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縁とゆかりのあるオトコ、運命に出会う その6
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今日も今日とて日の出と共に窓を開け、外のメラの大木に挨拶をするマリアンヌ。
そしてその様子をメラの木近くの茂みから仰見る屈んだ巨人リオネル。
ここ数週間、週末はお天気も良くマリアンヌは必ず図書館を訪れていた。
そしてそんなマリアンヌを観察(付き纏う)する若き伯爵。
図書館に行き、制限区域にて成人指定恋愛小説とにらめっこするマリアンヌ。
そんなマリアンヌを全方位から気配を消して見守るリオネル。
平日は、これは偶然だ、偶然の邂逅なのだよと己に対して偽りマリアンヌを視界にとらえることを無意識のうちに繰り返していた。
平日に自分に許していたのはこの程度のストーキング、もとい、観察。
一方、週末はマリアンヌに対して徐々に物理的な距離を詰めていった。
ストーカー伯爵リオネル・デ・オリウス20歳。
先週研究内容が国王陛下の目にも留まり最速で所属課長職に任じられました。仕事はできる男です。
さぁ、今日こそは前々から予定していたマリアンヌとの”再会チャレンジ”の日。
この日までに、動悸から来る心拍数の確認や尋常ならざる手汗の対処、体臭の確認などに時間がかかりました。
準備万端整いました青年伯爵は、本日、小悪魔天使マリアンヌちゃんに接触を試みます。
そんなふうにストーカー伯爵が意気込んでいた同時刻、とある図書館職員がひとり。
常連である少女が制限区域に入れるようになったころ(祝・成人)から、不審な巨人がマリアンヌをつけていると気づいた。
10代の娘のいる図書館職員は意を決してその超絶不審な大男に声をかけた。
「そこの方、何かお捜しでしたらわたしがお手伝いしますがっ!?」
「・・・ありがとうございます、あちらの女性を探しています」
「?探している? えっ・・・見えてるんですよね?」
「当然です、あの天使は生きていますからね」
やばいやばいやばいやばい! やばーーーーーいやつ、きたっ。
あの少女に伝えなければと思い、他の職員に知らせ共に対応しようといったんその場を退避をしたその後。
長身ロングヘアーのやる気なさげな若い職員を無理やり連れて、そのママさん職員は大男の後方へと近づいていった。
「あの男よ、いかにも怪しい感じでしょ?向こうの女性に付き纏ってるみたいだから一度彼を職務室に連行してその隙に彼女を逃すわよ。いい!?」
「はぁ、なんか面倒くさそうですねぇ・・・でもあの男の人、なんか可愛くないっすか?」
は、なにいってんだこいつ、目どこについてんだ?と思いながら大男を再度見てみる。
すると、あの大男は胸の前で拳を作りぐーぱーしている。
ぐーのタイミング足を1歩踏み出しパーのタイミングで戻しを始めた。
そしてもじもじ。その動作を何度か繰り返している。
「あれって、あの少女に声かけたくて声かけられない恋する男の図ってやつじゃないですか?あんな金持ってそうな身なりの大男がもじもじしてみてらんないっすわ、私いってきます」
そういうと、ほぼ戦力外とおもっていた若い職員がそろそろと男に近づく。
見ていると大男の方は少しの間その職員に気が付かなかったが、彼女に肩に手をおかれてびくりとした後鬼のような形相で振り返っていた。
しかし、若い職員が顔を近づけ何か言うとふるふると震えぐっとかがみこみ最敬礼をした。
その後その職員がママさん職員の元に戻ってくる。
「あなた、あの人に何言ったの???」
「女はね運命的な出会いが大好きなんすよ、って。あの脚立じゃ絶対に彼女の読みたい本には届かないから代わりに取ってあげて”こちらですか?”って紳士的にいってみな、両思い一直線だぜ、ともいいましたね。あの二人、くっつかないかなぁ~。体格差ラブ、萌ぇ~♡ いやぁいい仕事したわぁ」
くくく、と笑いを顰めながらその場を去っていく若い職員。
え、そんな感じなの?と若干腑に落ちないものの大男が少女に危害を加えないであろうことは雰囲気で察せられたのでとりあえず彼らの帰りを入り口で待とうと思ったのであった。
その頃の2人。
早速、お姉さん職員の予測通り脚立の高さが足りず苦戦しているマリアンヌ。
そして、お姉さんの”教え”に従って彼女が凝視していた本を何冊か取り出したリオネル。
自分の読みたい本をトンビに油揚攫われて~、という面持ちで振り返ったしょぼくれ顔のマリアンヌとの再会を果たしたリオネル青年。
(また、見たことない表情~♡いただきました、心のアルバムに永久保存~)
頭がピンクに染まっていく人に対し、誰だっけこいつ顔をするお嬢さん1名。
しかし、彼女は気づくのです、以前会ったことがある人だわ、と。
「あ、あの時の?」
(覚えてくれていたのですね、感動です!!)
