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最終章
最終章-7
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黒服はそう言うと、次に慇懃無礼な態度で聖を促す。
「どうぞ御堂様、主人並びにお客様方がお待ちで御座います。我々と共に参りましょう」
「――わかった」
ここで時間稼ぎをする猶予は、もはや絶たれたようだ。
聖は苦虫を嚙み潰したような表情で、渋々、男たちに囲まれながら部屋を後にした。
◇
「――皆様、お楽しみ頂けたでしょうか」
司会役のスタッフの声に、興奮したような同意が返ってきた。
「ああ! やはり実物はいい!」
「全く同意です。写真やデータ表だけでは、やはりイメージが掴みづらいですからね」
「ほほほ、あたくしバイヤーとして参加しておりましたけど、ああいう見目の好いペットを作るのも良いかなと思いましたわ」
客たちの楽し気な声を背景にしながら、生体データの見本としてステージに上がったモデルは、暗い表情で下がって行く。
身体中余すことなく視姦された上、実際に秘めた場所まで弄り回された屈辱に、相当打ちひしがれた様子だ。
こんな場所に出向くのだから、背に腹は代えられないような余程の事情があったのだろう。そこには、聖とは別の理由があったに違いないだろうが。
だが、幾ら何でも、彼等はさすがにここまで披露する事は免除されていた。
「それでは皆様、いよいよ本日のメインイベントで御座います」
その声に、ざわついていたサロンは静まる。
興奮と期待で、客たちの目はギラギラと輝きだした。
「lady's & gentleman! 先程、オーナーよりご紹介ありました御堂聖様の登場に移ります。Special showとして、御堂様ご自身の自慰により、直接の生体データをこの場で採取する予定でございます」
つまり、オナニー・ショーだ。
下品な淫売見世で行われるような催しだが、演者は誰あろうあの御堂聖だ。
『傾国の美女』
「どうぞ御堂様、主人並びにお客様方がお待ちで御座います。我々と共に参りましょう」
「――わかった」
ここで時間稼ぎをする猶予は、もはや絶たれたようだ。
聖は苦虫を嚙み潰したような表情で、渋々、男たちに囲まれながら部屋を後にした。
◇
「――皆様、お楽しみ頂けたでしょうか」
司会役のスタッフの声に、興奮したような同意が返ってきた。
「ああ! やはり実物はいい!」
「全く同意です。写真やデータ表だけでは、やはりイメージが掴みづらいですからね」
「ほほほ、あたくしバイヤーとして参加しておりましたけど、ああいう見目の好いペットを作るのも良いかなと思いましたわ」
客たちの楽し気な声を背景にしながら、生体データの見本としてステージに上がったモデルは、暗い表情で下がって行く。
身体中余すことなく視姦された上、実際に秘めた場所まで弄り回された屈辱に、相当打ちひしがれた様子だ。
こんな場所に出向くのだから、背に腹は代えられないような余程の事情があったのだろう。そこには、聖とは別の理由があったに違いないだろうが。
だが、幾ら何でも、彼等はさすがにここまで披露する事は免除されていた。
「それでは皆様、いよいよ本日のメインイベントで御座います」
その声に、ざわついていたサロンは静まる。
興奮と期待で、客たちの目はギラギラと輝きだした。
「lady's & gentleman! 先程、オーナーよりご紹介ありました御堂聖様の登場に移ります。Special showとして、御堂様ご自身の自慰により、直接の生体データをこの場で採取する予定でございます」
つまり、オナニー・ショーだ。
下品な淫売見世で行われるような催しだが、演者は誰あろうあの御堂聖だ。
『傾国の美女』
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