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二章 宝物捜索 編
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しおりを挟むクララの言い分も分かるし、俺が力加減を間違えてクルーや住民に怪我をさせたのは事実だ
仲間は家族なのだから、そうファルクに教えてもらった
゙ ロルフ ゙と名付けてくれて、何度も頭を撫でながら、俺に仲間の大切さを話してくれたのを、つい昨日のように思い出す
一瞬で居なくなった主人もいるが、やっぱり一人一人記憶に残るもの…
どんな主人でさえ、その環境を否定する気はない
『( 俺が悪いからな……でも、どうしようか。回復魔法使えるかな )』
風属性は特化すれば、回復魔法を使えるようになる…と、なにかで聞いたことがある
色んな本を見たから、それに載ってたのかも知れない
『( 回復魔法…… )』
色んな問題が積み重なった中で、回復魔法なんて高度な魔法を使えるかは分からないが、
船が島の裏に停泊し、クルーが其々に手当てや船の修繕を始めたのを見て彼等に近付く
「 怪我したやつは、手当しろよー 」
『 あ、あのさ…… 』
船医らしい人物の元へ行けば、三十代程に見える短髪の茶髪に無精髭が生えた男性は、俺をちらっと見てから座ってる怪我の元へと腰を下ろし、回復魔法を使う
「 いっ…… 」
「 頭蓋骨は無事だな。見た目より酷くないから、直ぐに治る。そっちの御前も動かないで待ってろ 」
「 おー…… 」
頭から血を流したクルーを手当てをし、直ぐに回復させた後に次の人の元へと行く彼に、もう一度声を掛けてみる
『 あ、あの。俺に手伝えること…ありますか!? 』
「 …………… 」
回復魔法は使えないかもしれないけど、なにかしら出来ないだろうかと声を掛ければ、
彼は二人目の手当てを終えるなり、深い溜め息を吐いて立ち上がった
「 何も無い 」
『 あ、え……でも、ほら…消毒したり… 』
「 壊す事しか出来ない君に、怪我人を任すわけ無いだろう。誰のせいでこうなったか…少しは自覚したらどうかね? 」
『 っ……!! 』
自覚してるからこそ、手伝おうとしたのに…
痛覚が無いはずなのに、胸の奥がキツく締め付けられて、その場に立ち止まってしまえば、船医は俺の横を通り過ぎていった
『 っ……手当てが、ダメなら…船の修繕を手伝うから! 』
何か一つでもしたい
そう思って船大工の元に行けば、彼等が使うのは土属性を使った、復元魔法だった
『( 俺…、使えない…… )』
見たものをそのまま、造り出す事は出来ても、元あった物を全く同じように戻す事は出来ない
゙ 時を戻す ゙系統の魔法はまだ未習得だからこそ、役に立たないって事が尚更辛い
『 怪我の治療も…戻す系のやつだもんな…。俺が出来るのって武装と破壊じゃん……てか、部分武装もまだ完璧じゃないし…。できない事…多い… 』
一つ出来るようになっても、また次のが出来なくて、辛くなる
やっと覚えた事も新しい時代と主人の前では無意味になって、役に立つ聖獣とは、
一体何千年、何万回…、主人と出逢えばいいのか検討もつかない
『( やばい、シロに会いたい…… )』
此れからどうしたらいい?そう聞いて、答えが欲しい
シロならきっと教えてくれるだろうけど、彼はもう人間界に現れることがない遠い雲の上の存在となった
次に会えるのは、クララとの契約が終わった後…
それ迄、俺一人で答えを導き出さなきゃいけないなんて…
『( ハァー……本当にどうしよう…。役に立たないってレベルじゃないぞ、今回…。邪魔者じゃん )』
聖獣が邪魔者とか致命的だろう…
絶対にあってはならない
俺が動くと文句を言われるなら、少し離れて見ていよう
『( 呼ばれるまで待つ…それが本来の聖獣だろう )』
手当ても修繕も出来ない
余計なことをしてクララに怒られるなら何もしない
クララに呼ばれるまで、
俺は…彼の暗い影の中で隠れていよう
『( 必要とあらば呼ばれるはず…それ迄、服は上げないんだからな! )』
一番最初はきっど 服を出してくれ ゙そう言われはず!
どことなく張り切って待っていれば、船の修繕を終え、其々が身体を休めた三日間が経過しても呼ばれる事は無かった
「 蒼き人魚だ。惑わされずに、倒せ!! 」
「「 アイアイ、キャプテン!! 」
『( あれ……? )』
まるで俺の存在がないように、彼等の航海は始まり、そして自分達だけで戦闘を始めた
呼ばれるまで待つ……
それが本来の聖獣の姿
そう思って、最初は眺めていたけど、
次第にふて寝をしていれば、聖獣の仮眠時間なんて人間にとってかなりの日付が経ってるもの
そろそろ呼ばれるだろ?
そう思って目を覚した時には、
あの日から五年が経過していた
『 なんで…死にかけてんの? 』
「 ……うっ、せ…… 」
やっと呼んだ…と言うか、
共有されてる為に、危機状態であるクララに気付いて目を覚した時には、
彼の身体にはいくつもの矢が刺さっていた
それも、毒矢らしい
『 なんで、死にかけてんの?って聞いてんの。ねぇ、御主人 』
痛そうだね…
なんて、思えないぐらいに、
俺の心は冷たくなっていた
「 くっ、そ、が……… 」
『( あぁ、これが…ニンゲンなのか… )』
なんのプライドが邪魔をしたか分からないけど
一言、手を貸してほしいと言えばそれでよかった
それなのに自分の方が強いからって理由で俺を拒絶した
『 さぁ、御主人様。最後の命令を…… 』
命尽きるその時まで…
貴方の剣となり、盾となるのが聖獣の役割
血の付いた頬を両手で包み込んで視線を重ねれば、毒による熱にやれた彼は、密かに揺らいだ瞳を向けてきた
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