4 / 4
放課後 その3
しおりを挟む
「嘘!?」
どうやらシャツの襟をファスナーが噛んでしまいうまく開けずにいた
「まずいまずい…」
折角ここまで隠し通してきた日課が、こんな状況を見られれば二度と行えなくなるのは火を見るよりも明らかだ
なんとかしてファスナーを開かねばと思いカノンは大きく口を開いた
「誰か、誰か居ませんか!」
近くに誰かいればこれを外してもらおうとする
翔太の匂いにやられ、冷静な判断が出来ていないカノンはその格好のままトイレの外に出た
「誰かこれを外して!」
「いいですよ」
後ろから声をかけられた。声質的に男子だろうと思うカノン
「助かります、ありがとうございます!」
「いえいえ、困ってるようです…し?」
「あ…」
バッグが取れ、目の前に移る男子にもう一度お礼を伝えようとした
しかし目の前にいる男子は今この瞬間、一番会いたくなかった人物だった
「何してんだ?カノン」
「翔太…」
終わった、終わってしまった
この状況をどう説明しようが逃げ延びることは不可能だと理解する
言い訳などしても余計に嫌われるだろう、なのですぐにでも謝ろうとした時だった
「ごめ…「はぁ…またこんなことやってたのか」
「…へ?」
「お前の匂いフェチもここまでくると賞賛に値するかもな」
額に手を当て顔を横に振る翔太に、どうやら怒っているわけではいと分析するカノンは恐る恐る尋ねた
「翔太…怒らないの?」
親に怒られてた子のように俯きながらそう聞くと
「そんな事で今更怒るかよ、今までだってやってたのわかってるし」
「も、もしかして…全部知ってた…の?」
「もちろん」
「う…うわあぁ!最悪だ!殺して!あたしを殺して!」
「いやいや、だから今更だって!気にして無いからほら」
その場にしゃがみ込み、羞恥心でいっぱいになっているカノンに翔太は手を差し出し言った
「遅くなったし、帰ろうぜ」
「じょ…じおぉたああぁ」
「お、おい…!」
涙で顔がくしゃくしゃになったカノンはその言葉に安心し、翔太に抱きついた
そしてさりげなく久しぶりのゼロ距離エネルギー吸収を堪能をしていた
「ンフー!」
「離せ、そしてさりげに匂いを嗅ぐな!」
いつもあたしが翔太に愛想を尽かされる様な事をしても、最後はいつも目を瞑ってくれる翔太のことがあたしは昔から…好きだ、とても大好きだ
だからこれからも嫌われない程度に甘えると決めるカノンだった
どうやらシャツの襟をファスナーが噛んでしまいうまく開けずにいた
「まずいまずい…」
折角ここまで隠し通してきた日課が、こんな状況を見られれば二度と行えなくなるのは火を見るよりも明らかだ
なんとかしてファスナーを開かねばと思いカノンは大きく口を開いた
「誰か、誰か居ませんか!」
近くに誰かいればこれを外してもらおうとする
翔太の匂いにやられ、冷静な判断が出来ていないカノンはその格好のままトイレの外に出た
「誰かこれを外して!」
「いいですよ」
後ろから声をかけられた。声質的に男子だろうと思うカノン
「助かります、ありがとうございます!」
「いえいえ、困ってるようです…し?」
「あ…」
バッグが取れ、目の前に移る男子にもう一度お礼を伝えようとした
しかし目の前にいる男子は今この瞬間、一番会いたくなかった人物だった
「何してんだ?カノン」
「翔太…」
終わった、終わってしまった
この状況をどう説明しようが逃げ延びることは不可能だと理解する
言い訳などしても余計に嫌われるだろう、なのですぐにでも謝ろうとした時だった
「ごめ…「はぁ…またこんなことやってたのか」
「…へ?」
「お前の匂いフェチもここまでくると賞賛に値するかもな」
額に手を当て顔を横に振る翔太に、どうやら怒っているわけではいと分析するカノンは恐る恐る尋ねた
「翔太…怒らないの?」
親に怒られてた子のように俯きながらそう聞くと
「そんな事で今更怒るかよ、今までだってやってたのわかってるし」
「も、もしかして…全部知ってた…の?」
「もちろん」
「う…うわあぁ!最悪だ!殺して!あたしを殺して!」
「いやいや、だから今更だって!気にして無いからほら」
その場にしゃがみ込み、羞恥心でいっぱいになっているカノンに翔太は手を差し出し言った
「遅くなったし、帰ろうぜ」
「じょ…じおぉたああぁ」
「お、おい…!」
涙で顔がくしゃくしゃになったカノンはその言葉に安心し、翔太に抱きついた
そしてさりげなく久しぶりのゼロ距離エネルギー吸収を堪能をしていた
「ンフー!」
「離せ、そしてさりげに匂いを嗅ぐな!」
いつもあたしが翔太に愛想を尽かされる様な事をしても、最後はいつも目を瞑ってくれる翔太のことがあたしは昔から…好きだ、とても大好きだ
だからこれからも嫌われない程度に甘えると決めるカノンだった
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる