女王蜂転生〜 色彩の書 〜

獅月 クロ

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☆御気に入り100記念☆ 本編では語られない視点

ハク視点 ~ 貴方の一番にはなれない ~

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本編では語られない、
十話迄のハクの行動&思いをどうぞ。

________________________
~ ハク 視点 ~


ルイ様が来て半月が経過した頃であり
私の弟であるネイビーとの交尾は終えた後でしょうね

誰よりも御風呂が御好きな彼は、今日も二人の使用人を連れ入浴してるらしいのだが、
使用人は気になる点があるらしく、私へと声をかけて来た

「 ハク様。少々宜しいですか? 」

「 どうしました? 」

大蛇の割合が強く、雄には見えない彼等だからこそルイ様も世話を許してるのでしょうね
少々、仕事が取られて寂しい気もしますが……
入浴の邪魔はしたくない為に我慢も致しましょう

「 それが……急に御風呂と言ったのはいいんですが……その…… 」 

「 怪我をしてるのか分かりませんが、血の匂いがして……心配なんです 」

「 お怪我を聞いても、大丈夫の一点張りなので…… 」

其々に交互に告げる言葉を聞けば、怪我をしてる訳でもないのに血の匂いがする事に考える
クロエ様はそんな事があっただろうか、と古い記憶を探り、巻き戻しのように思い出そうとすれば一つの事が思い当たる

「 それはきっと大丈夫ですよ。ルイ様が御風呂に上がる頃になれば戻ってきます 」

「 はい、分かりました。御待ちします 」

確かクロエ様も月に一度、血の匂いが濃くなる日がある
ほんの三日間程度でしたが、その時はご機嫌斜めだったのは印象的で、其の時の対策法方は記憶に残っていた

もし、ルイ様も同じなら……と考えては一旦風呂場から離れ、衣類が多く置かれた衣装部屋へと向かう

「 では……作りましょうかね 」

衣装部屋に入り、数多くの衣装やタンスを見てから片手を動かし魔法を発動させ作る
タンスから布が現れ、針に糸が通り、白い布を三角の形にて作っていけば簡単に出来上がり、同じものを数枚作り、それを布袋に入れ持っていく

『 だから、今日は自分で拭くから出ていけって! 』

「「 ルイ様…… 」」

既に上がっていたらしく、不機嫌なルイ様の声と共に風呂場の扉から追い出された二人の使用人は頭を下げ、此方に気付けば近寄る

「 ハク様、どうしたらいいでしょうか? 」

「 羽を拭かなければ…… 」

「 全て任せて下さい。貴方達は夕食の準備を御願いします。今日は甘い物を多く御願いします 」

私に風呂を任せた彼等は、御辞儀をしてから夕食の準備へと向かった
料理人は違うけれど、何を多く出すのか伝えに行き、食器などの準備をするのでしょう
蜜の多い、甘い物を食べれば不機嫌も無くなると予測を立ててから風呂場へと入る

『 ノックぐらい……って、ハク…か…… 』

「 ルイ様、 良いものを御持ちしました。気に入って下さると嬉しいのですが…… 」

『 いいもの? 』

一瞬向けられた殺意、けれど直ぐに私だと分かれば気は緩み、頭を拭いていた手は止まる
股に挟むようにバスタオルを使ってる彼を見てから、布袋に入った三角型の下着を取り出し差し出す

「 女王蜂は繁殖の為に、月に三日間ほど月経が訪れるらしいので、そろそろでしょう? 」

『 ……月経…つまり生理だよな。男の身体なのに来るとは思わなかったぜ……。それも、チンコから出るんだぜ……マジかよ…… 』

下着を受け取り、布の形を見てから溜め息を吐き、バスタオルを外した彼は、下着を履けばその布の短さに眉を寄せた

『 ……ハク、大事なところが出る…… 』

「 おや、すみません。クロエ様に作っていたのと同じ形でお作りしたので……肝心な先端が見えてますね 」

輸卵管から血が出る事は知っていた
彼の持ってるのは陰茎の先端から輸卵管が出る為に、女物の秘部を隠す程度の布では足りはしない

薄桃色をした先端が見え、ぐつりと身体の底から疼くような感覚に密かに唾液を飲み込む

『 呑気に言ってるけど死活問題だからな……うぁ……ぁ、最悪…… 』

羽にオイルを塗る為のテーブルへと凭れ、腰を震わせた彼は嫌そうな顔をした後に、先端からはとろっとした赤い血が流れ落ち白い下着と太股を濡らした

『 はぁ……お漏らししてる気分より最悪…… 』

タオルを足の指で掴み持ち上げようとした彼に、私は欲に負けて、それを阻止して片手で太股に触れていた 

「 拭かないといけませんね…… 」 

『 だから、タオル取らして? 』

「 折角なので、私に拭かせてくださいな……勿体無いですし 」

『 は?何を言って……っ、ハク!? 』

足元へとしゃがみ、両膝を付き太股を掴めばルイ様が驚くより先に、血の落ちた太股からなぞるように舌先で舐めていき、下着の上からさえ舐めれば
彼の太股は震え、否定の言葉を告げる

