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生真面目騎士様の八つ当たり
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ランバートは、つかつかと部屋を横切ると壁をこつんと叩いた。その音に、ヒューバートがはっとした顔になる。音の反響具合から見て、この先は空洞になっているようだ。
しかし、出入り口があるようには見えない。なるほど、と得心はしたものの、妙に嫌な感じがする。
そんなヒューバートとは対照的に、リズベスは興味深そうに壁面を眺めた。
「――なるほど、魔術による目くらまし、もしくは施錠の術ですか……」
うーん、これはなかなか、と呟きながら、壁を隅から隅まで見まわしていたリズベスが、やがてある一点に目を止めた。その表情は、心なしか喜んでいるようにも見える。
やがて、その指先が壁面に模様を描くように滑り出した。
「おい、大丈夫なのか?そんな――」
なんとなく嫌な感じ、から、ヒューバートの懸念は増す一方だ。今まで、この手の予感は外したことがない。思わずリズベスの手を掴もうと手を伸ばしかけたとき、壁面に描かれた――リズベスが描いたものよりも大きな陣が光を放った。
「あ、」
リズベスの目が大きく見開かれる。陣がひときわまばゆい光を放った瞬間、リズベスの腕を掴もうとしたヒューバートの手がむなしく空を切った。
すっと吸い込まれるように、リズベスの姿が壁の中へと消えてゆく。ヒューバートは呆然とその姿を見送った。
まだ光っている壁面の陣に向かって、ランバートが体当たりするのが目の端に写る。しかし、やはり壁を通り抜けることはできなかった。
「……くそ!」
王子らしからぬ下品な言葉を吐きながら、ランバートが壁面を叩く。ヒューバートも、無意味と理解しつつ壁面へと体当たりした。が、ざらざらとした石でできた強固な壁が崩せるはずもない。
やがて、大きな吐息とともに、二人は壁への挑戦を諦めた。
「仕方がない、一度上に戻るしかないね」
「バート!」
思わず非難するような口調になってしまう。が、ランバートの苦渋に満ちた表情にそれ以上の言葉を発することができず、ヒューバートは口をつぐんだ。
「……すまない、この事態を予測しきれなかった僕の責任だ。とにかく、壁を抜けられない以上どこか別の経路を探さなければ」
忌々し気に壁を睨みつけて、ランバートは続けた。
「逃走用だとすれば、地上への出口がどこかにあるはずだ……」
ヒューバートは大きく息を吸い込むと、ゆっくりと吐き出した。ここでランバートを責めてもリズベスが助かるわけではない。そもそも、逃走のための仕掛けだとすれば、敵が壁の向こうに待ち受けているとは限らない。
希望的観測だ、とは思うものの、今はそれに縋るしかなかった。
「……外だな」
少し考えて、ヒューバートはそう口にした。
邸内に出口を作っては、捜索の目を逃れられない。今回は少人数で踏み込むことになってしまったが、通常であれば小隊の一つや二つ引き連れてくるべき案件だ。
邸内をくまなく探し回られれば、隠し扉の一つや二つ、容易に探し出されてしまう。
さらに言うならば、この通路は薬の原材料を運び込むための通路としても使用されていた可能性が高い。あれだけ本を移動させなければ動かせない隠し扉は、普段から使っていたとは考えにくい。
それに、正面から――あるいは裏口からでも、出入りを見られるのを憚るような品を扱っているのだ。隠し通路を使うのは理にかなっているだろう。
陣による魔術は、発動条件さえわかっていれば何度でも使用できるのが強みでもある。だとすれば、外に――できるだけ目立たない場所に出入り口があるはずだ。
ランバートも同じことを考えたのだろう。特に反論することもなく、頷きを返した。
――とにかく、可能性の高い方に賭けるしかない。
どうか無事でいてくれ、と祈るような気持で、ヒューバートはランバートとともに階段を駆け上がった。
◇
がきん、と剣が打ち合わされる音が室内に響く。隠し扉から出たところで、どうやら図書室の扉をこじあけたらしい追手と鉢合わせてしまったのだ。
