92 / 148
第2部2章 草原とヒト
085 ミッション
しおりを挟む
ソの人たちに言わせると「取り戻してきた」、俺たちから見ると「さらってきた」オークの子どもたちは野営地で普通に育てられていた。
彼らも「ソ」だと言うだけあって、接し方も分け隔てがない。
赤ん坊は乳の出る若い女性のところ、それ以外は子どものいない女性のところで育てられているが、基本的にはキャンプの人間全員で育てるという感じである。俺たちのところに来なかったのは「これからたくさん子どもが生まれるだろうから」なのだそうだ。まぁ、何もしていないのに子どもは生まれないんだけどね。
「彼らは大きくなったら、普通にここで子をなし、また育てていくのだそうだ」
小屋の外で座って縄をなう俺の横でチュウジが「聞き取り」と「観察」の結果得られたことを教えてくれる。
ここでいうオークというのはブタ鼻の怪物だったりはしない。
筋骨隆々で灰褐色の肌、耳がやや尖っていて、犬歯が発達している「亜人」だ。
実のところ、耳と犬歯を除けば、ソと大差ない。
耳だって、横にびろんと伸びているわけでもない。日本で彼らと同じ形状の耳を見たとしても特徴的な耳だなと思う程度のものである。犬歯も口から突き出していたりしない。
「要するにソというのは『人間』と『亜人』およびその混血の共同体であって、オークもほぼ同じと言って良いらしい」
当たり前だがここらへんは座学で習わなかったことだ。
「たとえば、彼は『オーク』だ」
遠方で歓談する青年のほうに視線をやってチュウジが言う。
言われてみれば、確かに彼はオークだ。
オークと名前をつけるから、違いが際立って見えただけで、実のところ、少し特徴的な容姿で片付いてしまうレベルでしかないわけだ。
昔、焚き火のそばで教えてもらったこの世界の神話では、亜人はもともと人だったものが姿を変えられたみたいな話だった。
最初に遭遇した「亜人」がゴブリンで容姿がかなり違ったこともあったから、変な固定観念にとらわれていたのかもしれない。
「驚いたか?」
「そりゃ驚く。でもな、この前、ジョクさんが『ソとして育つ』とか言ってたじゃん。あれで俺は納得してしまったわ」
俺は続ける。
「彼らは何をなすかを重視するんだろう。俺たち、ここに来る前は拷問虐殺なんでもござれの審問官様と魔法使い様と一緒だったじゃん。ソはやたらと戦いたがるとこがあるけれど、俺はこっちのほうが居心地がいい」
チュウジは無言でうなずく。
そして、熱心に作っていた人形を近くで遊んでいた子どもたちに与える。
とても美しい光景だ。
人形がどう見ても五寸釘を打ちつけるアレにしか見えないのを除けばだが。
「おい、呪いの座敷童子! お前、いたいけな子どもたちに丑の刻参りでも教えるつもりか?」
「だまるのだ、たわし野郎! いつの日か、ちゃんとした人形を作れるようになるわ!」
「ちゃんとした人形」と言われても、こいつを見ていると、夜中に洋館で血まみれになって踊り狂いそうなフランス人形か髪が伸びて夜に廊下を疾走する日本人形が出来上がる未来しか思いつかない。
そろそろ夏も終わりだ。怪談もそろそろ季節外れだぜ。
◆◆◆
こうして夏はおだやかに過ぎていった。
冬が来て、俺たちは冬のキャンプ地に移動することになった。
しばらくすれば、商人たちがウシの取引にやってくるだろう。
昨年の冬はソのキャンプをたずねる側だったが、今回はソの中で商人たちを出迎える側である。
俺たちも少しウシを売って、穀物や調味料を買おうかと相談している。
「米、持ってきてくれるとありがたいなぁ。なかったら頼もうぜ」
三度の飯より米が好きな俺は米を買いたくてたまらない。
「どれくらいウシを手放すかとかちゃんと考えなきゃね」
ミカがウシの「ミカ」にブラシをかけながら言う。
