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一章 聖獣への道のり編
05
しおりを挟む早々にバレた、早すぎた事に隠しきれなかった俺の落ち度だが
俺が思ってる以上に魔力を子へと向けられてるようでシロは気になって、聞くのを止めていたらしいのだが寝起きでもあった為に聞いたらしい
つまりだ、シロが寝起きで言葉が滑らなかったら俺もまたバレることが無かったと言うこと
この人の寝起きの本音が恐ろしい!!
「 ふふんっ、そっか。俺達の子か~ 」
『( 番の雌にだけ優しい、まさに狼の雄って感じだな )』
興奮の余り人の姿に保つことが出来なかったのだろ
俺を床へと降ろすなり、獣に戻り顔やら身体に全身ですり寄ってくることにちょっとウザいと思ってしまった
何度もすり寄っては頬を舐めたり、背中やら頭やらを首辺りに押し付けてくるのに苛々する
『 そんな直ぐに生まれないから、師匠は続行して貰うからな! 』
「 ……!? 」
言葉に硬直したシロは、金色の目を見開き
獣の姿なら尚更、反応が分かりやすく耳を下げ
さっきまで振っていた尾は下がり全身で拒絶するように身体を下げ首を振った
「 出来るわけ無いだろ!魔力を少しずつでも失ってる御前の身体に傷なんかつけれるか! 」
『 でも、貰った後に剣で刺されたり。落雷が落ちてきたりはしたぞ? 』
「 ……ちょっとその時の俺をぶっ殺してくる 」
『( やりかねない )』
ちょっと過去に戻ってくると言っても、全然有り得そうだ
なんせ俺が知らない能力を隠し持ってるのだから、そのぐらいは出来そうだが
反応を見る限り出来ないのだろう
後ろに下がった耳のまま、彼はその場で腹を見せるように仰向けになった
「 無理だ、手は出せない。ほら、俺は好きなだけボロボロにしてくれてもいいが御前には無抵抗だ 」
『( あ、まさに降参ポーズって訳な )』
珍しく腹を見せた事に、見下げてる俺は可愛いなって思ってしまう程に
その顔は、悪さをした後に怒られた事を知って
反省の色を見せてるだけで、実際は甘えてる
あざとい系のハスキーのようで
ちょいちょいと片手で身体に触れて来るのが質が悪い
『 分かった。シロが師匠になってくれないなら他のレイヴンとかルークに頼んでくる 』
「 なっ!ダメだ!!気付かない奴は容赦ない! 」
背を向けた俺に、直ぐに起き上がり前へと来た彼は道を塞ぐように身体で行く手を遮り、通そうとはしてくれない
そんなに嫌がるならやっぱり言わなければ良かったと溜め息は漏れる
『 だから言いたくなかったんだよ……攻撃できなくなるだろうなって 』
分かってたからこそ" 最悪 "だと吐き出した俺は自分が酷いことを言ってしまったと、気付き視線を戻せば
シロは下げていた耳を上げ、俺の鼻先へと口付けを落とす
「 分かった。なら契りを交わそう 」
『 契り? 』
「 何処にいても、どんなに離れていても雷鳴の巨狼が御前を守る 」
結婚式みたいな感じなのかと思った俺は小さく頷けば、彼は聞いたことの無い魔法を唱え始めた
「 天地神明誓って、幾年の年月が過ぎ去ろうとこの身、離れる事無く……不死鳥の導きと、神の子、命の愛し子へと、この血肉を捧げよう 」
御互いの下に現れた大きな赤黒い魔法陣は自分達の身体を光、包み込めば
シロの身体は今のまま小さいけれど本来の姿と同じく、額に模様が入り枷と鎖を付けた姿へと変わり
揺れる鎖とは別の金色のチェーンは、魔法陣から現れ俺の手足から身体に巻き付けば彼は深く頭を下げた
「 我が名は白牙。この世で只一人……御前を愛すると誓う 」
頭を下げたまま告げた彼に、俺もまた自然と同じ様に頭を下げ、額へと当てれば告げる
『 俺も……白牙をこの世で只一人、愛してると誓うよ 』
" その誓いの言葉。私、生を司る神が聞き届けた "
頭に響くライフの声と共に、シロの身体にも同じ鎖が巻き付き
互いの鎖が絡み合えば魔法陣が消えると共に鎖は身体に埋まったように消えていった
辺りが光っていたのは無くなり、顔を上げたシロは口角を上げ俺の頬へとすり寄ってくる
「 もう少し、いい場所で誓えば良かったな 」
『 寝床は俺達の家だろ?だからいいんだよ 』
少し照れ臭い感覚に耳は下がり、同じく頬を擦り寄せていればふっとさっきの魔法がなんなのか気になり問い掛ける
『 で、さっきの魔法はなに? 』
「 ん?何処にいても浮気はしませんってやつだ。結婚式みたいなもんだぞ? 」
『 えっ!そんな、あんな…… 』
「 其もあるが、此で御前が消費した魔力は俺から自然と流れるようになってるから、今は身体はきつくないと思うが、どうだ? 」
つまり、シロの血肉が流れてるってことか
魔力は謂わば、俺達にとって生きてる形そのものだからそれを渡すってことは"痛み"も"死"を分かち合うと言うことになる
この俺に、永く生きてるシロの全てを貰っていいのか恐れ多いが……本人は嬉しそうに尻尾を振ってるからよしとしよう
『 無くなった分だけ貰えるのは助かるな……何となく身体も軽い 』
「 そうだろ。此で心置きなく、師匠にもなれる 」
『 えっ、痛覚も共有してるってことは自傷してるもんだろ!? 』
俺を切ったり、落雷を落とす事でシロ次第にも痛みがあるはず
それを自ら求めるなんて馬鹿げてると首を振り後ろへと下がる俺に、彼は口角を上げた
「 心配してくれるなら、攻撃避けたり防ぐんだな? 」
『 無茶な!! 』
俺の彼氏は、ドSなのかドMなのか分からないぐらい自分の身体には然程、興味ないようだ
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