(完結)離婚された侯爵夫人ですが、一体悪かったのは誰なんでしょう?

江戸川ばた散歩

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離婚された侯爵夫人は語る

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 そしてまたしばらく経ち、また本格的に絵を描くということで、エレネージュは双子を連れて本宅に戻ってきました。
 離れに子供のための乳母と教師の両方を置いての生活です。
 さすがに以前程ではないですが、それでも彼女の仲間はやってきます。
 子供達を見ては可愛がっていきます。
 そう、この子供達が、とても可愛いのです。
 私は驚きました。
 自分がそんな感情を持ったことに。
 初めてみた時の、よく判らない肉塊の延長の様な生き物ではなく、既に目鼻立ちもくっきりして、すべすべした肌、くりくりした目、そして何と言っても私に屈託なく近寄ってきては「遊ぼ」と言ってきてくれる。
 私にとっては何もかも初めてのときめきでした。

 それからというもの、私は二日に一度は離れに出向いては子供達の元に行きました。
 もう夢中でした。
 でも、通えば通うほど、私の中で心配になることがありました。
 それはこのアトリエにやってくる人達のことです。
 そしてまた、エレネージュが夫も持たず、一人でこの子達を育てているということです。

「相手の方と結婚するつもりはないのでしょうか」

 そうお義母様に訊ねたことがあります。するとこんな答えが戻ってきました。

「それはちょっと難しいようね。」
「何故でしょう? 相手が家庭のある方なのですか?」

 そう、まず私は不倫を疑ったのです。
 エレネージュの奔放な生活を思えば、相手が未婚既婚どうでもよいのではないか、と。
 いつも来るあの中の誰かだったとして、その中の既婚者なのかも、と。

「そういう訳ではないのよ。今のところ、家庭がある方ではないわ。ただ、相手の方に判ってしまうと、それはそれでちょっと難しいし、子供を取られてしまうかもしれないの」

 お義母様は言いました。
 ですがそんな方、私には想像がつきませんでした。だからエレネージュが優しい両親に適当なことを言っているのではないか、と思いました。
 そして私の離れ通いが続きました。
 やがて、一つのことが頭を占める様になりました。
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