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しおりを挟むアールグレイの紅茶を入れ、甘めの砂糖3つ入れたそれを飲んでいれば
匂いに誘われたのか、彼女はもそりと動き俺の背中側の服を引っ張った
「 ん? 」
『 ....おいしそう.... 』
「 食べる? 」
『 ん.... 』
口を開ける様子にモノクロのクッキーを口へと運べば彼女はゆっくりと開けて、はむっと咥えてから身体を起こした
『 美味しい!95点以上取るまでお菓子なしだったから 』
「 ...... 」
それなら俺もお菓子というかクッキー上げたらいけなかったんじゃなかった?
なんて思いながらも美味しそうに食べるように何も言えなくなった
『 もう1個いい? 』
「 全部食べていいよ。紅茶飲む?それとも他の飲み物がいい? 」
『 紅茶!砂糖2つで 』
「 了解 」
よかった、紅茶飲むなら予定してた事ができて嬉しいと内心喜び部屋を出て
紅茶を取りに向かった
他のチョコレート系のお菓子も、お菓子の缶に入れ持てば部屋に戻る
其処には俺の勉強してたノートを見てはクッキーを食べる姿がある
『 しょーたのノート見易いな。家庭教師より分かるかも 』
「 そう?纏めるのだけはちゃんとやってるからね....なにその意外そうな顔 」
えぇ、マジかぁ、みたいな顔しないで欲しいな
そりゃいつも人のパンツを狙ってる人からすれば俺が寝てるときしか知らないだろうからね
普段はちゃんと書いてるんだよ、なんてあえて強調してからテーブルに置き横へと座る
「 これは俺の苦手な古典だけどね。シルキーのノートみていい? 」
『 いいけど、たいしたこと書いてないからな? 』
「 ......殴り書き? 」
彼女のノートを開けば、行数なんて全く無視したような殴り書きがあった
それもあちこちにパンツのイラスト付きなんて、勉強なのかパンツの落書き帳なのか分からないほど....
此でよく家庭教師は続けるね、俺なら投げ捨てて辞めてそうだ
『 やる気が無いからなぁー.... 』
「 見て分かる....じゃ、どうしたらやる気が出る? 」
パンツ絡みだろうけど、ちょっとでもやる気出るならいいと思って問い掛ければ彼女は少し考える素振りを見せてから、部屋に掛けてあるカレンダーへと視線を向けた
『 18日.... 』
「 18日がどうしたの? 」
『 夕方、空いてる? 』
「 確か、ラーメン屋のバイトが21時まであるけど 」
『 じゃいいや 』
「 えっ、なにが? 」
もしかしてモデルの仕事でも入ってた?
そんな話は聞いてなかったけど、なんて思って内心焦って聞けばシルキーはほんの少しだけ口先を尖らせて視線を外した
『 バイトなんだろ、だから別にいい.... 』
「 別によかったらそんなふてくしないでしょ?答えれるか分からないけど、言ってみて? 」
何か予定はあっただろうか?
そんな事を考えて問えば、彼女は顔を背けた後にリュックの中を探り一枚の紙を俺の胸元へと押し付けてきた
『 これ.... 』
「 えっ?これって.... 」
それはこの地域で行われる、夏の終わりを祝う夏祭りのパンフレットだった
『 日本に来て、初めての祭りだけど....お父さん仕事だし行く友達とか居ないし、だから、しょーたと行きたかったけど....バイトとかあり得ない!! 』
ぐすんっと態とらしくカーペットに伏せて落ち込む彼女に俺の頭の中は真っ白だった
今まで夏祭りなんて、敦士と弟と行くぐらいで仕事が忙しくなってから行ってない
この祭りも有るのは知ってたけど、俺には友達居ないし縁もないと思ってバイトを入れていた
「 俺と、夏祭り行ってくれるの? 」
『 そうだよ、でもバイトなんだろ? 』
「 そんなのお願いして途中までにしてもらうよ。行こうよ、俺も久々に行きたかったんだー 」
『 !!良いのか? 』
夏祭り、人込みは嫌いだけど屋台の物とか好きだから全然よかった
楽しくなりそうだと笑えば、彼女もまた笑った
『 じゃ、浴衣着るからしょーたも着ろよ?日本の祭りは楽しまなきゃ 』
「 浴衣....持ってないって....って聞いてないね? 」
『 楽しみだなー!祭り、わたあめにりんご飴....射的はあるかなー、おみくじもしたい 』
日本に来たばかりなら、日本の風習とかやってみたいの外国人らしいなって何処か思って笑ってしまう
楽しみなら、答えなきゃね....
「( 敦士が持ってたらいいけど、浴衣 )」
残りの時間は祭りの話で盛り上がって、
彼女は21時になる前に家の近くまで今度は俺が送った
おやすみと告げたその日の夜には
また寝るまで通話をしたんだ
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