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9.「銀朱の花」シリーズ
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これでブレイク、と言われることが多いですな。
前シリーズ「砂漠の花」と同世界線。
シルヴィアナ王国に伝わる「額に聖痕を持つ左右の瞳の色が違う娘」を巡るオムニバス。
この最初のエンジュのシリーズがぼん、とウケたんですな。
ただ当人的には「結局皆お姫様が好きなのよ」だったんじゃないかと。
正直言って、この最初のエンジュの話はアルファで現在も続く「ウケる要素」が満載なんですな。
「軽い話だなー」とワタシも当初思ったんですが、
・不遇な扱いを受けていたヒロインが
・王家とかに拾われて
・だいたい男はヘタレかクズ要素があったりするけど悔い改めたりして
・やがて思いを通じ合って
・子供も得てハッピーエンド
この要素がエンジュの話には詰まってるんですわ。
他の話は何だかんだ言って、それよりはちょっと要素としては薄い。
でもこの最初のエンジュの話があったからこそ、ヘテロクロミアのヒロインの話が色んな国と時間を越えたこの世界の話にすることができたんだな。
で、どれも「どういう話か」とさっぱり言えるのがでかい。
正直言うと、気楽に読むには確かにこれが一番読みやすいし、藤井さんの絵もあいまって可愛い印象も高く、それまでの金蓮花さんの話を全く知らない読者を掴むことができたんだと思う。
で、一度舞台をここ、と決めて、あまり思い入れすぎない登場人物を配置して話を進めることで「より客観的に」なることができたんだと思うのよね。
・エンジュ
銀朱の花
銀朱の花~空の青 森の緑~
銀朱の花~夢が訪れる~
最初の話が「不幸な少女が引き取られる」ただ、結婚の儀式がまあ、司祭とかに見られて、ということで結構ヒロインそこでショックでかく。
そもそもが当初は王との政略結婚だし王は若くてヘタレだったこともあって全然気持ちが通じずエンジュは悩み。
そこに優しくしてくれる女友達というか先輩というか! が!
それでもさすがに慣れない宮廷生活でしんどくなった彼女は離宮に行くんだけど。
そこで飢饉の時に元々父親が死ぬ前に行っていた対処法を行っていたことで他より状態が良かったという。
そんで再会した王とようやく気持ちが通じ合うという。
次の巻で宮廷に戻ってきたエンジュはようやく王と結婚生活を楽しむけど、今度は側妃の座を狙う他国の姫の横やりが。
この巻ではその姫についてきた女騎士が良い味。……なんだけど、悲しい運命に。ついでにその時のことでエンジュは流産。そんで戦争が始まり、王妃として少しでも力に、と奔走。
そんで最後、王の危機を救うことで立場が確立。
次の巻は再度の妊娠なんだけど、ここで不遇な生活をさせていた親戚の娘がやってくると。
それと大好きな友のことも疑ってしまったりもやもや…… の中で双子出産、悪い者は排除、皆幸せに暮らしました、と。
正直普通に今でも読まれると思うざんすよ。作者不詳だったとしても。
・アルディ
銀朱の花~秘密の約束~
銀朱の花~暁の約束~
アルディはその瞳のせいで当初は男子として育てられた貴族の娘。
とうとう初潮が来て女ということが判ってしまった後、男同士の友人として遊んでいた王子と約束して、砂漠のカナルサリへ引っ越す一家。
王子の側にやばいことがあった! ということで、髪を切ってまた男装して~という感じの話。
で、この王子は後に地位を捨てて商人として大成しているアルディの実家に修行に出るんだけど、そこから大変という。
とりあえずこれも王子がヘタレ。
・レティシア
銀朱の花~楽園の歌~
銀朱の花~祝福の歌~
エンジュの時代をベースにするなら、それより前。
アルディはもっと後。
レティシアは鏡を見たこともない修道女として育てられたのだけど、政治的に彼女が欲しい側が迎えに来ることに。
