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第10話 もっと細い、遠い声。
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彼女は作業服のポケットから、やや大きめのはさみを取り出した。彼はそれを受け取ると、ベルトに差し込んだ。
そしてつなぎにつないだロープを手にする。彼はその端を輪にして、ミッシャをかろうじて落とさずにいるロープが留められている突端を見上げた。
ふと見ると、サッシャは両手で口を押さえている。その手が震えている。ああ不安なんだな、と彼はまぶしそうに目を細めた。
大丈夫、と言えたらどんなに楽だろう? 彼はサッシャに背を向けると、ロープの端を空に向かって投げた。三回目に、輪はその鍵状の突端に上手く引っかかった。彼は、壁を登り始めた。
サッシャを一応安心させるために、ロープの端を自分に巻き付けてはいたが、正直言って、それは命綱にはならなかった。長さが、合わないのだ。落ちたら、確実にケガはする。
―――ケガする程度で済むだろうけど。
彼は内心つぶやきながら、ざらざらとした淡い小豆色の壁を登る。
それ自体は、そう難しいことではないのだ。時々ちらちらと下のサッシャと上のミッシャに目をやる。ずっと彼女の動きは止まったままだった。
動いたのは周りの方だった。
何かあったのだろうか、と彼はいきなり建物の中に飛び込んで行った工員達を見て思う。その場にはやがて、サッシャと、副長と呼ばれていた男と、あと数名の女性が残ったきりだった。
ず、と一瞬足がすべる。壁が軽く粉を吹く。サッシャが息を呑む音まで聞こえてきそうだった。
やりにくい、とはさすがに彼は思った。だがどんな環境でも、その場の最善を尽くさなくてはならない。そうしなくては生き残れなかったのだから。
……生き残りたかった?
ふと彼は、何か頭の中に光のようなものがよぎったのを感じた。
俺は、生き残りたかったのか?
少年が、片手だけを空に突き出したような姿で、宙に浮いている。彼は手を伸ばした。なかなか届かない。筋がつりそうなくらいに腕を一杯に伸ばしても、少年には届かない。彼は顔をしかめる。
ふと、友人の言葉が頭の中をよぎった。
君は奇妙だよ。全てを捨ててしまいたいような顔をしてるのに、そんなことは、上手くこなしてる。俺と同じ戦場で一緒にやっていける。普通の奴なら十回くらい軽く死んでるさ。
明るい声。天上から降り注ぐような、金色のトランペットのような。
別に生き残らなくてもいいんだって言ってる割には、君は、君の無意識は、何とかして生き残ろうとしているんだ。
そんなことないよ、とその時彼は答えた。やりすごしてるだけだ。とりあえずだ。その時何か考えている訳ではない。
だけど。
どうしてそんなこと考えるのかなあ、とあのレプリカントのやや舌足らずの声がよみがえる。
そんなややこしいこと、お前俺とやりあった時考えていた?
違うだろ。お前その時何も考えていなかったじゃない。お前は俺と剣を交わした時、ただもう生きようとしていたじゃない。何でそうゆう自分の方が、本当だって思えない訳?
彼はミッシャをつないでいるロープに手を伸ばした。指先がかすめる。少しロープが揺れる。
彼は眉を寄せると、唇を噛んだ。く、と声が漏れる。そして届いたロープを少し軽く押してみた。
反動が、来た。彼はロープを強く握った。
だがその後が問題だった。ロープは捉えた。だがそのロープからどうやって少年を離せばいい? 彼はミッシャにできるだけ傷一つつけたくはなかった。
優しいねえ。
舌足らずの声が聞こえる。
でも、それでいいんじゃない?
ああそうかもな。確かにそうだ。だったら、どうすればいい?
「……ミッシャ」
彼は、少年の名を呼んだ。返事はない。気を失っている。だけどそれでは、どうにもならない。彼はロープを強く引っ張りながら、声を張り上げた。
「ミッシャ!」
少年は弾かれたように目を開けた。揺れる感覚と、「自分の名前」の効果は大きかったらしい。だがすぐに、吊られている腕に走る痛みに少年は顔を歪めた。そして自分の名を呼んだ相手にゆっくりと視線を移し……
少年の瞳は大きく見開かれた。
綺麗な青だ、と彼は思った。晴れた日の、空の青だ。
これを、落としてはいけないのだ。
「ミッシャよく聞いて。俺は君をつないでるロープを切りたいんだ」
少年はうなづいた。
「だからよく聞いて。空いている方の手で、こっちのロープを掴むんだ」
もうその時点では、引っ張ったせいか、少年の身体はずいぶんと彼の方に近づいていた。
ミッシャは再びうなづくと、自分の手に絡んでいるロープの上に、手を伸ばした。しっかりと掴む。ロープと共に辺りに垂れ下がる重い布に足を思い切りぶつけた。
堅い、ざらついた重い布。蹴りつけたら、反動がかかる。少年の身体は前後に揺れた。彼は反射的に、壁につけた足を横に走らせた。
!
手もとのロープがぎし、と音を立てた。ミッシャの手が、彼の手の上にあった。
だがまだそれだけでは安心できない。まだ向こう側のロープは絡まったままだし、少年の体力も心配だった。
「しっかり掴んでいて。絶対に放さないで」
彼は囁き、ミッシャに自分のロープを任せると、吊られた布のロープにと飛び移った。
少年の息を呑む音が聞こえる。まだこの方が近い。彼はベルトに挟んだはさみを取り出した。それはひどく大きく、何度もきちんと研がれたような色をしていた。彼は布の厚く重なっている部分に足を絡めると、ロープごしに少年の手を拘束している一本に近づいた。
……これはまずい。
少年の手は、ひどい色になっていた。締め付けられているだけではない。自身の体重までかけて、結構な時間、宙に揺られていたのだ。放っておくと、使い物にならなくなる。
彼は布を挟んでいる股に力を入れると、両手を放した。そして片手でロープを掴むと、はさみに入れた手に力を込めた。
親指の付け根が痛い。繊維一本一本が非常に強いのだ。一度には無理だ。彼ははさみを、ナイフのように持ち替えて、凄まじい勢いでロープを擦り切り始めた。細かい繊維が一本一本切れていく。汗が背中を伝っているのが判る。額から流れているのがわかる。何も考えている暇はないのだ。
少年はその間、じっと彼のその姿を見つめていた。
それでも次第に、ロープに切れ目は入っていった。汗ばんだ彼の顔に、長い前髪が貼り付く。
やがて、繊維の切れる速さが増していった。
ある時点から、それは連鎖反応のように、ぷちぷちと音を立てるかのように、切れ始めるのだ。確かに強い繊維だが、その一本一本で少年の身体を支えられる訳ではない。
彼は顔を上げ、ミッシャの方を確かめた。そしてはっとして再び少年の名を呼んだ。ミッシャもまた、弾かれたように体勢を立て直す。だが、片手でそれをするのは難しい。そして吊られている訳ではない分、今度は力が要る。吊られていた手にも痛みが戻ってくるだろう。
急がなければ。
彼ははさみを握りしめる。ぷちぷち、と繊維が切れる。繊維の一本一本が立ち上がる。
そして最後の数本となった時だった。突然、腕がそこから滑り落ちた。
数本の繊維では、支え切れない。
ぐらり、とミッシャの身体が揺れた。吊られていた腕が突然重力に従ったので、バランスを崩したのだ。少年は目と口を大きく開けた。彼は手を伸ばした。ミッシャも手を伸ばした。
ロープを握っていた手が、赤く、見える。
手が、離れていく。
だが彼は次の瞬間、迷わなかった。淡い小豆色の壁を思い切り蹴りつけて、彼もまた、宙に舞った。
どうしても。
彼は両手を伸ばす。
俺はあの瞳を、永遠に閉ざさせたくないんだ。
サッシャの叫び声が耳に飛び込む。
だが、その声が、途中で合唱になっているのに彼は気付いた。よく似た、だけど、もっと細い、遠い声。
彼は少年の足を掴んだ。手を掴んだ。そのまま抱きしめる格好になる。体勢は?
下でサッシャがベッドの四倍くらいの大きさのクッションを引きずっている。
どうしたんだろう。誰も彼女の手伝いをしないのだろうか?
奇妙に冷静な考えが頭をよぎる。
そしてその時、声が、何処から来るのか、彼はやっと気がついた。
あの子の声は、精神的なものなのよ。
サッシャの言葉がよぎる。彼は、少年の頭を胸に抱え込んだ。
……君は、生き残りたいんだよ。
懐かしい声。
それでいいじゃないの。
同じ姿が、繰り返し繰り返し、頭の中によぎる。
そして。
そしてつなぎにつないだロープを手にする。彼はその端を輪にして、ミッシャをかろうじて落とさずにいるロープが留められている突端を見上げた。
ふと見ると、サッシャは両手で口を押さえている。その手が震えている。ああ不安なんだな、と彼はまぶしそうに目を細めた。
大丈夫、と言えたらどんなに楽だろう? 彼はサッシャに背を向けると、ロープの端を空に向かって投げた。三回目に、輪はその鍵状の突端に上手く引っかかった。彼は、壁を登り始めた。
サッシャを一応安心させるために、ロープの端を自分に巻き付けてはいたが、正直言って、それは命綱にはならなかった。長さが、合わないのだ。落ちたら、確実にケガはする。
―――ケガする程度で済むだろうけど。
彼は内心つぶやきながら、ざらざらとした淡い小豆色の壁を登る。
それ自体は、そう難しいことではないのだ。時々ちらちらと下のサッシャと上のミッシャに目をやる。ずっと彼女の動きは止まったままだった。
動いたのは周りの方だった。
何かあったのだろうか、と彼はいきなり建物の中に飛び込んで行った工員達を見て思う。その場にはやがて、サッシャと、副長と呼ばれていた男と、あと数名の女性が残ったきりだった。
ず、と一瞬足がすべる。壁が軽く粉を吹く。サッシャが息を呑む音まで聞こえてきそうだった。
やりにくい、とはさすがに彼は思った。だがどんな環境でも、その場の最善を尽くさなくてはならない。そうしなくては生き残れなかったのだから。
……生き残りたかった?
ふと彼は、何か頭の中に光のようなものがよぎったのを感じた。
俺は、生き残りたかったのか?
少年が、片手だけを空に突き出したような姿で、宙に浮いている。彼は手を伸ばした。なかなか届かない。筋がつりそうなくらいに腕を一杯に伸ばしても、少年には届かない。彼は顔をしかめる。
ふと、友人の言葉が頭の中をよぎった。
君は奇妙だよ。全てを捨ててしまいたいような顔をしてるのに、そんなことは、上手くこなしてる。俺と同じ戦場で一緒にやっていける。普通の奴なら十回くらい軽く死んでるさ。
明るい声。天上から降り注ぐような、金色のトランペットのような。
別に生き残らなくてもいいんだって言ってる割には、君は、君の無意識は、何とかして生き残ろうとしているんだ。
そんなことないよ、とその時彼は答えた。やりすごしてるだけだ。とりあえずだ。その時何か考えている訳ではない。
だけど。
どうしてそんなこと考えるのかなあ、とあのレプリカントのやや舌足らずの声がよみがえる。
そんなややこしいこと、お前俺とやりあった時考えていた?
違うだろ。お前その時何も考えていなかったじゃない。お前は俺と剣を交わした時、ただもう生きようとしていたじゃない。何でそうゆう自分の方が、本当だって思えない訳?
彼はミッシャをつないでいるロープに手を伸ばした。指先がかすめる。少しロープが揺れる。
彼は眉を寄せると、唇を噛んだ。く、と声が漏れる。そして届いたロープを少し軽く押してみた。
反動が、来た。彼はロープを強く握った。
だがその後が問題だった。ロープは捉えた。だがそのロープからどうやって少年を離せばいい? 彼はミッシャにできるだけ傷一つつけたくはなかった。
優しいねえ。
舌足らずの声が聞こえる。
でも、それでいいんじゃない?
ああそうかもな。確かにそうだ。だったら、どうすればいい?
「……ミッシャ」
彼は、少年の名を呼んだ。返事はない。気を失っている。だけどそれでは、どうにもならない。彼はロープを強く引っ張りながら、声を張り上げた。
「ミッシャ!」
少年は弾かれたように目を開けた。揺れる感覚と、「自分の名前」の効果は大きかったらしい。だがすぐに、吊られている腕に走る痛みに少年は顔を歪めた。そして自分の名を呼んだ相手にゆっくりと視線を移し……
少年の瞳は大きく見開かれた。
綺麗な青だ、と彼は思った。晴れた日の、空の青だ。
これを、落としてはいけないのだ。
「ミッシャよく聞いて。俺は君をつないでるロープを切りたいんだ」
少年はうなづいた。
「だからよく聞いて。空いている方の手で、こっちのロープを掴むんだ」
もうその時点では、引っ張ったせいか、少年の身体はずいぶんと彼の方に近づいていた。
ミッシャは再びうなづくと、自分の手に絡んでいるロープの上に、手を伸ばした。しっかりと掴む。ロープと共に辺りに垂れ下がる重い布に足を思い切りぶつけた。
堅い、ざらついた重い布。蹴りつけたら、反動がかかる。少年の身体は前後に揺れた。彼は反射的に、壁につけた足を横に走らせた。
!
手もとのロープがぎし、と音を立てた。ミッシャの手が、彼の手の上にあった。
だがまだそれだけでは安心できない。まだ向こう側のロープは絡まったままだし、少年の体力も心配だった。
「しっかり掴んでいて。絶対に放さないで」
彼は囁き、ミッシャに自分のロープを任せると、吊られた布のロープにと飛び移った。
少年の息を呑む音が聞こえる。まだこの方が近い。彼はベルトに挟んだはさみを取り出した。それはひどく大きく、何度もきちんと研がれたような色をしていた。彼は布の厚く重なっている部分に足を絡めると、ロープごしに少年の手を拘束している一本に近づいた。
……これはまずい。
少年の手は、ひどい色になっていた。締め付けられているだけではない。自身の体重までかけて、結構な時間、宙に揺られていたのだ。放っておくと、使い物にならなくなる。
彼は布を挟んでいる股に力を入れると、両手を放した。そして片手でロープを掴むと、はさみに入れた手に力を込めた。
親指の付け根が痛い。繊維一本一本が非常に強いのだ。一度には無理だ。彼ははさみを、ナイフのように持ち替えて、凄まじい勢いでロープを擦り切り始めた。細かい繊維が一本一本切れていく。汗が背中を伝っているのが判る。額から流れているのがわかる。何も考えている暇はないのだ。
少年はその間、じっと彼のその姿を見つめていた。
それでも次第に、ロープに切れ目は入っていった。汗ばんだ彼の顔に、長い前髪が貼り付く。
やがて、繊維の切れる速さが増していった。
ある時点から、それは連鎖反応のように、ぷちぷちと音を立てるかのように、切れ始めるのだ。確かに強い繊維だが、その一本一本で少年の身体を支えられる訳ではない。
彼は顔を上げ、ミッシャの方を確かめた。そしてはっとして再び少年の名を呼んだ。ミッシャもまた、弾かれたように体勢を立て直す。だが、片手でそれをするのは難しい。そして吊られている訳ではない分、今度は力が要る。吊られていた手にも痛みが戻ってくるだろう。
急がなければ。
彼ははさみを握りしめる。ぷちぷち、と繊維が切れる。繊維の一本一本が立ち上がる。
そして最後の数本となった時だった。突然、腕がそこから滑り落ちた。
数本の繊維では、支え切れない。
ぐらり、とミッシャの身体が揺れた。吊られていた腕が突然重力に従ったので、バランスを崩したのだ。少年は目と口を大きく開けた。彼は手を伸ばした。ミッシャも手を伸ばした。
ロープを握っていた手が、赤く、見える。
手が、離れていく。
だが彼は次の瞬間、迷わなかった。淡い小豆色の壁を思い切り蹴りつけて、彼もまた、宙に舞った。
どうしても。
彼は両手を伸ばす。
俺はあの瞳を、永遠に閉ざさせたくないんだ。
サッシャの叫び声が耳に飛び込む。
だが、その声が、途中で合唱になっているのに彼は気付いた。よく似た、だけど、もっと細い、遠い声。
彼は少年の足を掴んだ。手を掴んだ。そのまま抱きしめる格好になる。体勢は?
下でサッシャがベッドの四倍くらいの大きさのクッションを引きずっている。
どうしたんだろう。誰も彼女の手伝いをしないのだろうか?
奇妙に冷静な考えが頭をよぎる。
そしてその時、声が、何処から来るのか、彼はやっと気がついた。
あの子の声は、精神的なものなのよ。
サッシャの言葉がよぎる。彼は、少年の頭を胸に抱え込んだ。
……君は、生き残りたいんだよ。
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そして。
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