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パンツ六枚目 キャラパン!
しおりを挟む夏が終わり紅葉が色付く11月の下旬
肌寒さも感じ初めて、夏の暑さなんて
ほんの一瞬だったようにも思える季節になってきた
『 おはよう、今日のパンツ何色? 』
「 懲りないねぇ。今日は....ベルーガのロングボクサーだよ。英語の書かれたやつ 」
『 ....見たい! 』
「 見なくていいです! 」
一緒に登校する時もあるけれど、大半は別々の為に後から来るシルキー
夏休み明けてから毎日のように聞いてくるから、俺も諦めて答えるしこの朝の恒例に成りつつ見せて欲しい、見なくていい、もクラスメートは慣れたように軽く笑う程度
シルキーと過ごし始めたから俺の周りは少しずつ変わっているような気がする
『 だってロングボクサーだよ!?初めて聞いた 』
「 寒くなってきたからね、太股迄暖かいよ 」
『 へぇ? 』
「 っ!? 」
椅子に座ったまま自分の太股に触れれば、彼女は平然と手を伸ばし俺の太股へと触れてきた
驚いて硬直するも、気に求めないよう指先はロングボクサーの長さをはかるように太股をなぞる
「( それもこれ、絵面的にアウトでしょ.... )」
触るために俺の前でしゃがみこんでるシルキーに変な声が出そうで、グッと我慢をしていく
『 へぇ、此処まであるんだ....暖かそう 』
「 そ、そう。暖かいよ....だからもういいでしょ? 」
触る事はよくあるが、それでもこう人前なのは止めて欲しい
けれど、素直に止めて、なんて言えないのが惚れた弱味というか彼女が触れてくるのは俺だけだから、嬉しいと思ってしまう
『 うん、満足した。やっぱり後から写メりたい 』
「 遠慮します 」
立ち上がってスマホを向けてくるシルキーにそっぽを向けば彼女は頬を膨らませてから、机に座り直す
9月になって一度行われた席換え
名前順だけど向きは変わり次は俺が彼女の右側の席
シルキー本人は角から変わらなかったことにふてくしたけど、出席番号順の事に諦めた
そして俺が今まで座っていた席の位置には、いつしか俺達を置いて帰って行った裕一が座っている
「 相変わらずパンツ?オリビアさんはもっと興味あることない? 」
『 うーん...最近、輝夜がお利口とか? 』
「 訓練士が居ればそうだろね 」
輝夜、彼女が飼っている愛犬であり10月入ってから訓練士によって躾られているらしい
彼女の父親がそう決めたらしくて
普通の犬のより落ち着きがあり賢い
流石シェパードの血筋と思うほど、顔立ちも体格もそれに似ている
垂れ耳だった耳はピンっと立ち上がり、胸元の毛もまた誰もが見て思うように星形だ
『 でも甘えん坊なんだよ?可愛いー 』
見てみてと、向けてきた画像にはシルキーと一緒に寝てる姿の写メがある
俺は正直、欲しくなった
「「( シルキーの方が可愛い )」」
クールなイメージのあるシェパードの輝夜と可愛いげのあるシルキーが一緒に寝てる姿はいい
「 俺も散歩に行くとき有るけど大人しいよね、生後4ヶ月位なのに 」
『 元々騒がない子だからなー....躾られて尚更? 』
「 オリビアさんは、ワンコに夢中かぁ。しょーたはどうなん? 」
『 えっ、しょーた? 』
急に俺の事に話を振って来る様子に、ハッとした俺と聞かれて考える素振りを見せるシルキーは此方を向き首を捻った
「 しょーたの事、どう思うんだ? 」
『 ....パンツ仲間?嫌いじゃないよ 』
何となく頭の上から岩が落ちてきた乗った位にはずんっと重くなった
そう、あれから何一つ進展はない
只一緒にいるから付き合ってる?なんて噂はあるが、シルキーは知らないし俺も答えないし
聞いたところで彼女の反応がこれだから、裕一の可哀想な者を見る目にイラッとする
「 ふっ、しょーた。頑張れ? 」
「( シネ.... )」
『 ん? 』
俺は、進展しなくていいと思ってる
この気持ちは俺だけ秘めていればいいし
彼女も席が近いって理由で好かれたなんて知れば傍迷惑だろ
只でさえ、告白されてるなんて噂はよく聞くから俺もその男と同じだとは思われたくない
「( いや、思うことは同じだと思う。抱き締めたいし....触れたいし....デート行きたいし.... )はぁぁぁあ~~~ 」
「「( 鬼嶽、苦労してんだな。ドンマイ )」」
盛大な溜め息を吐いて机に伏せていれば
教師はホームルームの為に入ってきた
そう言えば去年もこの位の時期だったか
「 お前等ぁ、学園祭の準備を始めるぞ。机1列ずつ、好きな屋台を選べ 」
学園祭、その言葉を聞いてシルキーの目はキラキラと輝いていた
日本の行事、好きだよね....
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