転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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一章 聖獣への道のり編

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アルトゥーラ連邦は既に聞き付けていたらしく兵士を準備していた
此処に来る迄に見たライアン王の軍勢に比べるとその倍の人数はあるが、彼等は灰となる未来が見える

「 イザベラ王女に会わせてくれ!! 」

「 部外者が!!取り押さえろ!! 」

城の近くでコカトリスから降り、元の主の場所に戻るよう尻を叩いたファルクは
直ぐに城の入り口へと行くも、争い前でピリピリしてる近衛隊に止められ武器を向けられた

流石に見るに堪えなくなり、俺は召喚されても無いが彼等の間へと姿を見せた

「「 なっ!? 」」

『 我はこの者に支える銀狼。報告をしに来ただけだ 』

「 銀狼?ウルリヒ盗賊団の者か? 」

「 それなら初めに言え!通れ 」

矢張、ウルリヒ盗賊団だと分かればあっさりと許可したことに
ファルクは抜けたことを言えるわけもなく、礼を告げた後に城の中へと走っていく

イザベラ女王がいる場所は、恐らく玉座の間だろ
急いで向かった時には、俺の姿である狼を見た兵士は扉を開いた

其処には玉座に座る、美しい女性の姿があった
その面影に驚く

『( ルイスと護衛したあの王女……? )』

第三王女、アメリアと同じ容姿の事に俺の思考はそこで止まった

「 なにようですの? 」

「 はい、此より先。北の町はライアン王の手によって火の海へと姿を変えていました。彼等は此方に向かっている最中…… 」

「 その位知っているわ、貴方達ウルリヒ盗賊団は既に前線にいるよう言ったはずですが? 」

「 俺は…この争いを止めたい。火から守るほどの壁を作ります。ライアン王を俺が撃ち取るのでどうか、他のウルリヒ盗賊団を下げてください 」

全て自分一人が行うと告げた彼に、イザベラを含めた兵士も動揺を見せた
そりゃそうだ、只の盗賊団の一員が国を守るほどの戦力とは思えない
その言葉に、反する前にファルクは言葉を続けた

「 俺は召喚師です!此処に居るロルフは聖獣、それにもう一頭、聖獣を知っています。敵は精霊!どうか" 召喚師 " に任せて頂けませんか!? 」

聖獣、と告げた言葉にイザベラは俺へと視線を向けた後に手元の椅子へと頬杖を付き、静かに告げた

「 召喚師と言いましたね?貴方、名はなんですか 」

「  ファルク・ルードルフ。召喚師です 」

いつか名乗る日が来るとは思ってたが、まさか此処で大嘘を付くとは思わなかった
召喚師とは呼べない程に俺達は大きな魔法も使ってない、全てがこの戦場で初めて行う事なのに
何故、ファルクは此処まで自信もって言えるのだろうか

彼の表情を見た後に、イザベラは声を上げて笑った

「 あははっ。銀狼を扱う盗賊団には興味あったが、まさか召喚師が紛れ込んでいるとは……それで、その聖獣。名は? 」

国までは知らなかった、それか王女が移動したのかもしれない
それでもアメリアに良く似た彼女に、俺は自分の事を伝えたかった

『 今の名はロルフ。昔の名は" リアン " 』

「 !! 」

「 あの伝説の騎士と同じ聖獣!? 」

「 アメリア元王妃の…… 」 

ざわついた近衛の者達と、ファルクの表情も驚いていた
名前ぐらいは知ってるようで嬉しいと内心思っていれば、イザベラは無言で立ち上がった

そしてゆっくりと美しいドレスを引きずり、俺の前までやって来れば
長い爪を頬へと当て、首へと腕を回し抱き締めて来た

「 アメリアを助けてくれてありがとう……リアン。彼女は私の祖先……。何故、銀狼を扱うものを雇ったのも、全てはウルフに感謝してるからです 」

髪の匂いも、体温も全て懐かしさを感じる
いつか俺が出逢った者達が、俺を知りそして名高い者達がいたことを覚えてくれるならそれでいいじゃないか

『 アメリアの子孫が元気そうで良かった……。また守るから、俺とファルクに任せてはくれないか? 』

金色の美しい髪へと頬を擦り当て 優しく問えば、彼女は身体を離し、それまでキツかった目元は柔らかくなり笑みを溢した

「 では託そう。今はロルフとその召喚師に、この国と私の命を…… 」 

「 はい!お守り致します。イザベラ女王陛下 」

ファルクの願い通りに、銀狼を従えるウルリヒ盗賊団は前線から後ろへと下がる事になった
兵士は散らばって国を守る、盗賊団へと伝言をし、彼等を中央へと集めたのだが

俺の背中へと乗るファルクを見るなり、リカルドやかしらは驚きを見せた

無理もなく、何故!?とか言う話より先にファルクは目線を前へと向けた

「 説教は後で聞くよ。だから、今は目の前の敵に集中しよ! 」

「 弟がウルフに乗る日が来るとは……俺は嬉しいよ。力になる 」

「 はぁー、言いたいこともレナに謝りも欲しいところだが全て終わった後に説教してやる 」

「 ははっ、覚悟します 」

相変わらず爽やかに笑い飛ばしたファルクを中心に、銀狼の背中に乗る彼等は横一列になれば前に迫る軍勢へと視線を向ける

右を見れば、頭を背中に立っているレナの姿がある

『( その、咬んでごめんな? )』

「( ふふっ、気にしてないよ。大切な人を守りたい気持ちは同じですもの )」

『( お、おう…… )』

優しげに笑った、案外声すら甘くて柔らかいレナに少しだけ胸が高鳴ったのは黙っていた

むず痒くなる感覚を堪えて、前足を動かし乾燥した土へと触れる

『 ファルク、やるぞ!! 』

「 好きなだけ喰らえ、我狼パートナー!! 」

『 アオォォォオォウウ!!!! 』
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