「くっ……!」
ヒューバートの勢いに押されて、一人が剣を取り落す。碌な訓練を受けていないのだろう、しびれた手を押さえて後退するところに剣を突きつける。
「おい、ヒュー……殺すなよ」
剣呑な表情のヒューバートに、ランバートが声をかける。わかっている、と短く答えて横っ面に蹴りを食らわせると、吹っ飛んだ男が本棚にぶつかり、その拍子に落ちてきた本で頭を打って気絶した。
その様子を見て、ランバートが首を振る。
「証拠物件だぞ」
「……わかってる」
そんな軽口の応酬の間にも、反撃の手は緩めない。本棚が邪魔なお蔭で囲まれずに済んだのは幸いだったが、そうでなくても彼らはヒューバートの敵ではなかった。腐っても聖騎士団の副団長を勤める男なのである。
続けて振り下ろされた剣をなんなく受け止め、相手がよろめいたところへランバートが蹴りを入れる。その背後から斬りつけてきたもう一人を、勢いを殺すように絡め取り、体勢を崩したところへ肘を叩きこんだ。
そうこうして、5人ほどの追手を全員気絶させると、念のため縛り上げて転がす。
「少ないな……」
「おおこわ……」
ヒューバートの呟きに、ランバートが首をすくめる。少々やりすぎたのか、変な方向に腕が曲がっているものもいるが、同情する気にはなれない。
数が少ないのは、アーヴィンたちが表でまだ騒いでいるからだろう。そういえばあちらはどうなったか――は、まあ考えるまでもないか、とヒューバートは苦笑した。オルトンも加勢に向かったし、そもそもアーヴィンの腕はヒューバートに並ぶ。おまけにアデリンが傍についているのだ。
「さて、行こうか」
「ああ」
階段を昇る間に、おおよその目星はつけている。おそらくは、先にオルトンたちが隠れていたあの林のどこかに出入り口があるだろう、というのが二人の一致した見解だった。また、その場所についても、ヒューバートはいささか心当たりがある。
ランバートの声に応えたあと、ふと足元に目をやって。
「……くそ」
なんとなくムカついて、呑気に伸びている男へ蹴りをもう一発お見舞いすると、ヒューバートは足早に図書室を後にした。
最後の一撃は、完全に八つ当たりである。ランバートはその様子を見て、軽く眉を上げると肩をすくめてその後を追った。
しかし、出入り口があるようには見えない。なるほど、と得心はしたものの、妙に嫌な感じがする。
そんなヒューバートとは対照的に、リズベスは興味深そうに壁面を眺めた。
「――なるほど、魔術による目くらまし、もしくは施錠の術ですか……」
うーん、これはなかなか、と呟きながら、壁を隅から隅まで見まわしていたリズベスが、やがてある一点に目を止めた。その表情は、心なしか喜んでいるようにも見える。
やがて、その指先が壁面に模様を描くように滑り出した。
「おい、大丈夫なのか?そんな――」
なんとなく嫌な感じ、から、ヒューバートの懸念は増す一方だ。今まで、この手の予感は外したことがない。思わずリズベスの手を掴もうと手を伸ばしかけたとき、壁面に描かれた――リズベスが描いたものよりも大きな陣が光を放った。
「あ、」
リズベスの目が大きく見開かれる。陣がひときわまばゆい光を放った瞬間、リズベスの腕を掴もうとしたヒューバートの手がむなしく空を切った。
すっと吸い込まれるように、リズベスの姿が壁の中へと消えてゆく。ヒューバートは呆然とその姿を見送った。
まだ光っている壁面の陣に向かって、ランバートが体当たりするのが目の端に写る。しかし、やはり壁を通り抜けることはできなかった。
「……くそ!」
王子らしからぬ下品な言葉を吐きながら、ランバートが壁面を叩く。ヒューバートも、無意味と理解しつつ壁面へと体当たりした。が、ざらざらとした石でできた強固な壁が崩せるはずもない。
やがて、大きな吐息とともに、二人は壁への挑戦を諦めた。
「仕方がない、一度上に戻るしかないね」
「バート!」
思わず非難するような口調になってしまう。が、ランバートの苦渋に満ちた表情にそれ以上の言葉を発することができず、ヒューバートは口をつぐんだ。
