転生したら召喚獣になったらしい

獅月@体調不良

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二章 宝物捜索 編

09

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~ ジョセフ 視点 ~


小さな国の、小さな第二王子

王様と王妃の間に二人目として生まれたボクは我儘を言っても、誰もが嫌がること無く与えてくれた
だって、第一は女の子だったからこそ、男の子を重視するこの国では、男であるボクの方が将来を求められていた

どんな物すら与えられ
もっと、特別なものを得る為にボクは召し使いが見せてくれた絵本を頼りに魔法陣を画いた

聖獣が欲しかった、美しくて格好いいボクに合う聖獣はきっと綺麗なんだろうって思い城の後ろにある丘の近く、そこに木の棒を持って掘り描く

「 こっち側にこれを足して……ふはっ、僕って凄いじゃないか?出来た、出来たぞ!! 」

複雑な魔法陣を書き終わり、絵本を置いて膝を付けば両手を魔法陣へと当てた

興味本位だった、何もかも欲しがるボクに得られないものは無いと思い笑ってから両手を当てれば、魔法陣は紫色に光り輝いた

「 っ……!! 」

その瞬間に、身体に感じる重みと魂まで吸い取られるような感覚に意識は朦朧とし、光の中に現れた" モノ "に……目を見開いた

「 これ…は、……なに……… 」

まともに生き物を知らないボクには、身動きをすることがない、血と共にドロドロの体液を付けて真っ黒な姿に子ブタみたいな生物を見て嘔吐付いた

「 きもち、わるい……こんなの……の為に、僕は……魔力を取られたのか、ふざけんな……ふざけんなよ……聖獣ってもっと、美しいものだろ!! 」

" 名を……与えよ "

「 !!なに……こんなの、名前?そんなの…… 」

地面を叩き声を上げたボクの頭へと直接響くように聞こえた声は、中性的な声だった
目の前には目を閉じて動きすらない生まれたての赤ちゃんに、名前を付ける?
ボクが?

「 はっ……ノワール……。この世で一番、黒くて醜いものさ!! 」

『 キュッ…… 』

「 なっ!? 」

やっと動いた、泣いた声に驚いて肩を震えた俺は、醜い獣が徐々に毛が乾いて乾燥していくのが分かった
そして、現れた真っ白の服を着た男性は獣の傍に行きボクへと告げた

「 御前が主として選ばれた。生まれたてのこいつをどうか、成長させてやれ 」

「 誰だよ……僕に指図するな。そんな、汚い獣なんていらない、いらないん、だ……あ……っ…… 」

声を張った事で、疲れていた身体は動かなくなり頭が真っ白になるときに見掛けた、此方へと近付く子供の姿を見たから気を失った

「 ……全く、見た目なぞ変わるのに、そこの子供 」

「 なに? 」

「 子犬を育てる気はないか?餌は与えなくと良い。暖かい寝床で寝かせてやれ 」

「 うん!ちっさいね!頑張る、名前は? 」

「 " ノワール "この世での名さ 」

この子供はボクの聖獣を持って消えた
そして、よく分からない真っ白な青年は現れることは無かった

ボクを探してやって来た兵士によって城に戻り、目を覚ました時には月日が経過して、その間にかなりの魔力を奪われた事に気付く

「 腹が立つ。あの子供を探し出せ!そして僕の元に連れてこい!家族を人質にしても構わない、あぁ……醜い聖獣を奪い返せ!! 」

「「 はっ!! 」」

頭痛がする、苛々して兵士に命令を下したボクは情報が届くまで待っていた

「 聖獣の進化ってどうすればいい……僕の時じゃ出来ないのか……?それとも…… 」

兵士の情報を聞きながら、城にある聖獣に関する全ての情報を探り、そして一つの答えがあった

「 主が交代しないと意味がないなんて……一匹の聖獣相手にどれだけの人間の魂が必要なんだ………。そんなの、ずっと一緒にいられるわけじゃねぇのかよ…… 」

「 ジョセフ王子、子供をお連れしました 」

「 行くよ………魔力を貪るだけ成長した、僕の……オモチャを見に…… 」

少しはマシになってるだろ、眠くて仕方無かったのだからちょっとは成長したんじゃないか
その期待を何処かに持ち、奪い返す為に兵士に連れられ城の前にある広場へと向かった

情けないほどに地面へとひれ伏した貧乏の両親の元で、将来性すらない子供に、あの真っ白な男は託したと言うのか?
この、ボクの変わり??随分と、ふざけた事をしてくれる

「 その子供が、この僕が画いた魔方陣を使ったらしいね? 」 

聖獣召喚を別の者が行い、もし成功しても全く違うものが現れる
けれど、理解できないように此方を見る子供の表情に腹が立つ
ボクの聖獣を譲り受けただけで、飼い主気取り?そして、ボクの魔力を食いまくった聖獣が、飼い主を忘れてペット気取りなんて……

「( 虫酸が走る…… )」

使ったらしい、と言って否定すればいいのに全くしない
その点、聖獣に関しての知識が無いのに母親は子を止めて子供は聖獣を守ろうとする

「 召喚獣はもっとこう魔物のと似つかない美しさが有るはずだが、その仔犬はその辺にいる銀狼より薄汚いじゃないか。僕は美しいものを想像していた! 」

食って成長したなら、もっと美しくてなっていいよね?

可笑しいよ、可笑しい……それはボクの望んだ姿じゃない!!

「 薄汚い子犬風情がペット気取り?随分と懐ついてるじゃないか! 」

「 お言葉ですが、ジョセフ王子。この子は仔犬です。貴方が探してるものではないと思います! 」

「 黙れ、その判断は僕がする 」

「 っ……! 」

なら、ボクの聖獣として聖獣らしく再生なんてすりゃいい

きっと、ボクのだと証明できるのだから……

「 聖獣はどんな傷も癒えると聞いたことがある。なら此所で、見ればいいだけだろ? 」

「 ノワールを傷付けないで!! 」

「 殺せ 」

「 いやぁぁぁああ!!! 」

女の悲鳴が響くなかで、獣の首は落ちた
血が飛び散り、辺りが赤く染まり転がった頭はボクが思うよりずっと動かない

瞬きをする事もない獣の瞳の色が、消えるのと合わせて胸元に感じる痛みに眉を寄せる

" 主が聖獣に手をかければ……。天罰を与えるよ "

「 まさか……そんな!! 」

頭と身体の下に突然と光る魔方陣が現れた

「 待って!!そんな、知らなかったんだ!!許して欲しい!! 」

『( 許す?許すわけないだろ……御前はもっと、苦しめばいい……誰よりも……"ずっと永く"、苦しめ…… )』

" 聖獣を愛した子の魂に、幾度と無く出会う呪い……君を殺すのは……その聖獣のみ "

「 っ!! 」

聖獣を回復させるためにあの声の主は、魔法陣の中へと引き込んだ
そして、それと同時に鋭い痛みが胸に走り倒れたボクは悶え苦しみ、金色の髪は真っ黒に染まった

" ノワール "……黒と名付けたように……

「 っ……許さない……許さない…………!! 」
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