ソの「成人式」的なもので、俺たちは自分の名前をそれぞれ気に入ったウシにつけた。
これは自分のウシの中でも大切にしないといけない。絶対に売ってはいけない。
自分の分身であり、友であるのだそうだ。
俺たちが死ぬようなことがあったら、彼らがその共をすることになっている。
ちょうどヨルさんが亡くなったときに同じ名前を持つウシを捧げたのと同じだ。
「ミカさーん」
俺はウシの「ミカ」の背中に頬ずりをする。
以前はウシに蹴飛ばされかけた俺だが、最近ではちゃんと世話できるようになっている。
「うっ、くせぇ」
舌でぺろりとやられる。
「失礼しちゃうわね。ねぇ大きなあたし」
ミカはウシのミカをなでると、あっかんべーと舌を出す。
こちらのミカにならぺろりとやられても大歓迎なのに。
「そちらのミカさんも俺をぺろんとやっていただいても……」
俺のほっぺたがつねられて伸びる。
「そんなことしてあげないよっ」
そう言いながら、彼女はウシのミカに舐められたのと反対の頬に軽く口付けをして去っていく。
「あざぁーすっ!」
言ってみるもんだ。心の日記帳にしっかりと書き留めておこう。
◆◆◆
俺たちが冬のキャンプ地に移動してしばらく経った頃、商人たちがやってきた。
ただし、今回はやたらと人数が多い。
家畜取引の一行は往路は穀物や雑貨、装飾品に武具などソがほしがるものを積んでくる。
換金しやすく(家畜に比べれば)かさばらないものを運ぶ往路は復路に比べて危険なので、途中までカステの騎馬隊の護衛がつく。
これは騎馬隊の小遣い稼ぎとウシの値段が高騰しないようにするための政策が入り混じって出来上がった慣習らしい。
盗賊の出そうな地域を抜ける頃には騎馬隊は帰路につき、護衛は俺たちのような探索家またの名を便利屋だけとなる。
したがって、村につくときには馬車1、2両と徒歩の護衛数名になっているはずだ。
それが今回は違う。
そもそも馬車の数からして違うし、騎乗している者もいる。
騎乗している護衛はカステの主流派教会の修道騎士っぽい。サーコートには彼らの好みそうな文言が刺繍されている。
彼らと直接もめたことはないが、彼らに関わりのある人物を思い出すと嫌な気分になる。
馬車の扉が開く。
あいつが出てきたらどうしようとびくっとしたが、ありがたいことにそれはなかった。
ただ、教会関係者らしい。
注意しておくべきなのかどうか迷う。
もちろん、あいつが出てきたら、問答無用で追い出せと忠告に走るんだが、どうしたものか。
「とりあえず様子見をしましょう。私たちは受け入れてもらえていると言っても新参者です。彼らの決定に口を出すような傲慢なことをしてはいけませんしね」
サゴさんが俺の心を読んでいたかのようにつぶやく。
みんなでうなずく。
どちらにせよ、いきなり異教徒討伐に来たとか言い出すわけではないだろう。
万が一そんなことがあったら、商人と一緒に現われるわけはない。
よく見ると、チュオじいさんのところに挨拶に向かっている商人は以前、護衛をしたことのある顔見知りだ。
目が合った気がしたので、頭を下げる。
向こうもおぼえていたのか、東屋での話が終わった後、こちらに寄ってきて驚いた顔で話しかけてくる。
「あんたら、ここで何してるんだい? あたしらより先に出た商人はいないと思ってたんだが……まさか、ここで暮らしてたのかい?」
「まぁ、そのまさかというやつでして……」
サゴさんが額をかきながら答える。
「物好きな人もいたもんだ。そうそう、物好きって言えばね」
ここまで言うと、商人は教会関係者らしき3人の男のもとに走っていく。
彼らとなにか話し、3人を引き連れて戻ってきた。
「ちょうど良かったよ。今回は布教と調査という名目でここにいらした司祭様たちだ」
商人はこう言うと、司祭のほうを向いて話し出す。
