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五話 繁殖の為の準備は揃った
しおりを挟む食事は案外普通で味も悪くない、どっかの金持ちが食べそうな食事が並んでた
料理を作るコックも、服の着せ替えをする者も、全てあのサタンの息子だと聞いた
彼等に人間のような"兄弟"と思う感覚はなく、上司と部下みたいな雰囲気があった
そして、クロエと言う一人の女性(魔王)から卵子を貰ってるのに其々全く容姿が違うってこと
ハクが、同じ雄から産まれても外見と魔力を含めて違うと言ってたから、一つの"個体"として識別してるのだろ
そして、もう一つ新しく知った事は…
雄になれる者と"無性別"と言って性別を持たない者がいるってこと
容姿が雄っぽいが繁殖機能が無いものを言う
その殆どが、彼等が"捨て駒"と呼ぶ兵士なんだろ
確かに、同じ顔が増産されてるような連中はいた
沢山孕ませて生ませても、強い雄になれる奴も少ないし、女王蜂の役目を交代できる輸卵管を持つ者が生まれる率はもっと少ないと言う
凄い難易度の高いゲームに参加した気分でもあり、逆に其処まで男と身体の関係を持たないといけないってことに嫌気がする
ホモだぜ…前世女がホモになるなんて…
固定の雄を選んでもいいと言ってたが、雄は妊娠して生むと、相当疲れるらしく直ぐに次は出来ないと…
何となくその辺は、人間の出産に似てる
「 ルイ様…お美しいですよ 」
「 えぇ、とても。孕ませて欲しいぐらいに 」
『 ……う、うん 』
風呂に入った後に着替えを手伝ってくれたのは、下半身が大蛇の姿をし上半身裸の男達、顔は悪魔っぽく人寄りには見えないためにちょっと怖い
でも、ネイビーとかハクのような人間の男性らしい感じではないために、其処まで手伝われるのは嫌ではなかった
寧ろ、新しい服装は自分では着れないような作りにの為にありがたいほど
羽が邪魔な背中側はぱっくり開き、そのまま尻尾を出し、前側は首元で支えて隠してるようなピッチリタイプのインナーで露出が多い
全身黒いなって思うけど、此が此所のスタイルなら仕方無いか……
羽が邪魔だから動き辛いし、なんやかんやで彼等に洗うのも手伝って貰ったんだよね
『 ありがと…ハクは? 』
「 ハク様でしたら既に御待ちしてますよ 」
『 はぁー…。行こう 』
此所に来て二日目で繁殖行動
随分とゆっくり出来ないなと思い、胸元に手を当て脱衣場から出て廊下へと行く
「 とても…お綺麗ですね 」
『 そう?ありがとう…… 』
元の世界ならきっとアラン以外は言わなかった言葉だろ
綺麗だなんて縁がない言葉だが、堕天使して魔王になってから容姿は前と少し違って美形であり美人になっていた
身長も体格も男って位に実感する
自分では無いほどに綺麗な顔立ちに、血のように赤い目、そしてストレートの黒髪
魔王というより魔女みたいな外見と、鏡を見て思ったが気にするのは止めにした
もう、前の俺では無いのだから……
「 先に繁殖場へと行きましょう。ネイビー様の準備はもう少しかかります 」
『 ……それなら俺も後から行きたいよ 』
「 雌は雄を待つものですよ。クロエ様は、最近ずっと引きずり込んでましたけど…。それも雄が受け入れたら繁殖出来るんですが… なんせお年が… 」
嫌がってたのは連れ込まれたのか
そんな事されたら普通に怖いな
繁殖出来ないと言っても、俺なら絶対に嫌と微かに首を振る
『 ……それで、基本的になにすればいいんだ? 』
「 繁殖行動する場所なので、特にこれといって決められてませんよ。部屋から雄が出れば終わりです 」
其処は女王蜂が出るんじゃなくて、雄なんだ
