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問い質してみれば、両親は自信なさげに目配せした。
「――――もしかしたら、大学かアパートかも…………」
「今直ぐ、奏に電話をっ――」
言いかけて、それさえもテーブル上に置きっぱなしだという事に気付く。
持っていたカバンもコートも、クロークに預けたままだ。
奏は、殆ど身一つでここから出て行ったのだ。
「クソッ! 」
栄太は一つ吐き捨てると、部下へ指示を出した。
「今直ぐ奏を探すんだ! オレは青柳が怪しいと思うから、直接そっちへ行ってみるが……お前たちは二班に別れて、大学とアパートへ向かえ! 」
栄太の指示に部下は頷くと、直ぐに行動を起こした。
「――――オレは青柳の家に行く! お前達はどうする!? 」
問い掛けた相手は、奏の両親だ。
普通なら、自分の子供が失踪したのだから、藁にも縋る思いで栄太の言葉に反応するだろう。自分達も、捜索すると。
――――だが。
「わ、私達は…………ここで待機して、馬淵さんからの連絡を待ちますよ」
「そそそ、そうよね! 私達が下手に動き回っても、迷惑でしょうし」
そう、揃いも揃って、表面上は波風の立たないような、模範的な回答をしてきた。
だが、本心は、オメガの息子に関してこれ以上面倒を掛けられたくないという思いが見え見えだ。
(こいつら! 自分の子供が可愛くないのか!! )
つい、赤の他人の筈の栄太の方が、そう思ってしまった。
「――――分かった! 何かあれば連絡する!! 」
栄太はそう吐き捨てる様に言うと、身を翻した。
行き先は、青柳の家だ!
そこに、奏はいる――――そう、栄太は、理屈抜きに直感した。
そして、その勘は外れていなかった。
車のライトの先で、歩道に蹲っている人影を発見した。
濡れるのを構わず、栄太は急いで車から降りる。
「奏っ!? 」
駆け寄って確認すると、やはり、それは奏だった。
どうやら、ケガをしたらしい。
奏は、首から血を流して倒れていた…………。
◇
「青柳は、一切こちらとは関わるなと居丈高に通告してきたんだぞ! お前たちが奏を騙すから……もしもあのまま奏が死んでいたら、どうするつもりだったんだ!? 」
「し、しかし、向こうにも原因はあるんですよ。100%こちらが悪いワケではありません」
「――――だから、どうするんだ! 」
「そんな……馬淵さんに引き合わすまでが最初のお約束ですし、もうこっちの責任では――」
雨の降りしきる路上から奏を救出し、急いで、知り合いの経営する病院へ運び込んで治療を施した。
出血がひどいように見えたから心配したが、命に別状はないそうだ。
なんと奏は、会食場から持ち出したフォークで喉を突いたらしい。
余程、青柳で酷い事を言われたのだろう。
身一つで飛び出し、決死の覚悟で会いに行っただろうに――――奏の心情を思うと、さすがに同情してしまう。
(まったく……だから、アルファなんて血の冷たい連中など、最初から信じなければよかったのに――)
だが、自分はベータだ。人の心は充分解かる。
これから、身も心も傷付いた奏の傍に付き添ってやって、慰めてやろう。
――――その時の栄太は、純粋にそう思った。
だから、奏の無事を聞き、のこのこと病院へ顔を出した結城の両親の顔を見て、栄太はカッとした。
「――――もしかしたら、大学かアパートかも…………」
「今直ぐ、奏に電話をっ――」
言いかけて、それさえもテーブル上に置きっぱなしだという事に気付く。
持っていたカバンもコートも、クロークに預けたままだ。
奏は、殆ど身一つでここから出て行ったのだ。
「クソッ! 」
栄太は一つ吐き捨てると、部下へ指示を出した。
「今直ぐ奏を探すんだ! オレは青柳が怪しいと思うから、直接そっちへ行ってみるが……お前たちは二班に別れて、大学とアパートへ向かえ! 」
栄太の指示に部下は頷くと、直ぐに行動を起こした。
「――――オレは青柳の家に行く! お前達はどうする!? 」
問い掛けた相手は、奏の両親だ。
普通なら、自分の子供が失踪したのだから、藁にも縋る思いで栄太の言葉に反応するだろう。自分達も、捜索すると。
――――だが。
「わ、私達は…………ここで待機して、馬淵さんからの連絡を待ちますよ」
「そそそ、そうよね! 私達が下手に動き回っても、迷惑でしょうし」
そう、揃いも揃って、表面上は波風の立たないような、模範的な回答をしてきた。
だが、本心は、オメガの息子に関してこれ以上面倒を掛けられたくないという思いが見え見えだ。
(こいつら! 自分の子供が可愛くないのか!! )
つい、赤の他人の筈の栄太の方が、そう思ってしまった。
「――――分かった! 何かあれば連絡する!! 」
栄太はそう吐き捨てる様に言うと、身を翻した。
行き先は、青柳の家だ!
そこに、奏はいる――――そう、栄太は、理屈抜きに直感した。
そして、その勘は外れていなかった。
車のライトの先で、歩道に蹲っている人影を発見した。
濡れるのを構わず、栄太は急いで車から降りる。
「奏っ!? 」
駆け寄って確認すると、やはり、それは奏だった。
どうやら、ケガをしたらしい。
奏は、首から血を流して倒れていた…………。
◇
「青柳は、一切こちらとは関わるなと居丈高に通告してきたんだぞ! お前たちが奏を騙すから……もしもあのまま奏が死んでいたら、どうするつもりだったんだ!? 」
「し、しかし、向こうにも原因はあるんですよ。100%こちらが悪いワケではありません」
「――――だから、どうするんだ! 」
「そんな……馬淵さんに引き合わすまでが最初のお約束ですし、もうこっちの責任では――」
雨の降りしきる路上から奏を救出し、急いで、知り合いの経営する病院へ運び込んで治療を施した。
出血がひどいように見えたから心配したが、命に別状はないそうだ。
なんと奏は、会食場から持ち出したフォークで喉を突いたらしい。
余程、青柳で酷い事を言われたのだろう。
身一つで飛び出し、決死の覚悟で会いに行っただろうに――――奏の心情を思うと、さすがに同情してしまう。
(まったく……だから、アルファなんて血の冷たい連中など、最初から信じなければよかったのに――)
だが、自分はベータだ。人の心は充分解かる。
これから、身も心も傷付いた奏の傍に付き添ってやって、慰めてやろう。
――――その時の栄太は、純粋にそう思った。
だから、奏の無事を聞き、のこのこと病院へ顔を出した結城の両親の顔を見て、栄太はカッとした。
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