32 / 32
異世界生活
第29話〜進〜
しおりを挟む
ヒュー、妖精と信頼関係を築くことが今後の方針と決まった俺は、ダンジョンへと足を運んだ。
クイズ迷宮は二階層をすでにクリアしていたため、三階層まで降りる。
どんな問題が来るのかと思ったら、小さめの体育館ほどある今までとは全く違う部屋だった。
中心には浮かびつつ回転している立方体の形をした物体がある。
不気味なほど暗い部屋を、その物体は紫色に照らしていた。
暫く待っても何も起こる様子はなく、部屋を見回しても入ってきた入り口以外特に何も手掛かりはなかった。
どうしようもない俺はその物体に触ってみた。
すると脳内に声が流れてきた。
“敵を討伐せよ。
全ての敵を倒した者に
道は開かれん。”
言葉が終わるや否や巨大な一つ目の巨人が二体急に現れた。
まずい。
「お前たち、空に飛んで避難するんだ!」
二匹はすぐさま飛び立つ。
さて、鑑定でまずは分析だ。
「サイクロプス
腕より太い持ち前の棍棒を振り回して周りに甚大な被害を与える。
動きこそ鈍いが、生半可な剣では脂肪によってダメージが通らない。
群れることはほぼ無いが、稀に突然変異によって高い知能を持った個体同士で手を組むことがある。
その場合には、集団戦法を使って分断する事がセオリーとなる。」
成る程、まずいな。
俺の目には二匹、そしてこちらをその両方が伺っているように見える。
鑑定と照らし合わせて変異個体であることは間違いないだろう。
ソロできた関係上分断は不可能なため、同時に相手をする方法を考える。
一つ目であることから、視覚の要である目さえどうにかすれば勝機があると踏んだ俺は火魔導を飛ばす。
しかし、サイクロプス達は自分の欠点をきちんと把握しており、横薙ぎにした棍棒で掻き消されてしまう。
流石に火魔導ではダメか。
攻撃では無い方法にするか。
爆発魔導で目眩しをする。
目はサイクロプスの重要な器官であったのだろう。
パニックを起こし、足元がふらついた。
すかさず俺はえくすかりばーを使って目を攻撃する。
両方のサイクロプスにうまく攻撃を与えることに成功し、何とか余裕が持てるようになってきた。
混乱する二体は互いを棍棒で攻撃しあい、やがて何方も力尽きた。
本能で動くことに慣れた知能の低い個体はそういう場合はそこまでパニックにならない(パニックを認識しない)のだが、知能が高いことによって現状把握が出来ないことによる不安がパニックを引き起こしたようだ。
二匹の討伐に成功した俺は、道を探した。
一向に道が出てくる気配が無い。
不思議に思っているとヒュー達が鳴きながら降りてきた。
乗って欲しそうに合図をしていたので、ヒューにまたがると天井付近に窪みがあるのが見えた。
そこへそのまま飛んでもらい、着地をすると、思いの外広い空間へと繋がっていた。
その部屋の中心にはまた紫のオブジェクトがあり、部屋全体を照らしていた。
アナウンスがあるのかと思ったが、今回はなく、そのままモンスターが湧いて出てきた。
鑑定すると、プリンスライムという名前らしい。
こいつは厄介なことに攻撃の強弱に関係なく7回攻撃をすることで討伐できるらしい。
こう聞けば子供でも討伐が可能なように思うだろう。
実際単体なら冒険者になれない子供でも木の棒でつついて倒す事が可能らしい。
しかしそれが十匹二十匹となると途端に難易度は跳ね上がる。
普通冒険者は一発で強力なダメージを与える魔導を覚える傾向にあるため、手数の多い技は習得しない事が殆どである。
理由はいくつかあるが大きな要因は詠唱回数だろう。
一回唱えて100ダメージが与えられる魔導と10回唱えて100ダメージが与えられる魔導では比較にならない。
消費した魔力は自然と回復していくものだが、詠唱に時間がかかり、直ぐにダメージを与えられない状況が続くと、魔力切れより先にHPが切れてしまう可能性があるからだ。
脱線したが、とにかく手数の多い攻撃は効率や利便性を考えて懸念されるという事から俺はそういった攻撃を全く覚えていない。
そのため、ひたすらにえくすかりばーを振り回す。
そろそろ1時間30分は経過しただろうか。
正直剣を振るだけなので魔力切れの心配はないが、大体の敵は一回でかなりダメージが入るこの剣でも、この魔物に関しては普通の剣と変わらず、身体中が疲れ、頭が回らなくなってきた。
今更だが、スライムが湧く元凶をどうにかすれば止まらないだろうか?
