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最終章
最終章-26
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――――これから先、聖が協力出来ることは、もう無いのだから。
「じゃあな」
未練を断ち切るように、聖は踵を返す。
その背中に向かい、ジンこと新は、今までずっと抱えていた己の罪を告白した。
それは、とても重く衝撃的な一言だった。
「あいつが死んだのには――オレにも、原因があるんだ」
驚いて振り返った聖に、新は本心を吐露した。
「オレのミスだ。オレが、事故を起こして――」
「事故?」
「――いっそのこと、オレもジンの後を追ったほうが楽じゃないかってくらい、ずっと苦しかった」
顔を歪めながら、続ける。
「三年前だ。オレは無免で、後ろにジンを乗せてバイクを走らせていた。でも子供が急に飛び出してきて……避けようとして転倒した。オレの胸の傷は、その時のものだ」
本当は、ずっと誰かに聞いて欲しかった。
平気なフリをして、全部忘れて生きて行こうかとも思ったが……そんな事は無理だった。半身を失ったまま、独りで生き続けることは耐えられない。
――――本当に、愛していたのだから。
「後ろに乗っていたジンは、内臓破裂の重傷で……でも、普通の身体だったら死ぬことはなかったんだ。問題は、肺と腎臓だった」
その時の衝撃と無念を思い出してか、ギュッと拳を握り締め、唇を震わせる。
「あいつは――ジンは、本来人間に二つあるハズの内臓が一つしかなかったんだ。その一つしかない臓器を破損してしまったから……死んだ」
発狂しそうなくらい、後悔した。
どうしてあの時子供が飛び出してきたんだ?
どうしてバイクを横転させてしまったんだ!
大切な恋人が、後ろに乗っていたというのに――――。
それを思うと、苦しくて、悲しくて、辛くて。
「じゃあな」
未練を断ち切るように、聖は踵を返す。
その背中に向かい、ジンこと新は、今までずっと抱えていた己の罪を告白した。
それは、とても重く衝撃的な一言だった。
「あいつが死んだのには――オレにも、原因があるんだ」
驚いて振り返った聖に、新は本心を吐露した。
「オレのミスだ。オレが、事故を起こして――」
「事故?」
「――いっそのこと、オレもジンの後を追ったほうが楽じゃないかってくらい、ずっと苦しかった」
顔を歪めながら、続ける。
「三年前だ。オレは無免で、後ろにジンを乗せてバイクを走らせていた。でも子供が急に飛び出してきて……避けようとして転倒した。オレの胸の傷は、その時のものだ」
本当は、ずっと誰かに聞いて欲しかった。
平気なフリをして、全部忘れて生きて行こうかとも思ったが……そんな事は無理だった。半身を失ったまま、独りで生き続けることは耐えられない。
――――本当に、愛していたのだから。
「後ろに乗っていたジンは、内臓破裂の重傷で……でも、普通の身体だったら死ぬことはなかったんだ。問題は、肺と腎臓だった」
その時の衝撃と無念を思い出してか、ギュッと拳を握り締め、唇を震わせる。
「あいつは――ジンは、本来人間に二つあるハズの内臓が一つしかなかったんだ。その一つしかない臓器を破損してしまったから……死んだ」
発狂しそうなくらい、後悔した。
どうしてあの時子供が飛び出してきたんだ?
どうしてバイクを横転させてしまったんだ!
大切な恋人が、後ろに乗っていたというのに――――。
それを思うと、苦しくて、悲しくて、辛くて。
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