結構、雄の方がサバサバしてる様な気がするんだが…
愛情の無い行為をして、楽しいのだろうか
深く考えても仕方無いと分かってるのに考えるのは悪い癖だ
『 そう、分かったよ 』
長い廊下を歩き、外はいつの間にか夕暮れになっていた
血のように赤い太陽が沈み始め、夜が訪れるのだろ
そう思うと、ゆっくり過ごさせて貰ったんだと思う
「 此所が貴方の繁殖場です。ドアノブに触れるのは許された雄と、貴方だけ。どうぞ、お入りください 」
『 嗚呼……あの時、サタンだったから入れたんだ… 』
特に代わり映えの無い扉
金のドアノブに触れ、ゆっくりと開けば中は淡い光があり
中央にベッドが置かれただけの部屋
そして何かの儀式?って思うほどの魔方陣が床いっぱいに書かれてるのを見て、一度扉を閉めた
『 待って、なんか……不気味なんだけど 』
「 嗚呼、繁殖はつまり魔物を生み出すので、あれは貴方の魔力を高める為の魔方陣なので、気にしなくても大丈夫ですよ? 」
振り返って告げれば、平然と告げるハクを恨みそうだ
『 気にする!!オカルトちっくな部屋でヤる趣味はないんだけど! 』
「 そう言わず、ほら入ってネイビー様を御待ちください 」
『 えっ!ちょっ!! 』
彼は言葉など聞く耳も持たず、軽く背中を押し部屋へと押し込んだ
パタリと閉まった扉に驚くも、向こうから「頑張ってください!」なんて言われたら開ける気にもならない
あの世話役、絶対に交代した方がいいと思う
『 はぁー……上手く話して、ヤらずに終わらせよ 』
不気味な部屋、まだ天蓋付きのベッドの為に全体を隠すように止めてあったカーテンを外し、中に入り俯せになれば、案外心地いい
『 このクッションいい匂いがする…… 』
甘い匂いに洋菓子みたいだと思い、美味しそうとばかりにクッションへと顔を擦り当てる
その匂いに少しだけ眠くなってくれば、僅かにカーテンの開く音と声がする
「 待たせたようだな 」
『 んー……いや、別に…… 』
ネイビーの声だと分かり、やっと来たと思うがこの甘い匂いにメロメロになってる為にどうでもいい
蜥蜴の尾を揺らしていれば、ベッドが深く沈む感覚と僅かなスプリング音が響く
「 サタンが自分が使う枕を置いとけ、と言ってたから置いてみたが…気に入ったか? 」
『 へっ……?これ、ネイビーの? 』
「 嗚呼、俺の匂いがするだろ 」
マジで、男性の匂いにメロメロになってたの?
凄く変態じゃないかって思うも、ネイビーの匂い?と疑問になり、一度クッションへと顔を埋めて匂っていれば、彼の片手は背中の羽の付け根へと触れた
『 っ…… 』
「 鎖の傷はもう消えてるな…… 」
流石魔王、と呟きながら触れる手先はいやらしく
軽く撫でた羽を広げるよう触られ、くすぐったさに眉は寄る
『 っ、あのさ、ヤル気なんて……! 』
流石に好き勝手に触られるのは気に入らないと、ハッキリ言ってやろうと起き上がり、彼を見ればその姿と匂いに一瞬、頭はクラっとした
『 ちょっ、何で脱いでるの…… 』
「 手っ取り早いだろ 」
上半身裸の姿に、あのボロボロの服を着た印象と違って普通にイケメンな事に鼻血が出そうになった
ズボンだけ履いてる事に、そこは守ってくれて嬉しい
『 だからって…あ、剣もないし 』
「 当たり前だろ。女王蜂に傷を付けるわけがない 」
傷をつけないと言う意思表示なのだろ
腰に差す剣がないとこんなにも彼は無抵抗に見えるのか
何となく不機嫌で近寄り難い雰囲気も無く、この距離なのに怖くない
『 ……そう 』
顔のパーツは完璧、角に違和感があるけど見慣れたもの
首筋から胸板を見ても鍛えられた引き締まった厚い胸板、腹筋もバキバキに割れてるし攻めなら完璧の肉体だと見惚れる
