘘をついたんです。
それに、その計画のために喘息が悪化する薬を
使いましたよね」
そう言い、倉田は
「そんな事まで分かってたんですか」
そう言うと東は
「1か月程前から涼介さんの喘息が少し
悪化した事に気付き、あなたはそれを利用して、
フェルビナクやインドメタシンなどを配合した
解熱鎮痛薬を使いましたね。医師のあなたなら
喘息も悪化していけば命に関わる病気だと
知っていたはずです」
そう言い、倉田は
「もちろん、自分がどれだけ卑劣な事をしたか
分かっています。きちんと罪を償います」
そう言うと涼介に頭を下げて、東と病室を出た。
その後、病棟を歩いてると、倉田が
「田村先生、私の罪を暴いてくれてありがとう
ございます。私は、おそらくマーブルに
消されますが、せめて医師として自らの手で
この身をもって罪を償います」
そう言い、東は倉田の言葉に違和感を感じて
咄嗟の判断で未来視を使うと倉田が東を
突き飛ばして自分の首に注射を打つ光景が見えて
そして、東が右眼を開けると倉田は東を
突き飛ばそうとしたが、東は倉田の背後に周り、
手刀を当てて気絶させた後、倉田から注射器を
取り上げた。その後、倉田を警察署に連れて行き、
事務所に帰ると季楽羅が
「おかえりなさい。東さん」
そう言い、東が
「ただいま。季楽羅」
そう言うと季楽羅が
「どこ行ってたんですか?」
そう聞き、東が
「涼介さんの所」
そう言うと季楽羅が
「もしかして事件解決できたんですか!?」
そう聞き、東が
「ああ。見事解決してきたよ」
そう言うと季楽羅は
「さすが東さん!」
褒めた直後、
「でも、私も一緒に解決したかったです」
不機嫌そうに言うと東は
「ごめんね、でも季楽羅が涼介さんに事情聴取
してくれたから、すぐに解決できたよ。
ありがとう季楽羅」
感謝を伝え、季楽羅は
「お役に立てて嬉しいです!、それじゃぁ、
今夜は、お先におやすみなさ~い」
そう言い、自分の部屋に入った。東も自分の
部屋に入り、倉田の言った言葉を思い出して
意味深な表情で
「....マーブル」
そう呟いた。
翌日、東は季楽羅に一言伝えて外に出た。東が
向かった先は警察署だった。警察署に入ろうと
すると背後から
「おや、東君」
名を呼ぶ声が聞こえて、振り返ると蔵人がいた。
東は
「蔵人さん、話があって来ました。少し時間
貰えますか?」
そう言うと蔵人は
「ええ。もちろん」
そう言い、2人で人目が無い場所に行き、話をした。
蔵人が
「ところで話とは何ですか?、もしかして昨日の
倉田 康二さんの事ですか~」
そう聞き、東は
「さすが蔵人さん、よく分かりましたね」
そう言うと蔵人が
「東君の事は、お見通しですよ~」
そう言い、東が
「でも昨日、倉田さんがマーブルと言ったんです」
そう言うと蔵人が
「それは、とても興味深いですね~」
そう言い、東が
「倉田さんは『マーブルに消される。だから自分の
手で罪を償う』と言いました」
そう話すと蔵人は
「またそのセリフですか~。マーブルと契約した方は皆その言葉を必ず言って自殺しますね~、今でも警察は奴らに手をやいています」
そう言い、東が
「奴らは絶対に捕まえなきゃ、この世から死は
消えません」
そう言うと蔵人が
「ですが、奴らのアジトは今だに分からず、
マーブルのボスと出会った事があるのは
君だけですよね~、東君」
そう言い、東は
「はい。だから僕にしか解けない謎です。
彼の全ては、絶対に僕の眼で解き明かします」
そう言うと蔵人は
「期待していますよ~、眼異探偵さん」
そう言い、警察署に戻って行った後、東は
「魔柊(ましゅう)、必ず君を捕まえてみせる」
そう呟いて事務所に帰った。
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