だけどここで迎えにきた相手と最終的にはくっついて、市井のひとになって幸せに、という流れ。
全体的にふんわりした性格のヒロインで大人しい話。
・クラウディア
銀朱の花~深い森の城~
銀朱の花~丘の上の城~
クラウディアはこのシリーズの中では一番古いかな。レティシアの辺りで話が出てきた病院活動を始めた王妃になる、んだっけ。
「じゃじゃ馬ならし」的な話。
伝説にある瞳と印を持って生まれたことで傲慢になっていたクラウディアが婚約者である王に塔に閉じ込められて……
最終的にはくっつくんだけど、これは王のやり方に批判が出た、とあとがきにあった様な記憶。
・タージュ
銀朱の花~夢の誓い~
銀朱の花~とこしえの薔薇 ブノス異聞~
この話は記憶に薄すぎ……
ただ、ここでブノスという隣国が出てくるんだよな。
・橘姫
銀朱の花~蛍の庭~
銀朱の花~月の庭~
銀朱の花~月の庭2~
これは舞台が一気に東洋のセラウィン王国。と言ってももろ平安日本……
そこの巫女姫が橘姫。
彼女とシルヴィアナの王弟マコードが出会って国を飛び出すのが「蛍の庭」。
で、「月の庭」は橘→タチアナがブノスの女商人と出会って「自分から彼を解放してあげたい」という話。
シルヴィアナの聖痕の乙女の条件に合うことから自分が居ると彼にとってややこしいことになるから、と。
その一方でその女商人がかつて失った東洋人の養女がもしかして橘の付き人だった雛菊=デイジーではないか、という流れ。
最終的には国境近くで二人とも身分を捨てて~という。
この話は結構好きだった。
というかタージュの辺りから失速気味だったんだよな。
そこで東洋出してきて綺麗だな、と思ったんだけど。
この月の庭2に関しては他シリーズの短編を入れてなおかつあとがきも無しということで…… まあ、色々とっちらかっていたんではないかと。
続けると失速するという癖がだんだん出てきたのがこの辺り。
擬似ヨーロッパ世界なんだけど、砂漠の国や東洋も出しているところが面白い。
ただやっぱり書いてる期間が長すぎたな。
この方だと絶対飽きる。
だからこの途中に他作品も出しているんだけど、やっぱり読まれるのはこのシリーズだったから「次を」という状態だったんだと思う。
前シリーズ「砂漠の花」と同世界線。
シルヴィアナ王国に伝わる「額に聖痕を持つ左右の瞳の色が違う娘」を巡るオムニバス。
この最初のエンジュのシリーズがぼん、とウケたんですな。
ただ当人的には「結局皆お姫様が好きなのよ」だったんじゃないかと。
正直言って、この最初のエンジュの話はアルファで現在も続く「ウケる要素」が満載なんですな。
「軽い話だなー」とワタシも当初思ったんですが、
・不遇な扱いを受けていたヒロインが
・王家とかに拾われて
・だいたい男はヘタレかクズ要素があったりするけど悔い改めたりして
・やがて思いを通じ合って
・子供も得てハッピーエンド
この要素がエンジュの話には詰まってるんですわ。
他の話は何だかんだ言って、それよりはちょっと要素としては薄い。
でもこの最初のエンジュの話があったからこそ、ヘテロクロミアのヒロインの話が色んな国と時間を越えたこの世界の話にすることができたんだな。
で、どれも「どういう話か」とさっぱり言えるのがでかい。
正直言うと、気楽に読むには確かにこれが一番読みやすいし、藤井さんの絵もあいまって可愛い印象も高く、それまでの金蓮花さんの話を全く知らない読者を掴むことができたんだと思う。
で、一度舞台をここ、と決めて、あまり思い入れすぎない登場人物を配置して話を進めることで「より客観的に」なることができたんだと思うのよね。
・エンジュ
銀朱の花
銀朱の花~空の青 森の緑~
銀朱の花~夢が訪れる~
最初の話が「不幸な少女が引き取られる」ただ、結婚の儀式がまあ、司祭とかに見られて、ということで結構ヒロインそこでショックでかく。
そもそもが当初は王との政略結婚だし王は若くてヘタレだったこともあって全然気持ちが通じずエンジュは悩み。
そこに優しくしてくれる女友達というか先輩というか! が!
