彼が恋した華の名は:3

亜衣藍

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後日談

Eternal-17

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 さらに調べさせたところ、なんとその竹野仁と思しき人物は、交通事故で死亡している事が分かった。

 だが遺体は身元不明・・・・として、市の共同墓地へ合祀されていることも掴んだ。

 そして、仁と戸籍を共有していた男はそのまま『竹野仁』を名乗り、聖に近付いて何かを画策しているらしい事も――――。

「元々、根岸一家がフランス女に戸籍売買を持ちかけなかったら、ビザ切れでとっくにフランスに帰っていたかもしれない話だ。それがこんな事態にまで悪化しているとは、正直言って驚いたぜ」

「……ジンが、安蒜と豊川に復讐する気らしいと分かったのはいつだ?」

 聖の質問に、史郎は自分が知っている事を正直に伝える。

「それは、探偵の野郎が先に気付いた。オレはただ、お前がジンに攫われたって言うから、船を手配して直接島に乗り込んでやろうとしていたんだが――――ヤツが『全て自分に任せろ』ってな」

「そうか……」

 史郎が、手下を使って常に自分を監視している事は察知していた聖だ。

 故に、何者かに連れ去られたとしても、必ず史郎が行動を起こすだろうというのは予め想像していた。

 だからAHIRUのショーへ招待という名目で、安蒜と豊川のプライベートアイランドへ向かう事も、絶対に史郎へ伝わるだろう。

 なので、島へ救出に現れるのは史郎だと見当を付けていたが。

(まぁ、本当に史郎が舎弟を引き連れて上陸していたら、かなり凄惨な事になっていたかもしれないな。今回は探偵が気を利かせてくれて助かったよ)

 ホゥっと息を吐き、聖はゆっくりと身を起こした。

 身体中、至る所に刻まれたキスマークと、肌に飛び散ったままの生乾きの体液に目を落とし、げんなりと溜め息をつく。

「どうした? 食う気になったか?」

「――最初に、シャワーを浴びて来る。誰かさん・・・・の所為で、あちこちベタベタするからな」

 そう嫌味を言いながら、ベッドから降りる聖だ。

 史郎はニヤリと笑いながら、その後に続く。
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