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しおりを挟む俺は保護者?
いや、違うよね....なのに、なんでこんなにも彼女の周りから離れられないんだろ
「( 声掛けたい )」
「( 彼氏か?居てもいいや )」
あれだ、高校生とは違って大学生っぽいお兄さん方はきっとナンパ慣れしてるのだろ
わらわらと集まってるような気がして尚更、彼女の近くから離れられないし
出来れば砂場から離れたい
「 あ、綺麗な貝殻あったよ 」
『 しょーた!あのパンツいい!!何処のメーカーかな、通販の輸入かな? 』
「 君は貝殻よりパンツなんだね.... 」
『 ん? 』
足元にあった綺麗なピンク色と黄色の貝殻は何処と無く、彼女に似てると思って拾ったのに
それより他の人のパンツって、いや海パンだけどパンツに含まれるんだね
それも見てるのが、筋肉質の男性ばかり....
自分の腹へと触れ、腹筋なら負けてないと思うのに何となくモヤモヤするよ
「 俺も結構、鍛えてると思うけど?ハードなバスケ部だし 」
『 ん?そうだな 』
他の貝殻拾っては何気無くビニール袋にいれる俺は、何処か子供っぽいようないい方になったと思う
着いていくように歩いていた脚は彼女が止まる事によって、俺も自然と止まれば彼女は振り返り
金色の髪を揺らし珍しく、柔らかく微笑んだ
『 だから、色んなパンツがみたいだよ。体格がいいから似合うからさ 』
「 っ!! 」
パンツの事しか興味ないから、色んなパンツが見たいだけで俺自身にはきっと興味がない
なのに....なんでこんなのに....
「( 心拍数が速いんだろ.... )」
くそっ、本当....調子狂うと思うから誤魔化すように裕一を探す
「 それで、裕一はどこ行った? 」
『 あ、多分ゆーくんなら.... 』
指を指した方向を見れば、其処には美人と言うか巨乳のお姉さん方に囲まれている裕一の姿があった
「 お姉さん、何処のメーカー?凄く上手く着てるよね。可愛いし似合ってる 」
「 えー!そうかな? 」
「 ....彼奴、もしかして年上好きなのか? 」
だからクラスメートの女子には興味なかったの?なんて考えていれば、彼女は軽く笑っていた
『 ゆーくん、モテモテー。楽しそうだし、あっち行こうよ 』
「 えっ?は?いや.... 」
一緒に来て別行動、そんなの有りなの?なんて思ったけどいつのにか隣に着て手を引く彼女を見下げたら、言葉は閉じていた
『 しょーたって案外さ.... 』
「 なに? 」
『 身長高いよね 』
目線だけ上げて俺を見上げるその顔は、無表情で無愛想な時の吊り長の瞳は今はアーモンド型に見えるほど大きく開いていた
綺麗な顔だとは認めていた、可愛い部分もあるのもだけどそうやって女子限定のテクで見上げられるのは狡いと思う
「 かわいい.... 」
『 へっ? 』
「 あっ、いや、なんでもない!小さくて可愛いってこと!こう、ハムスターみたいな! 」
『 は?なにそれー 』
自然と口に出していた言葉を誤魔化すように早歩きする俺に、彼女は駆け足で着いてきた
このまま少しだけ、人の少ない場所に行ってもいいよね....?
187㎝の俺と167㎝位の彼女
20㎝も差があればそれは低く見えるし、向こうからは案外高く見えるだろ
だから、もっと下のパンツなんて見ないで上を向けばいいのに....
『 わっ!これ、何て言うヒトデかな? 』
「 よく変なの触れるよね.... 」
海水が下がり現れた岩の隙間へと覗き込んでは、ヒトデとか触る様子に普通の女子ならキモいとかで騒ぎそうなのに....変な子だと笑ってしまう
『 くらえ!!ウニボーール!! 』
「 いたっ、痛い!!ウニを投げたらいけません!! 」
『 まだあるよ! 』
「 ウニが可哀想だから!いっ!いたっ!! 」
たまに子供っぽいことをするのに、なんだろ
静かな方が好きな俺が、そんなに嫌では無いのはきっと見た目が怖いと言われ近付きたがらない俺の近くに居ても怖がらない事だろうね
「 もう.... 」
『 ははっ!しょーた、ほら行こうよ! 』
「 余り岩場を裸足で歩くと危ないよ 」
子供っぽいのに、なんでたまに女の子みたいな顔をするのだろ
君の態度に俺は、調子を崩す
「( 今日はずっと心拍数が速い....そういえば裕一、ずっとナンパしてるのかな? )」
「( 2人....何処? )」
裕一が迷子になってるとは知らず、
俺は親感覚で彼女についていった
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