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第2話
爺様はスパルタすぎる
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「話が逸れたが、魔素を用いると言っても誰も彼もが魔法を使えるわけではない。 また扱えたとしても魔力量が足らねば具現化させることもできぬ」
「魔力量は、先天的に決まっているものなんですか?」
「量自体は増やせる、先天的に決まっているのはその魔力を貯めておける肉体、つまりは器の大きさじゃの。 こればかりはどうやっても間口を広げることはできん」
「その器の大きさって分かるんですか?」
「第三者視点では普通測り知れぬが、それを知るための技術はある。 ちなみにワシも使える」
「へぇ、じゃあ俺の器はーー、あだっ!?」
「たわけ。 見習いどころか半人前ですらない小童がそのようなことを気にするでない。 お前がやるべきはまず知識を身につけることが先決じゃ。 ワシが良しと判断するまでは魔法を行使することは赦さぬぞ」
「……スパルタだな、この人」
「何か言ったか?」
「いいえっ、何も」
魔法はこの世界では日常的なもので、扱えるのはごく普通かと思っていたが、そうでもないらしい。
魔力とは言ってしまえば生命力そのものであり、生きるための血液でもあるので、そこから更に魔法を使うために汲み上げる必要があるというのだ。
魔力量は後天的に増やすことはできるが、先天的にその魔力を受け止めるための身体うつわは決まっているようで、大きくすることはできないという。
これについても昔は自分の体を拡げようとした狂気的な考えをした人がいたようだが、失敗に終わったそうだ。
そうなると俺の器はどのくらいなのかは知りたくなるのは必然だが、これを尋ねると師匠からお叱りとばかり杖で頭を叩かれる。
半人前ですらないとはその通りなのだが、ここまで厳しくしなくてもいいのではないかと不満がないわけではなかった。
とはいえ師匠の講義は必要ではあるが、面白いものなので少しくらいは我慢できるからこそ、身が入るというもの。
話が脱線することはよくあっても、止まることはないので仕切り直しと今日やるべきところまで進めようとするが、そうはいかなかった。
「やれやれ、お前に教えていると飽きぬわ。 さて、続きじゃがーー」
「し、失礼します!? 爺様、すぐに来てください!」
「なんじゃ、いきなり。 ファングボアの解体は終わったのか?」
「それが、ゼンブルさんが『これでは足りないからもう一度狩りに行こう!』と言って、ヒューイくんを連れて森へ向かおうとしてるんです! 食い止めているんですが、何故か興奮してて止まらないんですあの人!?」
「……ダイチ、心当たりはあるか?」
「はっ? ないで……、えっ? まさか……」
「ついてこい、そしてゼンブルを止めろ。 止めねば明日までの課題をいつもの5倍に増やす」
「それ俺しか損してませんよね!?」
続きをしようとしたところへ、師匠の家の扉を慌てて開けたゴールデンレトリバー種の壮年男性が助けを求めてきた。
問題の原因は昼時に一悶着あったゼンブルさんが関係しているらしく、そのことで心当たりがありすぎる俺は師匠の瞳がこちらに向けてくるのがとても痛かった。
何で今日に限ってこんな色々な揉め事に見舞われるのかな、厄日なのか!?
ニッコリと、俺の顔を見て師匠こと爺様は青筋を立てながら無茶振りしてきた。
どうしてこんなことに、などと考えるよりもまずなんとかしなければと、俺は爺様と男性と共に義理の親と番いの元へ走る。
「魔力量は、先天的に決まっているものなんですか?」
「量自体は増やせる、先天的に決まっているのはその魔力を貯めておける肉体、つまりは器の大きさじゃの。 こればかりはどうやっても間口を広げることはできん」
「その器の大きさって分かるんですか?」
「第三者視点では普通測り知れぬが、それを知るための技術はある。 ちなみにワシも使える」
「へぇ、じゃあ俺の器はーー、あだっ!?」
「たわけ。 見習いどころか半人前ですらない小童がそのようなことを気にするでない。 お前がやるべきはまず知識を身につけることが先決じゃ。 ワシが良しと判断するまでは魔法を行使することは赦さぬぞ」
「……スパルタだな、この人」
「何か言ったか?」
「いいえっ、何も」
魔法はこの世界では日常的なもので、扱えるのはごく普通かと思っていたが、そうでもないらしい。
魔力とは言ってしまえば生命力そのものであり、生きるための血液でもあるので、そこから更に魔法を使うために汲み上げる必要があるというのだ。
魔力量は後天的に増やすことはできるが、先天的にその魔力を受け止めるための身体うつわは決まっているようで、大きくすることはできないという。
これについても昔は自分の体を拡げようとした狂気的な考えをした人がいたようだが、失敗に終わったそうだ。
そうなると俺の器はどのくらいなのかは知りたくなるのは必然だが、これを尋ねると師匠からお叱りとばかり杖で頭を叩かれる。
半人前ですらないとはその通りなのだが、ここまで厳しくしなくてもいいのではないかと不満がないわけではなかった。
とはいえ師匠の講義は必要ではあるが、面白いものなので少しくらいは我慢できるからこそ、身が入るというもの。
話が脱線することはよくあっても、止まることはないので仕切り直しと今日やるべきところまで進めようとするが、そうはいかなかった。
「やれやれ、お前に教えていると飽きぬわ。 さて、続きじゃがーー」
「し、失礼します!? 爺様、すぐに来てください!」
「なんじゃ、いきなり。 ファングボアの解体は終わったのか?」
「それが、ゼンブルさんが『これでは足りないからもう一度狩りに行こう!』と言って、ヒューイくんを連れて森へ向かおうとしてるんです! 食い止めているんですが、何故か興奮してて止まらないんですあの人!?」
「……ダイチ、心当たりはあるか?」
「はっ? ないで……、えっ? まさか……」
「ついてこい、そしてゼンブルを止めろ。 止めねば明日までの課題をいつもの5倍に増やす」
「それ俺しか損してませんよね!?」
続きをしようとしたところへ、師匠の家の扉を慌てて開けたゴールデンレトリバー種の壮年男性が助けを求めてきた。
問題の原因は昼時に一悶着あったゼンブルさんが関係しているらしく、そのことで心当たりがありすぎる俺は師匠の瞳がこちらに向けてくるのがとても痛かった。
何で今日に限ってこんな色々な揉め事に見舞われるのかな、厄日なのか!?
ニッコリと、俺の顔を見て師匠こと爺様は青筋を立てながら無茶振りしてきた。
どうしてこんなことに、などと考えるよりもまずなんとかしなければと、俺は爺様と男性と共に義理の親と番いの元へ走る。
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