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13 動きやすい美しい服の意匠と投げられた串
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「なるほど。ではその意匠にはどんな目的が入っているのだ? 美しいということ以外に」
アンネリアは問いかけた。さすがに彼女もその辺りは気になる。
「宜しいか」
「ええ」
ハリエットはその場で腕をぐるんぐるんと回す。
そして曲技団の踊り子の様に、足を顔の前まで高々と上げたり下ろしたりしながらその場でくるくると回り、薄い生地の微妙な色の濃さが違うスカートを花びらの様にふわりふわりとたなびかせた。
「なるほど、身体能力を発揮できる様なドレスか。どの様な作りになっているのだ?」
それにはハリエット自身が答える。
「できるだけ切れ目を入れております。
腕は内側は身体に合ったものを真っ直ぐに。
そしてその上にふわりとした上袖を縫わずに所々留める形に。
スカートは確かに皆様と同じ様に大きく嵩がありますが、下着を含め、どれも軽い生地を重ねております」
「ふむ。それは何のためにだ?」
「一つは、私自身が皆様の様なドレスではどうしても心許ないこと。
もう一つは、皆様御自身もきっとそれは動きにくいだろう、と思ったことです」
「何かあったら、すぐに動ける様に、か」
「はい。
これはどうしようもない習性です。
ですがその一方で、この様なドレスを着ている皆様はさぞお苦しいだろうな、と試し着した時に思ったのです。
私が何者であれ、それが皆様の目に映った時美しく感じたならば、気にする方も居るのではないかと思いましたので」
そう言ってハリエットはちら、とその場の女性達を見る。
確かにその中には、ハリエットのそれと部分的に似たドレスをまとっている令嬢も居るのだ。
「しかしこの薄物を重ねるという発想はあまりこの国には無いな。
それが其方の居たシェラジアの文化か?」
「シェラジアの女は、外に出る時には強い日差しと異性の目から自身を守るために、常に濃い色の被衣をまとっております。
ですが、その下には薄手の布で作った簡単な形の服を色あいを見て重ねることが多いのです。
それもまた、昔教えられました」
「それは、シェラジアに近い国の後宮などに潜り込むためにか」
「その様な場合もあるでしょう。自分は女である以上、その様な任務も果たすことができるから、と。
色合いに関しては遊びを通して教えられました」
「なるほど、それはなかなか面白い」
その時、しゅっ、と鋭く風を起こして、何かがアンネリアの斜め後ろから飛んできた。
ぷす、と音がする。
目の前のハリエットは表情一つ変えず、自身の靴でそれを受け止めていた。
「誰かが其方を狙ったのか」
「その様ですね」
靴の中にはやや短い串が刺さっていた。
アンネリアは飛んできた方向を指し、短く告げた。
「捕らえろ」
アンネリアは問いかけた。さすがに彼女もその辺りは気になる。
「宜しいか」
「ええ」
ハリエットはその場で腕をぐるんぐるんと回す。
そして曲技団の踊り子の様に、足を顔の前まで高々と上げたり下ろしたりしながらその場でくるくると回り、薄い生地の微妙な色の濃さが違うスカートを花びらの様にふわりふわりとたなびかせた。
「なるほど、身体能力を発揮できる様なドレスか。どの様な作りになっているのだ?」
それにはハリエット自身が答える。
「できるだけ切れ目を入れております。
腕は内側は身体に合ったものを真っ直ぐに。
そしてその上にふわりとした上袖を縫わずに所々留める形に。
スカートは確かに皆様と同じ様に大きく嵩がありますが、下着を含め、どれも軽い生地を重ねております」
「ふむ。それは何のためにだ?」
「一つは、私自身が皆様の様なドレスではどうしても心許ないこと。
もう一つは、皆様御自身もきっとそれは動きにくいだろう、と思ったことです」
「何かあったら、すぐに動ける様に、か」
「はい。
これはどうしようもない習性です。
ですがその一方で、この様なドレスを着ている皆様はさぞお苦しいだろうな、と試し着した時に思ったのです。
私が何者であれ、それが皆様の目に映った時美しく感じたならば、気にする方も居るのではないかと思いましたので」
そう言ってハリエットはちら、とその場の女性達を見る。
確かにその中には、ハリエットのそれと部分的に似たドレスをまとっている令嬢も居るのだ。
「しかしこの薄物を重ねるという発想はあまりこの国には無いな。
それが其方の居たシェラジアの文化か?」
「シェラジアの女は、外に出る時には強い日差しと異性の目から自身を守るために、常に濃い色の被衣をまとっております。
ですが、その下には薄手の布で作った簡単な形の服を色あいを見て重ねることが多いのです。
それもまた、昔教えられました」
「それは、シェラジアに近い国の後宮などに潜り込むためにか」
「その様な場合もあるでしょう。自分は女である以上、その様な任務も果たすことができるから、と。
色合いに関しては遊びを通して教えられました」
「なるほど、それはなかなか面白い」
その時、しゅっ、と鋭く風を起こして、何かがアンネリアの斜め後ろから飛んできた。
ぷす、と音がする。
目の前のハリエットは表情一つ変えず、自身の靴でそれを受け止めていた。
「誰かが其方を狙ったのか」
「その様ですね」
靴の中にはやや短い串が刺さっていた。
アンネリアは飛んできた方向を指し、短く告げた。
「捕らえろ」
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