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建国 編【L.A 2064】
みんなでいっしょに おべんきょう(挿絵有)
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「さぁて、魔術の授業を始めよう」
「……なんて?」
怒涛の一夜が明けたばかりだった。アオイの連れてきた奴隷たちが体を拭うための湯は、トーマやドレアスといった魔術が扱えるものが用意しなければならなかったし、服の支給も間に合っていなかった。玄関広間で雑魚寝をしなければ場所もない、ベネットは皆の首枷を外す作業でいっぱいいっぱいである。
皆が皆、疲弊で倒れるように眠り、陽射しが窓から差し込んでいることに気付いて起き上がった直後のことだ。
「スヤ……」
ジェイソンは二度寝した。
「一気に人が増えたことだし、魔術を扱える人員が多くいることに越したことはないからね」
「お前が連れてきたんだよ……」
連れてきたアオイ自身は結局あれ以降、部屋から出てこなかった。あれだけの短時間で多くの商館を回って奴隷たちを救出したのだ。怪我をしていないとも限らない、そうベネットは心配して手が空いた隙にアオイの部屋をノックしたが返事はなかったのだ。
しかし何事もなかったかのように現れた彼は、突然『魔術の授業をしよう』などと言い出すから『そんなことをしている場合ではない』と反論しようとしたものの、魔術に頼っている場面が多い今、多少でも使える者が増えれば確かに助かる。
「私からの提案なんです。人数は増えたけれど……手が足りないんです。なので、衣類や食事、住まいもこの人数に間に合わせられていません。この城にある書物は主に生活に用いることが可能な簡易的な魔術が多いですから……」
ベネットも昨日の疲労で早くに眠ったはずだった。目覚めるのも時間が掛かるだろうと思っていたが、もっと早くに目を覚ましていてアオイと話を進めていたとは。ベネットの提案ともなると、ドレアスたちは否とは言えない。パンと干し肉、そして水を配り、食べ終えたら話があると皆に伝えるしかなかった。
「それではぁ……簡単! やればできる生活の魔術講座をはじめま~す」
全員がポカンと口を開けて固まった。あのサイロンすら口が半開きでトーマに至っては目眩でよろめいている。そして次に皆の目は疑心をあらわにしていた。無理もない、この中で魔術を使える者など片手分いるかどうか。
使えるものが限られているというのに、全員に魔術を教える意図が分からないのだ。
「魔術を学ぶことは有益だが……そもそも魔術というものは使えるものと使えないものがいる。ビロストを開けなければ学んでも意味がない。実際、魔術の知識があるのに転生してみれば以前使っていた魔術が使えないといった報告もあるのだよ」
サイロンもまた、魔術が使えないものの側だ。それは前世も同様で、トーマたちは彼が魔術を使用したところを見たことがない。だからこそ彼はひたすらに体を鍛え上げたのだ。
「うぅ~ん、まずはそこから訂正しなきゃならないみたいだね」
「……なに?」
アオイは『魔術を使えない』という常識を、いま覆そうとしている。
子供の頃に魔術師の真似をしたこともあっただろう、寝る間も惜しんで魔術を学んだものもいただろう。それでも、限られたものにしか至ることのできない境地……それが『魔術』なのだ。始めから使えるものにとっては、なぜ使えないのかが分からないのだろうと、サイロンは眉間の皺を深くしていた。
「そもそもこの世界の成り立ちというか、仕組みの話だ。初心者向けに説明しようね。魔術というものは、エレメンタルという精霊の力を借りて発動しているんだ。そのエレメンタルたちは俺たちと同じ世界にあり、別の場所にある。どこにでも存在し、どこにもない、それがアンドーラだ」
「ぜ、全然分かりません……」
ちょうどアオイの目の前に座っていた難民の男性は小さく呟いた。
「君の目に、空気中に浮かぶ元素は見えないだろう? 窒素とか、酸素とかそういうもの。やかんの中の水が沸騰して湯気が見えるでしょう、でもその前にも水蒸気は発生している、でもそれが君たちの目には見えるかい?」
「見えません……」
「エレメンタルは大体そういうものなんだ、コップに水を注いで時間が経てば水は消える、気化して水蒸気になるからだ。気化した水蒸気がエレメンタルだと仮定しよう。エレメンタルはどこにでもいる、ただ目に見えていないだけなんだ」
話を聞いている難民の数人は空中に手を伸ばして握ったり、目を凝らしたりしている。かといって、魔術師がエレメンタルの姿を捉えられているわけではないのだが。
「ほぅほぅ」
「おい魔術使ってんじゃ……ってジェイソンが!?起きてる!?」
「みてみて、使えたよ」
後ろの方が突然賑やかになる。きゃっきゃと喜ぶジェイロンの手の上で小さな円が淡く光り、その上を水が球体となってふわふわ浮いていた。ドレアスが驚いたのはジェイソンが起きていることと、魔術を使っていることの両方だった。サイロンとは違って、前世でもジェイソンは魔術を使って戦うことがたびたびあった。しかし、本人曰く『魔術を使うとそっちに集中してしまう』と言ってあまり使うことも無ければ魔術の勉強もしないものだから今世においてジェイソンが自ら魔術を使用したのは初めてのことである。
「見てごらん、あの魔術陣がアンドーラと俺たちの視界を繋ぐ橋『ビロスト』だよ。アンドーラにいるエレメンタルはあの魔術陣を通って俺たちに答えてくれる。今ジェイソンくんは水を出しているね、魔術陣の文字は水を呼び出すものだ」
目を凝らせば魔術陣の中心には文字が浮かび上がっていた。だが、それを見ても首を傾げるものは多い。
「我々のように魔術を学んだことのない身分のものたちは……その……文字を読めないものもおります」
「文字の勉強は追々していこうね。エレメンタルの種類は大きく分けて4つになる、そしてその4つの間に位置するかたちでもう4つの形がある。つまりだ、8つの言葉を覚えれば魔術は使える」
「えっ!ほんと!?」
「お前まさか書けねぇとか言わねぇよな……」
この授業において一番はしゃいでいるのは始めたあたりでは寝こけていたジェイソンだった。となりで座って聞いていたドレアスは落ち着きのないジェイソンの面倒を見る羽目になってしまい早くもため息をこぼしている。
「ほんとほんと。『火』『土』『水』『空気』の4つに分けられ、火と土の間に『熱』、土と水の間に『氷』、水と空気の間に『雷』、空気と火の間に『風』……これで8つだよ」
「火と水、空気と土の間にはないのですか?」
最前列の端に座っているのはベネット、その隣には自身を『マー』と称する獣人の少女、マテウスがいた。問いかけたのは、マテウスである。多くの者が先ほどのアオイの説明で既に理解に苦しんでいた中、彼女は瞬時に疑問を投げかけた。
「いいところに気付いたね。それらは組み合わせることが出来ない、相殺の関係にあたる。相性が悪いから消えてしまうんだ。ジェイソンくん、それを発動したままで」
「はーい」
すい、とアオイの細く白い指が空中をなぞる。指先には光が線を描き魔術陣が現れた。瞬く間にその円は炎を生み出し、ジェイソンの水の玉と同じ大きさくらいに丸くなる。ふっと指先から離れた火の玉はゆらゆらとジェイソンに向かっていく。さすがに何をされようとしているか理解したジェイソンだが……気付くのがあまりに遅すぎた。『ぴゃ』と鳴き声のようなものが聞こえた直後、ジェイソンの周辺だけが白いもやに包まれそばに座っていたものたちは顔を引きつらせる。
ジェイソンは怪我こそしていないが、後ろにひっくり返っていた。
「……なんて?」
怒涛の一夜が明けたばかりだった。アオイの連れてきた奴隷たちが体を拭うための湯は、トーマやドレアスといった魔術が扱えるものが用意しなければならなかったし、服の支給も間に合っていなかった。玄関広間で雑魚寝をしなければ場所もない、ベネットは皆の首枷を外す作業でいっぱいいっぱいである。
皆が皆、疲弊で倒れるように眠り、陽射しが窓から差し込んでいることに気付いて起き上がった直後のことだ。
「スヤ……」
ジェイソンは二度寝した。
「一気に人が増えたことだし、魔術を扱える人員が多くいることに越したことはないからね」
「お前が連れてきたんだよ……」
連れてきたアオイ自身は結局あれ以降、部屋から出てこなかった。あれだけの短時間で多くの商館を回って奴隷たちを救出したのだ。怪我をしていないとも限らない、そうベネットは心配して手が空いた隙にアオイの部屋をノックしたが返事はなかったのだ。
しかし何事もなかったかのように現れた彼は、突然『魔術の授業をしよう』などと言い出すから『そんなことをしている場合ではない』と反論しようとしたものの、魔術に頼っている場面が多い今、多少でも使える者が増えれば確かに助かる。
「私からの提案なんです。人数は増えたけれど……手が足りないんです。なので、衣類や食事、住まいもこの人数に間に合わせられていません。この城にある書物は主に生活に用いることが可能な簡易的な魔術が多いですから……」
ベネットも昨日の疲労で早くに眠ったはずだった。目覚めるのも時間が掛かるだろうと思っていたが、もっと早くに目を覚ましていてアオイと話を進めていたとは。ベネットの提案ともなると、ドレアスたちは否とは言えない。パンと干し肉、そして水を配り、食べ終えたら話があると皆に伝えるしかなかった。
「それではぁ……簡単! やればできる生活の魔術講座をはじめま~す」
全員がポカンと口を開けて固まった。あのサイロンすら口が半開きでトーマに至っては目眩でよろめいている。そして次に皆の目は疑心をあらわにしていた。無理もない、この中で魔術を使える者など片手分いるかどうか。
使えるものが限られているというのに、全員に魔術を教える意図が分からないのだ。