マリアンヌ相手だとなぜかテレパシーで会話をしようとしていることに気づかない青年に対し会話にならないテレパシーで返す少女、いや成人なんで女性。
(いいなぁ、背が高い人は脚立いらずで)
(オジョウサン、コチラノホンデスカ? ← お姉さん職員の言葉をほぼパクリ、の心の声)
格好つけたつもりで手にした小説をぐいっっとマリアンヌに押し付けてしまった。
しかし、彼女は頑なに受け取らない。
「すみません、そんな、先に手にとられたのは、えっと、たしか ”デリュース”様でした、か?」
(あ、いや、若干発音がちがうような、、、でも君がそう呼んでくれるなら今日から私はリオネル・デリュースです、よろしくお願いいたします)
勢いよく首を振って会話を成立させようとしているリオネル君だが、実際音声になっている会話はない。。。
ただ少女が一人で話ているだけだ。まるで図書館の妖精と会話をする少女、女性の図である。
「よかった、デリュース様!!覚えていらっしゃいますか、C棟管理役のファルマです」
(もちろんですよ、レディー。ふふふ、そうですね、ここでは静かにしなくてはならないですね。あぁそのような振る舞いも可愛らしい。ではお話が可能なあちらに向かって歩きながら話しましょう)
表情筋は死んでいる、口も動かない、発しているのはテレパシーのみ。
そんなリオネル君だがとりあえず、エスコートさながら手を出し別の場所へ行くよう誘導しそれに何故かすんなり対応してしまうマリアンヌ。
これはもしや、テレパシーが通じ始めているのだろうか。
2人は歩きながら(いや、実際にはマリアンヌ一人が)小声で話を始めている。
「そちらの小説なんですが、偶然と言いますか、私も借りたいものだったのですがご覧の通り手が届かず取ることができなかったのです。」
うんうんと頷くリオネルの反応をみながらマリアンヌは話を続けていく。
「一瞬の差で、デリュース様に借り負けてしまいましたね。ふふふ」
(横取りするみたいでしたね、申し訳ない)
「仕方ないですね、デリュース様が読み終わられた後、借りることにします」
リオネルは立ち止まり、一歩先に出たマリアンヌがどうしたのかと振り返ると手にしていた小説をマリアンヌに差し出す。
「えっ? 私が先に?」
(ええ、ぜひ)
「いえいえ、大丈夫です。私寮の部屋に成人指定恋愛小説たくさんあるんです」
(な、なんと!あなたはそんなに可愛らしいのに大人の小説をたくさん嗜んでいるんですかっ!?)
「ん?(じっとみつめてくるだけなんだけど何故かこの人が言おうとしていることがわかる気がする、気のせい?) そうなんです、ちょっとばかり小さいのですが私もう成人なんですよ?」
(では、ぜひあなたこそお先に。読みたかったんですよね?)
「いえいえ、大丈夫です、本当に。こういうのは縁でもあるのですから、お先にどうぞ」
首を横に振りながらぐいぐいと小説をマリアンヌの方に差し出してくるリオネル。
「えーーー、そんなにおっしゃるなら(何も発声されていないけど)一緒に読みますか?」
(・・・でぇぇぇぇぇ、なんですとぉ、いきなりそのような大人の関係をご希望ですかぁぁぁぁぁ?)