俺は倒すことを一旦やめ、スライムの集団を踏み超えていく。
案の定空中に浮いた黄色い球からプリンスライムが湧き出ていた。
ヒューを呼び、空を飛んでその元凶を叩き斬った。
するとスライムの湧きが止まり、部屋にすでに召喚されたスライムおよそ五百匹が残った。
剣をさらに振り回して、3時間に差し掛かったところで何とか全ての討伐を完了した。
するとドアが現れ、報酬の入った宝箱も見つけた。
中には1000万G、そして此方の動向が分かっているかのように黄金の馬鎧が二つ入っていた。
折角なので二匹に装着した。
真っ白な毛に合うように光りすぎない落ち着いた光沢の鎧だ。
見栄えは素晴らしくよく、思わず乗るのに躊躇ってしまう程だ。
かなり長い時間ダンジョンにいたので、あたりは夕方になっていた。
二匹を連れ、安らぎの羽根へ戻り、いつも通り食事をして風呂に入った。
いつになく体を酷使したせいか、節々が痛み、なかなか寝付けないのだった。
クイズ迷宮は二階層をすでにクリアしていたため、三階層まで降りる。
どんな問題が来るのかと思ったら、小さめの体育館ほどある今までとは全く違う部屋だった。
中心には浮かびつつ回転している立方体の形をした物体がある。
不気味なほど暗い部屋を、その物体は紫色に照らしていた。
暫く待っても何も起こる様子はなく、部屋を見回しても入ってきた入り口以外特に何も手掛かりはなかった。
どうしようもない俺はその物体に触ってみた。
すると脳内に声が流れてきた。
“敵を討伐せよ。
全ての敵を倒した者に
道は開かれん。”
言葉が終わるや否や巨大な一つ目の巨人が二体急に現れた。
まずい。
「お前たち、空に飛んで避難するんだ!」
二匹はすぐさま飛び立つ。
さて、鑑定でまずは分析だ。
「サイクロプス
腕より太い持ち前の棍棒を振り回して周りに甚大な被害を与える。
動きこそ鈍いが、生半可な剣では脂肪によってダメージが通らない。
群れることはほぼ無いが、稀に突然変異によって高い知能を持った個体同士で手を組むことがある。
その場合には、集団戦法を使って分断する事がセオリーとなる。」
成る程、まずいな。
俺の目には二匹、そしてこちらをその両方が伺っているように見える。
鑑定と照らし合わせて変異個体であることは間違いないだろう。
ソロできた関係上分断は不可能なため、同時に相手をする方法を考える。
一つ目であることから、視覚の要である目さえどうにかすれば勝機があると踏んだ俺は火魔導を飛ばす。
しかし、サイクロプス達は自分の欠点をきちんと把握しており、横薙ぎにした棍棒で掻き消されてしまう。
流石に火魔導ではダメか。
攻撃では無い方法にするか。
爆発魔導で目眩しをする。
目はサイクロプスの重要な器官であったのだろう。
パニックを起こし、足元がふらついた。
すかさず俺はえくすかりばーを使って目を攻撃する。
両方のサイクロプスにうまく攻撃を与えることに成功し、何とか余裕が持てるようになってきた。
混乱する二体は互いを棍棒で攻撃しあい、やがて何方も力尽きた。
本能で動くことに慣れた知能の低い個体はそういう場合はそこまでパニックにならない(パニックを認識しない)のだが、知能が高いことによって現状把握が出来ないことによる不安がパニックを引き起こしたようだ。
二匹の討伐に成功した俺は、道を探した。
一向に道が出てくる気配が無い。
不思議に思っているとヒュー達が鳴きながら降りてきた。
乗って欲しそうに合図をしていたので、ヒューにまたがると天井付近に窪みがあるのが見えた。
そこへそのまま飛んでもらい、着地をすると、思いの外広い空間へと繋がっていた。