「 触ってみるか? 」
『 へっ? 』
「 触りたそうな顔をしている。俺は手を出さないから…好きに触れ 」
『 触れって言われても…… 』
大きな胸を持つ女性に揉ませてください!と言いたい感覚みたいに、確かに此処まで綺麗な筋肉を見ると触りたくなる
おずおずと手を伸ばし、僅かに目線をネイビーへと向ければ、彼は軽く目を閉じて両手をシーツに落としていた
本当に手出しはしないって雰囲気に、動くのを止めた指先は胸元へに触れた
「 ……… 」
『 凄く、綺麗な筋肉…… 』
一瞬、ほんの僅かに身体が跳ねたネイビーだが触る感覚になれたのか動くことはない
指先を筋肉にそって腹筋へと滑らせもう一度胸元をさわっていれば、肌の色と対して変わらない乳輪の中央にある小振りの乳首は反応していた
『( 気付いてるのかな? )』
寒いだけかも知れないけど、好奇心で乳首へと指先を当て軽く弾いたように触れば、彼は一瞬息を詰めた
「 っ…… 」
ほんの僅かな反応に気を良くして、反対の乳首へと手を当て撫でるように触り、親指と人指し指で弄り、片方もまた同じく触る
「 っ……そこ、ばかり…なぜ、触る 」
『 面白いから……嫌い? 』
「 知るか……繁殖は初めてなんだ…… 」
『( お、童貞さん )そかそか… 』
「 急に楽しんで……っ!! 」
イケメンなのに童貞さんなのは嬉しいと、触る指先に力入れたり、グニグニと弄れば彼は触らないと言う言葉を真面目に続行し、シーツを掴んだまま動かない
それでも、触る度に反応を良くすれば甘い匂いに気付き顔を寄せる
『 いい匂いがする……なんの香水? 』
「 っ、そんな匂いしないが…… 」
『 へぇ……凄く美味しそうな匂い 』
理性など消え去り、この匂いに寄ったように求めていた
首筋へと顔を寄せ、舌を当て舐め上げれば甘い肌の味、それに尚更強くなる匂いに気分は高鳴る
「 ……なにか、分かった……。俺も、触っていいか? 」
『 いいよ…… 』
舌舐め擦りをし、首筋から顔を離せばネイビーは身体を寄せ背中へと腕を回し羽に気を付けたままベッドへと倒れた
俺が上になるよう動いた彼を見下げれば、その手は既に服を下げ軽く胸板を触っている
「 俺も触る、ほら……好きなだけ触れろ 」
『 ……ふっ、いいね…悪くない 』
会ったばかりの男とヤるなんて、そんな事すら気にしないほど彼の扱いは優しいものがある
乳首に触る手は何度か触っていれば、俺の背中や首筋へと手を置く程度
後は好きなようにさせてくれるみたいに、抵抗はしてない
胸元や首筋を舐めたり口付けていた俺に、髪に触れた彼に合わせ、顔を上げれば
目線が重なりあい、俺の方から口付けを重ねていた
『 ん…… 』
深い口付けを何度もすれば、彼は優しく頭を撫でて時より羽の付け根やら触れていく
足を動かし、俺の身体を挟むようにし自らの反対の手でズボンを下げた
「 はぁ……拡張器をいれてる……好きなタイミングで取って、入れてくれ 」
『 拡張器? 』
舌先を程き、身体を起こしてから彼の開いた股の方を見れば立派な雄の陰茎には似合わない程
後孔に埋まってる鉄で作られた物を見て驚いた
これって……アナルプラグだよね?
こんな異世界にも有るのかとじっくり見ていれば、ネイビーは片腕を顔に当てた
「 そんな…見るもんでもないだろ……恥ずかしいんだ。さっさと終わらせてくれ…… 」
『 !! 』
あれ……今、俺の中でプツリと何かが切れた気がする
ずっと余裕ぶっこえていた人が恥ずかしい?
ずんっと腰に来る重みに笑みは溢れる
『( 凄く、攻めたい!! )』
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