《完結》傲慢な公爵令息が踏みにじった貞淑な妻の愛と、怨霊が果たした魂のざまぁ。

ぜらちん黒糖

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④葛藤の抱擁と欺瞞の口づけ

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チェルダにそそのかされたロバートは、帰宅後、アリスに「画期的な投資話」を話すことにしていた。

一泊、無断外泊をしたロバートは、一応アリスに責められるのではと覚悟をして玄関のドアを開けた。

だが拍子抜けしてしまうほどアリスは普段と変わらない態度でロバートを出迎えてくれた。

「お帰りなさい。あなた」
「あ、ああ」

ロバートの上着を取るとハンガーに通してクローゼットにしまいながら声をかけてくる。
「お食事はされますか?それとも外で食べて来られましたか?」

「いや、いただくよ」

食事の用意をしに行こうとしたアリスを背中から抱きしめるロバート。首に回した腕をアリスが掴む。

「アリス、昨日はすまなかった。君に悪態をついてしまって」

アリスにとってその言葉は予想外だった。ロバートの腕を掴む手が緩む。

ロバートには見えていなかったが、アリスの表情は、とても切なく泣きそうな顔をしていた。

「旦那様……」

アリスに回した、ロバートの腕を掴んでいたアリスの手が緩んだ。

優しく腕に添えるように触った彼女の手が、ロバートにはいじ図らずもらしく感じることになる。

少しだけ躊躇したロバートだったが、さらにアリスを懐柔するために優しく甘い言葉を繋げた。

「ごめんね、アリス。今夜は一緒に寝よう。君と一日離れただけで私の体は君を欲しているようだ。……すまない。下品な言い方をして。さ、食事の準備をしてきておくれ」

「はい。旦那様」

立ち去るアリスの後ろ姿を見てロバートの表情が歪む。

(駄目だ。あんな素直なアリスを騙すことは……私にはできそうもない。しかし……チェルダとの別荘生活も魅力的だし……)

頭を悩ませながら食卓へと向かうロバートだった。






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