『 生理……舐めるとか止めてくれ……汚い…… 』

「 いいえ、貴方様の全て……汚いわけありません 」 

口内に広がる血の味は、どんな蜜より甘く濃厚で食欲がそそられる
その白い肌も、美しい黒髪も、骨も、血の滴る一滴さえ残すこと無く、死後は繁殖に協力した私達に喰われることを貴方は知らない

全て美味しいのだから…その言葉を呑み込んで、下着の上から形にそって触り露になる先端へと舌先を当てれば彼は、僅かに太股を動かし片手を頭へと触れた

『 本当……御前達、魔物って味覚が馬鹿になってるよな…… 』

「 フフッ……認めてください。“共食い“もする魔物なのです 」

軽く頭を撫でる手に、本気で拒否してる訳じゃな無いと分かれば下着を軽く下げ、玉袋を含めて露になれば片手で触れ愛撫しながら先端を咥内へと含ませれば、彼は腰を揺らし、咥内へと血を垂らした
喉を鳴らし呑み込んでは、啜り血を求めれば鼻で笑われてしまった

『 なんだ、フェラの仕方もわかんねぇの? 』

「 ……ふぇら、とは…? 」

『 その舌と手で勃起させて 』

「 交尾をしないのに……ですか? 」

たまに不思議な事を言う
ふぇら、と言うものを聞いたことがない
単純に血が勿体無くて舐めてる私がやってるのとは違うらしく、ルイ様は綺麗な顔に妖笑を浮かべる

『 ……まぁ、交尾しなければ勃起させる理由もないか…… 』

「 私と交尾してくれますか? 」

まだ身体を重ねては無かった時
求められれば幾らでも知識は有る為に出来ると思って告げれば、彼の視線は私から外れた

きっと、ネイビー様の事が気にかかるのでしょう
女王蜂が一匹の雄だけに興味を持つ事なんて聞いたことがない
クロエ様も、その前の女王蜂も数多くのお気に入りを作り、ローテーションで交尾していた
けれど、彼はどこか今までの女王蜂と違う気がする

『 ……今は、そんな気分じゃない 』

「 ……出過ぎた事を…御許し下さい 」

私の役目は、サタン様から告げれた世話役
魔王にもなれない半端者が交尾などして貰えるはずがない……
少しでも期待したのが間違いだと頭を下げれぱ、彼は呟く

『 別に……俺がまだ、環境になれてないだけだ…… 』

環境になれてない、とは違うと思いますが……
今はこれ以上、口を挟む事も出来ず下着へと魔法をかけボクサーパンツ型に変えれば立ち上がり口元を舐め、離れ
身体と羽を乾かす魔法と、服を着せれば彼は溜め息を吐く

