8 / 9
⑧さよならリアナ
しおりを挟む
「リアナ、お風呂、入って。着替えは出しておくから」
マリカが食卓から風呂場へ向かうリアナに声をかけた。リアナは真面目な顔で振り返る。
「ね、一緒に入らない?」
「え? 結構です。リアナ、ゆっくり入ってきて」
「そう……」リアナはしょんぼりと肩を落とした。
「なに? どうしたの? 急に元気なくなって」
リアナはゆっくり立ち上がると、マリカの方を向いた。
「あたし、女同士でお風呂入ったことなかったから、聞いてみただけ」
そう言って、少し寂しげな背中を見せ、お風呂場へ入って行った。
マリカはほんの少しだけリアナに悪いことをしちゃったかなと、考えた。
(だって、私、夫のコーネルとだって一緒に入ったことないし、仕方ないよね?)
自問自答するマリカ。でも、小さくため息をつくと、お風呂場へ向かった。
リアナが頭を洗っていると、お風呂場の戸が静かに開いた。マリカが顔を出す。
「リアナ、私も一緒に入るわ」
「え! 本当?」リアナの顔がパッと輝いた。
「今、頭洗ってるのね」
「ええ」
「ちょっと待ってね」
マリカはそう言うと、浴槽のお湯を洗面器ですくって自分にかけ、それから、リアナの頭を優しく濯いであげた。
「うわ~、ありがとう~!」
頭を洗い終わると、リアナは満面の笑みで言った。
「じゃ、次はマリカの番ね。はい、座って」
「いいわよ、自分でやるから」
「だーめ。あたしに背中を向けて座ればいいじゃない、ね?」
マリカは少し照れながらも、「うん」と頷いてリアナに背を向けた。
マリカは自分で頭を洗い、リアナがお湯をかける。そして顔を洗って、次は体を洗う番になった。
「マリカ、背中洗ってあげるから」
「いいわよ」マリカは遠慮した。
「いいじゃない、洗わせてよ」
リアナはそう言うと、泡立てたタオルでマリカの背中を洗い始めた。
「マリカの背中、小さいのね……」
「そうかなあ、普通だと思うけど」
「はい、おしまい。前は自分で洗ってね?」
マリカの背中にお湯をかけながら、マリカは呆れたように「当たり前でしょ! もう」と笑った。
「はい、次はリアナの番よ」
今度はマリカがリアナの背中を洗う。その広い背中を洗いながら、マリカは心の中でそっと呟いた。
(男の人って、背中、広いのね)
体も洗い終わり、二人は一緒に湯船に浸かった。
「この家の浴槽広いわね、二人でも余裕よね」
「まあね」
急に二人の間に、無言の時間が流れる。湯気が立ち上る浴室で、二人の心は言葉なく繋がっているようだった。
そして、リアナが口を開いた。
「マリカ、今日はどうもありがとう。これであたしも思い残すことないわ。マリカとも最後に一緒にお風呂にも入れたしね。じゃ、お先に」
そう言うと、リアナは湯船から出て行った。
「……私、とっても貴重な体験をしてるのよね、きっと」
マリカは湯船に浸かりながら、しみじみと呟いた。
「でも、体が一つなんて、可哀想……」
マリカも湯船を出た。
脱衣所で肌着をつけて寝巻きに着替え、キッチンへ行ってみる。リアナはいなかった。寝室へ行ったのだろう。マリカも二階へ上がる。
寝室に入ると、リアナは自分のベッドに入って横になっていた。
「もう寝たの?」マリカが尋ねる。
「うーん、まだ起きてるわよ」
リアナは、どこか寂しげな声で言った。
「ねえ、マリカ、一つ質問なんだけど」
「ん?」
マリカは自分のベッドに入りながら答えた。
「どうしてベッド別々にしてるの?」
「どうしてって……このベッドの中は唯一私が寛げる場所だから」
リアナは静かにマリカの言葉を聞いていた。
「だから、ベッドの中までずっと誰かといたくないの。夫のことは大好きよ、でもそれとこれは別問題なの」
「ふーん、夫婦って言っても、もとは赤の他人だしね」リアナは妙に納得したように言った。
「そこまではっきりとは言ってないけど?」マリカは苦笑した。
「ねえ、マリカ、何か面白い話してよ」
「面白い話?」
「何かないの?」
「ごめーん、何も思いつかないわ」
「ふぁ~」リアナはだるそうにあく
びをした。
「あ、眠くなってきたんじゃない?」
「うん、そうみたい。今日は歩いた
からね」
「じゃ、寝ましょうか。お休み、リアナ」
「うん、マリカお休み」
どれくらい経ったのだろうか。
マリカがうつらうつらしていると、隣のベッドからリアナが誰にともなく話し始めた。
その声は、どこか夢見心地で、独り言のようだった。
「あたし、今度生まれ変わったら、絶対に天然の女の子になるの」
マリカは思わずクスッと笑ってしまった。
「それでね、絶対に結婚するんだ」
リアナは言葉を続けた。マリカは、じっと聞き耳を立てる。
「相手はねえ、背が高くて、肩幅がっしりした人で、顔はね、イケメンに越したことはないけど、どんな人でもいいの、優しければ」
リアナの、純粋で切実な願いが聞こえてくる。
「次こそは、私だけの体がほしい」
その言葉は、マリカの胸に深く響いた。
「美人に生まれなくてもいい、かわいくなくてもいい、女に生まれたい」
「あたし、贅沢は言ってないと思うわ」
「でもね、あたし、自分専用の体はなかったけど、あたしと、コーネルとレオンの三人暮らし、別に嫌じゃなかったわ。楽しかった……」
リアナの声が、少しずつ小さくなっていく。
「来世は一人一つの体でお願い~」
リアナはそう言うと、静かな寝息を立て始めた。
リアナもマリカも、目尻が涙で濡れていた……。
朝、マリカが目覚めると、隣のベッドにはリアナはいなかった。布団を触ってみたが、冷たかった。
服を着替えて階下へ下りていくと、夫がいた。マリカは挨拶をした。
「おはよう、リアナ」
夫は一瞬、バツの悪い顔をして、少し困ったように口を開いた。
「おはよう、マリカ」
「戻ってきたのね」
マリカは、その言葉の奥に、少しの安堵と、複雑な感情を込めていた。
「うん。あの、あいつらのこと、黙っててごめん」
「もう! なんでもっと早く言ってくれなかったのよ!」マリカは思わず声を荒げた。
「だって、言えないよ? 普通は」
夫は、困ったように肩をすくめた。
「それは……そうだけど」マリカは、やはり反論できなかった。
「まあまあ、とにかく朝ご飯を食べよう」
マリカがテーブルの上を見ながら、パンに目をやった。
「パンか……これ、あなたのためにリアナが買ったのよ」
「うん」夫は、パンの並んだ皿を見た。
マリカが丸いパンを夫のお皿に置こうとしたのを見て、夫が言った。
「あ、俺は丸いのはいらない」
「どうして?」マリカが尋ねた。
「べつに、なんとなく」夫は曖昧に答えた。
「ふーん」
マリカは、夫がパンを食べるのをじっと見ながら、自分もパンを食べていた。
夫は、長細いパンばかりを食べている。
「ねえ、お昼ごはんのパンはどれにするの?」マリカは、何気なく尋ねた。
「その三角のパンにするよ」
「丸いのは?」
夫は、少し顔をしかめた。
「甘いから、それ食べたら、眠くなっちゃうよ」
マリカは、何も言わなかった。ただ、じっと夫の顔を見ていた。
「あ、俺、もう行くよ。昨日休んでいるから、早く行かなきゃね」
夫は立ち上がると、マリカは玄関まで一緒についていった。
「じゃあ、マリカ、行ってくるよ」
夫がそう言って戸を閉める直前、マリカはそっと、しかしはっきりと声をかけた。
「いってらっしゃい、リアナ」
一度閉まった戸が、ゆっくりと、しかし確実に開いた。
そこに立っていたのは、驚きと、少しの寂しさ、そして何よりも感謝の入り混じった、リアナの表情だった。
「どうして、わかったの~? マリカ~」
マリカが食卓から風呂場へ向かうリアナに声をかけた。リアナは真面目な顔で振り返る。
「ね、一緒に入らない?」
「え? 結構です。リアナ、ゆっくり入ってきて」
「そう……」リアナはしょんぼりと肩を落とした。
「なに? どうしたの? 急に元気なくなって」
リアナはゆっくり立ち上がると、マリカの方を向いた。
「あたし、女同士でお風呂入ったことなかったから、聞いてみただけ」
そう言って、少し寂しげな背中を見せ、お風呂場へ入って行った。
マリカはほんの少しだけリアナに悪いことをしちゃったかなと、考えた。
(だって、私、夫のコーネルとだって一緒に入ったことないし、仕方ないよね?)
自問自答するマリカ。でも、小さくため息をつくと、お風呂場へ向かった。
リアナが頭を洗っていると、お風呂場の戸が静かに開いた。マリカが顔を出す。
「リアナ、私も一緒に入るわ」
「え! 本当?」リアナの顔がパッと輝いた。
「今、頭洗ってるのね」
「ええ」
「ちょっと待ってね」
マリカはそう言うと、浴槽のお湯を洗面器ですくって自分にかけ、それから、リアナの頭を優しく濯いであげた。
「うわ~、ありがとう~!」
頭を洗い終わると、リアナは満面の笑みで言った。
「じゃ、次はマリカの番ね。はい、座って」
「いいわよ、自分でやるから」
「だーめ。あたしに背中を向けて座ればいいじゃない、ね?」
マリカは少し照れながらも、「うん」と頷いてリアナに背を向けた。
マリカは自分で頭を洗い、リアナがお湯をかける。そして顔を洗って、次は体を洗う番になった。
「マリカ、背中洗ってあげるから」
「いいわよ」マリカは遠慮した。
「いいじゃない、洗わせてよ」
リアナはそう言うと、泡立てたタオルでマリカの背中を洗い始めた。
「マリカの背中、小さいのね……」
「そうかなあ、普通だと思うけど」
「はい、おしまい。前は自分で洗ってね?」
マリカの背中にお湯をかけながら、マリカは呆れたように「当たり前でしょ! もう」と笑った。
「はい、次はリアナの番よ」
今度はマリカがリアナの背中を洗う。その広い背中を洗いながら、マリカは心の中でそっと呟いた。
(男の人って、背中、広いのね)
体も洗い終わり、二人は一緒に湯船に浸かった。
「この家の浴槽広いわね、二人でも余裕よね」
「まあね」
急に二人の間に、無言の時間が流れる。湯気が立ち上る浴室で、二人の心は言葉なく繋がっているようだった。
そして、リアナが口を開いた。
「マリカ、今日はどうもありがとう。これであたしも思い残すことないわ。マリカとも最後に一緒にお風呂にも入れたしね。じゃ、お先に」
そう言うと、リアナは湯船から出て行った。
「……私、とっても貴重な体験をしてるのよね、きっと」
マリカは湯船に浸かりながら、しみじみと呟いた。
「でも、体が一つなんて、可哀想……」
マリカも湯船を出た。
脱衣所で肌着をつけて寝巻きに着替え、キッチンへ行ってみる。リアナはいなかった。寝室へ行ったのだろう。マリカも二階へ上がる。
寝室に入ると、リアナは自分のベッドに入って横になっていた。
「もう寝たの?」マリカが尋ねる。
「うーん、まだ起きてるわよ」
リアナは、どこか寂しげな声で言った。
「ねえ、マリカ、一つ質問なんだけど」
「ん?」
マリカは自分のベッドに入りながら答えた。
「どうしてベッド別々にしてるの?」
「どうしてって……このベッドの中は唯一私が寛げる場所だから」
リアナは静かにマリカの言葉を聞いていた。
「だから、ベッドの中までずっと誰かといたくないの。夫のことは大好きよ、でもそれとこれは別問題なの」
「ふーん、夫婦って言っても、もとは赤の他人だしね」リアナは妙に納得したように言った。
「そこまではっきりとは言ってないけど?」マリカは苦笑した。
「ねえ、マリカ、何か面白い話してよ」
「面白い話?」
「何かないの?」
「ごめーん、何も思いつかないわ」
「ふぁ~」リアナはだるそうにあく
びをした。
「あ、眠くなってきたんじゃない?」
「うん、そうみたい。今日は歩いた
からね」
「じゃ、寝ましょうか。お休み、リアナ」
「うん、マリカお休み」
どれくらい経ったのだろうか。
マリカがうつらうつらしていると、隣のベッドからリアナが誰にともなく話し始めた。
その声は、どこか夢見心地で、独り言のようだった。
「あたし、今度生まれ変わったら、絶対に天然の女の子になるの」
マリカは思わずクスッと笑ってしまった。
「それでね、絶対に結婚するんだ」
リアナは言葉を続けた。マリカは、じっと聞き耳を立てる。
「相手はねえ、背が高くて、肩幅がっしりした人で、顔はね、イケメンに越したことはないけど、どんな人でもいいの、優しければ」
リアナの、純粋で切実な願いが聞こえてくる。
「次こそは、私だけの体がほしい」
その言葉は、マリカの胸に深く響いた。
「美人に生まれなくてもいい、かわいくなくてもいい、女に生まれたい」
「あたし、贅沢は言ってないと思うわ」
「でもね、あたし、自分専用の体はなかったけど、あたしと、コーネルとレオンの三人暮らし、別に嫌じゃなかったわ。楽しかった……」
リアナの声が、少しずつ小さくなっていく。
「来世は一人一つの体でお願い~」
リアナはそう言うと、静かな寝息を立て始めた。
リアナもマリカも、目尻が涙で濡れていた……。
朝、マリカが目覚めると、隣のベッドにはリアナはいなかった。布団を触ってみたが、冷たかった。
服を着替えて階下へ下りていくと、夫がいた。マリカは挨拶をした。
「おはよう、リアナ」
夫は一瞬、バツの悪い顔をして、少し困ったように口を開いた。
「おはよう、マリカ」
「戻ってきたのね」
マリカは、その言葉の奥に、少しの安堵と、複雑な感情を込めていた。
「うん。あの、あいつらのこと、黙っててごめん」
「もう! なんでもっと早く言ってくれなかったのよ!」マリカは思わず声を荒げた。
「だって、言えないよ? 普通は」
夫は、困ったように肩をすくめた。
「それは……そうだけど」マリカは、やはり反論できなかった。
「まあまあ、とにかく朝ご飯を食べよう」
マリカがテーブルの上を見ながら、パンに目をやった。
「パンか……これ、あなたのためにリアナが買ったのよ」
「うん」夫は、パンの並んだ皿を見た。
マリカが丸いパンを夫のお皿に置こうとしたのを見て、夫が言った。
「あ、俺は丸いのはいらない」
「どうして?」マリカが尋ねた。
「べつに、なんとなく」夫は曖昧に答えた。
「ふーん」
マリカは、夫がパンを食べるのをじっと見ながら、自分もパンを食べていた。
夫は、長細いパンばかりを食べている。
「ねえ、お昼ごはんのパンはどれにするの?」マリカは、何気なく尋ねた。
「その三角のパンにするよ」
「丸いのは?」
夫は、少し顔をしかめた。
「甘いから、それ食べたら、眠くなっちゃうよ」
マリカは、何も言わなかった。ただ、じっと夫の顔を見ていた。
「あ、俺、もう行くよ。昨日休んでいるから、早く行かなきゃね」
夫は立ち上がると、マリカは玄関まで一緒についていった。
「じゃあ、マリカ、行ってくるよ」
夫がそう言って戸を閉める直前、マリカはそっと、しかしはっきりと声をかけた。
「いってらっしゃい、リアナ」
一度閉まった戸が、ゆっくりと、しかし確実に開いた。
そこに立っていたのは、驚きと、少しの寂しさ、そして何よりも感謝の入り混じった、リアナの表情だった。
「どうして、わかったの~? マリカ~」
11
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
旦那様の愛が重い
おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。
毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。
他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。
甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。
本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。
運命の番より真実の愛が欲しい
サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。
ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。
しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。
運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。
それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
蝋燭
悠十
恋愛
教会の鐘が鳴る。
それは、祝福の鐘だ。
今日、世界を救った勇者と、この国の姫が結婚したのだ。
カレンは幸せそうな二人を見て、悲し気に目を伏せた。
彼女は勇者の恋人だった。
あの日、勇者が記憶を失うまでは……
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる