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32.地下放送の発信基地
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「……混線してるんだよねえ、情報が」
声を低め、眉を寄せ、長い髪を鬱陶しそうに連絡員はかき上げた。色素の薄い瞳を細めて、彼はぴん、と手元のスイッチを指で上げ下げしてみる。電源が入っていないから、それは何の反応も示さない。
「そうなのかい?」
落ち着いた、やや高めの声が、それは心外、とばかりに問い返す。
「そうだよ。だいたい一人の人間が、一度に同じ時期に何ヶ所で発見されるってのは、あんまりあることじゃないでしょ?」
「君の連絡網が、最近情報収集を怠っているということではないのかい? 『情報員』」
「あんたのお仕事よりは俺のお仕事の方が、コンスタントというものよ。俺はちゃーんと、毎日毎日、あちこちに散らばった部下の連絡をこれでもかとばかりに聞いてるからね」
「それは失礼した」
ふん、とキムは鼻を鳴らす。
この日、反帝国組織MMの「連絡員」のキムと、「伯爵」は、帝都本星の地下放送の発信基地に居た。
発信基地とは言え、決してその設備は大きい訳ではない。
放送設備も殆ど無いに等しい。言われなければ、地下放送とは何の縁も無い、ただの若者向けのダンス・ホールやミュージック・ホールの音響設備程度にしか思われないだろう。
地下放送の様に、ただ音声だけを発信するには、大がかりな設備は要らない。必要なのは、中継局の量だった。帝都政府の管理下にある惑星、管理下に無い惑星、コロニー、宇宙ステーション、そんな場所ごとに、どれだけ小さくとも中継局を持っていさえすれば、何処からでもMMの地下公式放送の電波を飛ばすことはできるのだ。
実際この場所は、普段はそんな若者向けの小さなダンス・ホールとして使われている。帝都本星は、昔その名をウェネイクと言った頃から、学生の数がどの惑星よりも多い。
実際に地下にある、この開店前の店の湿った静けさは、彼らの会話を無駄に響かせない。自分達がこそこそと集まる場所としてはそう悪いものではないな、とキムは思う。
もっとも反帝国組織「MM」の幹部達が公式に集まる場所、というのは存在しない。それぞれがそれぞれでその必要により、顔を合わせるのが普通だった。
「こないだ起きた、惑星フーリエでの爆破事件。平たくいやぁ、あんたのお屋敷がやられた奴だけどさぁ」
得意のはすっぱな口調に、ふふ、と伯爵は口元に笑みを浮かべる。
「君にしては、奥歯に物が挟まった様な言い方だな」
「どうせあんたが爆破させたんだろ? ああもったいない。あんたのお屋敷ってさぁ、いつもいつも調度に金かけてるじゃない。貧乏性の俺としてはさあ」
吐き出す様に口にする連絡員に向かい、伯爵は笑う。
「で、その時、我らが同僚、サンド・リヨンことG君が居たとか居ないとかいう噂があるんだけど」
「居たことは居たのだがな」
「あんたこそ、歯切れが悪いよ」
ぴん、とスイッチを強く弾く。勢い余って、黒い小さなそれは宙に跳ねた。
「試したのかよ」
「さあて」
「Mのお言いつけって奴?」
「さて」
「あんたのその言い方、結構腹立つぜ」
ふふ、と伯爵は意にも介さない顔で笑う。
「だいたいあんたいつもびしっと、何処のお貴族様かい、って感じでまとめてるのにさ。何だよそれ」
「私は何処かの御貴族様なんだが。あいにく。しかし今日のこれは似合わないかね?」
キムは露骨に眉をひそめた。
「似合わねえよ。何そのアフロ」
「なかなか面白いと思ったのだがな。まあ火事で少し髪が焦げたので、そのついでと思ったのだが」
「Mは何にも言わなかったのかよ」
探りを入れてみる。さて、と伯爵はさらりとかわす。
「じゃあそれはMの命令じゃあなかったんだ」
「あの方がどうしてそんなことを私にさせよう? 彼はあの方のお気に入りだろう?」
「けど」
キムは次の言葉を探す。
「それに、その理由は、君が一番良く知っているのではないかね?」
心臓が飛び上がる。
人工のものなのに、どうして過敏なのだ。
いや違う。いつもだったら、こんなことは無い。キムは凍らせた表情の下でつぶやく。
「裏切り者には、死を」
「当然だろう?」
「おや、君が本当にそう思っていたとは知らなかったがね」
くっ、と今度は声を立てて伯爵は笑った。不愉快だ、とキムは思う。何がどう、という訳ではないが、彼はこの男が苦手だった。苦手になりつつあった。
それまでは同僚とは言え、この男に対して関心というもの自体、殆ど無かったのだ。Mとの最も古い知り合いということは知っている。だがそれだけだ。伯爵が何をどうしようが、キムには何の興味もなかった。
周囲にそう関心は無かったはずなのだ。
はず。
キムはそこで立ち止まってしまう自分に気付いていた。
弁解はするのだ。そうあいつは俺にとってやっぱり一番古い知り合いだし因縁だよなこれって。だから。
だから?
だから、どうしたいのだろう。
そこで思考が停止するのだ。
裏切り者には死を。MMが帝国最大の反帝国組織である以上、それは鉄則だった。特に彼らは幹部構成員だった。この末端が何処まで広がっているのか把握ができない程の組織の中で、たった四人だけ存在している幹部構成員なのだ。互い以外の構成員の誰に対しても命令ができる立場にあるのだ。
そんな人物が裏切りでもしたら。
答えは明白だ。
明白なはずなのに。
キムは迷っていた。彼にはこの感情の意味が良く判らないのだ。
しばらくの間、薄暗い空間に沈黙だけが漂う。
その重い空気を破ったのは、小さな音だった。何処かの惑星の、肥えた土の中で夜泣き続ける虫の声の様な。
「何だ?」
キムは黙って、小さなフォーンを耳にする。眉間が狭まる。
「……第三の情報だ。惑星ミント方面に、我々がマークしている人物達が集結しつつあるらしい」
「ほぉ」
軽くかわすと伯爵はあっさりと席を立つ。
「それで一体、何の用だったんだよ? 俺を呼びだしたのは、あんたじゃなかったのか? 伯爵」
「いや、呼び出したのは、Mだ」
何、とキムは思わず問い返す。
「君をここに連れて来る様に、と言ったのはあの方だ。そして君がどうするかも、それは君の自由だと」
言い放つと、伯爵は吸音板の扉から出て行く。キムは立ち上がると、それまで伯爵が座っていた丸い木の椅子を思い切り蹴り上げ――― そして、踏み砕いた。
お見通しな訳ですよね。
胸の中が、奇妙に空っぽな気がする。
空っぽなのに、どうしてこうも、痛むのだろう?
あのひとだったら、教えてくれるだろうか。遠い昔に、自分に感情の在処を教えてくれた、人間の心を抱えたレプリカントの首領。
あれからずいぶん長い時間が経っているというのに。
ぱちん、と脇のスイッチを入れると、機材の電源が一斉に入る。
彼は軽く目を閉じると、頭の中にずらりと暗号コードを並べ始めた。
それがあなたの望みならば。
声を低め、眉を寄せ、長い髪を鬱陶しそうに連絡員はかき上げた。色素の薄い瞳を細めて、彼はぴん、と手元のスイッチを指で上げ下げしてみる。電源が入っていないから、それは何の反応も示さない。
「そうなのかい?」
落ち着いた、やや高めの声が、それは心外、とばかりに問い返す。
「そうだよ。だいたい一人の人間が、一度に同じ時期に何ヶ所で発見されるってのは、あんまりあることじゃないでしょ?」
「君の連絡網が、最近情報収集を怠っているということではないのかい? 『情報員』」
「あんたのお仕事よりは俺のお仕事の方が、コンスタントというものよ。俺はちゃーんと、毎日毎日、あちこちに散らばった部下の連絡をこれでもかとばかりに聞いてるからね」
「それは失礼した」
ふん、とキムは鼻を鳴らす。
この日、反帝国組織MMの「連絡員」のキムと、「伯爵」は、帝都本星の地下放送の発信基地に居た。
発信基地とは言え、決してその設備は大きい訳ではない。
放送設備も殆ど無いに等しい。言われなければ、地下放送とは何の縁も無い、ただの若者向けのダンス・ホールやミュージック・ホールの音響設備程度にしか思われないだろう。
地下放送の様に、ただ音声だけを発信するには、大がかりな設備は要らない。必要なのは、中継局の量だった。帝都政府の管理下にある惑星、管理下に無い惑星、コロニー、宇宙ステーション、そんな場所ごとに、どれだけ小さくとも中継局を持っていさえすれば、何処からでもMMの地下公式放送の電波を飛ばすことはできるのだ。
実際この場所は、普段はそんな若者向けの小さなダンス・ホールとして使われている。帝都本星は、昔その名をウェネイクと言った頃から、学生の数がどの惑星よりも多い。
実際に地下にある、この開店前の店の湿った静けさは、彼らの会話を無駄に響かせない。自分達がこそこそと集まる場所としてはそう悪いものではないな、とキムは思う。
もっとも反帝国組織「MM」の幹部達が公式に集まる場所、というのは存在しない。それぞれがそれぞれでその必要により、顔を合わせるのが普通だった。
「こないだ起きた、惑星フーリエでの爆破事件。平たくいやぁ、あんたのお屋敷がやられた奴だけどさぁ」
得意のはすっぱな口調に、ふふ、と伯爵は口元に笑みを浮かべる。
「君にしては、奥歯に物が挟まった様な言い方だな」
