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二章 宝物捜索 編
08
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~ ブランシュ視点 ~
神と成り得る者は、人間界に干渉をしないと言うのが掟である事は知っていた
だからこそ、下手に気を荒らげないようにしていたのだが…
コウガが関わると如何しても、其れが出来なくなる
此処まで誰かを愛したのが初めてだからかも知れないが…
其れよりも、別の理由だろう
彼奴は誰よりも放って置けないような、そんな感覚がするんだ
出会った時から、恐れ知らずで無鉄砲なのに、他人を簡単に信用して好意を持つ
良い様に言えば柔軟性があり、好奇心旺盛なんだろうが、悪く言えば誰にでも染まり易い傾向があった
此の世界も、人間も知らず…
只目の前の事に一生懸命だからこそ、心配なんだ
過剰に心配したら、本人の為には成らないと言うが…
「 この胸騒ぎはなんだろうか…… 」
ほんの少しでも相談役として、狼の縫いぐるみを与えたが、使う様子は無かった
音信不通と言う言葉が良く合う程に、無反応な縫いぐるみを眺めていれば、先程急に聞こえてきた内容
何処か切羽詰まったような言い方に、不安になる
目の前でバラバラになった縫いぐるみが消えた事と、何か意味はあるのだろうか…
「 此の立場になると…何も出来ないのが苦痛だな 」
様子を見るべきかと重い腰を上げ、歩き出す
「 ッ……!? 」
突然と痛む胸元に痛覚は失ったはずだと疑問を抱けば、契りと共に身体に巻き付いていた黄金色の鎖が黒く染まり、焦げて灰となり消えて行く様子に目を見開く
「 此れは……。如何言うことだ 」
契りの魔法は、御互いの神力が混ざり合い血肉を共有する事で、片方の痛覚を含め感情やらも感じる、神の名の元で行う魔法だが…
其れが破棄された……?
「 コウガにこんな芸当は出来ないはずだ…誰が 」
最上級クラスの俺が行った魔法が、こうも簡単に破棄されるなんて、如何考えても可笑しい
コウガなら態々俺と離れるなんてしないだろうし、大体…自分の中に交じっている俺の神力を消せないはずだ
感知すら、初級レベルの事しか出来ないのに…
深く複雑に交じっていた神力を消すなんて、尚の事…
「 ブランシュ。気づいて居るだろう?コウガの変化を 」
「 ………ライフ。御前、一体何を知っているんだ 」
焦りを見せる俺の元に、本体では無い幻影の姿をしたライフが姿を見せた
半透明な影のような其の姿に、他の神が暮らしてる神殿には入れないと言う掟を上手くすり抜けてるのが、此の能力だろう
本体は行けずとも、幻影なら何処にでも姿を表す事が出来る
「 それを言った所で、御前は何も出来ないだろう 」
「 っ…あぁ、出来ないさ!こんな下らない神なんかになったからな!俺は望んで神になった訳じゃない!! 」
咆えた程度で上空に積乱雲が現れ、僅かな雷が鳴り響く音が聞こえる。
人間界にはコウガが居るから、下手に雨を降らせたく無い為に、爆発しかけた感情を落ち着かせるべく深く息を吐く
「 はぁー……。だから、教えてくれ。知るだけでも変わるんだ 」
乱れた心を落ち着かせ、目の前に立っているライフを真っ直ぐに見詰めれば、白い睫を伏せた
「 今の主の影響で…闇属性へと染まった 」
「 なっ…… 」
「 罪無き命を多く殺めれば、其れだけ闇へと染まってしまう 」
「 何言って……コウガが、彼奴が人を多く殺めた? 」
俺ですら、主の影響で国を三つ、四つと滅ぼした事は有るが、闇属性迄は染まらなかった
其れは主の告げる命令に、違和感や罪悪感を感じて、悪行だと理解してるからだ
だが…闇属性に染まる者は、決まって其れを理解してない
いや、分かっていても見て見ぬふりをしているんだろう
主の為と…、数千人出会う中での経った一人なのに、一時的な契約を大切にするからだ
「 今回の魂との巡り合わせは、紡ぎの神が行った者だから、私には如何することも出来ない 」
「 紡ぎの神…… 」
人との縁を結ぶ神だ
人と人、人や獣、魔物、神獣…
其々の出会いは、全て紡ぎの神が気紛れに行う事だ
俺とコウガが出会った事も…
その者の気紛れだと思うと腹が立つ
ジョセフと言う…
あの錬金術師が魂諸共に消失してから、コウガと結ばれている魂のパートナーは存在しなくなった
其れなら似てる魔力を持つ者と巡り合わせるのだが…
似てる魔力が、闇属性を持ってる者だったという訳だ
「 クソ…分かって居たさ。コウガは元々闇属性を持ってるから、染まり易いと…。だからって…なんで俺が、傍に居ない時なんだ 」
「 御前はもう…聖獣では無いからな。あの兄弟の時のように、呼ばれはしない。いや、人間界にすら行けない 」
「 ……そんな分かり切ってる事を、態々言う必要あるのか 」
約束したんだ…
闇に染まりそうな時は、俺がそうならないよう導いてやると…
それなのに、出来ないなんて……
冷たく暗い世界で、彼奴が無理矢理笑ってるのが想像出来る
寂しいだろう…辛いだろう
本当は誰も殺したくはないが、大事な主の命令だからとしているのだろう
本心に蓋をして、嫌われないように必死に取り繕っているのだろう
そんなコウガを……彼奴の主が良しとしてるなら、俺は二度と巡り合わせないようにしてやる
「 御前が教えろと言ったではないか…。気を荒げた所で何も変わらぬよ 」
「 …変わるさ、縁を切ればいい。紡ぎの神に喧嘩ふっかけて来る…例え其れで、成り下がろうとな 」
闇との紡ぎを断ち切れば、コウガはもう一度光の元に行ける
本気で、自分の事を大切にしてくれる主と出会える
主に尻尾を振る様子は見たくはないが、大事なコウガが泣くよりマシだ
「 全く…盲目とは此の事だな。あの者と喧嘩しようなどとは… 」
その場から姿を消し、紡ぎの神がいる宮殿へと向かった
掟を破る事ぐらい、構わない
「 ………よう、テメェの蜘蛛の糸を切りに来た 」
「 運命に抗う者よ…。神に牙を向く理由を知って尚……。この地に踏み入ったのだな…なんとも、愚かだ 」
若い娘の様な声が聞こえれば、宮殿なんて言えない程に、宇宙空間の様に真っ逆さまの状態で見えるそいつは、白い着物に赤い袴を身に着け、天女のような羽衣を着けた長い黒髪の年端もいかない娘に見える
その背後にはコウガが言ってたようなブリスローズ似た、
恐らくサクラの木の様な大木には、複雑に絡み合い、
ぶら下がる様々な色をした糸が、蜘蛛の糸の如く存在している
「 だったらなんだ。神に牙を向く?上等だ、俺は元々神なんて下らねぇ存在に興味ないからな 」
「 ……ほぅ、妾を否定するならば…。御主と紡いでやった、あの聖獣との出会いも…。御前の心を動かした息子の様な兵士の存在も否定すると言うのか…? 」
「 っ……… 」
「 一つの縁を切りたいならば、それ等全てが無かったことになるぞ。さぁ…如何する…妾は御前とあの聖獣が消えても問題ないぞ 」
神というのは…本当に下らない
気紛れに生命を作り、縁を繋ぎ、感情を与え、
その動きを傍観して楽しむ者
俺が、コウガとの出会いを無かった事にして、
全ての縁を切れないことを知って尚…そう告げるんだろう
何故、ここに来たのか分からない程に虚しくなる
結局…俺は、神々が創り出した傀儡でしか無い
手の上で転がされてる感じに、腹が立ち鼻先は痛くなり涙を零し、其の場で崩れるように座り込んだ
「 …すまない、コウガ……。俺は、御前と…出逢わなかった事が…出来ない…… 」
神という立場は投げ捨ててもいいが…
彼奴との出会いは、俺にとって切られたくない物だ……
例え御前の主がこれから先、
何度も闇属性を持つ者だとしてもだ…
神と成り得る者は、人間界に干渉をしないと言うのが掟である事は知っていた
だからこそ、下手に気を荒らげないようにしていたのだが…
コウガが関わると如何しても、其れが出来なくなる
此処まで誰かを愛したのが初めてだからかも知れないが…
其れよりも、別の理由だろう
彼奴は誰よりも放って置けないような、そんな感覚がするんだ
出会った時から、恐れ知らずで無鉄砲なのに、他人を簡単に信用して好意を持つ
良い様に言えば柔軟性があり、好奇心旺盛なんだろうが、悪く言えば誰にでも染まり易い傾向があった
此の世界も、人間も知らず…
只目の前の事に一生懸命だからこそ、心配なんだ
過剰に心配したら、本人の為には成らないと言うが…
「 この胸騒ぎはなんだろうか…… 」
ほんの少しでも相談役として、狼の縫いぐるみを与えたが、使う様子は無かった
音信不通と言う言葉が良く合う程に、無反応な縫いぐるみを眺めていれば、先程急に聞こえてきた内容
何処か切羽詰まったような言い方に、不安になる
目の前でバラバラになった縫いぐるみが消えた事と、何か意味はあるのだろうか…
「 此の立場になると…何も出来ないのが苦痛だな 」
様子を見るべきかと重い腰を上げ、歩き出す
「 ッ……!? 」
突然と痛む胸元に痛覚は失ったはずだと疑問を抱けば、契りと共に身体に巻き付いていた黄金色の鎖が黒く染まり、焦げて灰となり消えて行く様子に目を見開く
「 此れは……。如何言うことだ 」
契りの魔法は、御互いの神力が混ざり合い血肉を共有する事で、片方の痛覚を含め感情やらも感じる、神の名の元で行う魔法だが…
其れが破棄された……?
「 コウガにこんな芸当は出来ないはずだ…誰が 」
最上級クラスの俺が行った魔法が、こうも簡単に破棄されるなんて、如何考えても可笑しい
コウガなら態々俺と離れるなんてしないだろうし、大体…自分の中に交じっている俺の神力を消せないはずだ
感知すら、初級レベルの事しか出来ないのに…
深く複雑に交じっていた神力を消すなんて、尚の事…
「 ブランシュ。気づいて居るだろう?コウガの変化を 」
「 ………ライフ。御前、一体何を知っているんだ 」
焦りを見せる俺の元に、本体では無い幻影の姿をしたライフが姿を見せた
半透明な影のような其の姿に、他の神が暮らしてる神殿には入れないと言う掟を上手くすり抜けてるのが、此の能力だろう
本体は行けずとも、幻影なら何処にでも姿を表す事が出来る
「 それを言った所で、御前は何も出来ないだろう 」
「 っ…あぁ、出来ないさ!こんな下らない神なんかになったからな!俺は望んで神になった訳じゃない!! 」
咆えた程度で上空に積乱雲が現れ、僅かな雷が鳴り響く音が聞こえる。
人間界にはコウガが居るから、下手に雨を降らせたく無い為に、爆発しかけた感情を落ち着かせるべく深く息を吐く
「 はぁー……。だから、教えてくれ。知るだけでも変わるんだ 」
乱れた心を落ち着かせ、目の前に立っているライフを真っ直ぐに見詰めれば、白い睫を伏せた
「 今の主の影響で…闇属性へと染まった 」
「 なっ…… 」
「 罪無き命を多く殺めれば、其れだけ闇へと染まってしまう 」
「 何言って……コウガが、彼奴が人を多く殺めた? 」
俺ですら、主の影響で国を三つ、四つと滅ぼした事は有るが、闇属性迄は染まらなかった
其れは主の告げる命令に、違和感や罪悪感を感じて、悪行だと理解してるからだ
だが…闇属性に染まる者は、決まって其れを理解してない
いや、分かっていても見て見ぬふりをしているんだろう
主の為と…、数千人出会う中での経った一人なのに、一時的な契約を大切にするからだ
「 今回の魂との巡り合わせは、紡ぎの神が行った者だから、私には如何することも出来ない 」
「 紡ぎの神…… 」
人との縁を結ぶ神だ
人と人、人や獣、魔物、神獣…
其々の出会いは、全て紡ぎの神が気紛れに行う事だ
俺とコウガが出会った事も…
その者の気紛れだと思うと腹が立つ
ジョセフと言う…
あの錬金術師が魂諸共に消失してから、コウガと結ばれている魂のパートナーは存在しなくなった
其れなら似てる魔力を持つ者と巡り合わせるのだが…
似てる魔力が、闇属性を持ってる者だったという訳だ
「 クソ…分かって居たさ。コウガは元々闇属性を持ってるから、染まり易いと…。だからって…なんで俺が、傍に居ない時なんだ 」
「 御前はもう…聖獣では無いからな。あの兄弟の時のように、呼ばれはしない。いや、人間界にすら行けない 」
「 ……そんな分かり切ってる事を、態々言う必要あるのか 」
約束したんだ…
闇に染まりそうな時は、俺がそうならないよう導いてやると…
それなのに、出来ないなんて……
冷たく暗い世界で、彼奴が無理矢理笑ってるのが想像出来る
寂しいだろう…辛いだろう
本当は誰も殺したくはないが、大事な主の命令だからとしているのだろう
本心に蓋をして、嫌われないように必死に取り繕っているのだろう
そんなコウガを……彼奴の主が良しとしてるなら、俺は二度と巡り合わせないようにしてやる
「 御前が教えろと言ったではないか…。気を荒げた所で何も変わらぬよ 」
「 …変わるさ、縁を切ればいい。紡ぎの神に喧嘩ふっかけて来る…例え其れで、成り下がろうとな 」
闇との紡ぎを断ち切れば、コウガはもう一度光の元に行ける
本気で、自分の事を大切にしてくれる主と出会える
主に尻尾を振る様子は見たくはないが、大事なコウガが泣くよりマシだ
「 全く…盲目とは此の事だな。あの者と喧嘩しようなどとは… 」
その場から姿を消し、紡ぎの神がいる宮殿へと向かった
掟を破る事ぐらい、構わない
「 ………よう、テメェの蜘蛛の糸を切りに来た 」
「 運命に抗う者よ…。神に牙を向く理由を知って尚……。この地に踏み入ったのだな…なんとも、愚かだ 」
若い娘の様な声が聞こえれば、宮殿なんて言えない程に、宇宙空間の様に真っ逆さまの状態で見えるそいつは、白い着物に赤い袴を身に着け、天女のような羽衣を着けた長い黒髪の年端もいかない娘に見える
その背後にはコウガが言ってたようなブリスローズ似た、
恐らくサクラの木の様な大木には、複雑に絡み合い、
ぶら下がる様々な色をした糸が、蜘蛛の糸の如く存在している
「 だったらなんだ。神に牙を向く?上等だ、俺は元々神なんて下らねぇ存在に興味ないからな 」
「 ……ほぅ、妾を否定するならば…。御主と紡いでやった、あの聖獣との出会いも…。御前の心を動かした息子の様な兵士の存在も否定すると言うのか…? 」
「 っ……… 」
「 一つの縁を切りたいならば、それ等全てが無かったことになるぞ。さぁ…如何する…妾は御前とあの聖獣が消えても問題ないぞ 」
神というのは…本当に下らない
気紛れに生命を作り、縁を繋ぎ、感情を与え、
その動きを傍観して楽しむ者
俺が、コウガとの出会いを無かった事にして、
全ての縁を切れないことを知って尚…そう告げるんだろう
何故、ここに来たのか分からない程に虚しくなる
結局…俺は、神々が創り出した傀儡でしか無い
手の上で転がされてる感じに、腹が立ち鼻先は痛くなり涙を零し、其の場で崩れるように座り込んだ
「 …すまない、コウガ……。俺は、御前と…出逢わなかった事が…出来ない…… 」
神という立場は投げ捨ててもいいが…
彼奴との出会いは、俺にとって切られたくない物だ……
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