「魔術を学ぶことは有益だが……そもそも魔術というものは使えるものと使えないものがいる。ビロストを開けなければ学んでも意味がない。実際、魔術の知識があるのに転生してみれば以前使っていた魔術が使えないといった報告もあるのだよ」
サイロンもまた、魔術が使えないものの側だ。それは前世も同様で、トーマたちは彼が魔術を使用したところを見たことがない。だからこそ彼はひたすらに体を鍛え上げたのだ。
「うぅ~ん、まずはそこから訂正しなきゃならないみたいだね」
「……なに?」
アオイは『魔術を使えない』という常識を、いま覆そうとしている。
子供の頃に魔術師の真似をしたこともあっただろう、寝る間も惜しんで魔術を学んだものもいただろう。それでも、限られたものにしか至ることのできない境地……それが『魔術』なのだ。始めから使えるものにとっては、なぜ使えないのかが分からないのだろうと、サイロンは眉間の皺を深くしていた。
「そもそもこの世界の成り立ちというか、仕組みの話だ。初心者向けに説明しようね。魔術というものは、エレメンタルという精霊の力を借りて発動しているんだ。そのエレメンタルたちは俺たちと同じ世界にあり、別の場所にある。どこにでも存在し、どこにもない、それがアンドーラだ」
「ぜ、全然分かりません……」
ちょうどアオイの目の前に座っていた難民の男性は小さく呟いた。
「君の目に、空気中に浮かぶ元素は見えないだろう? 窒素とか、酸素とかそういうもの。やかんの中の水が沸騰して湯気が見えるでしょう、でもその前にも水蒸気は発生している、でもそれが君たちの目には見えるかい?」
「見えません……」
「エレメンタルは大体そういうものなんだ、コップに水を注いで時間が経てば水は消える、気化して水蒸気になるからだ。気化した水蒸気がエレメンタルだと仮定しよう。エレメンタルはどこにでもいる、ただ目に見えていないだけなんだ」
話を聞いている難民の数人は空中に手を伸ばして握ったり、目を凝らしたりしている。かといって、魔術師がエレメンタルの姿を捉えられているわけではないのだが。
「ほぅほぅ」
「おい魔術使ってんじゃ……ってジェイソンが!?起きてる!?」
「みてみて、使えたよ」
後ろの方が突然賑やかになる。きゃっきゃと喜ぶジェイロンの手の上で小さな円が淡く光り、その上を水が球体となってふわふわ浮いていた。ドレアスが驚いたのはジェイソンが起きていることと、魔術を使っていることの両方だった。サイロンとは違って、前世でもジェイソンは魔術を使って戦うことがたびたびあった。しかし、本人曰く『魔術を使うとそっちに集中してしまう』と言ってあまり使うことも無ければ魔術の勉強もしないものだから今世においてジェイソンが自ら魔術を使用したのは初めてのことである。
「見てごらん、あの魔術陣がアンドーラと俺たちの視界を繋ぐ橋『ビロスト』だよ。アンドーラにいるエレメンタルはあの魔術陣を通って俺たちに答えてくれる。今ジェイソンくんは水を出しているね、魔術陣の文字は水を呼び出すものだ」
目を凝らせば魔術陣の中心には文字が浮かび上がっていた。だが、それを見ても首を傾げるものは多い。
「我々のように魔術を学んだことのない身分のものたちは……その……文字を読めないものもおります」
「文字の勉強は追々していこうね。エレメンタルの種類は大きく分けて4つになる、そしてその4つの間に位置するかたちでもう4つの形がある。つまりだ、8つの言葉を覚えれば魔術は使える」
「えっ!ほんと!?」
「お前まさか書けねぇとか言わねぇよな……」
この授業において一番はしゃいでいるのは始めたあたりでは寝こけていたジェイソンだった。となりで座って聞いていたドレアスは落ち着きのないジェイソンの面倒を見る羽目になってしまい早くもため息をこぼしている。
「ほんとほんと。『火』『土』『水』『空気』の4つに分けられ、火と土の間に『熱』、土と水の間に『氷』、水と空気の間に『雷』、空気と火の間に『風』……これで8つだよ」
「火と水、空気と土の間にはないのですか?」
最前列の端に座っているのはベネット、その隣には自身を『マー』と称する獣人の少女、マテウスがいた。問いかけたのは、マテウスである。多くの者が先ほどのアオイの説明で既に理解に苦しんでいた中、彼女は瞬時に疑問を投げかけた。
「いいところに気付いたね。それらは組み合わせることが出来ない、相殺の関係にあたる。相性が悪いから消えてしまうんだ。ジェイソンくん、それを発動したままで」
「はーい」
すい、とアオイの細く白い指が空中をなぞる。指先には光が線を描き魔術陣が現れた。瞬く間にその円は炎を生み出し、ジェイソンの水の玉と同じ大きさくらいに丸くなる。ふっと指先から離れた火の玉はゆらゆらとジェイソンに向かっていく。さすがに何をされようとしているか理解したジェイソンだが……気付くのがあまりに遅すぎた。『ぴゃ』と鳴き声のようなものが聞こえた直後、ジェイソンの周辺だけが白いもやに包まれそばに座っていたものたちは顔を引きつらせる。
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