「どうせあんたが爆破させたんだろ? ああもったいない。あんたのお屋敷ってさぁ、いつもいつも調度に金かけてるじゃない。貧乏性の俺としてはさあ」
吐き出す様に口にする連絡員に向かい、伯爵は笑う。
「で、その時、我らが同僚、サンド・リヨンことG君が居たとか居ないとかいう噂があるんだけど」
「居たことは居たのだがな」
「あんたこそ、歯切れが悪いよ」
ぴん、とスイッチを強く弾く。勢い余って、黒い小さなそれは宙に跳ねた。
「試したのかよ」
「さあて」
「Mのお言いつけって奴?」
「さて」
「あんたのその言い方、結構腹立つぜ」
ふふ、と伯爵は意にも介さない顔で笑う。
「だいたいあんたいつもびしっと、何処のお貴族様かい、って感じでまとめてるのにさ。何だよそれ」
「私は何処かの御貴族様なんだが。あいにく。しかし今日のこれは似合わないかね?」
キムは露骨に眉をひそめた。
「似合わねえよ。何そのアフロ」
「なかなか面白いと思ったのだがな。まあ火事で少し髪が焦げたので、そのついでと思ったのだが」
「Mは何にも言わなかったのかよ」
探りを入れてみる。さて、と伯爵はさらりとかわす。
「じゃあそれはMの命令じゃあなかったんだ」
「あの方がどうしてそんなことを私にさせよう? 彼はあの方のお気に入りだろう?」
「けど」
キムは次の言葉を探す。
「それに、その理由は、君が一番良く知っているのではないかね?」
心臓が飛び上がる。
人工のものなのに、どうして過敏なのだ。
いや違う。いつもだったら、こんなことは無い。キムは凍らせた表情の下でつぶやく。
「裏切り者には、死を」
「当然だろう?」
「おや、君が本当にそう思っていたとは知らなかったがね」
くっ、と今度は声を立てて伯爵は笑った。不愉快だ、とキムは思う。何がどう、という訳ではないが、彼はこの男が苦手だった。苦手になりつつあった。
それまでは同僚とは言え、この男に対して関心というもの自体、殆ど無かったのだ。Mとの最も古い知り合いということは知っている。だがそれだけだ。伯爵が何をどうしようが、キムには何の興味もなかった。
周囲にそう関心は無かったはずなのだ。
はず。
キムはそこで立ち止まってしまう自分に気付いていた。
弁解はするのだ。そうあいつは俺にとってやっぱり一番古い知り合いだし因縁だよなこれって。だから。
だから?
だから、どうしたいのだろう。
そこで思考が停止するのだ。
裏切り者には死を。MMが帝国最大の反帝国組織である以上、それは鉄則だった。特に彼らは幹部構成員だった。この末端が何処まで広がっているのか把握ができない程の組織の中で、たった四人だけ存在している幹部構成員なのだ。互い以外の構成員の誰に対しても命令ができる立場にあるのだ。
そんな人物が裏切りでもしたら。
答えは明白だ。
明白なはずなのに。
キムは迷っていた。彼にはこの感情の意味が良く判らないのだ。
しばらくの間、薄暗い空間に沈黙だけが漂う。
その重い空気を破ったのは、小さな音だった。何処かの惑星の、肥えた土の中で夜泣き続ける虫の声の様な。
「何だ?」
キムは黙って、小さなフォーンを耳にする。眉間が狭まる。
「……第三の情報だ。惑星ミント方面に、我々がマークしている人物達が集結しつつあるらしい」
「ほぉ」
軽くかわすと伯爵はあっさりと席を立つ。
「それで一体、何の用だったんだよ? 俺を呼びだしたのは、あんたじゃなかったのか? 伯爵」
「いや、呼び出したのは、Mだ」
何、とキムは思わず問い返す。
「君をここに連れて来る様に、と言ったのはあの方だ。そして君がどうするかも、それは君の自由だと」
言い放つと、伯爵は吸音板の扉から出て行く。キムは立ち上がると、それまで伯爵が座っていた丸い木の椅子を思い切り蹴り上げ――― そして、踏み砕いた。
お見通しな訳ですよね。
胸の中が、奇妙に空っぽな気がする。
空っぽなのに、どうしてこうも、痛むのだろう?
あのひとだったら、教えてくれるだろうか。遠い昔に、自分に感情の在処を教えてくれた、人間の心を抱えたレプリカントの首領。
あれからずいぶん長い時間が経っているというのに。
ぱちん、と脇のスイッチを入れると、機材の電源が一斉に入る。
彼は軽く目を閉じると、頭の中にずらりと暗号コードを並べ始めた。
それがあなたの望みならば。
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