「こいつらはね、あたしの護衛をしてくれた探索隊なんですが、なんかここに住み着いているみたいでね。色々顔も聞くだろうし、言葉もあたしたちよりわかるでしょうから、紹介しておきますわ」
商人は俺たちを紹介する。
相手の反応を見る限り、俺たちが彼らの同僚と仕事をした者だということはわかっていないようだ。
まぁ、1審問官の仕事を手伝った外部の人間とか知るわけ無いだろう。
教えたってデメリットだけでなんのメリットもなさそうなので触れないでおく。
「ベルマンと申します。よろしくお願いします」
3人はここにいくつかの施設を作って、人々の生活を助けながら布教に励むのだそうだ。
「ミッション系学校がここにもできちゃったりして」
ミッション系女子校出身のミカがつぶやく。
「教育と医療、宣教師のとる常套手段だ」
チュウジがいぶかしげに目を細めて宣教師たちを眺めながら返事をする。普段から悪い目つきがさらに悪くなる。
「宣教師、1549光るザビエルの頭」
ちなみに彼らは禿げているわけでも、剃っているわけでもない。
たとえ、くだらない冗談であっても、不意の一撃は効果がある。
サチさんがこらえきれずに吹き出すと、俺のほうを向いて「ごめんなさい」と言う。俺のほうを向いているが、その言葉は俺に向けられたものではない。
背後に気配を殺して忍び寄ってきたサゴさんは後ろから俺の頭をつかむと頭頂部にカミソリを押し当てた。……あなたはどうして今カミソリ持ってるんですか?
「君もトンスラにしてあげましょうか?」
ミカがゴーサインを出し、俺の頭頂部の髪の毛がなくなる感触がする。
「『君も』って……サゴさんはトンスラじゃなくて、ハ……」
俺のトンスラは広がった。肌が荒れるから、せめてもっと優しく剃って……。
「あんまりネタにしてたら、バチがあたるからね」
後でキレイな丸刈りにしてあげるからとミカが笑っていう。
こうして、冬の野営地にミッションがやってきて、俺は青々とした頭になった。
夜風が涼しい。
彼らも「ソ」だと言うだけあって、接し方も分け隔てがない。
赤ん坊は乳の出る若い女性のところ、それ以外は子どものいない女性のところで育てられているが、基本的にはキャンプの人間全員で育てるという感じである。俺たちのところに来なかったのは「これからたくさん子どもが生まれるだろうから」なのだそうだ。まぁ、何もしていないのに子どもは生まれないんだけどね。
「彼らは大きくなったら、普通にここで子をなし、また育てていくのだそうだ」
小屋の外で座って縄をなう俺の横でチュウジが「聞き取り」と「観察」の結果得られたことを教えてくれる。
ここでいうオークというのはブタ鼻の怪物だったりはしない。
筋骨隆々で灰褐色の肌、耳がやや尖っていて、犬歯が発達している「亜人」だ。
実のところ、耳と犬歯を除けば、ソと大差ない。
耳だって、横にびろんと伸びているわけでもない。日本で彼らと同じ形状の耳を見たとしても特徴的な耳だなと思う程度のものである。犬歯も口から突き出していたりしない。
「要するにソというのは『人間』と『亜人』およびその混血の共同体であって、オークもほぼ同じと言って良いらしい」
当たり前だがここらへんは座学で習わなかったことだ。
「たとえば、彼は『オーク』だ」
遠方で歓談する青年のほうに視線をやってチュウジが言う。
言われてみれば、確かに彼はオークだ。
オークと名前をつけるから、違いが際立って見えただけで、実のところ、少し特徴的な容姿で片付いてしまうレベルでしかないわけだ。
昔、焚き火のそばで教えてもらったこの世界の神話では、亜人はもともと人だったものが姿を変えられたみたいな話だった。
最初に遭遇した「亜人」がゴブリンで容姿がかなり違ったこともあったから、変な固定観念にとらわれていたのかもしれない。
「驚いたか?」
「そりゃ驚く。でもな、この前、ジョクさんが『ソとして育つ』とか言ってたじゃん。あれで俺は納得してしまったわ」
俺は続ける。
「彼らは何をなすかを重視するんだろう。俺たち、ここに来る前は拷問虐殺なんでもござれの審問官様と魔法使い様と一緒だったじゃん。ソはやたらと戦いたがるとこがあるけれど、俺はこっちのほうが居心地がいい」
チュウジは無言でうなずく。
そして、熱心に作っていた人形を近くで遊んでいた子どもたちに与える。
とても美しい光景だ。
人形がどう見ても五寸釘を打ちつけるアレにしか見えないのを除けばだが。
「おい、呪いの座敷童子! お前、いたいけな子どもたちに丑の刻参りでも教えるつもりか?」
「だまるのだ、たわし野郎! いつの日か、ちゃんとした人形を作れるようになるわ!」
「ちゃんとした人形」と言われても、こいつを見ていると、夜中に洋館で血まみれになって踊り狂いそうなフランス人形か髪が伸びて夜に廊下を疾走する日本人形が出来上がる未来しか思いつかない。
そろそろ夏も終わりだ。怪談もそろそろ季節外れだぜ。
◆◆◆
こうして夏はおだやかに過ぎていった。
冬が来て、俺たちは冬のキャンプ地に移動することになった。
しばらくすれば、商人たちがウシの取引にやってくるだろう。
昨年の冬はソのキャンプをたずねる側だったが、今回はソの中で商人たちを出迎える側である。
俺たちも少しウシを売って、穀物や調味料を買おうかと相談している。
「米、持ってきてくれるとありがたいなぁ。なかったら頼もうぜ」
三度の飯より米が好きな俺は米を買いたくてたまらない。
「どれくらいウシを手放すかとかちゃんと考えなきゃね」
ミカがウシの「ミカ」にブラシをかけながら言う。
ソの「成人式」的なもので、俺たちは自分の名前をそれぞれ気に入ったウシにつけた。
これは自分のウシの中でも大切にしないといけない。絶対に売ってはいけない。
自分の分身であり、友であるのだそうだ。
俺たちが死ぬようなことがあったら、彼らがその共をすることになっている。
ちょうどヨルさんが亡くなったときに同じ名前を持つウシを捧げたのと同じだ。
「ミカさーん」
俺はウシの「ミカ」の背中に頬ずりをする。
以前はウシに蹴飛ばされかけた俺だが、最近ではちゃんと世話できるようになっている。
「うっ、くせぇ」
舌でぺろりとやられる。
「失礼しちゃうわね。ねぇ大きなあたし」
ミカはウシのミカをなでると、あっかんべーと舌を出す。
こちらのミカにならぺろりとやられても大歓迎なのに。
「そちらのミカさんも俺をぺろんとやっていただいても……」
俺のほっぺたがつねられて伸びる。
「そんなことしてあげないよっ」
そう言いながら、彼女はウシのミカに舐められたのと反対の頬に軽く口付けをして去っていく。
「あざぁーすっ!」
言ってみるもんだ。心の日記帳にしっかりと書き留めておこう。
◆◆◆
俺たちが冬のキャンプ地に移動してしばらく経った頃、商人たちがやってきた。
ただし、今回はやたらと人数が多い。
家畜取引の一行は往路は穀物や雑貨、装飾品に武具などソがほしがるものを積んでくる。
換金しやすく(家畜に比べれば)かさばらないものを運ぶ往路は復路に比べて危険なので、途中までカステの騎馬隊の護衛がつく。
これは騎馬隊の小遣い稼ぎとウシの値段が高騰しないようにするための政策が入り混じって出来上がった慣習らしい。
盗賊の出そうな地域を抜ける頃には騎馬隊は帰路につき、護衛は俺たちのような探索家またの名を便利屋だけとなる。
したがって、村につくときには馬車1、2両と徒歩の護衛数名になっているはずだ。
それが今回は違う。
そもそも馬車の数からして違うし、騎乗している者もいる。
騎乗している護衛はカステの主流派教会の修道騎士っぽい。サーコートには彼らの好みそうな文言が刺繍されている。
彼らと直接もめたことはないが、彼らに関わりのある人物を思い出すと嫌な気分になる。
馬車の扉が開く。
あいつが出てきたらどうしようとびくっとしたが、ありがたいことにそれはなかった。
ただ、教会関係者らしい。
注意しておくべきなのかどうか迷う。
もちろん、あいつが出てきたら、問答無用で追い出せと忠告に走るんだが、どうしたものか。
「とりあえず様子見をしましょう。私たちは受け入れてもらえていると言っても新参者です。彼らの決定に口を出すような傲慢なことをしてはいけませんしね」
サゴさんが俺の心を読んでいたかのようにつぶやく。
みんなでうなずく。
どちらにせよ、いきなり異教徒討伐に来たとか言い出すわけではないだろう。
万が一そんなことがあったら、商人と一緒に現われるわけはない。
よく見ると、チュオじいさんのところに挨拶に向かっている商人は以前、護衛をしたことのある顔見知りだ。
目が合った気がしたので、頭を下げる。
向こうもおぼえていたのか、東屋での話が終わった後、こちらに寄ってきて驚いた顔で話しかけてくる。
「あんたら、ここで何してるんだい? あたしらより先に出た商人はいないと思ってたんだが……まさか、ここで暮らしてたのかい?」
「まぁ、そのまさかというやつでして……」
サゴさんが額をかきながら答える。
「物好きな人もいたもんだ。そうそう、物好きって言えばね」
ここまで言うと、商人は教会関係者らしき3人の男のもとに走っていく。
彼らとなにか話し、3人を引き連れて戻ってきた。
「ちょうど良かったよ。今回は布教と調査という名目でここにいらした司祭様たちだ」
商人はこう言うと、司祭のほうを向いて話し出す。
「こいつらはね、あたしの護衛をしてくれた探索隊なんですが、なんかここに住み着いているみたいでね。色々顔も聞くだろうし、言葉もあたしたちよりわかるでしょうから、紹介しておきますわ」
商人は俺たちを紹介する。
相手の反応を見る限り、俺たちが彼らの同僚と仕事をした者だということはわかっていないようだ。
まぁ、1審問官の仕事を手伝った外部の人間とか知るわけ無いだろう。
教えたってデメリットだけでなんのメリットもなさそうなので触れないでおく。
「ベルマンと申します。よろしくお願いします」
3人はここにいくつかの施設を作って、人々の生活を助けながら布教に励むのだそうだ。
「ミッション系学校がここにもできちゃったりして」
ミッション系女子校出身のミカがつぶやく。
「教育と医療、宣教師のとる常套手段だ」
チュウジがいぶかしげに目を細めて宣教師たちを眺めながら返事をする。普段から悪い目つきがさらに悪くなる。
「宣教師、1549光るザビエルの頭」
ちなみに彼らは禿げているわけでも、剃っているわけでもない。
たとえ、くだらない冗談であっても、不意の一撃は効果がある。
サチさんがこらえきれずに吹き出すと、俺のほうを向いて「ごめんなさい」と言う。俺のほうを向いているが、その言葉は俺に向けられたものではない。
背後に気配を殺して忍び寄ってきたサゴさんは後ろから俺の頭をつかむと頭頂部にカミソリを押し当てた。……あなたはどうして今カミソリ持ってるんですか?
「君もトンスラにしてあげましょうか?」
ミカがゴーサインを出し、俺の頭頂部の髪の毛がなくなる感触がする。
「『君も』って……サゴさんはトンスラじゃなくて、ハ……」
俺のトンスラは広がった。肌が荒れるから、せめてもっと優しく剃って……。
「あんまりネタにしてたら、バチがあたるからね」
後でキレイな丸刈りにしてあげるからとミカが笑っていう。
こうして、冬の野営地にミッションがやってきて、俺は青々とした頭になった。
夜風が涼しい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる