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いや、つい最近出会ったばかりのクラスメートを下着コーナーに連れてきて、それに確認してとか言う?

普通言わないでしょ....と言うか、俺も此処まで着いてきたのは悪いけど....

「( えっ、逃げていいかな?試着室に居るなら逃げてもいいよね? )」

試着室からすぐに見せれるようにって、俺を直ぐ近くで立たせてるけど逃げて店の外で待ってても絶対いい気がする

見せてー、なんて馬鹿みたいに言う男子にはなりたくないし
そんな下心....

「( 無いとは言えないのが男心.... )」

クソ....頭の中で、悪魔と天使が囁いている

これからずっと一年間席が近い女子生徒の下着を選んだら、きっと妄想で後悔するっていう天使と

いやいや、いっそのこと自分色に染めてしまえばいいだろ、相手は無知な女子生徒なんだから、と言う悪魔

俺は天使の味方をしたい、と言うか天使じゃなければ俺は自殺する勢いで学校に居れなくなる

「 そう言えばさ、鬼嶽の奴。オリビアと歩いてるの見たってやつがいるんだぜ? 」

「 マジか?彼奴、抜け駆けしやがって.... 」

「( なんでクラスメートがいるだよ!!!? )」

※学校近くのショッピングモールなので居るときは居ます

そうだ、居るときは居ると言うか帰りにハンバーガーとかクレープとか食って帰るやつが居るわだから、居ない方が可笑しいよね!?

「( どうしよ、隠れる場所は.... )」

「 そう言えばオリビアさんの言ってたブラックローズ、此処にあるかな~ 」

「 高いからないかも? 」

「( 嘘だよね!?女子生徒も.... )」

『 なにっ....? 』

「 えっ......? 」

逃げるように後ろの物陰へと入った俺、
背中に当たった感覚と共に聞こえてきた声にサーーと血の気が引いていくのを感じた

そうだ、こんな場所で隠れるところなんて決まってたのに前を集中して見すぎたせいだ

『 なんで、はいっ.... 』

「 シッ! 」

『 !? 』

見なければいい、そう思って振り返り顔を背けたまま彼女の口を片手で塞ぎ
別の方を見た

「 えっ、嘘ある! 」

「 やっぱ可愛い!! 」

「( !! )」

なんで試着室に鏡なんてあるの!?
と言うか....凄く密着してるの今気付いた....

俺が顔を背けた方向が鏡で、彼女がそっぽ向いてるのが入り口側なの変わって欲しい

「 試着してみようよー 」

「 いいね! 」

「( ヤバい、足元で気付かれる.... )」

二人入ってるなんて気付かれたく無いと、軽く脚を動かそうにも無駄に試着室が狭くて身動き出来ないし、彼女の口を塞いでる手に生ぬるい感触がして、それが唾液だと気付いて....

俺の心拍数は無駄に駆け足をする

「( これでバレたら俺、平然に学校行けなくなる.... )」

どうやって隠すべきか考えていれば、急に彼女は衣紋掛けに掛けていたカッターシャツを掴み、足元へとばさりと落とした

『( 少し足りない....それ、取って )』

「 ??( これ? )」

目線を此方へと上げられ、指差された物は俺の後ろにある篭に入った、彼女のスカート
そっと口から手を離し、声を出さないのを確認してからスカートをゆっくりと拾い上げ、渡せば本人はそれを足元へと落とす

明らかに俺の部分の底の隙間は塞がったが、何故此方を振り返った!?
 
「 っ.... 」

『( 少し我慢をして.... )』

「( 胸を押してんな.... )」

ゼブラ柄を着る前か、それともサイズが合わなくて止めたのか知らないが
ノーブラの彼女は敢えて隠すように俺の身体へと押し当ててくる
絡んだ脚は、ズボンとは違い生脚であり
体育の時に見たときよりスタイルがいいのが分かる

「 あ、此所誰か入ってる。こっちにしよ 」

「 そう言えば、オリビアさん美乳だったよねー。マジ裏山ー 」

「 うん!柔らかそうだし 」

俺の理性が、なんて言うよりも彼女が今更意識し始めたのか俯いたまま、顔を赤く染め上げたのが分かる

なんで、散々パンツを選ぶときは普通だったのに....いや、下着と裸は違うか....

うん、スタイルいいねって褒めるべきなの?って逆に冷静になってきた....

『 っ.... 』

「 ん? 」

モゾモゾと脚を擦り合わせて動く、彼女に俺はどうしたのだろうかと思えば 
その白く細い手は俺の首元の襟を掴みぐっと引き寄せた

「 !!? 」

何事と!?と近くなる顔に、彼女は耳元で唇を震わせた

『 といれ....いきたい.... 』

「( !!我慢してくれ!!! )」

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