102 / 103
後日談
-21
しおりを挟む
「それは――良かったな」
「あんた、なんだろう?」
――――一般人を操って、ヤツを殺すように仕向けたのは。
聖がその答えを欲しているのは分かったが、やはり史郎はとぼけた。
「さぁ? 何の事だか、オレはサッパリ分からんな。こっちだって暇じゃねーんだ」
最後まで口を割らない史郎に、聖はチッと舌打ちをする。
そうして、諦めたように嘆息した。
「オレに恩を売って置くせっかくのチャンスをふいにするとは、バカな野郎だ」
むぅっと可愛らしく頬を膨らませる聖が可愛くて、放出したばかりの男根が再び勃起する兆候を、史郎は感じ取っていた。
この後、三ラウンド目に突入したのは自然の摂理であろう。
🍄
マンションへ帰った聖は、溜め息をつきながら革ジャンのポケットへ手を突っ込むと、そこに入れていた物を取り出した。
「あの野郎、とうとう口を割らなかったな」
関川に兇手を差し向けたのは、自分だと自白してくれれば狙い通りだったのだが。
何か勘でも働いたのか、史郎は最後までそれを口にしなかった。
「あーあ。粘って損したぜ」
苦虫を噛み潰したような顔で、悪態をつく。
聖の手には、小型のボイスレコーダーが握られていた。
史郎が自供した音声を取りたかったのだが、無駄になってしまった。
日本の法律にはこんなものがある。
刑法第61条
1、人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2、教唆犯を教唆した者についても、前項と同様とする。
つまり、人を唆して犯罪を行わせた場合は、その人物も罪を犯したことになるのだ。
「これで史郎を締め上げる、今後の良い材料になるハズだったんだが……まぁいい」
ボイスレコーダーをケースへ仕舞うと、聖はフッと息を吐いた。
――――人生は儘ならないものだ。
だが、そのくらいが退屈せずに済む、丁度いい塩梅なのかもしれない。
「さぁて、休暇でも取って、久しぶりにゆっくりするか」
そういうと、聖は嫣然と笑ったのだった。
-――end―――
次ページ、オマケ漫画を付けました!(^^)!
よければ見て行ってください🌸
「あんた、なんだろう?」
――――一般人を操って、ヤツを殺すように仕向けたのは。
聖がその答えを欲しているのは分かったが、やはり史郎はとぼけた。
「さぁ? 何の事だか、オレはサッパリ分からんな。こっちだって暇じゃねーんだ」
最後まで口を割らない史郎に、聖はチッと舌打ちをする。
そうして、諦めたように嘆息した。
「オレに恩を売って置くせっかくのチャンスをふいにするとは、バカな野郎だ」
むぅっと可愛らしく頬を膨らませる聖が可愛くて、放出したばかりの男根が再び勃起する兆候を、史郎は感じ取っていた。
この後、三ラウンド目に突入したのは自然の摂理であろう。
🍄
マンションへ帰った聖は、溜め息をつきながら革ジャンのポケットへ手を突っ込むと、そこに入れていた物を取り出した。
「あの野郎、とうとう口を割らなかったな」
関川に兇手を差し向けたのは、自分だと自白してくれれば狙い通りだったのだが。
何か勘でも働いたのか、史郎は最後までそれを口にしなかった。
「あーあ。粘って損したぜ」
苦虫を噛み潰したような顔で、悪態をつく。
聖の手には、小型のボイスレコーダーが握られていた。
史郎が自供した音声を取りたかったのだが、無駄になってしまった。
日本の法律にはこんなものがある。
刑法第61条
1、人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2、教唆犯を教唆した者についても、前項と同様とする。
つまり、人を唆して犯罪を行わせた場合は、その人物も罪を犯したことになるのだ。
「これで史郎を締め上げる、今後の良い材料になるハズだったんだが……まぁいい」
ボイスレコーダーをケースへ仕舞うと、聖はフッと息を吐いた。
――――人生は儘ならないものだ。
だが、そのくらいが退屈せずに済む、丁度いい塩梅なのかもしれない。
「さぁて、休暇でも取って、久しぶりにゆっくりするか」
そういうと、聖は嫣然と笑ったのだった。
-――end―――
次ページ、オマケ漫画を付けました!(^^)!
よければ見て行ってください🌸
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる