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一章 聖獣への道のり編
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しおりを挟むファルクと別れ、神の庭 へ戻ってきてから其なりを過ごしてる様に思える
時間が無いこの世界で、朝も夜も、昨日も明日も、そんな事を気にする聖獣は何処にも居ない
獣の様に" 性 "に囚われ、繁殖をする為にパートナーを探す事も、
人のように" 時間 "に囚われて焦って動く事もなく
只、何も感じることの無い安らぎを得たまま
気持ち的な時間だけが過ぎていく
その感覚は人間界に居るときに身に付いたものだろうが、それは日々狂い
意味の無いものになってるのは分かるのだが……
俺は聖獣になって日が浅い
人間界だともう数百年経ってるのだが、聖獣の中では幼く、此所の世界に慣れてないから何となく、そういつもなんとなく" 暇 "だと思う
『 シロ~、暇~ 』
昨日はなにをしたか、そんな事を考えるのは
雷鳴の巨狼であるブランシュ、渾名をシロという最強ランクの聖獣である彼にはどうでもいいこと
ダランとソファーに横たわりスライムのように溶けていく俺を見ることなく、僅かに動いた耳は此方へと向き、ごく普通に答えた
「 暇なら交尾するか。体力は既に回復してる 」
『 しないわ!なんで暇イコール交尾になるんだよ!もっとこう、やることが有ると思うんだ! 』
余りにも平然と言うからソファーから滑り落ち、倒れた俺は顔を上げ、それは今は気分じゃないと首を振れば
シロはゆっくりと視線を向け、歯並びが全て見えるほどに欠伸をし、大きく背伸びをした
「 御前とヤることなんて、愛し合うことしか頭に無いんだが? 」
『 聖獣なのに" 性 "しか考えてないやつが此処にいた 』
ベッドから下り、此方へと来るシロに少し警戒するよう後ろに下がるも彼は俺の頬を舐め、顔をすり寄らせて来る
愛情を向けられるのは嬉しいから、嫌がる気も無く首を絡めるままに擦り言葉を繋ぐ
『 んや、嬉しいけど。なんかもっとこう……やることって無いのか? 』
「 ……聖獣は殆ど寝てたりするからな。他の聖獣と共に過ごすものはすくねぇよ 」
頬を舐め、耳へと甘噛みしてくる甘ったるい雰囲気を出すこのシロもまた元人間という
今は、ほぼ狼の雄って感じの愛情表現だし俺が人型にならない限り、人の姿を得ることは殆どない
それだけ、その身体に慣れてるのだろう
『 寝るしかないのか? 』
「 聖獣は、精霊の様に大自然を形を得た無性別だから魔獣同様に繁殖は必要ない。これは分かるな? 」
『 まぁ、うん…… 』
ゆっくりと離れ、歩き出すと同時に人の姿を得た彼は長い鎖の音を響かせ、ベッドに腰を下ろし片足を立て俺の方へと片手を向けた
長いコートに軍服姿は、彼の人間だった頃の服装に似てると言う
何処の国かは分かりはしないし、聞く気も無い為に近付けば、白手袋をした手で頭を撫でては説明する
「 俺やブリザードの様な最高(最強)ランク……上級聖獣は大気に影響が出るから、移動を止め其処に住む。この洞窟が割れた大地の下にあるようにな 」
『 それと無性別は関係有るのか? 』
「 つまりだ。やることがないってことだ 」
『 ………… 』
少し難しい話をするのかと思って、撫でる手を受けて聞いていれば
やることがない、と言う言葉で済まされた事に目は徐々に冷めていく
睨むように見詰める俺に気付いてか、シロは金色の目を揺らし視線を外した
「 別に走って獲物を狩る訳でも、縄張り争いをする必要もねぇ。肉体を鍛えるなんてしなくともランクで姿は変わる。寝ていれば召喚され、コキ使われて、また戻ってくる。そんな聖獣が何をするんだ? 」
此処には時間もカレンダーもない
イベント事なんて、人間界に行った時に彼等がやるのを見てるだけ
俺達は使われるために生まれた聖獣であり、時間に囚われてた動く" 獣 "じゃない
やるのは只一つ、主に召喚された時に守ったり力を貸す程度だと言うこと
『 それは、全て終えて強いから言えることで。俺は鍛えたりする事とかあると思う! 』
「 まぁ、意味がねぇ訳じゃないからやってもいいかもな 」
『( 最強ランクは余裕有りすぎてだらけてるパターンだ…… )』
やることが有りそうな事を教える気もなく、只ずっとイチャイチャしてたシロの態度を知った俺は、撫でていた手へと噛み付いた
「 っ、おまっ! 」
『 俺は此処にいる間、修行する!!付き合え!! 』
「 ……勝手にするんじゃ無くて俺も付き合うのか、いい精神してんじゃねぇか。へぇ~?御前はこの雷鳴の巨狼様に修行してと言うのか? 」
『( あ、ヤバイ、これ……地雷踏んだ…… )』
肌に感じるバチバチとした静電気の痛みと、
彼の笑顔がとても恐ろしいことに気付いたときには首根っこを掴まれていた
『 ギャッ!! 』
「 この世界に時が無いのを知ってるだろ。つまり、休憩時間の目安がねぇってことだ。そんなに鍛えられてねぇなら、血を吐く迄、争い方を教えてやるよ 」
『( 恋人に容赦ないわ、この人(狼)…… )』
俺はもっとボール遊びとか、違う遊びで暇潰しするのかと思ってたのに……
外に連れ出されて教えられるのは、太陽が昇った時は獣の姿での戦いかた
そして月が昇った時には剣を使った戦いかたをびっちりと教え込まれるなんて思っても見なかった
『 剣も使えるとか、チートかよ…… 』
「 一通りの武器は使える。元兵士なんでな?ほら、弱音吐いてねぇで来い!! 」
『 泣きそう…… 』
俺の恋人は最強過ぎて、隙を持て余していた
只のドSだった、こんな奴と同レベルになるなんてきっと後数百年経っても無理だと分かった
『 ハァー……。メチャクチャ……つえぇ……』
「 休むついでに交尾しようぜ 」
『 出来るか!! 』
そして、性欲が多くて大変だ
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