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何かまたイベントなのかと思った
それも食べ物系で時間を奪いに来るのかと思ったけど、案外そうではなかった

「 将太&シルキーペア、おめでとうございます!残り時間、全てプラネタリウムを堪能してください! 」

「 それはいいね、楽しそう 」

『 うん!! 』

残り時間、それがミルクティーもそうだけど時間が巻き戻しされるのはこの為だったのかと思う
体育館付近にある、天体観察部専用のプラネタリウム
聞いていたけど部員しか使えないことを知っていた

一度は観てみたかった為に普通に嬉しいと思って、シルキーと共に中へと入り
2人しか居ない中でいい席へと座る

「 座席を倒して見てください 」

『 わっ!輝夜、伏せだよ。待っててな 』

案内で先に倒されたシルキーは仰向けになるほど座席を倒されれば、輝夜を伏せにさせ、撫でてから見上げた

俺もまた座席を同じぐらい倒せばふっと横に、シルキーの顔が有ることに気付く

「 っ.... 」

『 楽しみだな 』

「 ....そうだね 」

ゲームに一生懸命で忘れてたけど何度も、手錠のせいで身体や手とか触れてたし、ずっとカップルさんと言われて居たんだった
改めて意識すると、何となく恥ずかしい

“ では、最初からどうぞ “

柔らかな声と共に星座の成り立ちや説明が聞こえてくる、楽しそうにキラキラと目を輝かせてみるシルキーの横顔の方が見ていたくなった

『 あ、獅子座.... 』

「 そうだね....俺は牡牛座だからあれだ 」

手錠で繋がれた指が触れ、一瞬ドキッとするもシルキーの指が俺の手の平に触れる

少しだけ、この雰囲気にのまれるように指を重ねて握れば彼女もまた優しく握ってきた

「( これは、プラネタリウムに集中出来ないや...... )」

指先から伝わる熱はきっと俺の方で、身体や顔が熱くなる感覚に一人で恥ずかしくて仕方なかった

時間を巻き戻す為に頑張ったのに、今はちょっとだけ早送りして欲しいぐらいだ

それでも終わった頃には、まだ物足りなくも感じるのはプラネタリウムをしっかり聞けなかったせいだ

「 それではお疲れ様です。手錠ははずしますね 」  

鍵は此処にやって来るのだろ、俺達の手首から手錠は外れればシルキーは手首を動かし笑った

『 やっぱり少し痺れた 』

「 確かに解放感がある 」

「 ふふっ、缶バッチは持ち帰って下さい。外さず2人セットで3年の屋台を回ればお1つは無料になります 」

たこ焼きなら6個入りが無料とか、ゲームなら1回無料
それは確かに有り難いと言うか敢えて廻りたくなって楽しみだと思う

『 残り1時間あるし、まだ見て回ってもいい? 』

「 もちろん、沢山楽しんでから戻ろうか 」

少しだけ手錠が無いのは寂しい気もするけど、最初に見て廻るよりずっと距離が近付いても違和感無いのは嬉しいかも知れない

「 そう言えば優勝したカップルにはベストカップル賞として掲示板に載るの伝えたか? 」

「 あ“、忘れてた!! 」

「 まぁいいか、勝手に載せよう。いい写真も幾つも取れたし 」

この機会が3年の企画部と写真部によって行われてるとは俺達は知らなかったし、知るはずもない
 
今は楽しめばそれでいいと、残り時間を楽しんだ

『 金魚すくいしたい!! 』

「 輝夜がいるからダメだよ 」

『 なら、ヨーヨー! 』

「 それはいいよ 」

歩き回る時はシルキーへの視線やら声をかけようとしてた人はいたが、今は居ないのは何故だろ

まぁいいか、変な邪魔が入るよりマシだ

「 彼奴等か、彼女の為にカレーとミルクティー食って飲んだやつ 」

「 すげぇな....俺ならギブアップするわ 」

何となく行く先々で聞こえる声は、俺達の事かな?って思うのはちらほら有るけどシルキーが可愛いから気にならない

『 見て、水玉模様!これパンツ柄みたい 』

「 ふふっ、そう思うのは君だけだよ 」

「「( ラブラブかよ!! )」」

学園祭なんてつまらなかったけど、シルキーと一緒なら楽しいのは嬉しいね

ギリギリまで遊んでから、射的へと戻った

『 青井君、焼きそば上げる。無料でもらった 』

「 ん?ふぁ、サンキュー 」

「 飲み物とか色々貰ったからあげる。ついでに休憩してきな 」

「「( あの特典いいな )」」

3年生、張り切ってるから屋台の数が多くて廻りきるのに大変だったとか思いながら
余ったものを渡して休憩を交代した
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