転校生にパンツを狙われて困ってます

獅月 クロ

文字の大きさ
71 / 77

03

しおりを挟む

熱い身体が冷たくて、酷い頭痛も無いのに
瞼は重く閉じていた
それでも顔にかかる生温さに眉は寄る

「 シルキー、やめっ.... 」

『 起きた?輝夜、止めてやりな 』

「 ワフッ.... 」

頬に当たっていた感触は無くなり、変わりにシルキーの声が聞こえて真っ暗な世界の中で、手を伸ばせば掴まれた

『 しょーた....馬鹿だよな 』

「 っ....シルキー.... 」

ずっと聞いてなかったような声、でもほんの少ししか離れてなかったのに
離れてたようなそんな感覚がするほど嬉しく思う

瞼を覆い隠す重いものを片手で外せば、少し水が落ちてくる感覚にゆっくりと目を開けばシルキーの顔が近くにあった

「 っ....!? 」

『 やっと起きた?しょーた、インターホンの前で倒れてから結構寝てたよ 』

いや、それよりどういう状況これ
なんでシルキーが目の前にいるの
てか、凄く柔らかい枕だと濡れた布を落としてから触れればふにふにとしてるし

......太股!!?

「 なっ....なん、で、膝枕してんの.... 」

『 何となく?頭持ち上げるの重かった 』

膝枕されてると言うか目線動かせば、シルキー白と赤のブラ着けてるし何事!?と驚いてグルグル廻る思考を考えていれば足音は聞こえてきた

「 起きたか?流石に、ホワイトクリスマスの日に家の前で死人が出るのは御免だからな。助けてやった 」

「 クリスマス....はっ!!っ.... 」

ガバッと起きたがってからぐらっと感じる頭の感覚に、眉を寄せて頭を押さえれば座っていたシルキーは父親の元へと行った

『 ホワイトクリスマス!お母さんの誕生日っ! 』

「 あぁ、サンタではない死にかけのストーカーも来たけどな 」  

『 サンタさん来るかな? 』

「 良い子で寝たら来るだろ 」

ホワイトクリスマス?えっ、シルキーが学校に来なくなったのは12月始まって直ぐなのに、それからもう時間が経ったの?

俺、どんだけ日付感覚狂ってんだろって思っていれば有ることを思い出す

「 あ、シルキーに謝りたくて.... 」

「 辛気くさい話は後だ。今はリリーの誕生日、盛大なクリスマスだ 」

『 そうそう!お母さんの誕生日っ 』

「 ...... 」

シルキーの母親はもうこの世にいない
それでも、すぐそこに居るように楽しんでる様子に俺はソファーを座り直して見ていた

拾った時より大きくなった輝夜の頭にもサンタの帽子がついて、シルキーは女の子物のサンタの格好をしていた

『 メリークリスマス!お母さん! 』

「 あぁ....ハッピーバースデー、リリー 」

俺も両親が居ればこんな感じなのだろ
仲良くないし帰ってこなくて、子供の事を放置してる両親なんて忘れたい
 
でも、忘れられないのはシルキー達を見てるから....

羨ましいと思う

『 ほら、特別にしょーたも座りなよ。お父さんの手作り! 』

「 仕方ねぇな。食え  」

「 ....ありがたく、いただきます 」

俺はシルキーとこう言う家庭を持ちたいと願う
それは叶わない事なのだろうかと思う

でも、今はそんな事を後回しにして楽しんで食べよう

『「 いただきます! 」』

『 ローストチキン美味しいよ、食べて食べて! 』

「 ん、おいしい.... 」

「 シルキー、コイツは風邪でぶっ倒れてたんだぞ。食わせるのは.... 」

「 めっちゃうまい 」

『 しょーた、沢山食べて元気になるといいよー 』

「 うん、ありがとう 」

「( 熱有るのに食うタイプか )」 

美味しいチキンを食べて、他にも彼女が好きな料理を沢山作ってるのを食べていく
ピザ、ラザニア、ハンバーグ、どれも美味しくてシルキーと昼御飯食べなくて落ち込んで食欲なった俺にはついついパクパクしてしまうものばかり

『 パスタあるよー 』

「 食べる、ありがとう 」 

『 うん!食べてな!! 』

「( コイツ、本当に病人か? )」

黙々とシルキーに進められるまま口にしていく
美味しくて、涙が出そうな程に楽しいのは久々だ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...