菊智夕

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「煙草吸う?」

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焼き肉を食べて、雨宮たちの家に帰っている。

3人とも、そこそこ食べた。

久々に肉を食べた。

味覚も戻っていた。

真琴には聞いた。

戻っていいのか。

真琴は戻ってきて、と言った。

会計は真琴の財布から出てしまった。

雨宮は自分の金を全部、真琴に入れていると言った。

雨宮の財布には、数千円と、真琴のクレカの家族カードが入っていると話した。



懐かしい家に着いた。

けど、前と違うのは4人掛けのダイニングテーブルでの席。

出て行く前まで俺が座っていた席の向かいに、真琴が座った。

その右に、雨宮が座った。

そうか。

もう、真琴は隣りじゃねえんだな。

そりゃそうか。

「はい、雪人」

雨宮はそう言って、俺に鍵とカードキーを渡した。

ためらったが、受け取った。

「…ありがとう」

雨宮は真琴に言う。

「真琴、煙草吸う?」

「うん」

普通に自然に2人はそう言った。

雨宮は箱から1本取り出した。

雨宮が咥えて火をつける。

俺はそれを真琴にやるんだと思って。

イチャイチャしてんなと思って。

見ていた。

雨宮は、右手に持った煙草を真琴の口に咥えさせ。

そのまま持っている。

真琴は手を動かさず、そのまま吸う。

真琴が口を開ける。

雨宮が煙草を真琴から離す。

真琴が煙を吐き終わると、また、雨宮が真琴に吸わせる。

次に真琴が口を開けると、雨宮は自分自身の口に煙草を持っていき、一服深く吸った。

真琴が二服、雨宮が一服。

それをずっと繰り返した。



でもまあ、たかが煙草かもしれない。

煙草を吸い終わった後は、雨宮がいつも真琴が飲んでいたカフェオレを持ってきた。

そして、雨宮は真琴に口移しで飲ませていた。

雨宮も合間にそれを飲む。

俺は雨宮に聞いた。

「全部、そうしてんのか?」

「ん? 全部って?」

「口に入るもの、全部」

「うん、家ではそうだよ?」

雨宮は、至極当然と言った感じだった。

「食事も、か」

「うん」

雨宮が嬉しそうに話す。

「だってさ、これすると俺が真琴に食べられてる感じがして。すっごく気持ちいいんだ。雪人もやる?」

「俺はお前らほどイカれてない」

頭痛がしてきた。

取り敢えず、風呂に入ろう。
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