母のギフトがすごいんです

えだ

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第1章

第5話 ステータスの力

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 相手のステータスを見たのは2人目だった。近所の子どもと、この軍服の男。

 俺は生前の母を覚えていない。だからこそ俺にとってギフトの母の言葉は非常に重要で、それを指針に生きてきた。

 だからクズなやつのステータスしか見ないようにしていた。だけど一点疑問がある。体力値と魔力値を覗くということは、そんなにも相手の懐に踏み入るようなことなんだろうか、と。

『みーんなのステータスを見れば誰のことも信用せずに生きていける』

 母はそう言っていたけど、体力値と魔力値を覗くだけでそんな言葉が出てくるか‥?

 ーーまさか、ステータスには他にも情報がある?

「素直じゃねぇか、いい判断だ。この周りには俺以外にもプーレナイトの軍人がうじゃうじゃいるぞ。殺しそびれたやつがいないか探してるんだ。だから馬鹿なことは考えねぇ方が身の為だぜ」

 死にかけたドトルと、恐らく向こうで泣いているレグラ。俺の魔力はもうないし、俺たちには武器もない。

「行くなよリージュ!!」

「‥‥待ってて、ジーク」

「待っててときたかぁ、くっくっくっ、健気だなぁ!!」


 ーー待ってね。いま、ステータス画面を探ってるんだ。何か他に情報が‥あっ。あった。

 男の名前の下、画面と色が同化していて気付けなかったけど、押せそうなところがある。男の元へ歩み寄りながら、俺はそのボタンを押した。

《ふふっ、いい収穫だ。まさに棚からぼたもちってやつだな。俺ひとりだったし、こいつ魔法使うし、相手にすんの面倒だったんだよな》

「‥‥‥え」

「あ?なんだよ」

 ーーこれは、もしかしてこの男の‥心の声?

「‥‥この辺りには何人くらい見回りの兵士がいるんですか?」

「だからうじゃうじゃいるって言ってんだろーが」

《しつけーな。ハピタ町に送られてんのは俺ひとりなんだっつーの。つーか別に生き残りがいたって大した問題でもねーから、ここらにゃ全然兵士は送られてねぇよ》

「‥‥‥」

 ーーこの男ひとりなら‥。

 俺は歩みを止めて振り返った。俺たちに視線を送り続けていたジークと目が合う。

「ジーク!!こいつだけだ!!こいつ、1人だっ!!!」

「‥‥は?!」

《なんだ?!なんでーーー》

 俺は男の元からジークの方へと駆け出した。男とは少しの距離ができた為、瓦礫を掴んでは男に投げつける。

「ってめぇ!!突然なにしやがるっ!!」

「突然なんかじゃない!!お前しかいないなら何がなんでも戦ってやる!!お前らはハピタを焼いて、ドトルを殺そうとしたんだ!!当然だろ!!」

 俺がひたすらに瓦礫を投げていると、ジークも男に瓦礫を投げ始めた。

「なんかよくわかんねぇけど!!これが正解ならやるしかねぇな!!」

「うぐぁっ、てめぇら、くそっ、やめろっ!!」

 相手の武器は見たところ短剣のみ。幸いにも男はドトルとも距離がある。俺たちに武器はないと思っていたけど、ここにはこんなにも瓦礫という中距離向けの武器があった。俺らが絶え間なく瓦礫を投げ続けるせいで、男はまともに戦えない。

 至る所から血を流し、男はふらふらし出した。俺たちを睨みつける眼光は鋭く、本気の殺意を感じる。

《ぶっ殺してやる‥全員ぶっ殺してやる‥!!ぜってぇ許さねぇ》

 男は瓦礫を避けることをやめ、瓦礫を浴びながら俺たちの元へと歩き出した。

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