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一章 聖獣への道のり編
06
しおりを挟むさて、どの位共有されてるのか気になる為に
部屋から外に出ていつもの修行場所へとやって来た
太陽が昇ってる為に、獣の姿の俺の前には
本来の姿でありながら、普段通りの大きさであるシロがにこやかに立っていた
「 行くぞ……雹雨狼 」
『 最初から容赦ない!!氷鎧 』
晴れていた空にどす黒い雷雲が現れ、やっぱり手加減はそんなにしてくれないんだな!と思った俺は直ぐに氷の鎧を身に纏い
硬化、と呟き更に鎧の強度を上げては吠える
『 喰らえ、当たってくだけろ!! 』
「 落ちろ 」
氷壁狼の様な壁は粉砕されることを学んだから、此所は狼らしい反射神経を信じて避けようと、走り出し突進すれば
雷の雨は降り注ぎ、避ける事が困難な程に鎧は欠けていき身体に切れたような傷が付き、血は滲む
『 ギャンッ!! 』
「 っ……! 」
大きな雷の雹雨は鎧を砕き、身体へと突き刺さった
痛みに声を上げその場に崩れるように倒れ転け、地面が血の線を引き赤く染まっていくのを見れば、シロはぐらつく事無く彼の身体の下には血が落ちる
「 おま、避けろって…… 」
『 っ、そんな、反射神経求めんな…… 』
真っ白なシロの身体が赤く染まり、彼は口から血を流しては回復する感覚に身を振るわせ
俺もまた傷口が癒えればゆっくりと立ち上がる
血痕の後はそのまま残るのを見ると、どれだけ身体に穴が空いたか想像したくないほどだと思う
「 はっ……なるほど、久々に痛みを味わった 」
一回で堪えたらしく、座ったシロはそのまま人型に変わり胡座を掻き
自らの腹に触れ、傷んだ部分に溜め息を吐けば俺の方に両手を向けた
「 痛かったろ。仲直りしよ 」
『 別に喧嘩してないが…… 』
なんだその、今までこんなに痛かったんだな、ごめんな、みたいな改めて謝られると逆に気持ち悪いと思い冷気を漂わせ、前足を動かし地面を一瞬で氷らせて行けば、彼は察したらしく
立ち上がるより先にバク転し、かなり離れた場所に飛んだ
余りの反射神経の良さに、そのまま吠えては魔法を発動する
『 冷凍剣山! 』
「 フッ…… 」
氷った地面から現れる氷の剣を無駄無くジャンプしたり、身体を捻り避ける彼は無傷のまま魔法が届かない場所まで行き、マントを揺らしスタンッと立ち帽子を被り直し笑った
「 ほら、無傷で避けるとはこう言うことを言うんだ。似た技にして返してやろう……雷撃剣山 」
『 !! 』
地面から走る電流に驚き、ジャンプして避ければ
次は俺が作り出した氷を粉々に割りながら、雷が地面を走るように、剣の形に見えるそれは此方へと向かってきた
『 ちょっ、どう避ければ……!! 』
「( 串刺しになるな…… )」
俺はそんなに軽やかでも、身体が柔らかいわけでも無いと向かってくる剣に尻込みし後ろへと下がれば
下から現れた雷の剣に驚き、反射的に上に飛び上がるも身体に狙って見た時よりも高さが上がった剣は身体のあちこちを斬り、片足と片腕は斬られた
『 ガハッ……ッ!! 』
串刺しされたのは腹の部分の胸元で、後は切られてミンチにされたと、気付いたときには血を吐き
動く気力を無くしていた
「 御前な……避けろって…… 」
さっきと同じ言葉を言ったシロへと視線をやれば、彼の手足は無くなってないにしろ
真っ白な軍服は俺が怪我したと同じぐらい血で濡れ、口元を防ぐこと無く血を吐き出した
「 ゴホッ、っ…… 」
『 はっ、どうだ……技を全て受け止めるこの、当たってくだけろ精神…… 』
「 これ、人間界に行っても御前の攻撃、寝てる俺も食らうからな……忘れんなよ 」
『 ……それは気を付ける 』
人間界で首を落とされたりした時の事を思い出せば、俺のこの不死身だからと何でも当たる癖は止めないといけないなって覚えた
身体が再生し、地面に倒れた俺は身に感じる感覚に目を見開き
直ぐに魔法陣が現れた
『 シロ、痛かったらごめん 』
「 あぁ、その分。どういう状態なのか分かるからいい。行ってこい……次の主とは…… 」
シロの言葉を最後まで聞けなかったが
きっと、見た瞬間、死んでそうな主じゃ無ければいいなって言ってくれたのだろう
確かに、もう助ける前に死んでるのは見たくないと思いながら目を開ければ
辺りは真っ暗で、目が暗闇になれる前に言葉を告げる
『 我に名を…… 』
きっと目の前にいる主へと問えば、重い鎖の音が響き
血のような鉄の匂いと湿気のある匂いにまた嫌な予感に毛は僅かに逆立てれば
青年のような声は俺の名を呼んだ
「 ……" ナイト " 」
『 我が名はナイト 』
それが俺に与えられた、この時代であり彼の傍にいる時に名乗る名前だと心に刻まれ、そう感じた
目を閉じ魔法陣が消えれば、脚を動かし声のする方に行けば重い鎖の引き摺る音は響き
俺の頬に、人肌とは思えない程に冷たい手は触れた
「 ナイト、この鎖を噛み砕き。外に連れ出しておくれ 」
『 それが御前の望みなら、俺は答えよう 』
3
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