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序章 婚約破棄を直前で物理でぶっ壊す令嬢
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「皆の者聞くがいい! 私はここで辺境伯令嬢アンネリア・フレイルとの婚約を……」
その時。
イスパーシャ王国王太子フットサムが腰を抱きよせていた女性は、懐から素早く短銃を取り出した。
そして彼の大きく開いた口に突っ込み、そのまま――
……倒れる身体、飛び散る脳漿、そして髪から顔から腕まで血まみれの令嬢。
一瞬のことで、さすがにその場に居た者は何が起きたのかすぐには判らなかった。
そこへ、ぱんぱんぱん、と響き渡る拍手の音が。
「お見事。帝国は貴女の行動で、この不心得者の行動は無かったことにする」
静寂を破ったのは、当の今にも婚約破棄を告げられる寸前だった辺境伯令嬢アンネリア・フレイル。
そしてその場にひざまづき、小銃を彼女の前に差し出す血まみれの令嬢。
「ハリエット・ランジア子爵令嬢、其方の身柄は私が引き受ける」
「ありがたき幸せ。そして今までの数々のご無礼、お詫び申し上げます」
ハリエット嬢はそう口にし、軽く頭を下げる。
だがその視線はすぐにまた、属国に対する皇帝の代理人たる辺境伯令嬢のもとに注がれる。
「しかしアンネリア様、私はここで断罪されても構わないのです。実際一人の命をこれだけの目撃者の前で奪ったのですから。ただここで、少々の時間をいただきたいのです」
「ほう、それは何故に」
「この一人の女の話を貴女に、そしてこの場に居る人々全てに聞いていただきたく」
つ、と上げた顔は、元より白く整った顔故に、降りかかった血の赤が映えてまがまがしくも美しい。。
一体この場で何を言おうとしているのか。
この日は、今は横たわる王太子の誕生パーティが開かれていた。
そのために殆どの貴族がこのイスパーシャ王国全土から集っている。
「構わない。場を設けよう。すぐに用意を!」
アンネリアは自分の護衛騎士達に対し、腕を挙げ、一斉に号令をかけた。
浅黒い色の肌、盛り上がる筋肉の彼等は、瞬く間に、その場に語りの場を設ける。
その場に居る貴族達の退場は許さない。
無論その間に、もう少しでこの王国の運命を誤らせた男の遺体も裏手に退場させて。
王太子の両親は、玉座にて青ざめ、動くこともできなかった。
「イスパーシャ国王殿下、妃殿下、貴方方も彼女の陳述を聞くが良かろう。彼女はこの国が何とか生き残る機会を与えてくれたのだから」
それが息子を死なせてしまうことであったとしても。
王と王妃はその場からゆっくりと下りてきた。
そして用意された椅子に並んで腰を下ろし、つと寄り添った。
アンネリアは彼女がつと上げた視線の先を追う。
黒い姿の騎士が一人。
さてそれはどうするか。
ともあれ。
「それでは皆の者、今から、皇帝の代理人アンネリア・フレイルの名において、ハリエット・ランジア子爵令嬢の話を聞こうではないか!」
その時。
イスパーシャ王国王太子フットサムが腰を抱きよせていた女性は、懐から素早く短銃を取り出した。
そして彼の大きく開いた口に突っ込み、そのまま――
……倒れる身体、飛び散る脳漿、そして髪から顔から腕まで血まみれの令嬢。
一瞬のことで、さすがにその場に居た者は何が起きたのかすぐには判らなかった。
そこへ、ぱんぱんぱん、と響き渡る拍手の音が。
「お見事。帝国は貴女の行動で、この不心得者の行動は無かったことにする」
静寂を破ったのは、当の今にも婚約破棄を告げられる寸前だった辺境伯令嬢アンネリア・フレイル。
そしてその場にひざまづき、小銃を彼女の前に差し出す血まみれの令嬢。
「ハリエット・ランジア子爵令嬢、其方の身柄は私が引き受ける」
「ありがたき幸せ。そして今までの数々のご無礼、お詫び申し上げます」
ハリエット嬢はそう口にし、軽く頭を下げる。
だがその視線はすぐにまた、属国に対する皇帝の代理人たる辺境伯令嬢のもとに注がれる。
「しかしアンネリア様、私はここで断罪されても構わないのです。実際一人の命をこれだけの目撃者の前で奪ったのですから。ただここで、少々の時間をいただきたいのです」
「ほう、それは何故に」
「この一人の女の話を貴女に、そしてこの場に居る人々全てに聞いていただきたく」
つ、と上げた顔は、元より白く整った顔故に、降りかかった血の赤が映えてまがまがしくも美しい。。
一体この場で何を言おうとしているのか。
この日は、今は横たわる王太子の誕生パーティが開かれていた。
そのために殆どの貴族がこのイスパーシャ王国全土から集っている。
「構わない。場を設けよう。すぐに用意を!」
アンネリアは自分の護衛騎士達に対し、腕を挙げ、一斉に号令をかけた。
浅黒い色の肌、盛り上がる筋肉の彼等は、瞬く間に、その場に語りの場を設ける。
その場に居る貴族達の退場は許さない。
無論その間に、もう少しでこの王国の運命を誤らせた男の遺体も裏手に退場させて。
王太子の両親は、玉座にて青ざめ、動くこともできなかった。
「イスパーシャ国王殿下、妃殿下、貴方方も彼女の陳述を聞くが良かろう。彼女はこの国が何とか生き残る機会を与えてくれたのだから」
それが息子を死なせてしまうことであったとしても。
王と王妃はその場からゆっくりと下りてきた。
そして用意された椅子に並んで腰を下ろし、つと寄り添った。
アンネリアは彼女がつと上げた視線の先を追う。
黒い姿の騎士が一人。
さてそれはどうするか。
ともあれ。
「それでは皆の者、今から、皇帝の代理人アンネリア・フレイルの名において、ハリエット・ランジア子爵令嬢の話を聞こうではないか!」
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