その部屋の中心にはまた紫のオブジェクトがあり、部屋全体を照らしていた。
アナウンスがあるのかと思ったが、今回はなく、そのままモンスターが湧いて出てきた。
鑑定すると、プリンスライムという名前らしい。
こいつは厄介なことに攻撃の強弱に関係なく7回攻撃をすることで討伐できるらしい。
こう聞けば子供でも討伐が可能なように思うだろう。
実際単体なら冒険者になれない子供でも木の棒でつついて倒す事が可能らしい。
しかしそれが十匹二十匹となると途端に難易度は跳ね上がる。
普通冒険者は一発で強力なダメージを与える魔導を覚える傾向にあるため、手数の多い技は習得しない事が殆どである。
理由はいくつかあるが大きな要因は詠唱回数だろう。
一回唱えて100ダメージが与えられる魔導と10回唱えて100ダメージが与えられる魔導では比較にならない。
消費した魔力は自然と回復していくものだが、詠唱に時間がかかり、直ぐにダメージを与えられない状況が続くと、魔力切れより先にHPが切れてしまう可能性があるからだ。
脱線したが、とにかく手数の多い攻撃は効率や利便性を考えて懸念されるという事から俺はそういった攻撃を全く覚えていない。
そのため、ひたすらにえくすかりばーを振り回す。
そろそろ1時間30分は経過しただろうか。
正直剣を振るだけなので魔力切れの心配はないが、大体の敵は一回でかなりダメージが入るこの剣でも、この魔物に関しては普通の剣と変わらず、身体中が疲れ、頭が回らなくなってきた。
今更だが、スライムが湧く元凶をどうにかすれば止まらないだろうか?
俺は倒すことを一旦やめ、スライムの集団を踏み超えていく。
案の定空中に浮いた黄色い球からプリンスライムが湧き出ていた。
ヒューを呼び、空を飛んでその元凶を叩き斬った。
するとスライムの湧きが止まり、部屋にすでに召喚されたスライムおよそ五百匹が残った。
剣をさらに振り回して、3時間に差し掛かったところで何とか全ての討伐を完了した。
するとドアが現れ、報酬の入った宝箱も見つけた。
中には1000万G、そして此方の動向が分かっているかのように黄金の馬鎧が二つ入っていた。
折角なので二匹に装着した。
真っ白な毛に合うように光りすぎない落ち着いた光沢の鎧だ。
見栄えは素晴らしくよく、思わず乗るのに躊躇ってしまう程だ。
かなり長い時間ダンジョンにいたので、あたりは夕方になっていた。
二匹を連れ、安らぎの羽根へ戻り、いつも通り食事をして風呂に入った。
いつになく体を酷使したせいか、節々が痛み、なかなか寝付けないのだった。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(5件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです
ご感想ありがとうございます!
私情で申し訳ありませんが、今現在かなりバタバタしております。
もう暫くしたら必ず更新を始めますので、よろしくお願いいたします!
((実はなぞなぞ作るのが得意だったりします笑笑
すごく面白くて毎回、更新が楽しみで仕方ないのです!
ただ、ひ、ひとつありまして……
(ボソッ)え、エベレストくらいの高さになると呼吸困難になって病気になるのでは……??
ご意見、ご感想ありがとうございます!
文章を書いている時に僕も違和感がありました笑
しかし富士山を超える高さとかよりはインパクトがあって良いかなぁと思いエベレストにしました。
異世界は地球と同じ大気の組成をしていないというご都合主義でどうかお許しくださいm(_ _)m