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CASE 16
しおりを挟む街の広場。
両手を組みふんぞり返る店長に相対するのは先日の三人組。
因みに、お店の方は緊急で休みになっていがよくあることなので問題ない……はずだ。
「え?ちょっとちょっと、これは何ですカ?なんで闘うことになってるんですカ?」
「そりゃあ、俺が先日したためたお礼参りの手紙のおかげだろぅ」
「ハセもか。我も手合わせ願いたいと果たし状を送ったところであった」
「私は前日のお礼を述べただけなのに、なんで闘うことになってるんですカー!」
「「俺達のパーティーと戦ってくれって書いたからな(ぁ)」」
「巻き込まないでくださいヨォォォォォォォォォォォォォ」
と言う漫才はおいといて
「ではギルド『四元素の奔流』VSタイシジ=サンの模擬戦を開始します。魔法あり武器ありの10分間、――というか、それ以上この結界を維持する自信がありませんので。寸止めを心がけて万が一の場合は勝者側のヒーラーがなるだけ治療を行いうようにお願いします」
「わかった」
「わかりましタ」
「それでは――始めっ!」
互いに距離を取り、店長は空中に水の玉を複数集め、対する前線の二人ははそれぞれの獲物に風と炎を纏わせ距離を詰める。
――早い、と思ったが後方でトクさんが付加魔法を二人に重ねがけしていた。
そんな疾風の一撃を
「甘い。今度はこちらから行くぞっ」
何なく避けろ店長。
空中には既に軽く百を超える水の玉が浮かんでいた。
「まずは10%の力だ。上手くかわしてくれよ?」
一瞬で全ての水が鋭利な氷の刃になって二人に四方八方から降り注ぐ。
「「ぎゃああああああああああああああああああああああ」」
「こ、降参降参。降参ですヨー!」
勝負は一瞬でついた。
飛び火した刃が結界にも複数当りガンガン俺の魔力を削っていた。
なんとか外に漏れない様防ぐ事は出来たけど、かなりキツかった。
「勝者、タイシジ=サン。ギルド『四元素の奔流』は契約に基づき罰ゲームを受けてもらいます。その罰ゲームは―――」
―――その夜
「ぬるるるるるるぅ。…………ぬるるるるるるるるるぅ」
「………コレハヤバイコレハヤバイコレハヤバイ」
「次からむやみに闘いを挑む時はお二人だけでお願いしまス。後生ですかラ」
「それより助けて。我の背骨が、背骨が折れる折れる折れりゅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
罰ゲームの内容。
それは店長の抱き枕替わりで一人一晩過ごすことであった。
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