マリアンヌの発言は、妄想変態童貞伯爵には刺激が強すぎたようで彼の心臓が不整脈を起こしそうになる。
急な動悸に息切れ眩暈が。胸を抑えふらりとする大男。
「やだ、大丈夫ですか、貧血ですか???だ、だれか~!!」
先程から入り口でこちらの様子に敏感になっていた2人組の図書館職員があっという間に救助に駆けつけてくれたのは皆様の知るところであります。
そしてその様子をメラの木近くの茂みから仰見る屈んだ巨人リオネル。
ここ数週間、週末はお天気も良くマリアンヌは必ず図書館を訪れていた。
そしてそんなマリアンヌを観察(付き纏う)する若き伯爵。
図書館に行き、制限区域にて成人指定恋愛小説とにらめっこするマリアンヌ。
そんなマリアンヌを全方位から気配を消して見守るリオネル。
平日は、これは偶然だ、偶然の邂逅なのだよと己に対して偽りマリアンヌを視界にとらえることを無意識のうちに繰り返していた。
平日に自分に許していたのはこの程度のストーキング、もとい、観察。
一方、週末はマリアンヌに対して徐々に物理的な距離を詰めていった。
ストーカー伯爵リオネル・デ・オリウス20歳。
先週研究内容が国王陛下の目にも留まり最速で所属課長職に任じられました。仕事はできる男です。
さぁ、今日こそは前々から予定していたマリアンヌとの”再会チャレンジ”の日。
この日までに、動悸から来る心拍数の確認や尋常ならざる手汗の対処、体臭の確認などに時間がかかりました。
準備万端整いました青年伯爵は、本日、小悪魔天使マリアンヌちゃんに接触を試みます。
そんなふうにストーカー伯爵が意気込んでいた同時刻、とある図書館職員がひとり。
常連である少女が制限区域に入れるようになったころ(祝・成人)から、不審な巨人がマリアンヌをつけていると気づいた。
10代の娘のいる図書館職員は意を決してその超絶不審な大男に声をかけた。
「そこの方、何かお捜しでしたらわたしがお手伝いしますがっ!?」
「・・・ありがとうございます、あちらの女性を探しています」
「?探している? えっ・・・見えてるんですよね?」
「当然です、あの天使は生きていますからね」
やばいやばいやばいやばい! やばーーーーーいやつ、きたっ。
あの少女に伝えなければと思い、他の職員に知らせ共に対応しようといったんその場を退避をしたその後。
長身ロングヘアーのやる気なさげな若い職員を無理やり連れて、そのママさん職員は大男の後方へと近づいていった。
「あの男よ、いかにも怪しい感じでしょ?向こうの女性に付き纏ってるみたいだから一度彼を職務室に連行してその隙に彼女を逃すわよ。いい!?」
「はぁ、なんか面倒くさそうですねぇ・・・でもあの男の人、なんか可愛くないっすか?」
は、なにいってんだこいつ、目どこについてんだ?と思いながら大男を再度見てみる。
すると、あの大男は胸の前で拳を作りぐーぱーしている。
ぐーのタイミング足を1歩踏み出しパーのタイミングで戻しを始めた。
そしてもじもじ。その動作を何度か繰り返している。
「あれって、あの少女に声かけたくて声かけられない恋する男の図ってやつじゃないですか?あんな金持ってそうな身なりの大男がもじもじしてみてらんないっすわ、私いってきます」
そういうと、ほぼ戦力外とおもっていた若い職員がそろそろと男に近づく。
見ていると大男の方は少しの間その職員に気が付かなかったが、彼女に肩に手をおかれてびくりとした後鬼のような形相で振り返っていた。
しかし、若い職員が顔を近づけ何か言うとふるふると震えぐっとかがみこみ最敬礼をした。
その後その職員がママさん職員の元に戻ってくる。
「あなた、あの人に何言ったの???」
「女はね運命的な出会いが大好きなんすよ、って。あの脚立じゃ絶対に彼女の読みたい本には届かないから代わりに取ってあげて”こちらですか?”って紳士的にいってみな、両思い一直線だぜ、ともいいましたね。あの二人、くっつかないかなぁ~。体格差ラブ、萌ぇ~♡ いやぁいい仕事したわぁ」
くくく、と笑いを顰めながらその場を去っていく若い職員。
え、そんな感じなの?と若干腑に落ちないものの大男が少女に危害を加えないであろうことは雰囲気で察せられたのでとりあえず彼らの帰りを入り口で待とうと思ったのであった。
その頃の2人。
早速、お姉さん職員の予測通り脚立の高さが足りず苦戦しているマリアンヌ。
そして、お姉さんの”教え”に従って彼女が凝視していた本を何冊か取り出したリオネル。
自分の読みたい本をトンビに油揚攫われて~、という面持ちで振り返ったしょぼくれ顔のマリアンヌとの再会を果たしたリオネル青年。
(また、見たことない表情~♡いただきました、心のアルバムに永久保存~)
頭がピンクに染まっていく人に対し、誰だっけこいつ顔をするお嬢さん1名。
しかし、彼女は気づくのです、以前会ったことがある人だわ、と。
「あ、あの時の?」
(覚えてくれていたのですね、感動です!!)
