55 / 84
55.吉屋信子の戦前長編小説について(11)昭和5年から支那事変までの作品(9)~お嬢さん
しおりを挟む
さて今回のは掲載が「婦人公論」どす。
んで、わかりやすく「女の職業/立場でできること」問題なんですな。
https://plaza.rakuten.co.jp/edogawab/diary/201806110000/
主人公・規矩子さんはまあ、実にお嬢さんでございます。
んでもって、女も職業を持たなければ! と地方の女学校の教師になるんですが。
何というか、ことごとく確かに「お嬢さん」の行動なので、わかりやすいどす。
実際彼女がもらっていた「給料」なんて、普段が洋服を仕立てる価格にも至らないわけで。
かと言ってそれで慎ましく暮らす、という考えもなく。
でまあ、最終的に見合いの相手であった邦雄と結婚を決めるわけですな。
まあ実際、彼の言うことは正しい。
規矩子のやってることは自己満足に過ぎないわけで。教師をやれる人は他にも居る、だけど規矩子の立場、お嬢さん育ちの令夫人にしかできないこともずいぶんあるわけだ。
それぞれ人には役割があるんだぜ、ということを指摘されて「ギリィッ」って感じなようだけど「負けた」という感じで結婚を決めるという。
よって、色めいたものはなし~ 味も素っ気もねえ!
むしろ、途中で女学校時代本当に親密だった友人が結婚してしまった→子供ができた→残念、という感覚の方が強くてだな。
まあだからこそ「お嬢さん」なんだろうけどね。
余談。
この話と次で出てくる「蝶」という作品が、新潮社から出た「吉屋信子選集」には同時収録されてたんですな。ちなみにこの刊は見つからず。きいいいいいぃぃぃ。
「お嬢さん」は昭和20年12月、戦後ずいぶん早く出たんだけど、結局「蝶」は再刊されず。
なおかつ「朝日版全集」の巻末年表でも間違った年に置かれたり、初出雑誌が書かれてなかったりして、探すことができたのも相当偶然からだったという。
個人的にはこの「お嬢さん」よりずっと完成度高かったのになあ、と埋もれた作品を惜しむのだった。
ちなみにその恨みもあって、院に居たときに学生のゼミに混じって自分のお勧め本を一つレジュメに~という時に、初出「新女苑」のマイクロコピーをまた人数分全編刷ってもらったという。
さてあの頃の学生達どうしているかなあ。
んで、わかりやすく「女の職業/立場でできること」問題なんですな。
https://plaza.rakuten.co.jp/edogawab/diary/201806110000/
主人公・規矩子さんはまあ、実にお嬢さんでございます。
んでもって、女も職業を持たなければ! と地方の女学校の教師になるんですが。
何というか、ことごとく確かに「お嬢さん」の行動なので、わかりやすいどす。
実際彼女がもらっていた「給料」なんて、普段が洋服を仕立てる価格にも至らないわけで。
かと言ってそれで慎ましく暮らす、という考えもなく。
でまあ、最終的に見合いの相手であった邦雄と結婚を決めるわけですな。
まあ実際、彼の言うことは正しい。
規矩子のやってることは自己満足に過ぎないわけで。教師をやれる人は他にも居る、だけど規矩子の立場、お嬢さん育ちの令夫人にしかできないこともずいぶんあるわけだ。
それぞれ人には役割があるんだぜ、ということを指摘されて「ギリィッ」って感じなようだけど「負けた」という感じで結婚を決めるという。
よって、色めいたものはなし~ 味も素っ気もねえ!
むしろ、途中で女学校時代本当に親密だった友人が結婚してしまった→子供ができた→残念、という感覚の方が強くてだな。
まあだからこそ「お嬢さん」なんだろうけどね。
余談。
この話と次で出てくる「蝶」という作品が、新潮社から出た「吉屋信子選集」には同時収録されてたんですな。ちなみにこの刊は見つからず。きいいいいいぃぃぃ。
「お嬢さん」は昭和20年12月、戦後ずいぶん早く出たんだけど、結局「蝶」は再刊されず。
なおかつ「朝日版全集」の巻末年表でも間違った年に置かれたり、初出雑誌が書かれてなかったりして、探すことができたのも相当偶然からだったという。
個人的にはこの「お嬢さん」よりずっと完成度高かったのになあ、と埋もれた作品を惜しむのだった。
ちなみにその恨みもあって、院に居たときに学生のゼミに混じって自分のお勧め本を一つレジュメに~という時に、初出「新女苑」のマイクロコピーをまた人数分全編刷ってもらったという。
さてあの頃の学生達どうしているかなあ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる