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CASE 17
しおりを挟む「――――――――――♪」
「おっ、フラット。ご機嫌じゃねーか?まだ一日じゃねーのにここに来るって事は何か臨時収入があったな?」
「へっへー、御明察。先日ちょっと大変だったけど良い臨時収入があってさー♪」
先日の結界を張るのに特別褒賞として日当の三倍、店長への抱き枕の献上でプラス十倍の臨時ボーナスをもらった。
ついでにカリュとハセからもそれぞれ日当の二倍ずつ受け取っていたのでほぼ一日で一月分近く稼いだ事になる。
余った分や臨時収入は大体この王国銀行に預けているのでこのウエキヤ支店長とも顔なじみとなっている。
「そういや今朝方よぉ、四元素の奔流のハセとトクが慌てて全財産おろして何処かに持って行ったんだが、暫くしてがっくりうなだれて帰ってきてさ。また全部預けに来たんだが魔法商店で何か買おうとでもしてたのか?」
そこまで嫌だったんだ。
店長の抱き枕。
店長ならいつでも簡単に一財産稼げるから金じゃなびかないだろうしなぁ。
「心当たりはあるけど――金で買えるものじゃないと思う」
「ふーん、合わせて家一軒買えるくらいはあったと思うが―――やっぱりそういうモンもあるんだなぁ」
どんだけ積んだんだよ、あの二人は!
「まぁ、聞かない方がいいと思うよ。俺もあまり知りたい様なモンじゃないし」
「確かに。聞けて良かったよ。おかげで竜の尾を踏まずに済んだからな、ハッハァー。出来る事ならちょっとは手伝ってやるよ」
「じゃ、お礼に手数料オマケして♪」
「そりゃ、無理だ。そいつは俺じゃなくて王様に言いな」
即座に却下された。
―――チェー。
銀行を出てぷらぷら店頭を冷やかしていると誰かを探しているらしいハセさんとトクさんを見つけた。
カリュさん探しかと思ったら俺に気づいて走ってくる。
「フラットさんフラットさん、貴方にお願いがありまス!」
「報酬として、俺とトクん財産全部やっても良いから頼むっ!この通りだっ!」
ウエキヤの話を思い出して思わずごくりと唾を飲む。
とはいっても額面もだが冒険者の二人からのお願いだ。
無茶な可能性が非常に高い。
あくまで出来る範囲ならと返答する。
「「タイシジ=サンの罰ゲームをやめさせてくれ(くださイ)」
「そりゃ、無理だ。そいつは俺じゃなくてタイシジ=サンに言いな」
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