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一章 聖獣への道のり編
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しおりを挟むランケと出会い、そして怒って神様に叱られた後はごく普通の日常が訪れた……
と思ってたんだが、疲れが取れた頃に
眠っていた身体を起き上がらせれば違和感に気付く
『 ふぁ~よく寝た~ 』
背伸びをして、まだ横たわって寝ているブランシュを見ればその整った顔立ちを見て手を伸ばし触れる
「 ん…… 」
『 寝てたら可愛いのに…… 』
よしよしと首から撫でていればふっと自分のやってることに気付く
『 えっ……えぇぇぇぇええ!!!? 』
「 なんだ!!? 」
声を上げた事で勢いよく起き上がったブランシュと目が合う
そう、獣サイズとは言え大きな彼と目が合うなんて子犬の姿の俺には無い
彼もまた俺の姿を見ては目を丸くさせてるのを見れば、これは彼がやった様には見えない
『 お、俺……人の姿になってる!!? 』
「 誰だ、御前…… 」
『 酷くね!?俺に決まってんだろ!! 』
「 グフッ!苦しい、首が、しまっ…… 」
前にブランシュに人の姿にされた時より成長してる
手や腕を見たところ大人位だろう
だが、誰だ?なんて言ったのが辛くてその首を腕でホールドし締め付けた
『 なんで、意味分からないんだが! 』
「 ぐっ、だから手加減しろ! 」
『 わっ…… 』
僅かに感じた静電気に驚いて手を離さば、逆に彼は人型になり
俺の身体をベッドへと押し付けた
目の前には首元に金色のファーの付いた白いマントを片方の肩だけ掛け、其がずれないように金のチェーンが二重に付き
首後ろから広がる厚みのある襟元、黒色のカッターシャツに黒のネクタイ
真っ白な硬い生地の服は軍服に見える
俺を見下げることで頭から少し下がった服と同じ色の軍帽
こんな服装だったけ?
いや、いつも人型の時は風呂に入ってたり水浴びしてたから服装を知らなかっただけで
こんな上の位みたいな軍服姿、只の萌え要素しかない
『 なんか、鼻血出そう…… 』
それなのに手足には枷と長い金の鎖が付いて
あのヒラヒラ揺れ動く鎖は今は垂れ下がってるまま、ベッドに沈む重みのある鎖は
ブランシュが僅かに動く度に音がする
「 は?何いってんだ……つーか、御前、服着てたんだな 」
『 服? 』
「 なんか、黒いファー付きのコートみたいだ 」
そりゃ毛があるから服は有るだろうと
自分の服装を見れば、やたらベルトの多いフードのファー付きの黒のコートだった
真っ白なブランシュに比べて俺は黒、いや、ある意味悪くないんだがと思うが
………やっぱり
『 シロって呼んでいい? 』
「 ……コウガ限定で許す 」
グッと怒りを我慢した様子に、可笑しくなる
『 ふっ、ありがとう、シロ 』
「 ……もっと呼べ。声が聞きたい 」
頬に触れる手に白手袋の擦れる感覚に、片目を閉じ受け入れながら
両手を伸ばし首へと腕を回せばシロの顔は近付き 俺と額を合わせたところで帽子はベッドへと落ちる
『 シロ……助けてくれて、ありがとう 』
「 もう、その事はいい…… 」
『 ん…… 』
頬に触れた手は顎へと支えられ、鼻先が当たればどちらともなく唇は重なる
柔らかい口付けに獣の時とは違った愛情を感じ、
ふっとシロの口付けが深くなる前に彼の口へと片手を当て防ぐ
「 ん?何故止める…… 」
『 だって気紛れだろ……子犬の相手は、嫌なんじゃ…… 』
「 馬鹿、御前は俺の恋人だろ 」
『 へっ……? 』
恋人?いつからそうなってた?
シロはそう思っていたのかとキョトンとした俺に
褐色肌でも分かるほど、彼は頬と耳を赤く染め視線を外した
「 俺じゃ、嫌か……恋人なのは。此でも告白してるんだが…… 」
一瞬、息が止まるかと思った
俺から告白するしか無いと考えてたからこそ
シロも同じ気持ちだった事が嬉しくなり自然と涙が溜まり笑った
『 嬉しいに決まってる!シロは、今彼なんだなっ 』
「 いまカレー? 」
『 いや、今カレーじゃなくて今彼!彼氏! 』
「 ……ん?まぁ、わかった 」
『( 絶対に分かってない )』
古い考えしか知らないから、今彼の意味が分かってない様子だが
まぁ、いいんだ深い事は気にしない、と笑って擦りつけば、
シロもまた口角を上げ頬や髪へと擦り付け御互いに匂いや温もりを感じる
『 はぁ、シロ……ちょっといいか…… 』
「 んーなんだ? 」
沢山、スキンシップをして
深く口付けをし、シロは既に俺のベルトとボタンを把握して前を露にしたのは良いのだが
俺は探っていても、軍服の脱がし方など知るわけなく
恥ずかしくて耳は下がる
『 その、脱がせれないから……脱いでくれるか? 』
「 ……ふっ、消した方が早い 」
笑われたことに胸に刺さるも
意図も簡単に服を消し、素肌を見せたシロに俺は単純に気になった
『 えっ、どうやってやるんだ!? 』
「 服ってのは魔力で作ってる鎧みたいなものだ。人間界で人型でうろうろするときに裸なんて出来ないからな、だから…それを消すイメージで…… 」
『 服を消すイメージ……あ…… 』
服を消すイメージと言われ想像したものの
この状態で自ら、全裸になった事に気付き
ゆっくりとシロの方を見れば彼はいい笑顔を浮かべていた
「 ほぅ、そんなに抱かれたいのか?可愛いなぁ 」
『 っ~~!!変にスイッチ入んな!! 』
「 脱いだってことはそうだろ?俺の服も脱がしたかったもんな~? 」
『 わーわー!!だまれ変態!! 』
実際、そうだとしても
改めて言われると恥ずかしくて仕方ない
逃げようとすれば簡単に防がれ
俺は成す統べなく楽し気なシロに愛された
滅茶苦茶、そう激しくな
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