「……すまない、この事態を予測しきれなかった僕の責任だ。とにかく、壁を抜けられない以上どこか別の経路を探さなければ」
忌々し気に壁を睨みつけて、ランバートは続けた。
「逃走用だとすれば、地上への出口がどこかにあるはずだ……」
ヒューバートは大きく息を吸い込むと、ゆっくりと吐き出した。ここでランバートを責めてもリズベスが助かるわけではない。そもそも、逃走のための仕掛けだとすれば、敵が壁の向こうに待ち受けているとは限らない。
希望的観測だ、とは思うものの、今はそれに縋るしかなかった。
「……外だな」
少し考えて、ヒューバートはそう口にした。
邸内に出口を作っては、捜索の目を逃れられない。今回は少人数で踏み込むことになってしまったが、通常であれば小隊の一つや二つ引き連れてくるべき案件だ。
邸内をくまなく探し回られれば、隠し扉の一つや二つ、容易に探し出されてしまう。
さらに言うならば、この通路は薬の原材料を運び込むための通路としても使用されていた可能性が高い。あれだけ本を移動させなければ動かせない隠し扉は、普段から使っていたとは考えにくい。
それに、正面から――あるいは裏口からでも、出入りを見られるのを憚るような品を扱っているのだ。隠し通路を使うのは理にかなっているだろう。
陣による魔術は、発動条件さえわかっていれば何度でも使用できるのが強みでもある。だとすれば、外に――できるだけ目立たない場所に出入り口があるはずだ。
ランバートも同じことを考えたのだろう。特に反論することもなく、頷きを返した。
――とにかく、可能性の高い方に賭けるしかない。
どうか無事でいてくれ、と祈るような気持で、ヒューバートはランバートとともに階段を駆け上がった。
◇
がきん、と剣が打ち合わされる音が室内に響く。隠し扉から出たところで、どうやら図書室の扉をこじあけたらしい追手と鉢合わせてしまったのだ。
「くっ……!」
ヒューバートの勢いに押されて、一人が剣を取り落す。碌な訓練を受けていないのだろう、しびれた手を押さえて後退するところに剣を突きつける。
「おい、ヒュー……殺すなよ」
剣呑な表情のヒューバートに、ランバートが声をかける。わかっている、と短く答えて横っ面に蹴りを食らわせると、吹っ飛んだ男が本棚にぶつかり、その拍子に落ちてきた本で頭を打って気絶した。
その様子を見て、ランバートが首を振る。
「証拠物件だぞ」
「……わかってる」
そんな軽口の応酬の間にも、反撃の手は緩めない。本棚が邪魔なお蔭で囲まれずに済んだのは幸いだったが、そうでなくても彼らはヒューバートの敵ではなかった。腐っても聖騎士団の副団長を勤める男なのである。
続けて振り下ろされた剣をなんなく受け止め、相手がよろめいたところへランバートが蹴りを入れる。その背後から斬りつけてきたもう一人を、勢いを殺すように絡め取り、体勢を崩したところへ肘を叩きこんだ。
そうこうして、5人ほどの追手を全員気絶させると、念のため縛り上げて転がす。
「少ないな……」
「おおこわ……」
ヒューバートの呟きに、ランバートが首をすくめる。少々やりすぎたのか、変な方向に腕が曲がっているものもいるが、同情する気にはなれない。
数が少ないのは、アーヴィンたちが表でまだ騒いでいるからだろう。そういえばあちらはどうなったか――は、まあ考えるまでもないか、とヒューバートは苦笑した。オルトンも加勢に向かったし、そもそもアーヴィンの腕はヒューバートに並ぶ。おまけにアデリンが傍についているのだ。
「さて、行こうか」
「ああ」
階段を昇る間に、おおよその目星はつけている。おそらくは、先にオルトンたちが隠れていたあの林のどこかに出入り口があるだろう、というのが二人の一致した見解だった。また、その場所についても、ヒューバートはいささか心当たりがある。
ランバートの声に応えたあと、ふと足元に目をやって。
「……くそ」
なんとなくムカついて、呑気に伸びている男へ蹴りをもう一発お見舞いすると、ヒューバートは足早に図書室を後にした。
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