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18.「オレは自分の目が、いまいち信用できないんだ」
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「そう言えば、メシでもどうですか?」
駅方面の牛丼屋の前で、山東はふと立ち止まった。
「コーヒーじゃ、腹はふくれないですよ」
「ああ確かに。それに、学生には」
「安いのが一番ですって」
ははは、と山東は笑った。
確かにいい奴だなあ、と高村は思う。彼はもう少しこの山東という男と話してみたくなった。
同じように生徒会の役員をやっているという垣内に、あまりいい印象を持てなかったこともある。比べてみたい、という程ではないが、どう違うだろう、という疑問は確かにあった。
店内に入ると、案の定、山東は大盛りを注文した。その一方で、しょうがをどうぞ、納豆はとりますか、とずいぶんとマメな性格も伺わせる。
「やー、やっぱり俺はこういう所、好きですよ。学食もいいですが」
「そう言えば、森岡先生に聞いたけど、山東君、体育系の大学に行ってるんだって?」
ぱちん、と箸を割りながら、高村は問いかけた。ええ、と目を大きく広げ、口に物を入れたまま、山東はうなづいた。
「中等の卒業適性では、何処の大学でもOKだったんで、じゃあいっそ、今まで部活で楽しかったことを、今度は真面目に取り組んでみようか、と思いまして」
「ふうん」
そういう考え方もあるのか、と高村は思った。
「じゃあ特に、なりたいものとかは?」
「そうですねえ」
ううん、と彼は箸を口にくわえ、軽く視線を天井に移す。
「まあ体育系を出たなら、スポーツ選手か、スポーツ系企業か、そうでなければ教師ですけど、正直、俺は、人間とどんどん関わっていけるものなら、何だっていいんですよ」
「それはまた、ずいぶんと曖昧だ」
「ううん…… 何って言うか、俺、こういう言い方すると、すごい皮肉に聞こえるかもしれないけれど、結構、何でもできちゃったんですよね」
「何でも」
「まあだいたい、学校で習うものって奴ですよ。あ、そういえば、俺、料理とか被服だって、結構いけましたよ」
「そ、それは……」
意外だ、と気持ちが露骨に表情に出たらしく、山東はまたははは、と笑った。
「だからまあ、選択肢は、俺にはたくさんあったんです。うーん、やっぱり何か自慢している様に聞こえますかね」
「や、そんなことないよ」
実際、他の奴が言うならともかく、この目の前の男の口調では、皮肉は感じられなかった。あまりにもあっけらかんとしているのだ。
「そうですか。なら良かった」
そして本気でほっとしているあたり、やはり何処か好感が持てた。
「まあ俺、やれることは何でも楽しもう、と思ってきたんですよ。中等ではずっとそうやってきて…… 誰も立候補なんかしないから、生徒会に出てみて…… これまた面白かったから、色々校内を良くできないかな、と学校のことを、あれこれ調べてみて」
「あ、それで、あの購買の分室も作ったんだ」
「そうそう、よくご存じですねっ」
うんうん、と嬉しそうに山東はうなづいた。
「あれは苦労したんですよ! 業者はそこまで商品を毎度運ぶのが面倒だ、って言うし、学校側は、確かに五年七組と八組の間の小部屋は空き教室だけど、そこは時々先生達の控え室にすることもあるんだし、って主張するし」
言いそうだよなあ、と高村は思った。
「でも業者は業者なんだから、売りたいのだったら、その位の労力は惜しむべきではないし、たまにしか使わない先生達と、毎日毎日苦労している老番クラスの連中とどっちが大切なんですか、って交渉できるごとに主張して」
「……確かに君の迫力だったら、通じるよなあ」
「や、駄目ですよ」
山東は太い眉と口元をきゅ、と引き締めた。
「一年じゃ、駄目でした。たったそれだけのことにですよ? だから俺は、その翌年も立候補しました。そうしたら、今度は学校側から、今度の立候補は止した方がいいんじゃないか、って横槍が入りましたね」
「学校側が、君を生徒会長にさせたくなかった、ってこと?」
「そうです」
山東は大きくうなづく。