マリアンヌ相手だとなぜかテレパシーで会話をしようとしていることに気づかない青年に対し会話にならないテレパシーで返す少女、いや成人なんで女性。
(いいなぁ、背が高い人は脚立いらずで)
(オジョウサン、コチラノホンデスカ? ← お姉さん職員の言葉をほぼパクリ、の心の声)
格好つけたつもりで手にした小説をぐいっっとマリアンヌに押し付けてしまった。
しかし、彼女は頑なに受け取らない。
「すみません、そんな、先に手にとられたのは、えっと、たしか ”デリュース”様でした、か?」
(あ、いや、若干発音がちがうような、、、でも君がそう呼んでくれるなら今日から私はリオネル・デリュースです、よろしくお願いいたします)
勢いよく首を振って会話を成立させようとしているリオネル君だが、実際音声になっている会話はない。。。
ただ少女が一人で話ているだけだ。まるで図書館の妖精と会話をする少女、女性の図である。
「よかった、デリュース様!!覚えていらっしゃいますか、C棟管理役のファルマです」
(もちろんですよ、レディー。ふふふ、そうですね、ここでは静かにしなくてはならないですね。あぁそのような振る舞いも可愛らしい。ではお話が可能なあちらに向かって歩きながら話しましょう)
表情筋は死んでいる、口も動かない、発しているのはテレパシーのみ。
そんなリオネル君だがとりあえず、エスコートさながら手を出し別の場所へ行くよう誘導しそれに何故かすんなり対応してしまうマリアンヌ。
これはもしや、テレパシーが通じ始めているのだろうか。
2人は歩きながら(いや、実際にはマリアンヌ一人が)小声で話を始めている。
「そちらの小説なんですが、偶然と言いますか、私も借りたいものだったのですがご覧の通り手が届かず取ることができなかったのです。」
うんうんと頷くリオネルの反応をみながらマリアンヌは話を続けていく。
「一瞬の差で、デリュース様に借り負けてしまいましたね。ふふふ」
(横取りするみたいでしたね、申し訳ない)
「仕方ないですね、デリュース様が読み終わられた後、借りることにします」
リオネルは立ち止まり、一歩先に出たマリアンヌがどうしたのかと振り返ると手にしていた小説をマリアンヌに差し出す。
「えっ? 私が先に?」
(ええ、ぜひ)
「いえいえ、大丈夫です。私寮の部屋に成人指定恋愛小説たくさんあるんです」
(な、なんと!あなたはそんなに可愛らしいのに大人の小説をたくさん嗜んでいるんですかっ!?)
「ん?(じっとみつめてくるだけなんだけど何故かこの人が言おうとしていることがわかる気がする、気のせい?) そうなんです、ちょっとばかり小さいのですが私もう成人なんですよ?」
(では、ぜひあなたこそお先に。読みたかったんですよね?)
「いえいえ、大丈夫です、本当に。こういうのは縁でもあるのですから、お先にどうぞ」
首を横に振りながらぐいぐいと小説をマリアンヌの方に差し出してくるリオネル。
「えーーー、そんなにおっしゃるなら(何も発声されていないけど)一緒に読みますか?」
(・・・でぇぇぇぇぇ、なんですとぉ、いきなりそのような大人の関係をご希望ですかぁぁぁぁぁ?)
マリアンヌの発言は、妄想変態童貞伯爵には刺激が強すぎたようで彼の心臓が不整脈を起こしそうになる。
急な動悸に息切れ眩暈が。胸を抑えふらりとする大男。
「やだ、大丈夫ですか、貧血ですか???だ、だれか~!!」
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