それでもさすがに慣れない宮廷生活でしんどくなった彼女は離宮に行くんだけど。
そこで飢饉の時に元々父親が死ぬ前に行っていた対処法を行っていたことで他より状態が良かったという。
そんで再会した王とようやく気持ちが通じ合うという。
次の巻で宮廷に戻ってきたエンジュはようやく王と結婚生活を楽しむけど、今度は側妃の座を狙う他国の姫の横やりが。
この巻ではその姫についてきた女騎士が良い味。……なんだけど、悲しい運命に。ついでにその時のことでエンジュは流産。そんで戦争が始まり、王妃として少しでも力に、と奔走。
そんで最後、王の危機を救うことで立場が確立。
次の巻は再度の妊娠なんだけど、ここで不遇な生活をさせていた親戚の娘がやってくると。
それと大好きな友のことも疑ってしまったりもやもや…… の中で双子出産、悪い者は排除、皆幸せに暮らしました、と。
正直普通に今でも読まれると思うざんすよ。作者不詳だったとしても。
・アルディ
銀朱の花~秘密の約束~
銀朱の花~暁の約束~
アルディはその瞳のせいで当初は男子として育てられた貴族の娘。
とうとう初潮が来て女ということが判ってしまった後、男同士の友人として遊んでいた王子と約束して、砂漠のカナルサリへ引っ越す一家。
王子の側にやばいことがあった! ということで、髪を切ってまた男装して~という感じの話。
で、この王子は後に地位を捨てて商人として大成しているアルディの実家に修行に出るんだけど、そこから大変という。
とりあえずこれも王子がヘタレ。
・レティシア
銀朱の花~楽園の歌~
銀朱の花~祝福の歌~
エンジュの時代をベースにするなら、それより前。
アルディはもっと後。
レティシアは鏡を見たこともない修道女として育てられたのだけど、政治的に彼女が欲しい側が迎えに来ることに。
だけどここで迎えにきた相手と最終的にはくっついて、市井のひとになって幸せに、という流れ。
全体的にふんわりした性格のヒロインで大人しい話。
・クラウディア
銀朱の花~深い森の城~
銀朱の花~丘の上の城~
クラウディアはこのシリーズの中では一番古いかな。レティシアの辺りで話が出てきた病院活動を始めた王妃になる、んだっけ。
「じゃじゃ馬ならし」的な話。
伝説にある瞳と印を持って生まれたことで傲慢になっていたクラウディアが婚約者である王に塔に閉じ込められて……
最終的にはくっつくんだけど、これは王のやり方に批判が出た、とあとがきにあった様な記憶。
・タージュ
銀朱の花~夢の誓い~
銀朱の花~とこしえの薔薇 ブノス異聞~
この話は記憶に薄すぎ……
ただ、ここでブノスという隣国が出てくるんだよな。
・橘姫
銀朱の花~蛍の庭~
銀朱の花~月の庭~
銀朱の花~月の庭2~
これは舞台が一気に東洋のセラウィン王国。と言ってももろ平安日本……
そこの巫女姫が橘姫。
彼女とシルヴィアナの王弟マコードが出会って国を飛び出すのが「蛍の庭」。
で、「月の庭」は橘→タチアナがブノスの女商人と出会って「自分から彼を解放してあげたい」という話。
シルヴィアナの聖痕の乙女の条件に合うことから自分が居ると彼にとってややこしいことになるから、と。
その一方でその女商人がかつて失った東洋人の養女がもしかして橘の付き人だった雛菊=デイジーではないか、という流れ。
最終的には国境近くで二人とも身分を捨てて~という。
この話は結構好きだった。
というかタージュの辺りから失速気味だったんだよな。
そこで東洋出してきて綺麗だな、と思ったんだけど。
この月の庭2に関しては他シリーズの短編を入れてなおかつあとがきも無しということで…… まあ、色々とっちらかっていたんではないかと。
続けると失速するという癖がだんだん出てきたのがこの辺り。
擬似ヨーロッパ世界なんだけど、砂漠の国や東洋も出しているところが面白い。
ただやっぱり書いてる期間が長すぎたな。
この方だと絶対飽きる。
だからこの途中に他作品も出しているんだけど、やっぱり読まれるのはこのシリーズだったから「次を」という状態だったんだと思う。
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