『 ……鎮痛剤が有れば持ってきてくれ。部屋で休む 』

「 はい、調合致します 」

私がもう少し知識があれば良いのに……
申し訳無いと思いながら、ルイ様が立ち去った後ろ姿を眺めるしか出来なかった

後に間違いとは言えど誘われた時は、何よりも嬉しかったのだが、ルイ様の瞳に写るのはネイビー様だけ……

「 私にも子がいますのに…… 」

私の腹にいる子には興味ないのだろうか…
そんな事を消えるわけもなく、多少の不安が有るなかで、誰よりも嫉妬深いネイビー様は意味もなく声をかけて来た

「 ……御前、ルイの事をどう思うか 」

「 どうって……どういう意味でしょうか? 」

産まれた順番など関係無い
全ては生まれながらに決められたランクによって、私より位の高いネイビー様には逆らうことは無い

例え、好意を持つ相手が同じだと分かっても引くことしか出来無い

「 そのままの意味だ。クロエと違う女王蜂なのは分かるが……。胸に来るものがある 」

自らの胸元に触れ、軽く服を握るような動作をした彼を見て、私は張り付けた笑みを向ける

「 それはきっと“好意“でしょう。ネイビー様は、サタン様のように相手を思う気持ちがあるんだと思います 」

「 ……好意と言うのは、苦しいんだな。黒い渦のようで、彼奴を怒らせる度に痛む 」

「 フフッ、その気持ちを向けるといいですよ。女王蜂はお気に入りの雄に好意を向けられると発情するらしいので…… 」 

「 ……なら、まずはお気に入りにならないとな 」

貴方は狡い……羨ましい程に簡単にルイ様の気を引ける

私がどんなに尽くして、世話を妬いても、彼が手を引き抱き締めるだけでルイ様の表情は柔らかくなる

それを知らないわけじゃない……
だからこそ、そんな事を相談せずに、さっさとお気に入りになって仲良くなれば良いものの……

赤い月が夜空を赤く染める深夜

私はその場に出て、止めることは出来なかった

「 ……御前のお気に入りになりたい 」

大型の猫のような容姿をしている本来の姿な変わった、ネイビー様
私のような細くひ弱な狐とは違って、筋肉質で大きな姿は、誰が見ても気高く美しい

だからこそ……女王蜂が気に入るのは分かる

『 分かった……押しに負けた。お気に入りする 』

“一番“を求めていた訳じゃない……
そんな図々しい感情は持ち合わせて無かったのに…
ルイ様にお気に入りが出来た瞬間、そしてその相手が弟だと言うことに胸は張り裂けそうに痛み

頬に伝う雫に気付く

「 これが……涙、なのですか…… 」

泣いたことの無い私が、初めて泣いたのは……
叶わぬ恋は伝えること無く“失恋“だと知った時に流した涙だった

それでも、貴方の為にこの身を尽くすのが“雄“の役割

どうか、気が向いたら二人目の子を誘ってください

それだけで、私は何番目でも構いません……


________________________

魔界 ランク 順位( サタン城 限定 )


一位 最高ランク 女王蜂 ルイ
魔物、魔王、含めて全ての魔界の生き物を従える事が出来る  
但し、繁殖を破棄する、肉体が衰える等すれば
役立たずとして雄共や子供にも殺されるリスクがある
寿命は魔物の中で一番長い


二位 魔界を納める 王 サタン
王は“サタン“と呼ばれ、本名を呼ばれる事は極めて稀
魔界の中で一番魔力が多く強いものが玉座に座る
自身の子で無くとも“王様“に逆らうものはほぼいない
玉座を狙う者と戦うこともあるが、それは滅多に無いし勝てる事も稀
現サタンは、前のサタンから直々に後継者に選ばれた為に争ってはない
寿命は他の魔王達と変わらない


三位 軍事責任者 ネイビー
魔力と戦歴から、サタンによって選ばれる
全ての衛兵(兵士)に指示が出来る為に、
サタンを捉えて牢獄に入れる事も可能だが、ほぼやる必要はない

冷酷非道と言う言葉は彼等に無い、
女王蜂がいる城が守れるなら、誰が死のうがどうでもいい考えを持ってる為


四位 働き蜂 纏め役 ハク/中級 
細かい雑務専門だが、ハクが仕切らないと色々と動けない者が多い、作りすぎたり、手を抜いたりなど
魔力関係無く、頭がいい働き蜂(雄)が選ばれる


五位 衛兵/兵士
城を守るために命をかけるため、
雑用を使用人に押し付ける事が出来るが帰ってこない者も多い増産型の魔物


六位 その他の魔物
働き蜂の分類から、食糧調達係り(羽を持つ者)、世話役(羽が無い者)、雑務(動きが鈍い者)で生まれながらに役割が変わる
本人達は嫌な気は一切無く、それが使命だと思い死ぬまで懸命に働く
たまに、サボることもあるが、見付からなければ怒られる事はない


オマケ 設定 

サタンの住む
サタン城に女王蜂(ルイ)がいるだけで、
女王蜂は何処で巣を作ろうが問題はない
只、歴代の女王蜂の殆どはサタンの城にいる為に、雄達はお見合いに来て、女王蜂は住みやすいためにその場で巣を大きくするだけ  

因みにお見合いの雄は、

サタン城の衛兵が判断し許可

サタンが許可すれば

女王蜂のいる玉座に行ける

女王蜂が拒否すれば帰るしかない


歴代の中では、サタン城から離れた場所で誕生した女王蜂がそのまま繁殖し、子の数を増やしたが
当時のサタンが女王蜂を連れ去った事もあり、
其のときの子供は全員殺され、サタン城で新たに産んだ子のみ生きていた

そう考えると、戦う力の弱い女王蜂は強い雄(サタン)よりはランクは低いかも知れないが

重要度からすれば、女王蜂はずば抜けて一位
強さなら、サタンが一位と言う考え


魔界には、四つの国があり
其々、王様(雄)はいたが女王蜂(ルイ)は既に繁殖を拒否していた、残念

貿易が盛んであり、其々の国と城は個性があるが、頻繁に領土争いをしていた

長生きして暇な魔物にとって、領土争いと言いながら血祭りをして騒ぐのが好きなだけ
死んだ兵士は余すこと無く食糧になる


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