《完結》転生したら女から男になっていました♥

ぜらちん黒糖

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第一章

②素晴らしき世界、男子校

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 真里は転生して今の自分の立ち位置がわかってきた。

 私の名前はマリオ・スミス17歳。

 王立男子魔法学院の生徒で優秀な生徒である。

 そしてここは全寮制で学院の職員全てが男性だ。教師も女性はいない。

 学生食堂の調理師もそうだ。しかも美形ばかり。

 私が前世で願ったのは合体がしたい。

 来世では必ず合体するぞ、と言うことだった。

 しかしこれではまた私は、結婚も出来ないではないか。

 いくら男が好きでも、自分の体が男ではどうにもならない。

 神様に会ったことはないが、これはあまりにも酷い措置ではないのか?

 心は女でも、男の体の私が、男を好きになっても辛いだけではないのか?

 神様の意地悪~と心の中で叫んでいたときに、メースが話し掛けて来た。

「マリオ」

「ふぉ~~ん?」

「なんだその牛が返事をしたような顔は」

「あはは、何?」

「お前、放課後ケーキを食べに行かないか?奢ってやるぞ?」

「行くぅ~~」

 マリオはこのときとばかりにメースにしがみつく。

「おいおい、あんまりベタベタするんじゃない」

「はーい」

 自分からすぐに離れるマリオに、心の中でじれるメースだったが、ニッコリと笑って

「もっと男らしくしないと結婚出来ないぞ」

 そう言ってマリオの股間をぽんと叩く。

「ふぁ~~~ん」

 感じてしまうマリオ。

 男の体にまだ完全に慣れていないマリオは、他人からのタッチに弱い。

 この体にもっと早く慣れなくちゃね。

 頑張ろうっと・・・。

「何を頑張るんだ?」

 え?心の声が口に出ていたのか。

「あ、ああ、勉強をね」

「そっか」

 放課後二人は、城下にある軽食喫茶店に入った。

 店の窓際に座る、マリオとメース。

 注文を取りに来た店員の女の娘が、やや顔を赤らめながら

「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」

「そうだな、マリオ、お前はなんにする?」

「私はシュウクリームをもらおうかな、あとココアも」

「じゃあ俺はロールケーキとコーヒーを」

「シュウクリームとココア、ロールケーキとコーヒーですね、ありがとうございます」

 店員は下がって行った。

「マリオ、お前、今の女の子、どう思う?」

「え?まあ可愛いんじゃない?どうして?」

「いや、お前もいつかはあんな可愛い女の子と、結婚するんだろうなって」

「結婚か……」

「なんだマリオは結婚には興味がないのか?」

 マリオは前世で結婚出来ずに死んだ。

 合体をしたいと強く望みながら死んだ。

 本当に無念だった。

 病室のベッドの上で呪文のように合体したいと唱えていた。

 その時の想いがこみ上げて来たのか、マリオの頬を涙が伝う。

 ハッとしてメースがマリオに囁く。

「悪い、俺はなにか気に触ることを言ってしまったようだな」

「いや、なんでもないよ」

 その時、店員がケーキと飲み物を持って来たのだが、つまずいて持っていたトレーが手から離れてしまう。

 トレーを受け止めるメース。

 転けそうになった店員を抱きしめて、受け止めるマリオ。

 メースがホッとして、トレーをテーブルに置いて、マリオと店員を見ると、二人が抱き合っているのが目に入る。

 マリオの胸に女店員の顔がうずまっている。

 女店員の胸がマリオのお腹辺りに当たっている。

 なのにマリオは全然気にしない素振りで、女店員を立ち上がらせて、優しく声を掛けていた。

「大丈夫?怪我はない?」

「はい、どうもすみませんでした」

「ううん、君が怪我をしなくて良かったよ」

 女店員はお礼を言って戻って行った。

 マリオは女の子とベタベタするのは平気だから、そのまま椅子に座ってメースに声をかけた。

「びっくりしたね、メース」

「あ、ああ。しかしあの店員は駄目だな。失格だ」

「メース」

「ん?」

「誰でも失敗はするんだよ。あの子も一生懸命働いているんだ。そんなこと言っちゃいけないよ」

 本の一瞬マリオの人生観を見たような気がして、すぐに謝るメース。

「そうだな。ごめん。言い過ぎた」

 そう言って上目遣いでマリオの顔を見た。

「ふぉ~~っ、可愛いメースって」

「へ?」

「ううん、何でもない、さ、食べましょ」

「あ、ああ」

 マリオはメースの顔を見ながらケーキを食べ、ココアを飲んでいた。

 あああ、カッコいいし、とっても可愛い。

 なんとかメースを物にしたい。

 物にしたいけど……物にするってどうすることになるの?

 だって私の体は男なのよ。合体なんて出来ないわ。

 体の仕組みが違うもの……。

「あ」

「ん?どうかしたか?」

「ねえ、魔法の受業で変化へんげの魔法を習ったことがあったよね?」

「ああ、あった」

「それって……男から女にもなれるのかな?」

「……さあ、どうだろう」

「メースは筆下ろし終わってるの?」

「ゴホン!へ?」

「だから女の人とやったことあるのかって聞いてるの」

「……ある」

「へーそうなんだ」

「マリオは?」

「私はない」

 前世の私はもちろん、マリオの記憶を探ってもなかった。

「どうしたんだよ、いきなりそんなこと聞いて」

「メースは私の気持ちを知っているでしょう?」

「……」

「私はね、初めての人はメースがいいなってずっと思ってて」

「……」

「でも男の体じゃ出来ないでしょ?」

「……」

「だから私が変化へんげの魔法で女性に変身出来たらって……」

 メースの心の中は沸騰していた。

 チャ~~~~ンス!フォウ!
 マリオが変身していようがいまいが俺には問題な~~~~い!

「それで?マリオ、お前は本気で言っているのか?」

「ええ、本気」

「もしお前が変身に失敗して男のままだったとしても、俺はもう止まらないぞ?いいのか?」

「え?それって……私が男のままでもメースは抱くと言っているの?」

「ああ、そうだ。お前にその覚悟がないなら変化へんげの魔法は使うな」

 メースは立ち上がって

「会計は済ませておくから」

 と言って先に店を出て行った。

 メースは私に変化へんげの魔法を使わせないように気を使っているのね。

 この魔法はとっても危険だと伝え聞く。

 だけど私は前世でやり残した合体を成し遂げるのみ。


 マリオも席を立った。
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