「ま、それでも立候補する、と言った奴を止めることは、学校の規則上ではできないし、出てしまえば俺の勝ちです。だけど今度の戦いはもっと厳しくなるなあ、と覚悟はしてたんですよね。実際俺でも、多少くじけかけましたねえ」
その時のことを思い出したのだろうか。ふと彼の目が遠くなる。
「で、その時に、日名や遠野が居てくれて、俺、すごく、励まされたんですよ」
「日名さんと…… 遠野さん?」
「ええ」
「……ちょっと立ち入ったことだけど…… 君らって、三人で、友達……」
「ええ、まあ」
あっさりと彼は答える。
「本当に、三人で?」
「何か悪いですか?」
悪くはない、と高村は思う。ただ、少し状況が理解しにくいだけで。
「そのちょっと沈んでしまった時期に、俺にハッパかけたのが、日名でした。遠野はもともと彼女の友達で。で、もともと遠野は日名のこと、好きだったんですよね」
「……女の子だけど」
「別に、いいんじゃないですか?」
はあ、と高村はうなづく。やはり大物だ、と彼は思った。
「で、俺は日名を好きになって、日名もまたあれが、好きは好きでいいじゃない、というタイプだったから、皆で仲良くしようよ、ということで、俺達は三人で付き合い出したんですよ」
こう口にするとちょっと照れますね、と山東は赤くなりながら、頭をかいた。なるほど、と高村はうなづくしかなかった。すっかり箸は止まっていた。
「……ああそう言えば、生徒会の役員で、垣内君って知ってる?」
「ああ、垣内ですか。そう、奴も二年続けて生徒会やってるんですね。……あいつは今年はやらないと思ったのになあ。去年は会計でしたが、有能な奴でしたね」
「やっぱり」
高村の脳裏を、見事な会釈がよぎった。
「知ってるんですか?」
「や、よく化学準備室に来るから」
「あー、南雲さんのところに」
納得した、と言うように彼はうなづいた。
「生徒会は南雲さんの配下にありますからねえ。でも俺は、正直、南雲さんはそう好きじゃないんですよ」
え、と思わず高村は問い返した。
「同じ化学だったら、俺は森岡さんの方がいいです」
「またそれは、どうして」
「うーん、高村さんにあんまり先入観を持たせてしまうのも何だけどなあ……」
「いいよ、別に」
正直、ここで聞いておけば、自分があの二人の態度に対する違和感の様なものの正体に近づける様に思えるのだ。
「そうですねえ。何っか、南雲さんは、確かに熱心に関わってくれるんですがね、結局はこっちの行動を規制しようとしている様に見えるんですよ、俺には」
「規制?」
「さっきもそうだったでしょ」
ぽり、と山東はたくあんを噛む。
「森岡さんはそういうとこで、何だかんだ言って、俺達の自主性って奴を大事にしてくれたんですよ。学校側はそれは『ほったらかし』だとか、『無責任』とか言うけど…… 俺にはあのひとは合ってましたよ」
うん、と高村も大きくうなづく。
「オレも正直、森岡先生の方が好感持てるよ」
「でしょう?」
ぐい、と山東は嬉しそうな顔を寄せてきた。
「何っか、あのひとは、あまり表情も変わらないし、何考えてるのか判らないって感じはありますけど、南雲さんより信用できるような気がするんですよね」
確かに、と高村は思った。
少なくとも南雲の、あの正しいには違いないだろうが、何処か首を傾げたくなるようなお題目より、曖昧で、厳しいのか甘いのか良く判らない森岡のつぶやきの方が、信用できるような気がするのだ。
「ああそういえば、あのひと今、一人暮らしなんですよね」
「え?」
「離婚した時、奥さんが子供連れてって、何でも、それっきりだそうです」
「へえ…… じゃあ自分で弁当作っているのか…… 大変だなあ……」
そう言えば、子供が居る、とは何となく聞いたことがある、と高村は思った。……そうだ、屋上の話だ。
「そう言えば、山東君、君は『立入禁止』のロープがあったら屋上には入らない方?」
どういう意味ですか、と山東は首を傾げた。高村は先日の話を軽く説明した。
「ああ。俺は立入禁止があろうが無かろうが、とりあえず一度は乗り越える方ですねえ」
「あろうが無かろうが?」
「参考意見にはする、ということです。自分の目で危険かどうか確かめて、……もちろん、屋上みたいなとこは、すごくすごーく、気を付けてからですけどね。それから判断したいなあ、と思います。やっぱり一番信用できるのは、自分の目ですから」
「自分の目、ね」
高村はコップの水を一気にあおった。
「オレは自分の目が、いまいち信用できないんだ」
高村は、ある一つの記憶を呼び起こしていた。
駅方面の牛丼屋の前で、山東はふと立ち止まった。
「コーヒーじゃ、腹はふくれないですよ」
「ああ確かに。それに、学生には」
「安いのが一番ですって」
ははは、と山東は笑った。
確かにいい奴だなあ、と高村は思う。彼はもう少しこの山東という男と話してみたくなった。
同じように生徒会の役員をやっているという垣内に、あまりいい印象を持てなかったこともある。比べてみたい、という程ではないが、どう違うだろう、という疑問は確かにあった。
店内に入ると、案の定、山東は大盛りを注文した。その一方で、しょうがをどうぞ、納豆はとりますか、とずいぶんとマメな性格も伺わせる。
「やー、やっぱり俺はこういう所、好きですよ。学食もいいですが」
「そう言えば、森岡先生に聞いたけど、山東君、体育系の大学に行ってるんだって?」
ぱちん、と箸を割りながら、高村は問いかけた。ええ、と目を大きく広げ、口に物を入れたまま、山東はうなづいた。
「中等の卒業適性では、何処の大学でもOKだったんで、じゃあいっそ、今まで部活で楽しかったことを、今度は真面目に取り組んでみようか、と思いまして」
「ふうん」
そういう考え方もあるのか、と高村は思った。
「じゃあ特に、なりたいものとかは?」
「そうですねえ」
ううん、と彼は箸を口にくわえ、軽く視線を天井に移す。
「まあ体育系を出たなら、スポーツ選手か、スポーツ系企業か、そうでなければ教師ですけど、正直、俺は、人間とどんどん関わっていけるものなら、何だっていいんですよ」
「それはまた、ずいぶんと曖昧だ」
「ううん…… 何って言うか、俺、こういう言い方すると、すごい皮肉に聞こえるかもしれないけれど、結構、何でもできちゃったんですよね」
「何でも」
「まあだいたい、学校で習うものって奴ですよ。あ、そういえば、俺、料理とか被服だって、結構いけましたよ」
「そ、それは……」
意外だ、と気持ちが露骨に表情に出たらしく、山東はまたははは、と笑った。
「だからまあ、選択肢は、俺にはたくさんあったんです。うーん、やっぱり何か自慢している様に聞こえますかね」
「や、そんなことないよ」
実際、他の奴が言うならともかく、この目の前の男の口調では、皮肉は感じられなかった。あまりにもあっけらかんとしているのだ。
「そうですか。なら良かった」
そして本気でほっとしているあたり、やはり何処か好感が持てた。
「まあ俺、やれることは何でも楽しもう、と思ってきたんですよ。中等ではずっとそうやってきて…… 誰も立候補なんかしないから、生徒会に出てみて…… これまた面白かったから、色々校内を良くできないかな、と学校のことを、あれこれ調べてみて」
「あ、それで、あの購買の分室も作ったんだ」
「そうそう、よくご存じですねっ」
うんうん、と嬉しそうに山東はうなづいた。
「あれは苦労したんですよ! 業者はそこまで商品を毎度運ぶのが面倒だ、って言うし、学校側は、確かに五年七組と八組の間の小部屋は空き教室だけど、そこは時々先生達の控え室にすることもあるんだし、って主張するし」
言いそうだよなあ、と高村は思った。
「でも業者は業者なんだから、売りたいのだったら、その位の労力は惜しむべきではないし、たまにしか使わない先生達と、毎日毎日苦労している老番クラスの連中とどっちが大切なんですか、って交渉できるごとに主張して」
「……確かに君の迫力だったら、通じるよなあ」
「や、駄目ですよ」
山東は太い眉と口元をきゅ、と引き締めた。
「一年じゃ、駄目でした。たったそれだけのことにですよ? だから俺は、その翌年も立候補しました。そうしたら、今度は学校側から、今度の立候補は止した方がいいんじゃないか、って横槍が入りましたね」
「学校側が、君を生徒会長にさせたくなかった、ってこと?」
「そうです」
山東は大きくうなづく。
「ま、それでも立候補する、と言った奴を止めることは、学校の規則上ではできないし、出てしまえば俺の勝ちです。だけど今度の戦いはもっと厳しくなるなあ、と覚悟はしてたんですよね。実際俺でも、多少くじけかけましたねえ」
その時のことを思い出したのだろうか。ふと彼の目が遠くなる。
「で、その時に、日名や遠野が居てくれて、俺、すごく、励まされたんですよ」
「日名さんと…… 遠野さん?」
「ええ」
「……ちょっと立ち入ったことだけど…… 君らって、三人で、友達……」
「ええ、まあ」
あっさりと彼は答える。
「本当に、三人で?」
「何か悪いですか?」
悪くはない、と高村は思う。ただ、少し状況が理解しにくいだけで。
「そのちょっと沈んでしまった時期に、俺にハッパかけたのが、日名でした。遠野はもともと彼女の友達で。で、もともと遠野は日名のこと、好きだったんですよね」
「……女の子だけど」
「別に、いいんじゃないですか?」
はあ、と高村はうなづく。やはり大物だ、と彼は思った。
「で、俺は日名を好きになって、日名もまたあれが、好きは好きでいいじゃない、というタイプだったから、皆で仲良くしようよ、ということで、俺達は三人で付き合い出したんですよ」
こう口にするとちょっと照れますね、と山東は赤くなりながら、頭をかいた。なるほど、と高村はうなづくしかなかった。すっかり箸は止まっていた。
「……ああそう言えば、生徒会の役員で、垣内君って知ってる?」
「ああ、垣内ですか。そう、奴も二年続けて生徒会やってるんですね。……あいつは今年はやらないと思ったのになあ。去年は会計でしたが、有能な奴でしたね」
「やっぱり」
高村の脳裏を、見事な会釈がよぎった。
「知ってるんですか?」
「や、よく化学準備室に来るから」
「あー、南雲さんのところに」
納得した、と言うように彼はうなづいた。
「生徒会は南雲さんの配下にありますからねえ。でも俺は、正直、南雲さんはそう好きじゃないんですよ」
え、と思わず高村は問い返した。
「同じ化学だったら、俺は森岡さんの方がいいです」
「またそれは、どうして」
「うーん、高村さんにあんまり先入観を持たせてしまうのも何だけどなあ……」
「いいよ、別に」
正直、ここで聞いておけば、自分があの二人の態度に対する違和感の様なものの正体に近づける様に思えるのだ。
「そうですねえ。何っか、南雲さんは、確かに熱心に関わってくれるんですがね、結局はこっちの行動を規制しようとしている様に見えるんですよ、俺には」
「規制?」
「さっきもそうだったでしょ」
ぽり、と山東はたくあんを噛む。
「森岡さんはそういうとこで、何だかんだ言って、俺達の自主性って奴を大事にしてくれたんですよ。学校側はそれは『ほったらかし』だとか、『無責任』とか言うけど…… 俺にはあのひとは合ってましたよ」
うん、と高村も大きくうなづく。
「オレも正直、森岡先生の方が好感持てるよ」
「でしょう?」
ぐい、と山東は嬉しそうな顔を寄せてきた。
「何っか、あのひとは、あまり表情も変わらないし、何考えてるのか判らないって感じはありますけど、南雲さんより信用できるような気がするんですよね」
確かに、と高村は思った。
少なくとも南雲の、あの正しいには違いないだろうが、何処か首を傾げたくなるようなお題目より、曖昧で、厳しいのか甘いのか良く判らない森岡のつぶやきの方が、信用できるような気がするのだ。
「ああそういえば、あのひと今、一人暮らしなんですよね」
「え?」
「離婚した時、奥さんが子供連れてって、何でも、それっきりだそうです」
「へえ…… じゃあ自分で弁当作っているのか…… 大変だなあ……」
そう言えば、子供が居る、とは何となく聞いたことがある、と高村は思った。……そうだ、屋上の話だ。
「そう言えば、山東君、君は『立入禁止』のロープがあったら屋上には入らない方?」
どういう意味ですか、と山東は首を傾げた。高村は先日の話を軽く説明した。
「ああ。俺は立入禁止があろうが無かろうが、とりあえず一度は乗り越える方ですねえ」
「あろうが無かろうが?」
「参考意見にはする、ということです。自分の目で危険かどうか確かめて、……もちろん、屋上みたいなとこは、すごくすごーく、気を付けてからですけどね。それから判断したいなあ、と思います。やっぱり一番信用できるのは、自分の目ですから」
「自分の目、ね」
高村はコップの水を一気にあおった。
「オレは自分の目が、いまいち信用できないんだ」
高村は、ある一つの記憶を呼び起こしていた。
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