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しおりを挟む休みの日、それは丸一日は無いけれど午後から休みの日を教えてから彼女は家の前までやって来た
『 お邪魔します.... 』
「 シルキーちゃん!!いらっしゃいー!わー!出掛ける前に会えてよかった!! 」
俺が玄関へと招けば、丁度これから仕事で出る事になっている敦士と出会い
熱烈なハグをしていた
「 え? 」
『 ん?敦士さん、こんにちは....? 』
なんでそんなハグなんて出来るの?って疑問になるし、シルキーも嫌がればいいのに背中に触れる様子に少しイラついた
「 こんにちは!ゆっくりしていっていいよ。漫画本も好きに読んでね?それじゃ、時間ないから行ってきます 」
「 さっさと行けばいいのに.... 」
『 ありがとう、頑張ってな? 』
直ぐに離れた事は許す、と内心思い
急いで玄関を出るその姿を見ては彼女は手を振り、敦士は車の方へと行く
さっさと玄関を閉めてから、彼女を漫画本の置いてある敦士の部屋へ連れて行く
「( 変な物は置いてないと思うし、大丈夫だよね....? )」
『 わっ、全巻か?ある.... 』
「 その本は完結済みだと思うよ 」
シルキーが漫画本を選んでる間に、部屋を見渡して変なのが無い事に安堵する
それにやっぱり美容師でもあるから、綺麗好きで片付いた清潔感のある部屋だ
それに何処か安心してから、彼女が全巻ある内の半分を持てば次は俺の部屋へと連れて行く
モノクロに統一された部屋だが、彼女は気にせずカーペットの上に座りベッドを背凭れに読み始める
今日の服装は、肘丈の白いパーカーに太股が出てる短い短パンだ
夏とは言えどよくこんな格好で来れるよね?と内心呆れては俺は時間の机で勉強をする
「 あ、そう言えば。その荷物なに? 」
勉強をしようと思ったけど、其よりも気になった彼女が持ってきたリュックへとシャーペンを向ければ
シルキーは漫画本から視線を外し、俺を見た後に鞄の中を開いた
『 赤点だったから家庭教師雇われてて....逃げるために図書室で勉強するって言って持ってきた 』
「 えっ、家庭教師居るって....それは出てきちゃダメでしょ 」
『 だから教科書とノート持ってきたんだよ 』
何も予定がないと言ったから呼んだのに、家庭教師から逃げるために嘘を付いたって
リュックの中にある教科書やノートにそれがあるから、結構大きめのリュックで来たことに納得する
ふてくしたように頬を膨らませる彼女に呆れて、椅子から降りては教科書を掴む
「 俺が勉強教えるからやろ? 」
『 嫌だ、漫画本読むんだ~ 』
顔を背けられた事に呆れるも、彼女は好きな事しか頭に入らない
今は目の前にある漫画本が気になってるならこっちは手につかないだろって諦める
「 はぁー、分かった。漫画本読んだら少しだけ勉強ね? 」
『 それならいいよ 』
こくりと頷いた事に、諦めて俺もまた勉強を止めて
彼女が読み終えた1巻を持ち、同じくベッドを背凭れに並んで座り読む
「( ハーレム....敦士が好きそう )」
ハーレム、シルキーの場合は逆ハーレム状態だろ
そんな事を重ねながら読んでいけば結構面白いことに気付いて夢中になる
何も喋らなくて時間だけが過ぎていき、
読んでいた俺はふっと左側の肩が重い事に気付き視線をやる
「 えっ、シルキー? 」
俺に凭れるように眠ってる様子に驚く
よく見れば目元に隈があるのを見れば
夜遅く迄通話してたのが原因か?と思い起こすのも忍びない
「 眠いなら寝たらいいんだよ.... 」
髪に何気無く頬を擦り寄せてから、漫画本へと視線を向け読み進める
眠いなら、寝てくれても俺も話が止まれば寝るし
通話はそれでも自然と切れる
だから気にしなくても....なんて思うけど
直接は言えなかった
「 ....流石に寝辛いか。少し動かそう 」
俺も半分が痺れてきたし、そう思って起こさないよう身体を動かし
太股の裏と背中を支えてグッと持ち上げた
「( 案外、軽い? )」
予想外より軽いことに50㎏も無いだろうなって思いながら、ベッドに寝かせ起きてない事を確認してから布団を掛け
エアコンを涼しい程度に設定してから、俺は漫画本を読む続きを見る
静かな午後の休日、お菓子とか紅茶とか欲しかったらいつでも食べさせたり飲ませたりする予定ではあったが
彼女が眠ったことでそれもまた無くなった
悪くないと、途中で作っておいたクッキーを持ってきて食べては漫画本は全て読み終えていた
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